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むしし

うるしばらゆき

漆原友紀

アフタヌーンKC

雑誌「55721-84

ISBN4-O6-314284-1

c9979、¥533E.(D)

アフタヌーンKC,講談社

定価:本体533円(税別)

9784063142846

19299790053で

アフタヌーン

...

むしし

むしし

...

まねむる

や筆

の海

宴を吸う若

長谷星

雨がくる虹がたっ

綿胞子

漆原友紀

再談社

...

...

また、

最後には、少しでも

そういえば

雨がぐるみながだって、その

わたしはも

そういった

...

山に花が

開いていた

はぁー

旅の疲れも

吹き飛ぶ

ってもんだ

ちょいと

ごめんよ

兄ちゃん

さすが霊峰

美事な

お姿だねぇ

おかみ

蕎麦おくれー

はいよぉ二つ

あと酒ね

...

消えた

オープン

...しかし

誰かが

行かねば

だが...

誰が行った

ところで

二の舞だ

やはり今は

山に入っては

ならんのだ

ムジカ殿も

言っておった

ではないか

いや

だからこそ

彼の安否が...

...山の事で

何か

もめ事

ですかな

鉦の音を聞いたなら

そちらへ進めば獲物を見る

それは山の神の咆哮

何だ

あんた

おい

蟲師.....!?

蟲師です

山の様子が

おかしいんで

お役に

立てるかと

思いましてね

蟲師だと

ああ

ならばぜひ

何だ?

お頼みしたい

事がある

この山深くに

住むー

彼は

我々にとって

かけがえのない

師なのです

ムジカという

蟲師を

捜しては

もらえまいか

この山には...

代々山の

すべてを知る

“主様”が

おられます

ムジカ殿は

主様の意向を一唯

知る人なのです

...ヌシ?

我々は

山の木を伐る時

獣を狩る時など

事あるごとに

指示を仰いでおりました

...この山は

伐った木が翌日

元の場所に生えておったり、

猿の頭をした

狐が捕らえられたり

...そしてこれも

彼の教えなの

ですが...

よくよく

奇妙な事が

起こりますゆえ

ですか

ムジカ殿が庵から

姿を消して久しく

収穫期の

この時節

我々が山深くまで

入る事は禁忌と

なっておるのです

禁を破り

数人が山

捜しに入ったところ

数日山を

さまよったあげく

何とか戻りはじたものの

熱病に冒され

命を落としかけたので、

ふぅ

ものすごい

精気だ

甘いような

苦いような

ここは

光脈筋だ...

地底から

木の葉の一枚一枚から

立ち昇る

生命の川の

流れる所

むせ返り

皮膚に

まとわりつく匂い

まして今は

実りの時期

普通の山でも

精気は増す

光脈筋なら

統制をとる

アヌシがいるはず。

となれば

件の蟲師が

知ってるはず

不用意に入れば

精気にあてられ

気が惑う

山の異変は

ヌシの変調

だろう

すいぶんと

里の者に

慕われてる

ようだが

どんな

蟲師か

......

里の子供

か.....?

おい!

何しに来た

弟子が

いたのか

ムジカを

捜すんだ

僕は

ムジカの

弟子だ

昔に

かむのは

目ェ回しそうに

なった時だ

こいつを

奥歯に

はさんでろ

まァ少し

じっとしてろ

気付け家だから

...さ

先に言え

今から

お前の師匠

見つけてやるから

ムグラノリ

何.....

すんだ?

ムグラという

山の神経のような

蟲がいる

そいつらに

意識を潜らせて

草木の中を

走って来る

!!

来てるな

ファッションもお兄ちゃんは

反対側

こっち

っちを見た!

ムグラを

引きはがされた...

なるほど

...だ....

大丈夫なの

か.....?

そういう事

行くぞ

こっちだ

えっ

ほんと!?

...鐘か?

七つ時って

ところかな

この辺りの

はずだが...

あっちに

鐘なんて

あったっけ

あれ!

おお

ムジカ!!

...それで?

足すべらせて

ケガして...

里の皆には

主様の意向を

伝えられんで

迷惑かけたな

ずっと

周りの実や草

食っておったよ

水は持っとった

しの

ギンコです

しかも何だ

同じ蟲師に

助けられるとは

ムジカだ

気恥ずかしいが

礼を言うぞ

自分の庭ぐらいに

この山は

思っておったが

あんな所で

足すべらすとは

さすがに

年をとった

..そろそろ

任を離れる

べきなのかも

しれんなあ

山のヌシの

...ですか

......侵入者から

ムグラを

引きはがしたり

できるのは

本物の

土地のヌシが

ヌシの術を

張っているヒト

ぐらいでしょ

この山の異変は

ヌシである

あなたが

ガケ下から動けず

......

