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〈詠の二十五〉

沙村広明

あのね

...

...

...

...

9784063145915

1.1.0.11月20日に1929979005245

雑誌55724-91

SBN978-4rO6-314591-5

C9979¥524E(0

アフタヌーンKC

講談社定価本経験別

(税別)

あのモブは

今.....

【第十六回少女編】

毎度おなじみ、千葉で人気のこのコーナー。

今回は、ドラマを彩ったモプヒロインたちの

来週もモブと地獄へつきあってもらう

気になるぞの後を大紹介

No.48

No.49

わずか5歳にして「物欲しそうな顔をするんです」るだけで男に責がせる術を増えて

しまった少女、以後魔性の女として人生を経験する事になる。

「決して口に出してはいけないの。初なんでしょう。フリー欲のないブリックだ

からそれで十分なのよ。でも私はそんな「力な男が愛しくて仕方ないわ。そ、

れだけはフリじゃあないわね」とか

美しく成長した彼女は煙草をくめらせて笑った。しかしその俺もった素がいい。無理じゃなかったの

美味しく、放映した彼女は遠目を重すぎたのか、あるいは想い果たせた。やっと、天ッ。んんじゃないんだよ。せぬ男たちの怨念が、文化4年永代橋の中ですが...

基本でのバルダーは毎年の学校の前落に着き込まれ、20歳の国の生産を開けた。

わずか7歳にしてアジテーターとしては、での才能に目覚めてしまった少女。10年としてはいいですが、

東の時「子ども解放する会」は結成する昨年で解散しかしその原動能力

を買われ、以後日本各地で起こお客さんの成瀬選動は、携帯電話の大変なのが

にゲスト参加。魔性の女としての人生を歩む事になる。

「私の言葉が俺達の女として「私が言葉はカラッポなのよ。大丈夫ですがじゃない。なんかただ男たちの魂の火煙を大きくするのが他の世界ですから、

「はい。お茶...かないんだ。人より上手なだけ。カラノボで綺麗な私はちの外の人生と人というのは、の言葉で男たちが炎を吐き、赤い

踊り、やがてはその炎で自らお前達の回の日本で、ちなみを見てのよ。愉快でたまらないわ」

いや、やっぱり多く自らのお父さんは、美しい顔を向かうので彼女は笑う。文化を2015年20歳のお光は長崎で英国

大丈夫ですから、必スラスの準備フェートン号に密都し速州に美しいですよねえねえ、送った。折しもフランス音合の選択を

...幸福..ちゃんの忘れる敗州・彼女はそこで炎に気がする男だろうがいる男たちが体験の悪意して見守った

のか、あるいはその火に巻き込まれ今度はそれを持かれたのか、その後の行

あは、ああ、方は音として知れていない。

村広

第百十九幕が、

第百十八帝の

半景か

第百十七幕火

第回十号の

ちょっと

第百十四幕父

第百十三神の

〈其の二〉

......。

てヨゎに

ぎて羽根よ

«凪ぎ

〈罪〉《〈糧〉《凪ぎ

この教えとして全て調べたというものはどんでするのだーっ!!

零々としてー葉を

第百十五号の

ミュール・

罪々として

ひゃーひ

雲々としてーます

ーー〈其の七〉

――〈其の六〉

ーー、其の空

18:15:12:08.15

...

や第百六十三幕や

茸の

何だよ

こいつは

忍?

...何で

公儀の尸良に

刀抜いてんだ!?

......

他藩の忍か?

オイッ

そこのっ...

余計なマネ

してんじゃねえ

よ.....ッ

こっちが

半死半生

だろうかな

女に盾に

なられるほど

ムカつく事は

ねェんだよ!

さっさと

そこを

どけッ!!

はあ!?

道端の

石っコロが

何云ってんの?

どーでも

いいんだよ

アンタの事

なんて!

てゆうか

そこ

どいといて

邪魔だから

ごっちはこっちの

落とし前で

わざわざ戻って

来てんだから

踏んで

コケたり

したら

本気で

キレるからね

...

..ッ

アーゾーン

つか

ちょっ...

え~~~!?

何で私が

逸刀流を

助ける形に

なってんの?

いや...

考えりゃあ

そりゃそうって

話だけどさ

戸良一応

公儀側だし

それと

やり合うと

なれば...

逸刀流....か

万次さんか

...クソッ

凶が死ぬまで

待てば

よかったよ

やれやれ..

老けたかねえ

吐のオッサンも

さすがに...

無骸流ン時は

新人教育にも

気を入れる

旦那だったが

それとも

てめェ

アレか

吐子飼いの

駒ってんじゃ

なくて...

