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Instructions:
あ
まゆ、まとう
ほらゆらこ
纏う...
原百合子
繭、纏う...イ
原百合子
ねぇ玲奈
第23話
話があるの
で
話ってなに?
あ
えっと...
その.....
ちゃんと言葉に
してくれないと
わかんないんだけど
...
そろそろ
私も
星宮
受けようと
思って...
私も...
小さい時から
祖母の手伝いをしてきた
10人も入れば
狭く感じる」
小さな裁縫教室
それでも
祖母が長年
この教室を
続けられているのは
「星宮の卒業生」という
肩書のおかげなのは、
明白だった
はじめて
星宮の制服
近くで見たの
この間ね
すごく
綺麗でね
びっくり
しちゃった
ねぇどうして
今まで教えて
くれなかったの?
他にも色々
調べたら
本当にすごい
学校なんだね
玲奈が
羨ましい
そんなの
思い違い
じゃない
そ......
そんなことないよ
お姉様とか
妹とか
できるかも
しれないし!
あれは
寮に入れる人だけ
それには
車買えるくらいの
お金必要になるの
多分
王子様とかいるよ
星宮っていっても
普通に
社会の縮図
今洋子の周りに
王子様みたいな子
いる?
制服だって
息...:するって
素材が
変わってるだけの
ただの布
洋子
こういうのはね
好きで
入れるわけじゃ
ないの
それに
そうやって
好きだけで
入っても
それにそうやって好きだけで入っても
理想と現実に
嫌気が
さすだけよ
特に
星宮はね
まずは
その「好き」を
捨てて話して
じゃあ
玲奈は
嫌いで入るの?
嫌いで
...がんばっ
てるの?
そうかもね
うぇ
うえぇ...
なんで
あんたが
泣くの
嫌いになるの
考えたら
辛いから
好きを
忘れそうに
なったら私も
がんばるから
だから
友味分なんない
あんた
嫌い
好きを
諦めないでよ
なんで!!
嫌い
大っ嫌い
馬鹿みたい
そんなことを
そう言い切るなんて
その
馬鹿みたいな
言葉を少し
信じてみたく
なったの
”あんまり
伸びなかったんじゃ
ない?
そそんなこと
ないし
ほんと最低!
なんでそんなこと
言うの
まっ
受かったんだから
大丈夫ってこと
せいぜい
がんばってね
だからどうか
玲奈の
そういうとこ
ほんと嫌
変わらないでいてね
繭、纏う...
前
...
王子に
なりそこねちゃったよ..
髪で作られた制服が伝統の星宮女学園から、ある
恋を失った〝学園の王子〟佐伯蒹
目ひとりの少女が消えた。消えてしまった少女への
強さへと変え、輝く。
「万、彼女への好きを認めた横澤洋子は、その想いを
傷つき、傷つけあったふたりは......。
ま
洋子
荷物全部
置いていった
なんて...
洋子荷物全部置いていったなんて...
あのあと
クラス見にいって
よかったわ...
あのあとクラス見にいってよかったわ...
お金も布用なのに:
安くないのよ
利子でもつけよう
かしら...
あの時
洋子が
走り出した
瞬間
たった一点の
光に向かって
走る洋子から
目が離せなかった
そうそれは
まるで...
洋子
戻ってきたなら
連絡くらい...
第24話
この
あら〜!
洋子ちゃん
じゃない!
久しぶり!
元気にしてた?
玲奈も
連れてくるなら
連れてくるって
言ってよ
おばちゃん
洋子ちゃん来るって
知ってたら沢山
料理作ったのに
えっえっ
洋子ちゃん
泣いてるの?
んなわけ
ないでしょ
学校で
色々あったの
ほっとけばいいわよ
洋子
今日
泊まって
いくわよね?
脱ぎなさいよ
なんで!?
お風呂入るからに
決まっているでしょ?
昔は
よく一緒に
入ってたじゃ
ない
それは
昔の...
別に今
入ったって
減るもんじゃ
ないでしょう
でも
でもなに?
うっさい!
一緒に入るわけじゃ
ないでしょ
緒に入るのよ
は?
...脱がされ
たいの?
なにがあったの?
私お風呂の中で
話したことって
忘れちゃうのよね
華に
抱きしめられた
やるじゃない..
