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アフタヌーンレン【102

KCI8

講談社

いや、そういうことで

アックスーンドに

誰の人

彼の代にて悟る髪の爪牙たちを

いいんじゃ

部屋

9784063年10月12日63141832

19:10:11月29日第1929979005054

雑誌55720-83

c9979.¥505E〈O〉

アフタヌーンKC-

講談社「本体500円

定価530円

ISBN4-06-314183-7

ハイジレードなCE

誰もいない編集部か...:チッ

ムセストコロだぜ...ハァ、こりゃ何だ?

今流行りのコンビューターって奴が、

フックック...。文明開にの音がするぜ。

やっぱ「マザー」とか「ヨシュア」とかいうのかね。

...ま、どっちでもいいぜ。

四角い事にはかわりがねェからな...

どれ、せっかく来たんだ、

俺様が二発ハイグレードな絵でも

描いていってやるとするか。クックッ!!

このときめきセンサーみてェなデバイスでよう。

CB制作中の沙村広明

楽しんだ

第四一幕の

むし

第四十二幕の

..

...

第四三幕隊、

第四四幕

...

第9四幕ぐ君

...

...ほら

第四五幕が、

第四六幕

〈群れ〉其の姿

〈群れ〉其の犬〉

むらしくね

最時雨・其の

「〈叢時雨・其の二〉

第三章さひそかなるーぇ。ご

第三者をひそかなる「エッテ

209.17月117

...

651

幕ぐ

◇第四十-

群れ。真の五

確か

先刻

手形が

どうの......と

云っていたな

己の

手形は

この中に

ある

尤も

統主の書簡が

紛い物で

あった以上

もはや

無用の長物と

いったところ

だが

成程...

物欲しそうだ

己がこれを

持ったままでは

斗いつらかろう

これで

忌憚の一切は

いらぬと

いうわけだ!

来い

クカカカ

ガカカカ

カカ...

...カカッ

有り難くて

笑っちまうな

ハッハッ

ハア...!!

貴様の生命

試してくれる

っこの

ウスラ

ボケ!

てめェの

生き目を

てめェで

手放すとは

な...

一日に

三人は

久し振りだ

元気が

出るぜェ

それは

何より

チッ..

いち

ニッ

さん

しい

のオ...

ガハッ

ゼェ

ハアッ

ブハハハ

ハハハ!

これで動けるとは...

これで

動ける

とは...

ハアッ

ハア

フゥ

そうこなくては

いかんのだよ

では先ず

貴様の血を

しぼり出し

殴ってみると

しようか!

よいよい

まことに

頼もしい

かぎり

次には

心臓を

つかみ出して

それを喰い

最後に

頭蓋を開き

脳を賞味する

どこまで

やれば

貴様と

同じ肉体に

なるかな

ク...

めでてェ

野郎だな...

呆れるぜ

何とも

はや...

てめーは

ウズラを一羽

喰うごとに

背中から

羽根がはえて

くんのか?

血が

飲みてェなら

上等だ...

かわりに

てめェの

腕をもらう

うわあああってるのかな...なんですけどねえよ

めげぬ

若造だ...

片腕

で...

ニ刀が

防げるか

馬鹿者ッ

ははは

は...

うッ!?

ウオ...

ぷオ...

...

あがッ

うう...

ぉおおお~

う...

あれあ

死なねえっ

てのは...

てめェ...

...不死身に

なりてえって

野郎が

これどころ

じゃあ

ねェんだ

ぜ...!

手の一本で

泣き声

上げてんじゃ

ねーよ

!!

かああ

ハアッ

グァルアア

アアアァ

ア~~~!

あッ

ウ...

ガアア

アッ

せぇェエエエア

...カッ

ゲホッ

はッ!

はァ

ゼイ

早く...

こいつの

心臓を

はっ...

早く...

後ろから

頭蓋を

射抜くっ

てのも

.....お前

あんまり

だなーと

思ってさ

気付かせて

あげたんだ...

感謝してるッ?

尤もコレ

五発で昇天の

毒入り

だけどね

◆第四十二幕や、

群れ・其の六

......

...だと?

何...

貴様...

こいつの肉体を

手に入れる前の

この己に

「毒」だと

!?

来な

コレが五本

刺さるより先に

私の身体を

両断できれば

アンタの勝ちだ

弓を使う

金髪の女

そうか

お前か

!?あらあら

生き残りが

いたんだ?

先日中山で

仲間三人を

射殺したのは

くッ..

ちょいと

毒が

甘かった

のねー

お前...

胸算用の

総てが...

こんな

つまらぬ形で

砕かれるか

そうか

貴様の様な

女は...

ぶち殺す

より他に

やるかた

なし!

クッ...

ぬオッ

往き

やがれ

一人では

往かん!!