公儀の

借り

!!

...

な...

何だ...!?

あの速さ

くっ

...ここだけ

鉄線が一緒に

編み込んで

あるわ...

意地が

悪いなァ

プハッ

刃物とか...

何でもいいから

何か切れるような物

持ってない?

そこのボク

そうだよね

......

困ったなァ

......

持ってないよ

ででもっ

あの...

男の方

さっき...

水に入る時

匕首くわえて

いったから

水の中の

どこかに...

多分......

......

判った...

ありがと

じゃ

ついでに

甘えるけど

もしも

私が

生きたまま

二人を

上げてくる事が

できたら

キミは

引き上げるの

手伝って

くれるかな?

どう?

生きてたらで

いいんだけど

......

...女の方

だけなら

ありがとう

それで

いいよ

目を覚まして

くれないと

凜ちゃんが

死んじゃうよ

......

まずい

くそっ

多分

戸良も...

気付いてる

あの女は

あの女じゃ

尸良を

殺せねえ

それ

どころか

動きを

止める事

すら......

ーこういう

戦い方をする

人間を...

二人

知っている

それ自体は

素晴らしい

能力だ

目視より先に

肉を裂ける

速さは

「敏捷」であると

いう事

時に

骨を断つ力に

勝る

すはん

逸刀流の中に

おいてさえ

奇異さねまる

外見に反し

戦士としては

ほぼ完成され

男だった

天性の駿脚

類まれな体術

だが最も

怖ろしいのは

相手の頸椎を

正確に掻き切る

鷹の眼にも似た

動体視力だ

吉乃瞳阿

北の大地よ

流れてきた

その剣技は

仲間の前で

明かされる事

なかっ

統主の眼前を

例外として

瞳阿と夷作に

出会った日の

事はよく

憶えている

あれ程までに

目紛しく

動く剣士は

聞いた事すら

なかった

脚頼みの

軽い剣と思って

いなしていると

時折

自分の体重を

塊として

打ち込んでくる

いかに瞳阿が

細胞と云えど

速さに加え

一〇貫の体重が

剣に載れば

大の大人を

た易く両断

せしめよう

スケーッ

あれかって

あれやって

また

相手の動きを

止めるだけなら

脚なり腕なりを

落とせば充分だ

腹を裂かれて

死なぬ人間が

いたとしても

頭を切られて

死なぬ人間は

おらん

ムリ

ようは

技能で勝れば

逸刀流の誰もが

不死者に勝ちうると

いう事だ

はい

もしも再び

お前と万次が

斬り結ぶ時が

きたなら!

この

自明の理を

思い出せ

.....普通なら

これで終わり

だが...

ククク...

飛び回る

事しか

できねえ

雌眼が...

やっぱり

だ.....!

クソッ...

そうと

知ってりゃ

何でだ...

何でヤツまで

あんな肉体に!?

肉を削ごうが

臓物を裂こうが

もう殺せない

骨を

断たなければ

動きを止める

事さえできない

だが

あの女には

無理だ!

これだけ見れば

判る......

尸良も恐らく

気付いている!

何でまだ

生きてんの

こいつ...?

こいつは

ただ

疾いだけの

女だと

«第百六十四幕»

電々

思った通り

...

細腕に匕首...

匕首.....

事も知らねえ

体重をのせる

速いだけの剣

......

今の戸良には

うっとうしい

だけで

何でもねえ

この女を

生け捕りに

しようと

している!

殺さずに

捕らえる

つもりだ

何のためか

...クソッ

考えたくも

ねえ...

ワハハハ

バハハハ

私の剣を

これだけ受けて

立っているのは

お前が初めてだ

ほめて

おこう!

........で?

どうしよう

だい

ッッッ!!

救えねえな

息が

上がってんのは

てめェの方

なのに

まだ

優勢なつもりで

いやがるとは

ごっ...

あだだ

ふぅー

やばい

やばい

...そりゃ

こうなる

疲労の早さが

違いすぎるし

同じ事を

繰り返してりゃ

相手も慣れる

それに

気付いて

くれりゃあ

いいが...

おりゃ

あああ

ああ!

...駄目だ

この女...

...つか

だいたい

己に加勢するんで

なけりゃ何で

こんな事してんだ

こいつは...!?

さっきの

もう一人の女を

尸良に追わせない

ためか?

そういえば

奴も一度

沼の方に消えて

またここに

戻ってきた

何なんだ...

あの女は

沼に何を

見た.....?

そもそも

己が馬で

轢いた時

戸良はここで

何をしていた!?

...まァ

そんなのは今

どうでもいい

しかし...

