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む
9784.063年10月19日第4065
10月11日10日11月1日(月)1192979005436
雑誌55726-75
ISBN978-4-06-310775:
C9979、半543E(0)
アフタヌーンKC
講談社定価本体税別
(34税別)
沙村広明
沙村広明
沙村江、明
無限っぽく
第見十一幕の
第百九十幕☆
第百六九幕隊
第京太幕や
第百八十七幕の
露天幕を道さだめ。
第三章を道さだめ
た
e絶え_
1岸
「うーがん!!
...
乱発
あめ、らつっぱ
ここかじ
«楫を縮
「〈其のニン」
・楫を絶え
たま、ごめ
ー、〈其の一〉
「〈其のニンー
ー〈其の一〉
93
63
◆第百八十五菜や
道さだめ
十年
ぶりか
いや
老けたな
三郎
他人の事
云えるのか
.....で
着いた早々
山登りか
黙って
ついてこい
茶の一杯も
出さんで
お主は...
何の音だ?
見い
あれじゃ
ほお...
綺麗な剣
よの
かなり
目がよくないと
ああいう真似は
できん
しかし......いくら
脇差しとはいえ
子供があの速さで
振れる代物では
ない筈だが......
遠心力の使い方が
巧みなのか...
影久!?
あの
影久か
どこの
子供だ?
......
影久じゃ
何て
コトだ
一気に自分が
老けたような
気がしてきた
あの時の
やや子が!?
十年も
経てばだ
誰でも
ああなる
阿葉山
儂は今日
影久を
殺そうと
思う
...あ?
すまん
何か
聞き違えた
ようだが...
いや
聞き違いでは
ないぞ
今日
あの影久を
殺す
阿葉山
儂は
冗談を好む
人間ではない
影久はな
かっ!!
阿呆らし
長いつき合い
だ.......
判ってくれて
おるよな?
儂を
亡き者にして
逸刀流を
乗っ取ろうと
しておるんじゃ
十歳の
子供が
乗っ取りだの
何だの.....!
ウソではない!
あのガキを
良く知れば
大げさでないと
お前も判る!
我が孫ながら
得体の知れん
子供じゃ...
アイツは...
アイツは
な.....
腹の中で
儂の存在を
疎んどる
「この負け犬のせいで
逸刀流に生まれた事
自体が恥」...
速刀流に
再び
陽の目を
見せるのに」
「老いた
負け犬の
存在が邪魔
と
聞くほどに
阿呆らしいわ
いや仮に
逸刀流の在り方に
お主と違う一家言
あったとしても
影久が
お前を殺す事に
結び付かんわ
お主や儂は
生きてあと
ニ十年
二十年が
経った後ですら
あの坊主は
まだ三十じゃ
道場を
立て直すなり
剣を捨て
別の何かに
なるなり
好き勝手が
できるのだッ
...三郎...!
どうかして
おるぞお主
誰が好き好んで
身内殺しに
手を染めるか!
そうよ大体
逸刀流を再び
陽の下に出すのは
お主の悲願でも
あった筈だろうが
...のう!?
影久の父親は
早くに病死した!
放っておいても
やがては
誰憚る事なく...
......
阿葉山...
あそこの...
景久の脇の
大男な......
三年前に
逸刀流の門を
叩いた男で
名を
黒衣鯖人と
いう
恐らく
「逸刀流の理念に
感銘を受けた」と
云ったはずが
今では影久の
腰巾着が如きに
なっている
儂が影久を
斬るとなれば
必ず奴が
止めに入って
こよう
老いとは
恐ろしい...
しかし
阿葉山
師である儂に
刃を向けて
すら......!
お主なら
勝てる!
儂の腕は既に
弟子の剣にすら
勝てぬほどに...
錆びてしもうた
いや...
勝たんでいい
儂が影久を
斬る間...
三郎ッ
阿葉山
その間だけ
足を止めて
くれれば...
お主は
お主
だけは
儂の
味方よな?
儂は...
儂は...
息子は...
影久の父親
はな...
味方の筈の
人間に...
裏切られて
ばかりよ...
師に
裏切られ
血を分けた
息子にも
裏切られた
流行り病で
死んだと
云うたが
あれは...