ちッ.

お問い合わせの

やっ

...

があ...

そッ...

ぬぐうう

ウウウワ

ウッ...

やりましたよ

百琳姐!

オレオレ

この己がッ

おおおぉお

おおおオオオ

まだ死んで

ないだろッ

あっちを

見てろバカ

だって

アレじゃ

真理路

キャ...

やッ...

どけバカ!

...ちょッ

いつまで

生きてんだ

おま...

お...

ニッ

あは

ウッ...

アッ

アッ

カ...

ゲホッ

ゴホ...

おううッ

!?

ハア

ハ.....

んッ...

はッ...

早く...

ぐううう

うぅうう

うう...

往って

よッ!

!?

グゲ...

ゴ...

ガ.....

...!?

あっ...

ぐはっ!

ガボ...

んぶおオ

オオウッ

ケホッ

ゲホッ

万次さん

ご免...

もう少しでも

早く...

来ていたら

いくら

何でも

ここまで...

うううん...ここですよねえって言ってるのか?

くそッ

どうして

こう...

何!?ちょっ

そッ...それだ

えええぇッ?

ひでェ声

だな...

あああー!!

...

おいおい

コラ...

百琳も

うそォ...

あんた今

剣で

俺...

......話すと

長くなる...

それは後頭した

...それより

手遅れに

ならねェ

.....うちに

オメーに

頼みてェ事が

...ある

そこの.....林と

あと田んぼン

中に...!

己の....手足が

ころがってる筈だ

そいつを...

...いや

違う...

万沢さん

その前に

......手形

百姐!

何だ

これは

えらい

有り様だ...

天下の往来で

おやおや

こっちは

こっちで

行き倒れ

かね?

人を呼んで

欲しいのなら

引き受けて

やらぬでも

ないが...

どうする?

!?

キミは

第四十二幕

キミ...

.....貴女は

確か...

霞江斎

!!

...!!!?

うううん...こんなことはなんだよなんですか?

ーーーま

他人の

ソラ似と

いうのも

あるからな

これで

本当に

生きている

のかね?

しかし

まァこの

男...

はて...

この男は

御仁ツ

通りすがり

見ず知らずの

お方が

我らの体たらく

見かねて

足を止めて

くださる事...

感謝の言葉も

ありません

しかしながら

手前事にて

恐縮ですが

在り体のところ

我ら二人

刹那を惜しんで

この場をまらねば

ならぬ身のよ...

助けを呼ばれて

肘をついて待つも

叶いません

ついては

この男の国の

覚めるまで

共処許に

付き添って頂く

無論

我々は

街に巻き

次第

という形で

いっそ部屋意に

甘えさせては

もらえませぬか

如何!?

バカづくしに

人手を

集めますが

――随分と面倒臭い話になったが

随分と

面倒臭い話に

なったが

どの道

よんどころない

雰囲気だな...

早いとこ

行って

きたまえ

よっこら

しょっと

真理路!

行くよっ

有り難う...

...

ヘいッ!

ああ

云っておくが

東理路!

プレ...

半刻過ぎて

誰も来ない時は

捨ておいて

帰るからな!

さて...

この膨は

間違えようも

ないな

確か?

凜ちゃんの

そうだ

思い出した

名は

名は―

建二

.....違う

銀次?

どっちかなのは

判っているん

だがなァ...

まいいか

後で訊けば...

.....ふう

...ハカ

泣いて

どうするんだ

卍さん

ご飯とか

ちゃんと...

食べてるか

なァ

私を追って

ムチャな車

してなきゃ

いいけど

してるん

だろうなァ

......今と

なっては

会い...

私も卍さんと

同じ

おたずね者

なんだな...

それじゃもう

別れて行動する

理由が...

.....ダメ

なんだ

そんな事

云ってるから

私は...

お湯の

加減は

どうかしら

着替え

ここに

置くわね

ご免なさいね

大きいほうの

お風呂が

用意できて

なくて...

あっ

すみません

お客様

はね

いえ

そんな

こっちこそ

先にいただい

ちゃって...

そういう遠慮は

しないもの

なのよ

はい?

...あのォ

えっと...

昼間の話

ですけど

もう旦那様から

色々聞いた事と

思いますが

本当に

勝手な事を

云ってるのは

自分で

判ってます

お気を悪く

されたのなら

謝ります

けど

もし...

私の身を

索じてくれて

いるのでしたら

どうぞご心配

なさらないでください

...大概の事は

覚悟してきた心算

ですから...

そしてもし

この宿に御迷惑が

力がるような事に

なったら

責任って

帰ってきた後

何としてでも

責任をとらせて

いただきます

だから...

その

どうとって

いただけるの

かしら.....?

それはっ

その...

番役と

宿主の間の

取りかわし

女一人の力で

どうこうできる

わけじゃない

でしょ?