ならなおさら

こんな戦いを

する必要はねえ

適当に

挑発だけして

逃げ廻ってりゃ

いいものを...

頭......

ってより

要領が

悪過ぎるぜ

この女

こっちだと

思ったァ!!

チッ

痛っ.....!

いったァァ

おしっこ

かけるぞ

コラァ!

逸刀流では

対一での

斗いにおいて

どんな局面と

他人の助力を

求めるは御法度

同様に

一対一の

斗いにおいて

どんな局面とて

他人に助力するは

御法度だ

ええ

持だない

躊躇なく

手にかける

外道

争う意志のない

そういう奴らを

皆殺しにするために

逸刀流の門を叩い

生きるも死ぬも

自分の意志ってのが

この世で一番の贅沢だ

その結果が

どんなに惨めな

死であろうと

目ら剣をとり

男の世界で生きる

...

くっくっ

くっくっ

そんな連中にまで

情けをかけようと

思っちゃいねえ

何だよそりゃ

........

おかしいじゃ

ねえか......

やっぱ

の女を

ハハハか

さあーて

......ね

せっ

ての

...

ワハハ

飾りじゃ

ねェんだよ

こっちの腕も

ずっと左の

剣振ってりゃ

騙せると

思ったぜェ

むしろ

左以上に

大事な相棒

でな...

その気ンなりや

人も殺せる

!?

ちょっ...

ふっ...

フザケンなよ

クソが!!

フツーに

殺せよっ

クソが!!

...口は

汚い...

剣は

軽い

頭は

悪い

顔と

脚だけの

女だな

お前は

うわあああ

あ~~~ん

えええ?

オイオイ

子供じゃ

あるめえし

......何それ?

先生

ご免なさい

先生

ご免なさい

ごめんな

さい...

ごめ

...??

うげっ

うえええこえ

えええっえっ

ハハ.....

畜生...

何の事ァねえ

結局

若ェ女に...

目の前で

死なれるのが

ムカつくん

だよ......

てえ.....

めえええ

えええぇ

え~~~

くっく...

ククク

考えてみりゃ

...あの女が

いなけりゃ

もっと早く

こうなって

いたんだから

助ける義理は

ま......

充分たった

わな......

これは

万が一にも

勝てん戦いだ

さて......

覚悟を決めろ

だが

この首を

落とされる

前に......

何が何でも

奴の脚を一本

落とさねえと

それで......

いくら何でも

あの女が逃げる

時間くらいは

できるだろう

しかしよ...

こりゃ何の

冗談だ...??

一度は

殺した相手に

殺されるとは

なー

...

まん...

じ.....?

クク...

女は

どォしたの

女はア?

ああ!?

罪々として

「其の五

クク.....

万次さん

水風呂の

可哀想な娘は

どうした!?

よォ!?

助けられ...

なかった

己は...

てめェの

罠に...

手も足も

出なかった

...仁良

今になって

てめェなんぞに

ここまで

追い詰められるとは

思わなかった

グハハ.....

!?

やっぱり

な.....

尸良...

お前...

己が今...

どこを

刺してるか

判ってるか?

肺を刺されて

呻き声ひとつ

上げないのは

さすがの

己でも...

無理だ

戸良

てめェ

今.....

痛みを

感じて

ねえんじゃ

ねえのか?

.....?

今...

何て!?

...いつ

気付いた?

ククク!!

ク.....ッ

歩蘭人が

「不死実験」で

使った囚人...

三〇人のうち

己と血が合い

生き残った人間

......三〇人..

おっ...

おかしいと

思ったぜ...

この三〇人も

肉体が変質する

苦痛の中で...

次々イカレて

最終的な

「成功例」...

わずか五人

その

たった

五人に

何で

都合よく

てめェが

ひでえ

偶然だと

思ったよ

だが...

痛みを感じない

人間ならば...

血さえ合ってりゃ

後は楽なモンだ

......なあ?

そうか...

あの時!

やはり

片目だけ

済んじゃ

いなか

尸良...

実際

てめェは

運のない

男だ.....

己に

右手を切られ

図に

左手を切られ

滝壺に落ちて

片目を失い

あげくには

人体実験の

材料にされた

よくまだ

生きて立ってる

モンだぜ.....

だが

てめェが本当に

笑えるのは

その苦しみ

総てを

血肉にしている

ところだ

脳を傷付けた

おかげで

あの馬鹿げた

人体実験にも

耐え......

失くしたはずの

右手は武器に

左手は拾い物に

付け替えた...

てめェは

本当に

己から

見りゃ

地獄が着物着て

歩いてるような

男だよー

万次さん

アンタこそ

そういうモノ

なんスけどね

それに己だって

好き好んで

こうダラダラと

ゴキブリみてェに

死に損なってる

わけじゃない

云わばアンタらの

半端な仕事っぷりが

招いた結果でしょ?