ああ

術の更新が

出来ずにいた

せいだ

だが明日からは

この足でも何とか

ヌシを続けられる

だろう

山は元に戻る...

...しかし

ヒトがヌシを

やるのは

辛いと聞く

河の水からは

酒のような匂いが

漂い始めー

余程の

訳でも?

気づいておる

だろうが

ここは

光脈筋でな

だが...

草木は熟れ過ぎ

ほとんど

覆されてしまった

山の精気を

ある程度おさえる

正統なヌシは

ちゃんとおった

...里の者が

誤って...:殺して

しまったのだ

俺も昔は

旅の蟲師を

しておったが

よく立ち寄る

ようになった

この里で

困り果てた

里の者達を見て

妻と共に

山に入り

ヌシになる

決意をした

妻は...

山の精気の

せいか

長くは生きられ

なかったが...

山から産まれて

山に育てられた

のだからな

...では

その子を

次のヌシに?

山歩きは

ずいぶんと

達者だった

そうだろ

......

里の

子供の数を

見たろう

ああ...

そうだ

この山から

流れ出る水で

生きておるのだ

.....女達は

犬猫のように

子を孕む

双子、三つ子。

四つ子とな...

皆は育てられず、

山へ捨ててゆく

獣に食われずに

生きのびたのは

この子ぐらいの

もんだ

だが

里に残った

この子の

兄弟は皆

薄命でな

この子の生存を

知った両親が里へ

引き取って...

じき一年になる

........

身勝手な

話だな

.....まあ

その通り

だが

仕方がない

それが

一番いいに

決まっとる

鐘の音

お前さんは

こんな夜中

にも......?

...ああ

ずっと

土地を定めずに

流しで蟲師を

やっとるのか?

そうです

蟲を.....

寄せるもん

ですから

ひとつ所に

住めば

半年ほどで

そこを

蟲の巣窟に

してしまう

なるほど

それでは

浮き草を

やっとるしか

ないか

俺が

蟲を払う術を

身につけたのは

必然から

でしたよ

なに.....

性分に

合ってるし

苦じゃあ

ないですよ

そうか

この山から

一歩も出られん

身からすれば

ちょいと

羨ましくもあるな

善かれ

悪しかれ

俺が骨を

埋めるのは

この山以外に

ありえんから

の...:::;::

じゃ

里の皆に

知らせに帰る

けど...

次に僕が

来る時まで

無理しないでよ?

わかっとる

お前こそ

入山の禁が

解けてから

来るんだぞ

それじゃ

お前さんも

達者でな

.....

ムジカ

ええ

お元気で

僕は今も

ムジカの

弟子だよね

勿論だ

うん...

里からここまで

通うのだって

鍛練になる

お前は今に

立派な蟲師に

なるぞ

おーい

戻ったぞー

コダマも

緒だー

ムジカさんは

無事だーーっ

あー

くかーー

来ている

ギンコさん!

あの音...

変だよ

この近くに

鐘なんて

ないし

風向きのせい

じゃない...

一体どこから...

父さん達

何も聞こえない

って言うんだ

......

何かの

蟲なのかな

ヌシ.....?

ひとつ聞く

お前...もう

ヌシの術は

習ったのか?

ヒトが

山のヌシに

なるための

術だよ

ムグラを体内に

飼う事によって

常にムグラノリを

している状態になる

眠っている時ですら

山の草木が感知している

すべての事柄が

術者の中へ流れ込んで来る

まだ

習って

ない...

.....それに耐え

ムグラを操れる

ようになれば

あー

鐘の音の原因は

んな心配するほどの

蟲じゃない

そうか

山の異常な精気を

抑制する力をも

手にできる...

家帰って

寝直せ

どこ行くの?

俺は散歩の

途中なんだよ

いいな

山が

静まり返ってい

...あれが

そこまで

来てるんだ

...ジジィ

とんでも

ねぇもん

呼んでやがった

まあー

どこだ...?

あの音の

進路.....!

山頂か:...!!

はぁ

おお

...あんた

足に怪我なんて

してないな

まだ何ぞ

用か?

ずっと

人目につかない

あの場所で

〝クチナワ〟を

呼んでいたんだ

......

何を

言っとる?

近づいて来る

鐘のような音

ヌシ喰いの蟲

あれは

クチナワの鳴き声

だったんだ

山のヌシ

沼のヌシ

そういうもんを

喰ってー

ヌシに取って代わる器

......