違う...
私じゃないの...
華が星宮さんを
見つけられなくて...
抱きしめだ相手が
星宮さんじゃなくて...
少し嬉しかった...
私は:
それでも
ねえ
玲奈
隣にいたいって
まだ
私は
選ばれ
なかったのにね...
やっぱり
私が私でいちゃ
ダメだったのかな...?
貴方が
どんなに悩んで
たっていい
今回の行動で
佐伯華を
傷つけたって
けどね
学園を
かき乱したって
かまわないと
私は思っているわ
自分が
自分でいることを
諦めるな
貴方が貴方で
いることで
焼かれるように
苦しくて
けれど
嵐の中で
息ができなくなる
ようなことも
あると思うわ
そんな中でも
必死に悩んで
本当の
自分の心を
見失わなければ
きっと
その先に
たどりつける
そう
北極星
一番明るい
星ではない
けれど
羅針盤もなく
未来を探す
旅人たちが
目標にした
どんな嵐の中でも
たったひとつ
かき消されない星
あの時
あそこにいた子たちは
貴方にそれを感じたの
ねえ...
洋子
貴方の
思い描く未来を
私たちに見せて
その先を
見たいわ
廊下辺り
まずは
手の甲から
触れるの
指先で
関節で
そして...
第25話
そうやって
あ
私はお姉様を
識っていく
見つけた
宮田さん
はい
お姉様方が
卒業式から
戻られましたよ
行きましょうか
はい
すぐに
はい
大丈夫ですか?
宮田さん
ただ
気分が悪ければ
お姉様に会うのは
やめておきますか?
いえ!
大丈夫です
お姉様の髪を
覚えていたのが
嬉しくて...
制服になった
お姉様は
どうでしたか?
あの中から
お姉様の制服を
見つけたの
ですね...
私は
この先
ずっと
お姉様の髪を
忘れませんわ
宮田さん?
どうされました?
いえ
今なにか
では
お姉様のところへ
行きましょうか
ひとつ
髪は
私たちの命...
ですよね...:?
.....?
はい
もちろんです
......では
命を
奪われたあとは
どうなるの
でしょう.....?
お姉...
様...
廊下辺り
驚き
悲しみ
哀れみ
そして
薔薇のように
甘い
ひど
冷たい感情
その時
心に咲いた
気持ちは
私はそれを
第26話
また
誰にも悟られないよう
...SFに
隠す
はいなので
星宮さんは
寮からも
出られました
学園の判断で
今の状態では
他の生徒にも
悪影響を及ぼし
かねないと
そう
今後の彼女の
処遇に関しても
学園側の判断
待ちですわ
心に傷を負う子も
出たことなので
妥当な判断が
くだされると
思いますわ
...
;:::絢音は
大丈夫?
私は大丈夫よ
お母様
はい
はい
それでは
寒くなるそうなので
お母様も
お体暖かくして
お休みになって
昨日
あの子は
学園からいなくなった
こんなにも
静かなのね
あと少しで
学園から
卒業だったのに
それでも
逃げ出し
たかったのね
本当に
可哀想な子
本当に...
逃げられるわけ
ないのにね
宮田さん....?
そう
いやな夢を
見たのね
はい...
待っていて
すぐに
温かい飲み物を
用意するわね
待って.....
いなくならないで
ください...
可哀想に
そんなに
怖い夢を
見たのね
本当に
可哀想...
大丈夫よ
もう
永遠にここに
いられるもの...
ねぇ
宮田さん...
私ね
永遠の糸に
選ばれたの...
ここで
永遠に生きられるの...
采年も再来年も
何十年も何百年も
愛おしい方が
いない
永遠って
けれど
とても..
とても孤独だと
思うわ.....
宮田さん
私と
永遠になって
くださらない...?
第2話
あ
さ
洋子...
学校...
いってらっしゃい
ずっと
間違えばかりで
なにひとつ
正解なんて
できなかったから
ずっと
美しくいられ
なかった
けど
美しくいられなかった
からこそ
今更
歩み出したところで
なにをすれば
いいかなんて
わかんない
きっと
私にしか
できないことが
あるはず
だから
慰めてくれて
いるの...