ちったあ

反省して

下さいよ

とは云え

今日の

アンタは

いつになく

いい仕事して

くれそうで...

期待してるん

ですけどね

フッ

つーかよ

揃いも揃って

この己に

女を嬲られ

殺されて

よく生きて

られるよな

お前ら

あァ!?

ないかなぁ

うわあ.....

ぴしょびしょ

あるよ!

己達が二人を

待ってる間に

使った小屋!

ちょっと

戻るけど...

参ったな...

暖をとれる

小屋でもないと

このまま

じゃ...

小屋...

あっ!

行こっ!

そろそろ私達も

マズイよ

水を探して!

なければ沼で

汲んできて!

雪はダメよ

時間が

がかるから

う...

うん

助かり

そう?

足の指を何本か

切断する事に

なるかも...

......呼吸が

落ちついて

きたから...

命は助かる

だろうけど

練造君!

あなたと

凜ちゃんと

万次さんの間に

どんな確執が

あったかは

訊かないけど

女の子を

死にかけるまで

放っておいたん

だから

大概の事は

帳消しにして

もらうわよ

目が

覚めたら

この娘への

感情だけでも

もう一度

自問してみてね

ね?

いい子

だね

...畜生

入り込め

ねえ...

もはや

ただの人間には

ん?

おおお

オレのじゃねーんだか...

......

すごいね

.....ああ

ねえ

万次さんの

肉体も...

もしかして

...!と

いうより

ああ

尸良と

同じだ

万次の一不死力」が

どういう理屈でか

尸良の野郎にも

伝染したって

解釈が正しいかな

互角

通り越して

痛みを

感じない分だけ

戸良の方が

優位に立った

こりゃ

万次には

初めての経験

だろうよ

痛いとか

痛くないとか

関係あんの?

......優位って

どういう事?

どのみち

傷が回復

するのに

どんな獣も

一痛み」から

遠ざかるように

動こうとする

斬られれば

体が退く...

足が止まる

一太刀喰らうと

致命傷になる

己達には

関係ねえ話だが

痛みを感じたって

事は

死に近付いたって

事だ

これは

意識の及ばねえ

決まった反応だ

人間も

獣である以上

これには

逆らえない

実際は

斬られただけでは

死ねない肉体で

あろうと......だ

.....これは

仮の話だが

もし万次が

あと十年早く

不死の肉体に

なっていたら

そんな

獣としての性すら

乗り越えていた

かも知れん

心を

焼き潰して

本当の...

不死者の理想たる

戦い方をしていた

かも知れん

あそこの

斬られてなお

刹那の停止もなく

刀を振り下ろせる

化物のように

見ろよ...

逡巡の差が

そのまま手数の

差となって

出ている...

万次が

二太刀打つ

!!

尸良は

三太刀を

打っている

お互い止めを

刺す気になれば

首を掻かれるのは

万次の方だ

ぐえェ

カハ

ガッ

ハア

ひでえな...

何なんだ?

この戦いは..

尸良が

止めを刺しに

行かねえのは

奴の性分を考えりゃ

まあ......判る

だが万次は何で

あんな戦い方に

つき合ってんだ

その先に

何を見てる?

...いや

戦いとも

呼べねえ

ただの

果てしない

消耗戦...

何を

狙ってるんだ

旦那よ

ハアッ

ハアッ

ハッ...

ハアッ

学校として

がほっ

かあぁあああ

あああぁあッ

くそ.....

!?

ちょっ

どうする

気!?

訊く

事かッ

いや...

落ち着き

なって

アンタ

逸刀流でしょ

義理なんて

あるかッ

ただ

アイツ

何としても

この場で

ブッ殺さなきゃ

ならねェんだ!!

何で知ってん

だ?」とか

訊かれません

ように......!

そんな身体で

万次さんを助ける

義理って何なの?

そもそも万次を

助けようなんてのも

思ってねえ...

あそこの.....

楽しそうな

クソ虫だけは

ぐっう

......寒さで

ただでさえ血が

循らない上にさ

その出血

......?

つま先

感覚とか...

もう全然

ないでしょ?

くっ

くそっ

畜生...

畜生ォ

.....ッ

あっ

!?

お前っ

......

万次さん

やっぱ

アンタ

もう刀が

握れねえん

だな...

かじかんでん

のか...!?

女の手ぬぐい

借りて...

手を縛ってよ

まあ...な

知ってた

アンタ?

体が冷えりゃ

己もアンタも

死にます...