嘘じゃ
道場再興のために
忌々しき浅野道場に
頭を下げて
庇を借りろ...などと
くどいまでに
さえずるゆえ
つい.....な
儂はもう
誰にも
裏切られとう
ない!
この剣も
あの道場も
儂のモノじゃ
儂の.....!
何者にも
奪われとう
ない!
おお
三郎...
お主は...
判ったよ
手を貸して
くれるかッ
阿葉山よ!
ああ
お主の
逸刀流
儂が
守ってやる
!?
天津三郎は
儂が斬った
...
貴方は?
三郎の旧友で
阿葉山宗介と
いう者だ
儂のごとき負け犬が
いつまでも意地汚く
生き続ける限り
逸刀流に日陰の色が
付きまとう
孫の生きる妨げに
なりとうない...と
奇特を云う故に
斬ったのだ
貴方が...
阿葉山宗介
何故に
斬ったの
です?
これで晴れて
逸刀流は
貴様達のモノだ
三郎の悲願
無下にして
くれるなよ
ふかし
やがれ
この師匠が
そんな殊勝を
吐くタマかよ
事情は
賜りました
貴方が
邪な理由で
祖父を斬った
のであれば
祖父の我儘で
お手間をとらせた
ようで...
我々の前に
のうのうと
姿を現す
筈もない
......儂の話を
疑わんのか
貴方は
隻腕であられると
お見受けするが
それと
腕一本で
これだけの事を
するのに
どれほどの研鑽が
必要か
若輩の
私にも
判ります
貴方は
祖父より
遥かに上の
剣客だ
もしかすると
ここにいる
誰よりも
剣において
優れたる者のみが
真の侍であり」
「何よりも
その一事を
尊ぶべし」
祖父の言葉の中で、
唯一心を動かされた
この理念に従い
貴方を信用するのです
!?
!!?
クフッ
何だ.....
何だ.....
ついに
お迎えか...
それとも
......?
何ぞ.....
文句でも
云いに来たか
クッ...
文句か...
そりゃあ...
山ほど
あるわな...
結局...
逸刀流も
こんな...
今さら
何だが...
すまんかった
よ......
お主を...
手にかけて
おいて...
いや
まだ...
影久が
おる...か
三郎...
影久はな
そりゃあ
鮮烈な男に
育ったぞ
云わせて
もらうがな...
お主の孫としては
出来すぎだぞ
ありゃあ...クク
償い代わりの
子守の
つもりが...
面白い夢を
見させて...
もらったよ
......鮮烈な
男では...
あったが..
ひとつ..
云えば...
要領のいい
男では...
なかった
そのせいか
支えきれなんだ
儂のせいか
あるいは
逆らい難い...
もっと別の
大きな...
何だァ
三郎...
やはり...
怒って
おるのか
もしや...
淋しがって
おるのか...?
もう...
目を開けるのも
しち面倒くさく
なってきた...
手を
引いて
そっちへ...
連れていって
くれ...
ほれ...
はよう...
...この旅に
お前達を呼んだ
覚えはないぞ
己達の勝手で
している事だ
小言を
云われる
筋合いはない
......
馬鹿者が
は!
御岳
荒篠
そちらの
首尾は?
阿葉山宗介以下
逸刀流四人
全員死亡したと
思われます
こちらも...
逸刀流七名の
死亡確認
...ただし
相討ち一名
これをもって
水戸路の逸刀流
十二名
壊滅に
ございます
残るは
天津影久の
一行のみです
我々は
これより
那珂湊に
向かう
皆
聞けい
那珂湊で
一日逗留し
その後に
日立へ向かう
どちらの港にも
蛇組二人と
馬一頭を置き
残った者は
日立から陸路で
江戸に戻る!
天津影久が
「日立から船で
薩摩へ」という
当初の計画を
変更した場合も
想定して
日立・江戸間を
再び風潰しに
していく
もし
万が一
我らが発った後
日立か那珂湊に
天津影久が現れた
時には.....
蛇組は
馬を駆り
帰城途中の
我々に
知らせる
水も
洩らすな
!?
この時代はスーパンを
ついたあ
幸かった...
泣くなよ
大丈夫か
フ
海か
トラウマ
......この
那珂湊の
どこかに
逸刀流の船が
いや
あるいは
到着後に
船頭と交渉
するのか...