もう
けど
華が
教えてくれた
この気持ちは
嘘なんかじゃ
ないし
嘘に
したくない
だから
大丈夫だよ
あの
お身体は
大丈夫でした?
体調が
優れないのなら
今日も
休んだほうが...
今日は
登校されていて
安心しました
昨日
お休みに
なっていたので
ご無理
なさらないで
くださいませ
皆さん
心配して
いたんです!
なにか
あったの
ですか....?
ちょっと
風邪っぽくてね
大事をとったって
感じかな
あらっ
てっきり...
皆さん
噂をされて
いて......
星宮さんと
なにか...
あったんじゃ
ないかって...
それは大変
でしたわね...
ちょっと
そこまで
言わないって
佐伯さん
今のは
気にしないで
ください
あっ...
なんにも
ないよ
そんな噂
あったんだ
笑える
噂だね
僕彼女と
話したことも
ないんだけどな
あ
今
ひどい嘘
ついたな
ついたはず
なんだけど
......
なにも感じないなんてね...
こんなにも
簡単に
結局僕は
諦め...
よ...!
横澤さん?
横澤さん?
どうしたの...?
熱烈な歓迎
すごく嬉しいけど
少し腕痛いかな
そこまで...
そこまで
手放さないでよ
場所を
変えよう
廊下辺り
薔薇園に
君が
あらわれた日
なにかに
祈るような
ひどく
ちっぽけで
その姿は
制服に
閉じこもった
君は
どこか
僕に
似ていて...
慎宰さん
佐伯さん?
第28話
だよね
手を伸ばした
嫌なところ
見られ
ちゃったな
昨日、王子様に
なりそこなった
ばっかりの僕が
また
みんなの王子様を
演じる姿
すごく滑稽だった
でしょ
好き...
なんでしょ?
星宮さんのこと...
違うよ...
だから
あんなこと
言ったら
ダメ...だよ...
なにそれ
そんなこと
言うために
あそこで
引きとめたの?
昨日...
そうだね
あのあと考えたの
私にできることって
なんだろうって
私ね
会うって言っても
さっき先生に聞いたら、
なにひとつ
教えてくれなかったし、
手がかりなんて
まだないに
等しいんだけど...
そしたら
ちゃんと
聞きたいの
星宮さんの
気持ち...
星宮さんに
会いに行こうと
思うの
そうやって
でも
がんばって捜せば
きっと見つかると
思うから...
僕の気を
引こうとするの
やめてくれない...っ!
...あぁ
なんだ
みんなと
同じか
僕のなにが
欲しいの?
抱きしめ
られたい?
それとも
キスが欲しい?
洋子が
望むのなら
なんだって
あげるよ
なんだって
あげる...
なんだって
してあげる...
だから
空気
読んでよ...
僕のこと
好きなんでしょ?
好きだよ
うん
好き
だから
空気なんて
読まない
あはは
本気に
なんないでよ
嫌だな
冗談に
決まってるよ
ごめん
ごめん
そうだよね
こんなに
近いと
マジっぽさ
あるよね
昨日今日
本当に色々と
ごめんね
僕自身の
ゴタゴタに
巻きこんじゃって
けどさ
今まで通りで
いてほしいな
私は
洋子
ついて行けない
ねぇ洋子
あの日握った
君の手は
あと少し
とても
冷たかったんだ
歩くスピードを
あげたら
その姿は
壊れて
しまいそうなくらい
弱々しくて
弱い僕が
手を離せなかった
僕に縋って
きているようで
あの時
確かに
僕たちは
同じものだったんだ
壊したくないものが
沢山あって
壊せないものも
沢山あるってことを
僕たちは
知っていて
この制服の中に
隠れている
臆病で
ちっぽけな存在だから
君は
このままずっと
弱い僕と
同じでいてくれると
そう安心してたのに
気づいたら
君は僕より
歩踏み出し
洋子
ダメだよ
ダメなんだよ...
行けなかったんだ
この制服からも
学園からも
その先には
行けないんだよ...
出られるわけ
ないんだ
だから
洋子
お願いだから
一歩踏み出した君
踏み出せなかった僕
僕は...:
違う...
僕は
踏み出さなかったんだ
かわいそう...