だとよ

沼で......

身にしみて

るよ...

尸良

...じゃあ....

本当だったのか

医者の手紙は

てめェだけは

許さねえ...

先々のために

てめェだけは

殺す......

そう思っちゃ

いるが......

早ェとこ...

この戦いに

ケリがついて

...

楽になりてえ

.....って

気持ちも

あんだよ...

もうこれで

.....終わりに

してやんよ

そうか

じゃあ...

あー

これで

終わりかあ

痛みが

ねえとか

不死身とか

よオ

強くなりすぎ

ちゃったのかなあ

......オレ

フッ

じゃねえ

の......?

あっ...

なあてーアアアッ!!

がああ

......

てェ

くっ

めェ

ええエエ

ヱエエエ

クソッタレ

オイッ

何で...

治らねえ

んだ!?

クク...

尸良ァ

痛みがねえなら

気付いてねェ

かも知れんが

少し前から

てめェずい分

疵の治りが

遅くなってるぜ

ククク...

トーシロ

が...

ただ一匹しか

蟲を飼ってねえ

野郎が

いつまでも

不死でいられると

思ってんのか

この刀は

この通り

見てくれは

最悪...

鞘には

収まらねェ

肉を突けば

抜けねえ...と

一見いいとこ

なしだかな

斬りつけた時

相手の肉を

少しばかり

余計に削いで

いくんだよ

その疵を

いちいち

塞ぐのに

てめェの中の

血仙蟲は

てんてこまい

だったろうよ

...クククッ

.....

.....あと

どれだけ経てば

温か...

その眼まで

巡ってくるかな

......ああ!?

無論体内に

判っているだけで

六匹の血仙基を持つ

夕次の再生力には

及ばぬでしょうが

予想の上では

その部分を失わない限り

「不死である」と云って

さしつかえない肉体で

いられる筈です

六匹の血

は及ば

......?

ウク...

ククッ......

ウクククタク

クククッ...

がっァ

...

...ッ

あ...当て

ずっぼうで

当てやがった

やべえ!

こいつは

やべえ!

服も

やべえが

この場で

不死身じゃ

なくなるって

事が...

ヤバすぎる!

...今の会話

聞かれてねえ

だろうな.....

あの二人に

クソッ...

冗談じゃねえ

予定外の

外様に...

殺されて

たまるかッ

手負いのガキ

や......

女に......

くっ...

そオ.....

離れろ!!

とにかく

今はー

一歩でもッ

少し

時間が経てば

また一蟲」が

己の肉体を

満たす!

それまで

何だ?

風の音...

ハアッ

ああ...

旦那ァ

旦那ァ

罪々として

襟を掴め

万次!

ぐあっ

カ...

ハ.....

ウカ...

旦那..

これを使え

...いや

悪ィが...

いいから

手を出しな

アンタが今

剣を握れない

のは

知ってる

すまねえ

な......

......戸良の肉体が

ああなった原因が

アンタなら

よし

そうだ

そのまま拳を

下に押し込みや

指が動かせんでも

剣は刺さる

あそこまで

追い込んだ

のも

アンタだ

己はただ

無様に眺めて

いただけ...

主役で

いなよ

最後まで

かっ

律儀で...

人使いの

荒いガキだ

うう...

なん!!

ゴ!!

あ...

行けッ

万次

......!?

ア...

アア...

ア......

!!

バ......!

ゴオッ

.....オ!?

......

いいから

もう寝ろ

尸良

一〇〇人斬りが

責めるべき

事じゃあない

お前は今まで

色んな人間から

色んなモノを

奪ってきた

...だが

それは

少なくとも

「逸刀流」や

戸良

己達みたいのは

舞台から降りなきゃ

ならん時代だ

ゴオ...

それが判って

いねェから

こんな目に

遇う

ーどっかが

似てるんだな

お前は...

あの大将と...

フッ...

その左腕

万次のたな

......返して

もらうぜ

練造は

.....?

あっ

起きた?

たんぼぼ

...さん?

さっき

おしっこに

行くって

出たんだけど

そう

云えば

遅いね

お第百六十八幕や

......!?

何だこりゃ

そうか...

......

脳をやられては

切れてた筋が

逆に......

繋がっちまった

わけか......

左眼が...

見える...

そんで...

晶どもは......

己を生かすのに

精いっぱいで

盲目状態の

復元までは...

手が回らねえ

...って事か?

は.....

ははは

......

...

........

よお...

悪かった

...な...

お前の親父の

仇.......

結局...:殺せな

かったわ...

へっ...

「蟲持ち」な

上に......

痛みも...

感じねえ

...ときた

これで...

負けてりゃ

......