我々の追跡を
振り切り
一刻も早く
船を出さねば
ならん時に
荷の上げ下ろしに
時間のかかる
弁財や五大力を
あてにするとは
考え難い
それに弁財に乗れば
次の寄港先は銚子
...何外なしにだ
そこが我々の
追跡範囲外とは
思っていまい
淡貨物船の俗称
するとやはり
専用の船が
既に...
逸刀流の
名を騙って
一隻一隻
当たりますか
?
逸刀流と
船頭の間に
面識がないと
判っていれば
それも良いがな
でっ...
では...
御岳...
あれこれ悩む
時間はないぞ
要は連中を
船で港から
出さぬ事
それだけを
確実に
遂行すればよい
今ここから
見える限りの
大廻り船
小廻り船
その乗員を
ことごとくに
切り捨てい
商人
人足の
区別なくだ
«第百八十六幕»
さだめ
〈其の二〉
なっ...
何なんだ
アンタら
何だってん
だよオォッ
こんな事
してェェ!!
待て.....!
頼むっ...
待ってくれ
これは...
これは...
何かの
間違いだッ
こんな目に
遭う
いわれは
ないんだ!
待って
待っ...
ひええ
えええ
ええッ
やめろ
やめてくれェ
その全員を
運ぶ事の
できる能
淡喫水線
逸刀流十余人が
全員生きて
那珂湊に着いたと
仮定して...
貨物船を
装いながら
荷を積んだ形跡の
ない船
すなわち
船脚の浅い船
まずは
それらの
船員を斬れ
次に...
船脚に関係なく
今現在
荷の上げ下ろしを
しておらぬ船の
船員を斬れ
そして
ゆくゆくは
皆殺しでいい
お前...
お前ら!
......たっ
タダで済むと
思ってんのか!?
こんな真似
してえええッ
うわあ
ああッ
ハアッ
ハアッ
助けて
下さいィ
お役人様
役人に
非ず
厄災である
は?
あれ..
......
逸刀流...
逸刀流め
貴様らァ
い
そこで
何をして
おるかあ
!!
御城米
勘定か
寝言は
大概にせい
ご公儀の
用向きだ
口出し無用に
願おう
捕物方は
どうした?
ご公儀
だとォ!?
其処許ら
二人か?
うぬう...
獄門ものぞ
これはあッ
あン!?
今呼びに
たん
許さんで
いい
許せ...
フフファステップの
...いや
こんな事が
許される
筈もない
.....桟橋
雪踏まれて
ないよ
ここで待て
逃げる者を
桟橋から
出すな
荷下ろし
してないって
ことか...
......
敢問死...
?
...論語は
嫌いかい?
スー
フフフラッフスタッフの
オ......?
......
哥.......
哥哥
.....
弩馬殿
今のは!?
大丈夫
ですか
...今頃
来るなら
来ないでいい
まあいい
手伝え
は...
えっ!?
船倉に
穴を穿つ
実に
気に食わん
船だ
あいや
弩馬殿
いや
まあ...
それは
己も
判らんが
船に穴って...
簡単に
云いますけど
どうやって...
こいつでは
どうにもならんが
刀なら何とか
なるだろう?
猪牙舟じゃ
あるまいし
うわっ...
何も見えん
頑張れ
淡市中の水路で使われた小型の川舟
あっ
どうした?
いえ...
あの...
...いや
よく見た
ら...
死体...
...かな?
汗...?
馬鹿な
...
真冬に...
何の汗だ
女....?
......
厭らしい
曇天...
第百八十六幕
何てことだ
答えんでいたら
襲いかかられた
己は...
の時点
合い言葉の
ようなものを
問われ
それを
止鈞群に
知らせるべき
だったんじゃ
ないのか?
...臭い
?
昨日は
一体何を...
したのです?
貴方がたは
こんな
臭いのする
港では
なかった...
狭い船倉で
......
あの長物で
二人の首を
瞬時に
飛ばしたと
いうのか...
とん
!!
うっ...
一人で
これを?
ああ
異国で
死ぬ事に
なるなんて
可哀想な
人達
私には
優しい人達
でしたのに
お前が
出てきて
いれば
......!?
初めから
死なずに
済んだ
三人だ
ええ...
本当に
そう...
私が先に
出ていれば
或いは..