いい加減な事を

云うものじゃ

ないわ

...貴女

...今

お幾つ?

え?

...あ

はいっ

じゅっ

一六です

若いわわ

そんな歳の

女の子が

一体

何をしでかして

追われる身に

甘んじてるのか

......知る由も

ないけど

私たちは

もう

自分の手引きで

人が死んだり

するのは嫌

...よしんば

相手が

死罪人で

恨みっこなしで

手を貸す事が

あったとしても

貴女の

ような

これ以上

一度と...

砂登さん

それは...

......つまり

.....もうね

何で

こんな事を

云うのかと

いうと

それだけ

自信がない

のよ

目を

つけられる

というのが

どういう

事だか

判る?

三年前から

街道へ抜ける

道という道に

下番の詰所が

置かれて

私たち二人の

戸籍も家系図も

こと細かに

調べられて

いるの

今貴女が

縁者を騙って

信じてもらえる

可能性は

五分.....も

ないと思う

そこに

自分の命を

はるのは

ただ

死にたいと

云ってるのと

同じだわ

......でも

それでも

私は...

行か

なければ

.....少し

話をしても

いいですか?

私は

二年前から

一人の男を

親の仇として

追っています

最初は

ただ漠然と...

自分の腕だけで

どうにかできる

ような気持ちで

いられました

だけど

旅に出て

程なく

理解った事は

自分が

ことごとくに

無力であると

いう事

他人の力を

アテにしないと

何もできない

私の復讐の

ために

血を流して

いるのは

私ではない

例の瓦版...

あの人たちは

私が楽した

わけでは

ありませんが

私の

そういう弱さが

事の一端とも

いえるんです

結果...

下手人の

罪を被って

しまったのも

我が身の

至らなさ

甘んじて

受けとめねばと

思っています

だけど

私は今

死ぬ

わけには

いかない

殺された

両親

私を守るため

血を流して

くれた人に

自分の決意の

真偽を...

そして

私が

あの男の

胸に

仇討ちの路銀を

負担してくれた人

追われる身と知りつつ

匿ってくれた人

......そして何より

どうしても

示さねば

ならない

深々と剣を

つき立てている

ところを

なんちゃって

本当は

そのまま

返り討ちに

されるのが

関の山だって事

.....判ってるん

だけど

それでも

小仏を通るのは

...もちろん

怖いです...

あの男に

会う前に

縄にかかり

たくはない

けど

あの男を追うのを

諦めるのは

砂登さん

私に

とって

生きる理由を

捨てるのと

同じ...

お二人が今迄

手引きした

人たちだって

誰だって

死んでしまった

女郎さんも...

そりゃあ

いろんな人が

いたでしょう

けど

生きるために

死線を潜りに

来たんじゃあ

ないんですか?

たとえ

五分より悪い

賭だと

判ったとしても

それでも

この宿の

戸を叩いたと

思います

......

凛ちゃん...

...貴女.....

関を抜けるために

どんな事でも

する覚悟...

あるかしら?

どう?

...

応えて頂戴

そう...

...はッ

はい!

勿論ッ

その返事...

忘れないでね

!?さッ

砂登さ...

恨まない

で.....!

覚悟だけじゃ

渡れない

橋なのよ

第四十三幕

◇第四十四幕◇

叢時雨・其の一

くふー...

いい天気だ

ねェ...

やれやれ

よッ

おは

.....よう

ございまーす

......エへへ

どしたい

青い顔して

......下痢の

あもう

大丈夫です

それより

いえちょっと

寝つけなくて

気分か...

昨日の

そいつは

いけねェな

私の

勝ちです

あ?

おー...

仕方ねェや

晴れたら

つれてくって

云っちまった

からなー...

まァ砂登のヤツが

ゴネるようだったら

それでも行かねえ

つもりだったが

なンか今朝になって

「好きにしたら?」とか

云いやがるし

それ

それ

嬢ちゃん

嬢ちゃん

宿屋の

縁者が

肩から

剣ってのは

...

ちょっとなァ

あっ

ウチに

置いてったら

どうだい

えっ

ええ...

どうしよ

行き先が判りや

送り届けてやるし

...別に加賀まで

人を斬りに

行くってんでも

ないでしょう?

えっ

そうですね

お...

お早う

ございます

...お早う

それは?

見ての

通りだよ

これ持って

関抜けも

ねーだろうし

だって...

いいの?

貴女は

それで...

は?

大丈夫

.....だと

思います

...そう

それじゃ

......?

信用するわ

はい

これ

食べる暇

なかった

から...

え......え?

あっどうも

有り難う

ございます!

ほら

旦那

関所を

抜けてから

食べてね

?あ

はいっ!

それと

念のために

聞いとく

家系図にゃ

よ...!