つっても

一人対

三人...

...と

馬か...

まあ.....

おお...

冬の空だ

わりと...

よくやった

ほう......か

つまんねえな

くたばり

損なって

吐の...

おっさんに

拾われ...

肌の感覚が

なくなってると

知った時...

「大事な物を

失った」と

思った...

が...やがて

それは実は

「手に入れた

んだと...

悟った...

左腕に

代わる...

新しい武器

を......

だけど...

結局己は

痛みのねえ

斬り合いが

こんな...

味けねえモン

だったとは...

ククッ

やっぱ...

失ってたんだ

なァ......

今だから

云うけど

よォ...

ゲハハ

ハハッ

女を犯ってても

男を犯ってても

まるで気持ちよく

ねえんだこれが

掘られ損

だったよな

お前も!

...ふう

........女脇

根こそぎ

もってかれた

......か....

残った蟲は

割れた頭を

塞ぐのが

やっとだな

こりゃ...もう

長くねえ...

ああ...この

「不死」って

やつも...

そうだ.....

今でこそ

珍しくて..

助かっちゃ

いるか...

飽きねェの

かねえ...

あの旦那は

まァ......

一年もすりゃ

飽きるわな...

もう

護る相手も

いねえってのに

......よ..

クハハハ

ハハツ...

死んだん

だっけなァ

あの女は

ククッ

あー......

...そうだ

あー

あー

そうだよ

そうだよ

この先

どうすんのかね

......あの旦那は

あーっ

なんか

うお

もったい

ねー!

すげえ

死ぬのが

惜しくなって

きたなァ!

これから

面白く

なんじゃねえの

えええ?

うおー

スゲェ見てえ

そんな万次...

あ...

...

変わるぜェ

アイツは

......なあ?

んあ!?

何か

云ったか

練......

おいおい

何だよ...

こいつら

...!?

ええ〜?

ちょっと

向こうへ

行ってろ

練造ッ

こんな

死に方は

さすがの

医者も

予想が...

うひゃあ

あー

ーッ

何だこりゃ

気持ち悪い

イイオイッ

ゲ...ハハッ

きっついわ

これは...

練造ォ

おめェは

もう...

仇討ちとか

......

やめとけよ

向いて

ねえよ

おめェには

あの旦那は

殺せねえわ

お前じゃ

もう.....

誰と組んでも

そのくせ一番

汚ねえ仕事は

手前じゃ

できねえ...

身内が

斬られたってだけで

自分が

被害者と信じて

疑わねえ......

そんな

性質の悪い

人間には

なるなよ!!

おめェは

男なんだ

からよ

知らずに

毒に染まる

くらいなら

自分で毒を

ひっかぶって

生きろ!!

それが

できなきゃ

いっそ

腑抜けとして

生きろ!!

ああ.....

それとな

己みてェな

人間の

云う事は

信用するな

ゲッハハハいハハパハ......

ハハ...

水戸路の

逸刀流の中に

幹部が四人も

欠けていた

っていう

事をね

吐様に

知らせに行く

途中よ

あっ!

御岳様

!?

丁度よかった

ご報告します

どうされ

ました!?

おお!

お前達か

この先

筑波付近の

逸刀流力...

水戸路の逸刀流は

そのほとんどが

騙り者じゃ!!

こちらも

火急じゃ

その後

城に戻って

老中の指示を

待つように

云われたけど

昨晩江戸城で

適刀流四名による

狼藉があった!!

この時点で

私達の情報

せいぜ

凄絶に

無意味化

正直その場で

脱力してたよ

それから

云われた通り

引き返して

いく途中...

あまりの

空回りっ

ふりに!

明らかに

天津影久っぽい

男が乗った馬と

すれ違ったけど

思っ相手に

どうしろと

さすがにもう

見て見ぬフリを

決め込んだよ

えーと...

苦労されたん

です.....ねえ

だからね

別にアンタ達を

助けるために

戻ってきたん

じゃないわけ

理解して

くれた!?

そのへん

おうとも

よッ!

しました

しました

お前...

己の前で

よくも

そーゆー話

できるな...

あ!?

知るかよ

あ!?知るかよ

ケガ人なんざ怖くも何ともないっつーの

ケガ人なんざ

怖くも何とも

ないっつーの

この馬の

付属物が

つかもー

いいんだよ

逆刀流とか

どーでも!

凜ちゃん

食えんの

それ!?

的な...

大丈夫

足?

ずっと水の中

だったのが

不幸中の幸い

だったかもね

あっ

はいっ

まだ動かせ

ないけど...

血が通って

いくのが

わかります

氷や

雪ほどには

冷たく

ならない

から...