あそこの
二人も
殺さずに
済んだかも
あの二人は
貴方が死ねば
大人しく
帰ったでしょうし
...ッ!!
こんな武器で
よく
生き抜いて
こられましたね
......貴方
アッ
ハッ
ハアッ
ゴエエエ
......
けっ...
蹴る瞬間が...
見えなかった
うおッ
放っておけば
一瞬たりとも
止まらない
くッ...
己と同じ
武器だ..
........
体が...
動かん...!
声も
たてられん
バ...
バカな
ボオオ
エエッ
!?
ちょっ
オイッ
足江進!!
そうか
アイツ
船が怖いん
だっけな...
まあ...よく
助けに来て
くれた...
くそっ
戻るぞ
足江進!
この女は
吐に任せる
割に
合わん
あれは
足江進
...と
弩馬か
何だ...
何を急いで
いる?
まさか
......
神妙に
せいィ
御城米
勘定をすら
手にかける
とは.....
御用
江戸廻り船に
手を出せば
お上が黙って
おらぬぞ!!
御用
御用
御用
族郎党
滅ぼされ
たいかッ!?
御用ッ
騒がれ
るなッ
甚だしき
誤解である
我らは
商人・船乗りを
一人たりとも
斬ってはいない
状況を
今一度確認の上
口を開かれいッ
しゃあ
しゃあと
抜かすな
某は新番頭
吐鉤群と申す
「逸刀流
現に...
公儀の命で
咎人を追い
那珂湊へ来た
咎人の
名は..
名を聞いた
事はあろう
今この港を
騒がせているのは
二種類の人間だ
荷を奪うため
商人・船乗りに
狼藉をはたらく
逸刀流と...
逸刀流を斬る
某の仲間
某の仲間は皆
この血判を懐に
したためておるッ
御老中の書判が
左にある
お上の命である
証だ!
遠き者は
寄って見い
見よ
う...
今現在
この港で
刀を抜いて
いる者で
且つ
問われても
この血判を
見せられぬ
者.....
ほっ...
本物か!?
それこそ
其処許らが
真に捕らえるべき
相手である!!
第百八十七幕
☆第百八十八幕や
楫を絶え
其の
...
うっ...
この書判は
確かに...
こっ...
こんな連中が
御公儀の
使いだと!?
片方は
明らかに
南蛮人では
ないか...
おい
お上の意向に
異を唱えようと
いうのか?
あ
もう
よいわ
もういい
ですか?
あぶない
あぶない
三輪様!
あの連中を
このまま..
ええいッ
うるさい
こんな話誰が納得するかッ
こんな話
誰が納得
するかッ
奴らの云う
「逸刀流」の
骸とやらは
どこにある
死んでいるのは
港の人間ばかり
ではないか!!
たとえ書判が
本物だとて
奴らの所業すべてが
御老中の意思という
証にはならん
御三家の庭先で
ふざけおって!
戻って御家老に
伺いをたてるッ
おらッ
血判状と
やらを
出せいッ
御老中の
書判の入った
血判状だ
御公儀なら
持っているで
あろう!?
早うせいッ
気が短いんじゃ
ワシは!
聞こえ
とるのか
貴様はッ
待て待て
いや...
と......
...出せと
云われ
ましても
公儀では
ありません
ので...
何を出せば
いいのか..
......
いうこと
は.....
つまり...
お前は..
逸刀流とか
いう...
そうです
御用
御用
御用
御用ッ
御用
我々を見て
踵を返さんとは
いい度胸だ
この外道め!!
今神妙で
あるからといって
獄門以上の罪に
問われる事には
いざさかの違いも
なかろうがな!!
徒党の
居場所を
吐けいッ
一人で罪を
被りたくは
あるまい!?
待って
ください
私が斬っ
貴方がたが
この藩の
お役人であると
いうなら......
え?オキ...
私は...
貴方がたに
咎められる
事を......
何もして...
ません...
!?
どうした
おっ
お前
私には...
時間が...
ないんです
お願い...
します...
ここに
いさせて
ください
労咳
か!?
お見逃し
ください..
お見逃し
ください
...どうか
......それは
この場で
裁量できる
事ではない
ほれ
立て
肩を
貸して
やる
時間が
ないんです
お見逃し
ください
お見逃し
ください
お見逃し
ください
どうか
お見逃し
ください
お見逃し
ください
縄を
持て
む!?