裏道は使えないし

二人の家系図も

渡してあるから

身内を偽るのも

難しいと思うけど

自信は

あるんで

しょうね?

顔が描いて

あるわけじゃ

ねえからな

お前の姉妹で

実際にいたろ?

一七八の女が

確か......

こうなったら

ソレに

賭けるしか

ねェわな

あっ

はい...

自信も

クソもよ

どうしたって

危ねェ橋なのは

変わらねーんだ

そん時ァ

そん時で

腹括ってもらう

しかないぜ

なあ?

よし

行くか

砂登さん

あの...

あの

お世話に

なりました

もう

ここに

戻ってくるんじゃ

ないわよ

ああ?

バカお前

何云って

はいっ!

...

嬢ちゃん

はい

先刻は

ああ云って

みたけど

実際

ホンット

気乗りは

しねェのよ

でしょうね

だって

どうしたって

なァ...

アンタの身には

ならねェもん

己ら

臆病になった

ねェ己も

二両も

貰っといて

何だけど...

アンタなんか

まだ若いからさ

死んじゃあ

もったいねェよ

ホント

あはははっは

......

旦那ァ

化けて

出ねェで

くれよな

やっぱ

怖いか...

ちょっと

あっ

大丈夫です

行きます

...

久しぶり

だな...

おン?

よう

ハハ...

お疲れ!

.....ちょっ

ちょっと

中屋さん!

凄いですね

あれでいいん

ですか!?

ん?

ああ

あいつら

上長房村の

人間なんだよ

役人なんて、四人しか

いないからねェ...

ああして持ち回りで

駆り出されるって

わけ

へ...!!

へえー

いやそう感心されても困るんだが

いやそう

感心されても

困るんだか

大変なのは

こっから先

なんだから

よ...!

お久しゅう

ございます

中屋惣八

です

どうも...

おう

中屋か

その方は

涼しいです

なあ

今日は...

ああ

これは

女房・砂登の

妹でして

江戸から

日光あたりを

まわりがてら

美濃へ帰る

途中に

寄ったって

わけで...

女房の

妹か...

と云う

割には

そう

似た顔でも

ないように

見えるが

...やっ

しかし

お奉行様

姉妹の顔は

必ず似るって

法もねェで

ございましょう

うむ

確かに

で?

今日は

どうした

あ今日は

そんなわけで

こいつを...

女房がその

.....お客で

歩けねえって

いうもんで

美濃まで

送りがてら

女房の

動けぬ間に

茶屋巡りか

金沢の方に

足をのばそう

かなァと...

こいつの

分も

ひとつ

いい身分

だな

中屋

へっへっ

ついてはその...

ついては

その...

昔のお心で

どうかお願い

できません

もんですか

その事

だがな

中屋

他の

村衆と

違って

他処の人間と

関わりを

もつ事の多い

お前の場合

やはり、逐一

手形を用意

させるべき

かと.....

最近

思い至る

ように

なってな

は?

ことに

お前の場合

前例が

ある

初めて見る

娘を

女房の妹と

云われて

もはや

生半には

頷きかねる

お前と女房が

通るだけなら

まあ...

どうでも

問題は

ないのだが

や...

まあまあ

まあまあ

お奉行様ッ

いや

おっしゃる事は

アタシもよく

判りますがね

こっちだって

慈善で

やってんじゃ

ねェんですから

一度見つかりゃ

そこまでって

話ですよ...

そうでしょう?

一両二両の

金を

握らされた

ところで

下手を打ちゃあ

営業停止ですぜ

......そんな

ワリの合わねェ

小銭かせきは

何て顔

しとる

ククッ...

正直だな

そう大した

采配でも

あるまいが

実際

そうなの

だろうが

協議の末に

決まった事だ

...まあ、観念

してくれ

あの...

じゃ...

お奉行様

こいつ

は...

うむ

通行手形を

持参して後

吟味の末......と

いう事になる

とは云え

...

それを

今日までお前に

通達せなんだ

こちら側にも

非はあろう

二度手間

強要するも

能がなし

...まあ

今回ばかりは

目こぼしを

くれてやるのも

仕方なしかな

えっ

ほ.....

ホントです

か.....

いや

ただし

手形を出す

かわりに...

娘!

はい四葉「終園

お前自身の

身上について

三つ三つ

問う事があるが

どうした

構わぬな?

お第四十五幕や

背中まで・基の二

嬢ちゃん!

中屋さん

あの...

いやっ

すまねェ

厄介な事ン

なっちまって

駄目なら駄目で

引き返せりゃ

よかったが

よくねェ

展開だよ

こりゃ

そんな

...

まだ嘘と

バレたわけじゃ

ありませんし

そりゃ

バレたら

あんた...

先刻も

先刻でよ...