私が貴方を
王子様に
してあげる
星宮さんが
いなくなって
第29話
欲しかった
すべては
私に与えられた
よく
眠れました?
もしかして
廊下で助けてくれた...?
ええ体調は
いかがですか?
大丈夫
というか本当に
ごめんね
迷惑
かけたよね
すぐ行くね
もう少しここに
いらっしゃったら?
昨日もほとんど
眠れていないの
でしょう?
心配しないで
このことは
誰にも
言わないわ
廊下で
あったことも
私けっこう
好きなのよね
もう
クリスマスね
はじめはバラバラで
本当に完成するのかしら
と思うの
準備する
この期間が
ピースが
隙間なく
埋まっていくわ
クリスマスツリー
リース
オーナメントと
丁寧に
役割を与えて
はめていけば
今お茶
淹れますわね
なにを言いたいか
わからないな
あら
深い意味なんて
ないわ
すべてが型通りに
隙間なく埋まれば
とても美しい
でしょう?
美しいものが
大好きなの
私ね
熱いので
お気をつけて
そんなに
見つめられたら
恥ずかしいわ
季節はずれに
実ったので
ぜひにと思ったの
だけれど
召し上がります?
遠慮しておく
あら
でも少し
意外だな
九条さん
そういうこと
できるんだ
全部
妹たちに
やってもらう
と思ってた
そう?
果物の皮むきを
させられるために
この部屋に呼ばれたと
思いました?
そういう
わけじゃ...
私も
妹でしたもの
いろんなこと
できますわよ
ねぇ
佐伯さん
はじめは
妹って
どうやって作るか
知ってます?
妹でもなんでも
ないんですよ
けれどね
妹という役割を
与えますの
お姉様のために
果物を切らせて
お姉様の髪を
とかさせて
お姉様の時間を
与えて
お姉様の
すべてを
与えて
妹に
していくの
それを僕に
聞かせて
どうするの...?
まだここが
どこだかも
わからないのね
可哀想
ねぇ佐伯さん
私ね本当は
起きた瞬間に佐伯さん
怒るんじゃないかと
思っていたのよ
私好みに
少し家具を変えて
しまったから
ここ
星宮さんの
部屋よ
ねぇ
佐伯さん
あんなに
恋焦がれて
この部屋を
見つめていたのに
あの子のこと
なにひとつ
知らないのね
そんな
悲しい顔
なさらないで
貴方は
悪くないわ...
悪いのは
与えなかった
あの子
あの子は
ほんの少しの
髪以外
なにも
貴方に
与えなかった
そんな中でも
貴方はずっと
王子様を
続けてきたのね
今まで
とても
辛かった
でしょう?
王子様も
女王が与えてこそ
成り立つもの
だもの.....
私ならすべて与えてあげられる
だから
貴方のすべてを
私に
ちょうだい
絡まりあう、それぞれの願い。
好きだからこそ、華のために動きだす弾子
すべてを諦め心を隠し、繭に閉じこもる華
学園をあるべき姿へとと導いていく、九条絢音。
悪夢と漠然とした不安に揺れる、宮田達香
少女たちの想いの糸が
聖なる夜へと紡がれていく...
第5巻へつづく
まゆ、まとう
はらゆりこ
...
纏う
...
まゆ、まとう
南一級こっ
はらっちゃっ
あっそ、そう
BEAMICOMIX
纏う
著者原百合子
2021年4月12日発行
Wer.001
©HARAYuriko2021
本電子書籍は下記にもとづいて制作しました
BEAMCONINK『繭、纏う4』
2021年4月12日初版初刷発行
発行者「青柳昌行」
発行株式会社KADOKAWA
https://www.kadokawaco.jp/
編集・コミックビーム編集部
XJapanesetextorly
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本電子書籍を示すサムネイルなどのイメージ画像は、再ダウンロード時に
予告なく変更される場合があります。
また、ご覧になるリーディ・ングシステムにより、表示の差が認められることがあります。
制服デザイン協力・志賀昌子・
作画協力・金子1,
大河
ふーっ志賀純子さんだっ
中村歌子
初出・月刊コミックビーム
装幀内川たくや()UCHKAWADESGNInc)
2020年
7月号〜11月号
2021年
1月号〜3月号
...
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