いや
いかが
されま
した?
吐
あそこの
女と
さっき
わずかに刃を
交えたか
悪いが
あんな女は
己達では...
あいつは
ヤバいぞ
今まで
己達が水戸路で
追ってきたものが
「逸刀流」だと
思っていたが
どうやら...
とうやらそうではなかったようだ
ようだ
いや
それより
アレは一刀流
逸刀流
なのか?
馬鹿な
那珂湊で
あんな真似を
すれば
その悪評は
鳥羽・大坂
佐賀関と
瞬く間に広がる
逸刀流を
受け入れる
港が
なくなるぞ
御岳
憶えて
おるか
天津影久の
加賀行
その帰路
我々の手にあった
心形唐流を
尽く斬り斃したと
目される剣士
間抜けな
事よ..
儂は
その剣士の
名も顔も
何ひとつ
知らぬままで
おったのだ
ん(
!!
((
なっ...
う...う
き...貴様
こんな事を
してっ...
...はい
一体
これが..
......どいて
ください..
ぐぐっ
みっ...
か
三輪様
かかれえ
えええぇ
えいッ!!
吐様
ここは
私が...
ハーッ
.....見えて
おらぬのか?
!?
長さで勝る
武器を持つ者が
自ら間合いを
つめるとは...
!!
まずい..
下手をすれば
ここで七人死ぬ
!?
...天佑は
いまだ
こちらに
あったか
何と...
...?
そうか
あの状態の
あの男を
退けて
きおったか
.....ん?
何だ
斬らねえ
のか?
あーあ
惜しい!
てめェが
振り下ろした
瞬間を
狙ってたん
だがよォ
第百八十八幕
«第百八十九幕»
さて
お方々
こいつ
何に
見える?
どっから
どう見ても
手裏剣だよなァ
ところがよ...昔
こいつを使って
人間を両断する
冗談みたいな剣士が
いたんだぜ
こいつを
手に入れて
随分経つが
未だに
あんな真似は
できやしねえ
歩く冗談
みたいな
連中だよ
逸刀流なんて
ものは...
おーや
おやおや
......儂が
避けられぬと
思うてか?
それしきの
ものを...
テメェが
云う?
それを!?
それは
それは
そんな口が
たたけるほど
左眼の穴が
癒えてきたっ
てんなら
何よりだ
それとも
何だ
悪い事したなァと
思ってたんだぜ
...カハハハ!
避けられるものを
わざわざ
避けねえでいたのが
テメェの優しさ
かい?
殺しに殺した
囚人達への
手向けか...
ええ旦那?
先刻から
見てたぜ
てめェら
あん時の
二人か...
今度は
人違いじゃ
なさそうだな
あの女の
前じゃあ
散々ぶるって
いたくせに
テメェら
ホント...
「雑魚」が
骨に
染みつい
てんだな
勝つに
易い相手が
現れた途端に
コレだ...
くあッ
いって
えええ
糞ッ
堅ェモン
着込み
やがって..
!!
...
こわ...
カハハ
ハハッ
......てっ
え......
ハハハ
...ッ
あの刹那に
......三太刀
入れやがるか...
妖怪め
成る程...
あの簪は
まぐれでは
なかったか
よォ.....
そんな様の
アンタは
初めて
会った時
以来だな
ところで
天津影久は
どうした?
...
やれ
やれだ
己より先に
那珂湊に
着いてなきゃ
おかしい勘定
なんだが...
代わって
もらおうと
思ってたのに
よ......
この場に
奴がいりや
この役目
.....?
......労咳が
怖くはないの
ですか...?
己には
怖く
ねーんだよ
今のは
水に...
何かを...
旅の友に
持ってきた
薬を
砕いて混ぜた
薬の
名は
浅右衛門丸
ああ
人の肝だ
だが
それが
どうした
人の肝を
いつ
見ても
いつ死んでも
いいような
眼を
しやがって
死んだ
他人より
生きてる
手前だろ
おメェの
一番
気に入らねえ
ところだ
生きる意志の
薄弱な奴が
刃物を持って
他人様を
斬ってんじゃ
ねえよ
大迷惑
だろ
バカが
........
何故...