改め返ァが

麦茶持って

入ってきた

時にゃ

末期の水かと

思ったよ

......ホント

しっかし

嬢ちゃんも

落ち着いた

モンだねェ

ええ?

......中屋さんと

話してたら

すごい不安に

なってきました

え?あ

今は割と

平気なん

ですけど

ご免...

ハハハ

ハハッ

我々相手に

軽ロ三昧の

お前が

ククッ

どういった

ザマだ!?

中屋よ

その

床につけた

額は?

冗談

三昧も

ヘっへっへ

島田様...

まひとつ

察して

くだせえ

やし

判らぬでも

ないがな

......は屋よ

縁側を

挟んでの

気の易さと

いうモンで

やんごとなき

お奉行様と

同じ畳の

上でってのは

どうか御勘弁を

番方は

人を識ろうと

する時

先ず目を

見ている

特に娘

お前の顔を

よく見たい

面を上げ!

成程...

こう

近くで

見れば

中屋の

女房に

似る部分も

あるか

恐ろしい人

のう!?

へ?

えっ...

は...

まあ...

多分

そんな事は

微塵も思って

いまい

お前は

知っておろう

中屋

例の

薬屋殺しの

一件の事

だがな

......え

...ああ

あのっ

街道とかに

札の立ってる

男女一組の

うむ

あれを見て

少々

思うところ

あってな

あの事件は

新宿と小仏の

狭間の往来で

起こった

と云って

素直に

関所にも

来れず

否ーどちらかと

云えば、近いのは

新宿か...

だがわざわざ

人の多いほうへ

逃げる馬鹿も

おるまい

さて...

どうしたものか

まあ

そんなわけだ

娘よ

お前が

中屋と一緒で

なくとも

我々は話間を

計らったで

あろう

問題がなければ

五分で済む

話だ...

諦めてくれい

はい...

そういえば

確か

名も住まいも

訊いていないと

思ったが...

あッおっ

お奉行様

こいつは

ですね

娘っつーか

もう...

下田屋仙吉の息子

草兵衛が婆

砂和と申します

私めは高山

夫は美濃

上有知の大店

教兄さん

お騒ぎに

そう

なりますと

いらぬ事を

疑われて

しまいますよ

美濃...

下田屋か

あっ

ああ...

はっははは

どうした中屋

こういう場合

女のほうが一腹が

すわっておるでは

ないか!?

さすがに

記憶だけには

頼れんか...

下田屋と

云えばですね

美濃じゃ

少しは

あいや

中屋

今回は

お主の口を

借りるまでも

ないのだよ

......?

どの段

だったかな

よし

どれ

下田屋

下田屋

..と

あの...

......

お奉行様

ん?

まあな

もしかして

それ全部

......

己らの...

おお

それとな

中屋

その方は

これから

ここを出る

まで

この女の

話間を

するのに

お前の

助け舟は

正直

邪魔なだけだ

一言をも

発する事

まかりならん

よいな!?

この先々

総ての

返事は

この女のみに

してもらうが

筋であろう

は...

だめだ

こりゃ...

万事

休す

だ.....

さて

砂和とやら

この調査に

よれば

亭主の草兵衛

美濃で三代

続いた料亭

「志も多」の

次男坊......と

なっておるが

これに

相違は

あるまいな

ございません

商いは

繁昌

しておるか?

えええ

...

おかげさまで

料亭か

あのあたりで

云うと

遊びに

行く度に

あやかれる

とは

姉夫婦が

羨ましい

事であるな

長良川が

通るゆえ

川料理という

事になるか

お奉行様

料亭「志も多」を

飼いだのは

下田屋仙吉の

長男です

夫の

草兵衛は

私めの生地

高山にて現在

旅籠を営んで

おります

そちらの

調査にも

そうなって

いるものと

存じますが

だけど

...うむ

確かに...

先刻

お主は

日光を

回ってきたと

云っていたが

あっはい

あっはい

この季節

だと

畏れながら

お奉行様

含満ヶ淵の

緑もさぞ

美しく映えた

事であろうな

淵に通ずる道は

土砂で三ヵ月来

通れぬようになって

おりますれば

一足のばしに

中禅寺のほうを

物見して

帰りました

おお

そう云えば

ここ数年

あちらのほうに

とんと一足を

運ばぬので

.....ぬかし

やがるぜ...

島田さんよォ

細かい事を

忘れて

おったわ

ところで、こう

二人だけで

連れだっておる

からには

姉夫婦を

訪ねて来たのは

お主一人だと

いうわけよの

ええ...

まあ

あ...

宿を閉める

わけには

いかなかった

ので...

それは当然

そうだろうが

亭主は

どうした

共に

来なかった

のは?

たった一人で

日光遊山も

退屈であろう

.....ええ

少々...