そういう

意味では

万次さんの方が

大変だったよ

沼から上がって

着物濡れたまま

雪まみれに

なって

ごめん

凍傷の人

同士じゃ

温まらないと

思って......

あ...

はい

それは

......

どうよって!!

許可も

下りた

ところで

肉ぶとー

ーん♡

!?

れっ

練造?!

何だ

とッ

はいっ

昨日の夜半

天津影久以下

四人の逸刀流が

大手門より侵入

江戸城に

......!?

番士

百人余りを

斬り伏せ...

大番組と

小姓組の

組頭さえも...!

そ.....

そうか...

逸刀流...!

そのために

常陸に行く

などと...

わざわざ...

ああ

父...

吐様!?

......

天津影久

ぐううう

ううウウ

ウ......ッ

新番頭を

御役御免に

なった事を

...これ程...

これ程

無念に思った

日は...

ない.....!

この涙の

代償は...

安値くは

済まんぞ

第百六十八幕

や第百六十九幕や

凪ぎて羽根は...。

......

練造...

危ない

よ...

下ろしな

さい...

そんな物

その男が

...

そこの男に

用がある

斬ろうが

突こうが

死なないのは

もう判った

でも...

父ちゃんも

ズルじゃ

ないか...

そんなの

あの男も

死んだのに

一人だけ

姉ちゃん

以前に

どうしたい

の?

腕だけ

土に埋めて

だまして

くれたよね

あれは...

右腕だった

二人で

この男の死を

確認した時

それから

次に

この男と

会った時

そのまま

逃げて......

それっきりに

する事も

できた

こいつの

左腕を

拾ったのは

己だ

本当なら

こいつは

とっくに

両方の腕を

失ってる

はずなんだ

だから

そうする

両腕を

落として

そのまま

生きていって

もらう

それが

普通の

人間だろ?

おかしい

だろ...

腕が

くっついたり

脚が

くっついたり

そこ

どけよ

どかない

わよ...

万次さんの

身体の事は

よく知らない

けど......

...事情は

知んない

けどさ...

無理だよ

アンタ

こんな状態で

両腕を斬られたら

どうなるか

私でも判るわよ

砥いだばっかの

刀ならともかく

血脂吸いまくった

ソレじゃね......

とてもとでも

そんな

ほっそい

腕じゃ

つっても

誰もアンタを

手伝わないと

思うけど

万次さんの

肉体だと

ちょっとずつ

切ってくのも

無意味だし

......

これだ

何で...

そいつの

心配ばかり

するんだよ

何で

みんな

あの男...

尸良は...

野良犬に

食い散らか

されて

死んだよ

......

独りで

考えも

つかないほど

悲惨な死に方

だったよ...

でも...

それは

仕方ない

どのみち

まともな死に方は

できない人間だと

思ってたし...

でも...

じゃあ

じゃあ

こいつは

どうなんだよ

何人も殺して

るんだろ!?

同じ外道じゃ

ないかッ

何で...

アンタらは

こいつの事は

そんなに

気にかけて

やれるんだ!?

己は...

あの男の

事なんて

好きでも

何でも

なかった

ひどい事を

されたし...

同じクズ

なのにッ

「死ねばいい」

殺してやる」と

何度も思った

それでも..

この男と

同じように

ボロ屑に

なるまで

戦って...

こいつの周りには

こんなに......

人がいるのに...

あいつは

独りで..

何だか

判らないけど

...それは...

それは...

あんまりだ

なあ.....と

思って...

.....って

思ったら

どいて

くれよ

服ぐらい

いいだろ!?

人斬り

なんだから

判った

いいよ

......?

練造...

私が

殺したのよ

アンタの

父親は

正しく

云うとね

私がずっと

アンタのお父さん

...!!!上新夜を

恨んでたの

だから

卍さんを

用心棒に

雇って

わ?

アンタが刃を

向ける相手は

私......

殺して

もらったのよ

でも

私だって

死にたくは

ないわ

それまで

殺されるのは

まっぴら

だけど

それは.....

腕がなくても

できるから

この先

どうしても

見ておかなければ

ならないモノが

あるから

だから

いいよ

あげるよ

両方とも

アンタに

なら

この人は

私がどんな

身体になっても

最後の場面まで

連れていってくれる

人だから

これからは、

姉ちゃんと

己の

父ちゃんの

間に

何かが

あったのは

...何となく

判ってたよ

最初から.....

でも

仕方ないじゃ

ないか

父ちゃんの事

己は...何にも

知らないん

だから

死んだ

母ちゃんも

父ちゃんの話は

何もして

くれなかった

何で別れたとか

昔何をしていた

とか......