私を...?
義理もねえし
.....つか
半殺しに
されたしよ
別に
助ける心算は
なかったん
たぜホント
ま
ガキが
助けに
行けって
うるせえ
からよ
アイツの中で
おメェはどっか
逸刀流と別勘定
なんだろ多分
......
よかった
間に合った
あ...
しっかし...
おっとろしい女が
いるモンだねえ
あの人は
槇絵さんと
いって
天津影久の
.....その...
何というか
男と女と
いうか...
止めないで
くれたん
ですね
偽一さん
私と真理路が
殺してきた
「逸刀流」は
何だったんだ
まあ
万次の鎌を
借りておいて
万次に
斬りかかるのも
どうかと
思ってな...
それに
万次が
加わったと
いっても
まだまだ
あの趨勢
己の知る
吐鉤群は
あれでは
脅かされん
.....それじゃ
それ未満なら
じっとしていて
くれるんですね?
尤もあそこに
天津影久が加われば
己もどうするか
判らんぞ
ちょっと私
行ってきます
ハア!?
ちょっ...
待ちなよ
百琳さん
アンタが行った
からっつって
どうにも
ならんでしょ
私は今まで
卍さんに
数かぎりなく
助けられて
きましたが
私が
卍さんを
助けた事も
何度か
あるんです
今日は
そういう
事ができる
最後の日だと
思います!
行って
きます
何だってん
だろうねえ
あの娘は
助ける必要の
ない人間
助けろって
云っておいて
結局
万次さんの
心配してん
だからねえ
そういう
娘だ
あれは
自らの意志で
万次に死地を
与えるが
自らも必ず
その死地に
飛び込んでいく
用心棒と
雇い主という
関係をかなり
誤解している
ようだな
誤解ってか
忘れちまってん
じゃないの?
さっきの.....
「口移し」の時の
凜ちゃんの顔を
見ときながら
こんな事云うのも
何だけど
やっぱ
「兄妹」ってのが
しっくりくるわ
うん
お互い
換えがきかないと
思ってそうな
ところとか
カチンッ
男と女の
情交だよ
......今
何をした?
怒ん
なって
ほれ...
普段は
バカ高価え
浅右衛門丸も
誰かさんが
地下で
殺しまくった
おかげか
べらぼうに安値く
手に入ったぜ
あんがとさん
ちょっ
おまっ...
何よそ見
してんだよ
...オイ!!
ム!?
な...
何だ...?
あの船団は
第百八十九幕-終壕
☆第百九十幕へ
天乱発
わわっ
.....いっ
たあああ
......?
くうう
変なの..
何だって
みんな
うえ...
みんひる
あれ?
海のほう
見てんだろ
...?
商船...?
見ぬ型の
船だが...
?
あの船は
吐!
あれは...
恐らく
商船ではない
己と
足江進が
さっき...
!?
待てッ
?
なッ
てえッ
ひえええ
えええぇ
全員
陸へ走れ
...この
やり口は
まんじ
さん!
ああ!?
呼んだろ
今!?
呼んで
ませんが
いっ
てえな
あ?
そう...
ハッ
ハッ
ま...
卍さん
え?
ええっ!?
どこ行くの
みんな.....
ちょっ...
ちょっと
わぁあああっ
ひえ..
た..
コロッ...
ひッ
た...
ま...
待って
何...何
これ何!?
ぶべっ
......
早く立て
あっ...
あっ...
あん.....
......?
まさか脚を
痛めたのか?
わ...
陸にいる者のうち
荷下ろし中の船員
地元の役人
そして私以外に対し
絶え間なく
射かけるよう
指示をしてある
離れずに
ついて来い
...
悪いな...
丁度そこに
手が回ら
ねえんだ
.....別に
いいですよ
ぬおわ
「いえます」
くらい
いってくれ!
槇絵...
卍さん
...
影久
あ!凜ッ
お前...
何下りて
きてんだバカ
ハー...
ああ?
諏訪以来だな
百人斬り
あー...
ああ!?
ああ...
おう...
フ・今の
オレに云ったん
たよな...?
......
貴女と
いう人は...
私は
白川くんだりまで
女を追ってくる
ような人に
小言を云われる
筋合いは
ありませんよ
今まで
何度も
何度も
貴方から
逃げて
きましたが
漸くかか
判りました
腹立たしい
ものですね...