お主と

砂登の

両親...

高山の乾物屋

娘二人が

嫁いだ後

店をたたんで

同じ高山の娘夫婦を訪ね

同じ高山の

娘夫婦を訪ね

宿の一部を

借りて同居...

とあるが

この両親に

店を

任せるなり

又は両親を

連れだって

くるなり...

色々やり様が

あったのではと

思わんか?

気のきかぬ

事だったな

砂和よ

日々...

お奉行様

数多の

人間を

前にして

この神経を

使われるお役目

まこと

大変であられる

事と存じます

そして我々

道中の安全を

願う旅人なれば

こういった場合

どうして嘘を

申し上げる気に

なれましょうや

...けど

けど...

ただ今の

問い...

総ての事情を

知りながらの

そのお言葉

それは

あまりな

言葉であるとは

思いませぬか

あれは

忘れもしない

夫に嫁いで

最初の年の夏

お奉行様の

おっしゃる通り

私は

宿を夫に任せ

両親とともに

日光山中を

遊山して

おりました

帰路に

含満ヶ淵近くの

山宿に一泊し

中禅寺から

温泉郷を

歩いたまでは

良かったの

ですが

それが...

それが運の

分かれ目と

なりました

折しもの豪雨で

大谷川が荒れ狂い

予期もせず

私たちは山中に二晩

閉じ込められました

二日を過ぎても

止む気配もなく

それどころか

小さな宿の事

流される恐れすら

出てきます

この上は覚悟を

決めねばという事で

ついにその晩、私どもは

宿の人たちと一緒に

東照宮へと抜ける橋を

雨中決死の思いで

渡っていったので

ございます

そしてその時

身重であった

私一人だけが

水に足をとられ

橋から

投げ出されて

しまったのです

細い欄干に

つかまりはしたものの

激流に抗えずまた

水を被った橋の上では

引き上げる者の足場も

ままならず

「自分は死ぬのだ」と

感じました

とそれを見ていた

父が続いて母が

何を思ったか

相次いでざんぶと

自分の身を河に

おどらせたのです

二人は...

二人は欄干で身を支えると私の重いこの身体を

二人は櫻千で

身を支えると

私の重い

この身体を

両側から

懸命に

押し上げて

くれました

程なく私の身は

宿の人々によって

引き上げられ

ましたか...

両親の身体が

河から

上がったのは

それから

五日後

ずっと下流の

河川敷に於ての

事でした

.....この度

日光を

歩いたのは

物見遊山が

目的では

ございません

両親と歩いた

道程を...

再びめぐって

それが

自分なりの...

慰霊のつもり

で...

......私...

私が...

子供を

産んでも

こんな...

髪型で

いるのは

父さまと

母さまに

とっては...

一番

見なれた

......頭だから

せめて

山を歩く

間だけでもと

思っ...

ご免なさい

......

泣くつもり

じゃ.....

よく

判った

お主が

人相書きに

似ていたので

底意地の

悪い

質問をした

正直

お主の話は

他人から聞いて

憶えられぬ

事でもないが

まあ...

よかろう

その涙を

もって

通行手形の

代わりと

しょう

あっ...

て事は

お奉行様

己らは

これで...

うむ

足を止めて

悪かった

許せよ

砂和待て

お前

今面白い

事を云って

おったな

な...

何か?

......ふむ

まそう

構えずとも

よいのだが

やや児は

元気かな?

先程

「身重だった」と

云ったろう

その時の

子供だよ

あっ

ええ...

お蔭様で

二人とも

大病もなく

何より

それは

さて...

ではこれも

訊き忘れたと

思ったが

お前の歳

今年数えで

幾つになる?

一〇と...

七つです

あ......と

一七か

...ふむ

調査によれば

先程の

大谷川の大水は

寛政元年

ここに

遡って

みれば

お前が

子供二人を

産みおとした

歳は

一四歳

...という

事になるな

あ.....

その通りです

ふふん

ふふん

一四か...

若すぎる

とでも

云いてえ

のか?

だがきっき

先刻から

聞いてりゃ

そもそも

砂和じゃねえって

事以外

この娘の話にゃ

一点の虚言も

ねェぜ

砂和が

一四で二児を

産んだ事は

一体どう

イチャモンを

つけやがんだ?

これでよォ

どォせ調書に

しっかり書いて

あんだろうが

しかしながら

難儀したで

あろうな

一四の母体で

双児とは...

特にお主なぞ

娘のよう

だからの

髪型

のみならず

腰の細さ

までもが

.....ええ

ええ

まあ...

それはもう

子供が

育ったら

恨みの一つも

云ってやろうと

楽しみにして

いるんですよ

クク...

よろしい

では

「難儀だった」と

いうところを

目に見せて

証す事も

できような?