そういうのを一切

教えて

くれよ

己にッ

誰も話して

くれないから

父ちゃんが

姉ちゃんに

何をしたのかを

誰を

どうしたら

いいのか

判らなく

なるんじゃ

ないか!!

......何で

黙ってるん

だよ......

くそ...

卍さんに

それは

絵を描

ほうの

あ...

うわ!

あっぶな

ナベ

ひっくり返す

とこだった

いてて...

さっきから

聞いてりゃ

お前...

あっ.....

貴方には

関係か...

黙ってんのも

情のうち...とか

考えてんじゃ

ねェだろうな?

昔の仲間の

話だ

ないわけ

あるか

坊主

そうかい

「逸刀流」って

名前を

聞いた事が

あるか?

ない...

けど...

「あった」と

云うべき

かな

じゃあ

憶えといて

くれ

そういう

剣の一門が

あるんだ

...いや

己は

そこの一員

...それに

お前の

親父もだ

逸刀流は

強い流派

そして不遇な

流派だった

不遇ゆえに

自らの強さを

認めさせようと

躍起になった

...

天下に

とりわけ

公儀に

その過程で

己達は

何人もの人間を

踏みつけに

していった

その

踏みつけた

ひとつが

そこの女の

家族だ

予め

云っとくが

お前の親父が

こいつの家族を

直接手にかけた

わけじゃねえ

だからお前は

すべてを

知った後で

なお

この女と万次を

恨み続ける

資格もある

だが....多分

この女がお前に

何も話さないのは

それを恐れてる

せいじゃない

それは

己にも少し

身に覚えのある

事でよ...

この女は

知っている

からだ

つっても

結局

そんなモンは

ムダな

気遣いでしか

ねえよなァ

何より...

坊主自身が

嫌というほど

味わっている

はずだ

人を恨み

続ける事は

一生を棒に

振る事だって

ことを

お前くらいの子供が

親に死なれて一人

まっとうに生きて

いけるほど

世間は

優しく

できちゃ

いねえ

それすら

この女は

知ってた

だろうか

そこからは

目を

逸らした

坊主

お前は

逸刀流の名を

胸に刻んで

江戸に帰れ

お前が

帰る頃

江戸で

逸刀流の名を

知らぬ者は

なくなっている

己達が

そうして

おいた

その気になりゃ

いくらでも

聞く事ができる

お前の親父と

その仲間が

何を目指して

何をしたのか

無事に戻れりゃ

いつかは己が

教えてやっても

いいし...

そして

知るだけ

知ったら

最後には

お前自身で

決めろ

そこの忍も

ある程度は

知ってるだろう

万次と

この女を

赦すのか

やはり

赦せねえ

のか

それとも

本当に

赦されるべきは

誰なのか

すべてを

知った上で

決めるんだ

お前の

親父の

命の価値を

それを

決めるのに

何年迷おうが

いいんだ

迷ってる間に

大人になっても

いい

何年経っても

この旦那は

変わらん姿で

お前の前に

現れてくれるさ

無限の仕人にも

「無限の住人」第5巻は、アフタス

1ン00年2月号から9月号に掲載されて

れた作品を収録したものです。

編集部では、この作品に対する皆

様の御意見・御感想をお待ちしてお

ります。

また、今後「アフタヌーンKで」に

まとめてほしい作品がありましたら

編集部までお知らせください。

«なお、お送りいただいたお手紙・おハガキは、ご記入

いただいた個人情報を含めて著者にお渡しすることがあ

りますので、あらかじめごここ解のうえ、お送りください

東京都文京区音羽二丁目十二番二十一号

諦談社「アフタヌーン」編集部

〈郵便番号】一二十人〇〇一〉

アフタヌーンKC係

アフタヌーンKC-

二〇〇九年九月二十三日

一定価はカバーに表示してあります。

著者沙村広明

発行者五十嵐隆夫

発行所株式会社講談社

日和所

本文製版所、豊国印刷株式会社

製本所

...株式会社、フォーネット社

株式会社廣・済・革・

GHROAK「SAMURA」201

【本番の無断造写コピール専作権法上での例外を除き、禁じられています。

落丁本・乱丁本に購入書店名を明記のうえ、小社業務部等にお送りください。

透精小桃魚狼にてお取り替えいたしますご希望のお客さまのご。なお、この本に

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第一扁発行

東京都文京区音羽ニーニューニ

郵便番号「一二一八〇〇」

電話の構造部、東京コミエニカネーニ面から

販売部・東京(Cini)五三九五ー三大〇八

Printedin.dapan

19日N978-4-06-3145A1-5

アフタヌーンKC

講談社