逃げられるのは
......判って
いただければ
いいんですよ
天津
影久アッ
今の今まで
どこで何を
していた?
これは
吐殿
久しぶりに
お会いしてみれば
無体なことを
おっしゃる
道中の貸し馬を
ことごとく部下に
斬り捨てさせた
ご当人が
どこで何を
とはね
あの船は
何だ?
もちろん
逸刀流を
薩摩に運ぶ
船ですよ
二人で一隻...
都合八隻
十六人分です
これだけ
バラバラに
しておけば
八隻...
そして
逸刀流全員の
落ち合い場所
用意した船の
停泊場所は
日立の港とした
貴公らが船を
用意したとしても
滅ぼされる可能性が
ぐっと減る
問題は
私を含む四人...
「江戸城襲撃組」が
日立で仲間と
合流する前に
同数.....
八隻の船を
用意されぬ
限りは
街道からの地理と
港の規模から云って
貴公らはまず
那珂湊を探索せざるを
得ないからだ
時々だよ!?
貴公らが
那珂湊での探索を終え
日立に足を向けた
場合だが......
その場合
この港の端に
一隻だけ泊めた
仲間の船が
貴公らの探索が
たけなわの頃合いで
急ぎ日立に向かい
日立の逸刀流に
その旨を知らせる
貴公らが陸路で
日立へ向かう頃
十二人の逸刀流は
海路で那珂湊へ
遅れてきた四人と
悠々合流!
というわけです
ま.....
細かく話せば
キリがないが
大体そんな事を
心算していたと
いう事です
それも
これも
仲間が
生きていればの
話だが......
ここが
私と貴様の
終焉だ
吐鉤群
第百九十幕
»第百九十
幕
ここが
私と貴様の
終焉だ
吐鉤群
愚かな...
仲間の滅びを
知っておるなら
そのまま
貴様一人
目立より
船で逃げる事も
できたものを
わざわざ
那珂湊に
来るとは
揃えも
揃えたり
恥ずかしながら
私一人の力では
とてもとでも
しかし...
八隻か
あの船は
どうやって
あれだけの
船を?
普通の
弁財船とは
違うようだが
......?
祖父のツテを
利用させて
もらいました
貴様ァ
すると
あの船は
ほう...
ご存知でしたか
私の祖父の事を
そうか......
!?
もとより
薩摩へ行く
気など
なかったの
だな.....!?
吐殿
我々は本当に
なりふり構わず
逃げるつもり
だったのだ
結局
「逸刀流」は
剣の再生...
土道の再生の
呼び水とは
なれなかった
だがいつか
より大きな
脅威
この国全体を
揺るがすような脅威が
現れれば
その時必ず
我々に似た者達が
現れよう
人はやがて
逸刀流の事を
忘れるだろう
我々は
逃げて
逃げて
たどり着いた地で
町を作り
子を育て...
その子らに剣を伝え
やがては脅威
そのものになる
......
そう考えていたが
どうやら...
まだこの地で
やり残した事が
あったようだ
吐鉤群
儂のおらぬ間に
江戸城を
恐慌に陥れた
張本人が
貴様だけは
今日
殺して行く
ようも
被害者面で
宣いおるわ
ククッ...
確かにそれは
その通り
吐殿
私のコレは
極めて個人的な
恨みつらみの
仕儀であって
貴公の罪を
断ずるものでは
ないのですよ
いや......
そもそも
この場に
他人の罪を
責められる
人間など
ただの一人も
居はしない
そこの男
万次は
二つ名の通り
自らの上司と
公儀の追っ手...
合わせて百人余を
斬り殺した
万次の肉体を礎に
貴公は
江戸城の地下で
何百人もの人間を
犠牲にして
不死移植の実験を
繰り返した
その江戸城にて
日をおかず
我ら逸刀流は
公儀百余人を
屍の山と変えた
人斬りを
責める者が
既に人斬り
此処は既に
善悪の彼岸ー
違いますかな?
......
違うな
貴様らは
ただ粛々と
頭を垂れて
おればよい
人の善悪を
決めるは
お上の裁き
のみ
荒篠!
!
お前は
百人斬りと
下げ髪の娘を
斬れ!