あっ

........

ん?

どうした

言葉の意味が

理解らな

かったか?

いや...

お前かもし

本当の砂和で

あるならば

身に...

憶えが

あるはずだ

うっ...

...やって

くれるぜ

まさか...

そうきやがる

とは...

あっ...

あの...

浦上!

浦上!

ここに

浦上

改め方の

藤婆を

隣の間に

只今より

この女の

身体を

検閲する

いっ...

いや

そいつはちょっと

待っ......

お奉行様

!!

私は...

私の名は

砂和です

ゆえに

今しがたの

お言葉

改め方を

呼ぶまでも

ございません

意味する

ところも

よく判って

おります

かように

御信用頂けぬ

なれば

この上は

お奉行様の御前に

曝け出して

ご覧にいれます

私の証

貴方様の

ご所望する

ものは...

これで

ございましょう

さあッ

さあッ

とっくりと

ご覧に

なって

お奉行様

おそらく

そこに書いて

おわします

通り...

件の

事故の

影響は

私の中の

子供たちにまで

及んだので

ございます

逆子と

なってしまった

子供二人を

難なく産み

おとせる程には

一四の

私の肉体は...

できあがっては

いませんでした

今いる

息子たちは

当時

産婆と

夫の

判断により

この腹を

裂いて

とり出した

子供に

ございます

あ...

改め婆

を...

いや

よかろう

さあッ

お奉行様

この上は何を

お見せいたしま

しょうか!

うううん...うんっ..

疑う由

なし!

これにて

一件落着

砂和ッ

はっ...

はいっ!

......大した

女だ

道中

達者で

いけよ

フウウ

寿命が

縮んだね

あ.....は

あははは...

ケンスいるんが

.....面目ねえ

嬢ちゃん

はい?

色々

云っとき

ながら

でも

中屋さんの

連れだって

云ったから

手も足も

出せねェ

この身じゃ

詰問まで

こぎつけた

わけで

いや...

そりゃそう

だけんど

え?

ほれ

最後の...

しっかし

頭が下がるよ

さっきの

アレには

スゲえ

胆だぜェ

アンタも

ホントに疵が

あったのにも

たまけるか

男三人の

前で...

何だ...

ねえ?

あっ

あの...

あれはっ

あれは...

あの場で

見せないと

いけないもの

だったんです

あの時もし

女改めの

お婆さんでも

呼ばれたら

多分...

気づかれて

いたでしょう

あれがいちだっ

帝王切開の

跡じゃないと

いう事に

何だ

ええ

...あの

昨日...

やっぱ

そうなの

.....

痛い?

もう終わるわ

......?

我慢して

......血が

止まるまで

押さえて

なさい

それ程深く

切ったわけ

じゃないから

一年は

残らないと

思うけど

それから

後で

一晩で

暗記してね

あの...

私の妹の

家庭まわりを

全部紙に書いて

貴女の部屋に

持っていくから

は...

はい

その疵は

必要に

ならないかも

しれないし

或いは容易く

見破られて

しまうかも

しれないわ

でも

肉体に疵を

つけただけで

生き残る

可能性が

わずかにでも

上がるのだと

したら

今の貴女に

選ぶ余地は

ないの

判るわね?

はい...

あの...

砂登さん

すみません

他人さまの

知恵も何も

借りっぱなし

で.....

生きて

帰ってきたら

このお礼は

絶対.....

馬鹿な事

云わないで

お尋ね者に

なっている

貴女が

私が考えた

小細工は

どうして

出た処に

帰ってこれる

道理があるの

貴女が

二一両で

買ったものだと

思えばいい

目的を

達成したら

後は自分が

どう停せに

なるかだけを

考えなさい

そうして

私たちに

自分たちが

正しい事を

してきたんだと

思わせてくれたら

それでいいわ

そいじゃあ

この辺で...

気をつけてな

ええ...

中屋さんも

お逢者で

せっかくですが

二一両のお金を

どう使ったものだか

見当もつきません

勝手ながら、半分程

持ちかえって

頂きたく存じます

夫も承知の

上にて

御心配なく

クッ...

第四十五幕|終劇

«第四十六幕»

ひそかなる

〈其の一〉

カロ賀

......ふう

...!!!..

やはり

さっきの民家で

道を訊くべき

だったか...

これが参道

!!

気のせいか

孟秋の

空気は

肌には

優しうござい

ますね...

ええ

まあ...

...

この近くに

お住まいの

万ですか?

それは重畳

お訊きしたい

事か少し...

「心形唐流」の

伊羽指南所という

道場を訪ねて

来たのですが

もしお知りなら

そこの参道から

抜ける道を

お教え願いたい

...おける

道など

ありま

せんわ

来た道を

まっすぐ

お行きなさい

二〇〇段の階段を

登りきった

ところ...