そして

その場所に

安定を

もたらす蟲

こうするのは

...:あれは立派な

ヌシだった...

巨大な老猪の

姿をした...

...俺が.....

悪かったのだ

俺の使命だ

邪魔せんで

くれ...

美しいヌシ

だった...

話は

後で聞く

あんな事は...

口にしても

ならんかった

のに...

早く

この山から

出てくれ

もう遅い

クチナワは

俺を見つけた

ヌシの座には

あのようなものが

在るべきなのだ

ヒトには

辛い...

コダマに

伝えたのも

生きてゆく

ための

智恵だけだ

...何を

無駄だ

それに

出来たところで

他にいい術など

あんたから

ムグラを

引きはがす

何かあんだろ

こんなの

よりゃよ!!

:::里の連中は

どうすんだよ

あんたの事を

慕ってる...

必要としてる

なのに

一人で勝手に

こんな死に方

決めてんなよ

...あんたは俺が

少し羨ましいと

言ったが

俺もあんたが

少し羨ましかった

.....よせ

お前まで

巻き込まれる

ぞ!!

ムジカ....?

何だこれ

.....っ!!

ムジカぁッ

おおい

ムジカが来て

くれたぞォ

ムジカ!

朔!

やあ皆

山はどうだ

おかえり

ああ

あぁ今年も

妙な事が

いくつか

起こってる

来てくれて

助かるよ

なぁ

ムジカ

お前さん

この里に

住んでは

くれんのか

この里にゃ

お前さんが

必要だよ

そいつは

無理だ

どうして

俺には...

蟲を寄せる

体質がある

ひとつ所に

住めば...

そこは

蟲の巣窟に

なっちまう

何とか...

ならんのか

朔は...

妹は、お前が

来る日を

ずうっと

待ってるんだ

ここで...

あいつと

所帯を持っては

くれんか

.....

ここに俺が

住めるとすれば

ひとつだけ

山のヌシを...:

...:殺して喰って

俺がヌシに

なる事だ

俺だって

...ここに

住みたいさ

そうすれば

俺の意思で

山に蟲を

寄せつけなくする

事もできる...

でも

そんな事が

許される筈も

ないだろう

ヌシの

通り路の地図と

毒薬がない...

一体いつから

.....

...ああ

朔!

どこ行って

御牡丹...分けてもらったんだ

......

すぐ...

鍋にするから

うんと

うまいの

作るから...

さ...

待っててな

だから...

ずうっと

ここにいて

くれな...

決して

自分の記憶

にはない

夢を

見た

........

山頂に着くと

ギンコさんが

倒れてて...

ムジカは

もう

どこにも...

あれから

ずいぶん

捜したけど

庵までもが

跡形もなく

消えていて

里の

誰も...

どこにも...

いなくて.....

誰も

ムジカの事を

覚えてないんだ

......

クチナワに

喰われる...

ヌシの交代

ってのは

そういう事

なんだ...

その時、山に

いた者にだけ

記憶は残る

ようだがな...

これぐらい

できら

...あれ

...この

蟲払いの薬...

お前が調合した

のか?

俺は

ムジカの

弟子だもの

うん

へェ

大したもんだ

どーしても

伐れない木が

あるとかで

ーい

おー

コダマー

ーあ

・いい智恵

お前何か

ないかい

おや

あれ家の人えええになったか

いま行く

すぐ

戻るから

ああ

気にすんな

うう

寒ィ

他にいい

術などー

........

ないねぇ

何かあんだろ

こんなの

よりゃよ

残念ながら...

...美事な

もんだ.....

人の気など

知りゃしねぇ

なァ

クチナワよ

まるで

欠伸でも

するように

クチナワは

ひと声

あげると

あとはもう

静かに腹を波打たせる。

ばかりだった。

やまねむるおわり

ボボン...

正「ふでのうみ

......何だ

ギンコ

お前か

どうだ

仕事の方は

淡幽の

調子は?

まァ

相変わらず

だよ

どうも

こちらも

変わりは

ない

先刻まで

執筆をして

おられたので

お休み中

だがな

今日も書庫に

行くのだろ?

ああ

そっちで

待っておれ

どのあたりを

読みたい?

先代までのは

あらかた

読んだな

それじゃあ

淡幽お嬢さんの

代からだね

ああ

そうだ

あれ出しな

そっちの棚

からだよ

どうも

お世話様

葉巻

ここで吸ったり

しねぇよ

もしもがあっちゃ

ならないからね

ここの書物が

ただの蟲封じ指南書

ではない事ー

忘れては

おらんだろうな

......