あっさ
百人殺し
上司殺し...
その圧倒的な
凶状も
さる事ながら
他人様の役に
立てるにあたわぬ
独善的不死力など
これを認める事
まかりならん
屠るべし!
仲間とともに
江戸城に闖入し
数多の衛兵を
斬り殺した挙げ句
火薬を用いて
堀を決壊させる等
将軍家の膝元を
大いに騒がせた
振る舞いの数々
言語道断の
罪である!
屠るべし!
......
御岳!
弩馬!
足江進!
ご命と
あらば...
お前達は
蛇組と協力し
そこの女を
斬れ!
!!
逸刀流に加勢し
公儀に刃を向ける
不届きのみならず
地元の役人十人を
瞬斬するに至っては
まこと
悪鬼羅刹の申し子と
云う他はない
屠るべし!
......自分を
棚に上げて
よく云う...
そして
天津影久
貴様が
逸刀流の
統主である事
その一事が
万死に値する
罪である
この儂が
全霊にて
屠る!
よかろう...
こられませい
万次
お前には
云いたい事が
山ほどある
生き残れよ
この野郎
てめェの
心配してろ
つり目
いくさーば
ひんぷん
やがて雪が戦場に縫粉と狂った
はァ
はァ
ハッ
ハア
ハッ
はァ
ハァ
ハァ
ゼェ
ハア...
父上..
ちちうえ
うっ
ハッ...
アッ
ハ...ア
...オイ
......
大丈夫か?
...
......
行って...
ください
!?
お前は...
貴方の...
情けは...
受けない
...
そうかい
じゃあな
貴方も...
腕に...
怪我を
ん?
ああ
女一人を
支えるくらい
何でもねェよ
......
すげえ熱
だな
まがつ
戴斗...
...殿
何だ?
お互い...
最後まで
生きてたら
.......私に
剣を教えて
...ください
......私
もっと...
強くなりたい
です...
......
熱のせいか?
無理だな
アンタ達が
滅ぶか
己達が滅ぶか
.....これは
そういう
旅だろ?
...
...フフ
...そう
じゃあ
でした
ね.....
失言...
でした
生まれ
変わったらで
いいです...
ここも
かよッ
!?
一体全体
どこに..
刃が通るっ
てんだよ!?
この入道はッ
なっ...
何なの
この人..
先刻から卍さんが
珍しく一方的に、
斬ってるのに...
一体
どこを
斬ってる
のに
斬れない!?
これじゃ
...
狙えば...
......
我慢して
私の足...
!!
?
......おお
そうか!
考えて
みれば
「一対一」は
逸刀流だけの
規範であった
おお...何と
こんな女子を
私に潰せと?
無限の住人
「無限の住人」第28巻は「アフタヌーン」!!
年2月号から6月号、8月号、9月号に掲
載された作品を収録しました。
編集部では、この作品にに対する皆様のご意
見ご感想をお待ちしております。また、
「アフタヌーンKC口にまとめてほしい作品
がありましたら、編集部までお知らせく
ださい。
〈あて先〉
〒一三丁八〇〇1
東京都文京区音羽ニーニィニー
議談社アフタヌーン編集部
アフタヌーンKC」係
なお、お送りいただいたお手紙・おバガキは、ご記入いた
だいた個人情報を含めてで著者にお渡しすることがあ
りますので、あらかじめご二丁解のうえ、お送りくださ
い。
●この作品はフィクションです。実在の人物、団体名等
とは関係ありません。
アフタヌーンKC775
無限の住人28
著者
発行者
発行所
【株式会社廣済堂】
印刷所
本文製版所,豊国印刷株式会社
株式会社フォーネット社
製本所
二〇一一年十月二十一日(第一別発行_定価はスーに表示しており、
沙村広明
○HTroakisamuuray!!
清水保雅
株式会社講談社
ティーニーハ○○一東京都文京区音羽ニ「ニューニー
電話「編集部」東京○三五三九五十三四六三
販売部・東京へ○三十五三九五十三大〇八
業務部・東京・○ニー五三九五十三大〇三
講
EBN97844063IO753
もしかしていますので、お客様の皆さんにおいてのお客さんのお申し訳ございませんでしたが、ご紹介いただいた方がいいのですが、これからではないと思いました。これです。このようにお願いまですね。
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