寺のように

見えますか

それが

道場

かたじけない

.....もし

加賀の

山々は

外から来た者に

辛くあたると

いいます

何か?

旅をする

お方なれば

特に帰路には

くれぐれも

お気をつけ

なさいますよう

無みする

つもりも

ありません

......

...

そうかな...そうですか..

あ...

あのッ

あの

どういった

御用向きで

失敬

門が

開いていたので

勝手に入らせて

もらった

えっ

「逸刀流」

統主

天津影久

伊羽殿に

膝組みに参上

つかまつったと

伝えてほしい

じゃ...

貴方が

伊羽殿は

御在宅かな

ちょっ

そこで

待ってて

下さい!

......ふう

あ...

天津...

影久?

あーん?

何だよ

また随分

青ッ白い

奴だね

つ強さと

体格は...

関係ない

伊羽殿に

会いたいと

伝えた筈

だが

ああの

男には

先に「己達に

知らせるように

云っておいた

師匠は

用があって

外に出ている

だだが

間もなく

帰るだろう

その前に

おお前と

己達だけで

少し話す

事がある

そうだな

この場所は

よくない

来い

や山奥の

道場にしては

ちょっとした

モノだろう

フフ

優れた師範

優れた弟子

.....フン

道場の質を

決めるのは

それだけだ

受けとれ

これだけ

立会人が

いれば

いいだろう

オレと

勝負しろ

...

云った

通りの

意味だ

どういう

事だ?

き聞けば

「逸刀流」と

いうのは

え江戸では

畏怖をもって

呼ばれる名

だというか

ソレを

試して

みたい

旅の疲れも

取れぬうちに

こんな

野仕合じみた

歓迎を

されるか...

け剣人の

言葉とも

思えんな

天津さん

面倒とは

思いますが

まひとつ

師匠の

伊羽軒秋は

ハハ.....

アンタも

その算段で

わざわざ

出向いてきたん

だろうね

ここは

胸を貸して

やっちゃあ

もらえんもの

ですかね?

跡継ぎを

選ぶかわりに

道場をそっくり

逸刀流の庇に

入れる心算だ

だが

それはあくまで

アンタと師匠の

間だけの

取り交わしで

己達が

納得ずくの

事じゃない

正直な話

自分らより

年の若ェ男に

上に立たれたか

ねえってのが

皆の本音ですよ

己達を

統べる資格が

自分にあるが

どうか...

この場に

いる

アンタには

示す事務が

あるんだ

全員にね

そうだ

来いッ

天津

影久!

◇第四十七幕◇

そかな

...

〈其の二

すううう

うぅうう

うううぅ

はあー

!?

!?

あっ...

うわわ

アッ...

こっ

.....一太刀

二太刀と

打ち合わせる

隼か鳥を

取るごとく

只一刀...

様子見の

稽古など

無用!

師に恥を

かかせるな

全力で来い

よっ

よもや

足技は

卑劣だとか

云うまいな

好きに

しろッ

ほう...

何の

騒ぎだ?

おお

くたば...

まずそこまで

動けるなら

「逸刀流」を名乗るに

不足なかろう!

速いな...

感心したぞ

......ま

負けられ

るか...

お前には

お前に負けて

しまったら

お...

己は...

くああ

っ!!

おま...

お前に...

アレを

持って

いかれて

たまるかッ

あーあー

あー...

タコ助

が.....

ひゃ

天津影久

お前は...

えッ

江戸に

帰れ

私情で

動くな!

入谷ッ

身を

滅ぼすぞッ

んあああっ

下がれッ

座興は

これまでだ...

お前は

二度死んだ!

無限の住人8

「無限の住人」第8巻は、97年の1

月号から98年の6月号に掲載された

作品を収録したものです。

編集部では、この作品に対する皆

様の御意見・御感想をお待ちしてお

ります。

また、今後「アフタヌーンKC」

にまとめてほしい作品がありました

ら編集部までお知らせ下さい。

東京都文京区各湖「丁目十二第二十一号

講談社「アフタヌーン」編集部

〈郵便番号】一二ー八〇〇二〉

アフタヌーンKC係

アフタヌーン

一九九八年、七月二十三日

〈定価はカバーに表示してあります

著者沙村広

発行者五十嵐隆夫

発行所「株式会社講談社

印刷所_廣済堂印刷株式会社

製本所_永井製本株式会社

@HROAK(SAMURA-198

本書の専門規定コピーは第1権法上での例外を除き、禁じられています。」

海丁本・乱工本は小社雑誌業務館祝にお送りください。送料小社長担

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そのお問い合わせはアフタヌーン編集部宛にお願いいたします。

...

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郵便番号、一二一八〇〇、

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販売部、東京、ロニンガニルネーシスへの

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