わかってるよ

そう

その

行為家来四べ事記者...

深出の生徒についての

これらの書物は

紛れもなく秘書である

内容は勿論の事

存在理由に於て主に

........

特居家付属師

薬袋たぁ記す

これは

墨色の

あざ

間違い

ございません

四代目の

〝筆記者〟です

淡幽

お嬢さん

っ!!

私もお外で

遊びたい

...何で

この足

動かないのっ

部屋に

お戻り下さい

やだ

......何で

読み書きの勉強

ばかりなの

そうですね

お嬢さんにはもう...

おわかりいただけると

思いますので、

...

すべて

お話し...

致しましょう

たまの先祖の

蟲師が

お嬢さんの

ご先祖のお体に

その右足の

あざは

蟲を封じた

跡なのです

禁種の蟲を

封じたのです

......禁種?

本来

私ども動植物と蟲は

同調しておるものです

はい

動植物栄える所

蟲も栄え

枯れたる所では

枯れるもの

けれど

その昔の

大天災の折

動植物も蟲も

衰えゆく中

異質な蟲が

現れ

たまの一族に

伝わって

いるのは

他の

すべての生命を

消さんとしたのです

どんな

蟲なの

身重でありながら

蟲を封じた

ご先祖様のお体は

姿も

形も

封じた方法も

「体内に

記録は一切

見つかって

おりません

全身

墨の色となり、

蟲は体内で

生き続けましたが、

ご先祖様は...

それから

狩房家には

何代かにお一人

ここに

出産後...::

命を落とされた

という事です

体の一部に

墨色のあざを

持つ方が

お生まれに

なるのです

それがまだ

生きているの...

私も

そのうち

死んじゃう

の?

........

眠らすお力も

お嬢さんは

お備えになっている

はずなのです

そうさせぬために

たまが

おりまする!

たまが

お手伝い

致します

いま少し

読み書きがお達者に

なられた日には

そこで

禁種の蟲を

地下に眠らすのです

たまと

別邸へと

参りましょう

そうすれば

体のあざは

消えー

歩けるようにも

なるでしょう

これまで

三人の

ご先祖様が

そう

少しずつ

眠らせて

きたのですよ

お嬢さん

着きましたよ

随分とも

昔の夢

だったな...

......

その後

たまから

聞かされた

蟲の眠らせ方は

意外な方法だっ

これから

たまのするお話を

後から

紙に写し取って

下さいまし

たまの話はすべて

たまが昔

蟲師をしていた頃

蟲を屠った

体験談

夢物語の

ような

実話ばかり

大捕物は

活劇調に

哀しい話は

暗灯の下で

新遠い出地

見知らぬ火々の物

それらは常に

私の心を惹きつけた

それを紙に記す時

足のあざには

激痛が走っ

蟲が体から

出て来ているの

.....?

そうです

お辛いで

しょうが

こらえて

下され...

たまが蟲を

屠ってきたと

いう事実が

その蟲にとっては

呪なのです

.....!

たま

...たまも

......辛い事も

あったろ?

私のために:::...講師に

ならねばならん宿命を

負わされたのだな

それを

恨んだりも

したろ.....?

そのような

ものは

お嬢さんに

会えました事で

すっかり消え申した...

今は

感謝して

おりますよ

たまがいかに

私の痛みを

紛らわそうと

苦心して

....続き

話して

うん

大丈夫よ

それはやがて

時が過ぎたまの話も尽き

大丈夫

で?

他の蟲師を

招くようになる頃に

わかった

...そして私は

その害蟲めを

一掃すべく

山中に

天敵である蟲を

...こちらの蟲で

ございますが

大量に放ったので

ございます

無論

こちらの蟲も

その後

処理致しました

方法はわかって

おりました

ので

害蟲めは

ひと月も

せぬうちに

ちらとも

見ぬように

なりました

増えすぎては

困りますのでな

私が聞い

た話は

所詮...

彩殺生の話だっ

足の痛みは

心の痛みも

伴うものに

なっていった

微小で下等なる生命への傲り

そういうものが

異形のモノ達べの

理由なき恐れが招く殺生

少なからず

感じ取れるのだ

.....

殺さずとも

済むのでは

ないか...と?

私だって

この足さえ

動けば...

...失礼ながら

それはその通りで

けれど私には

どうしようも

ない事だった

それは実際に

蟲と対峙した

者でなければ

言えぬ事かと

あの

もし

狩房家の

娘さん?

...ああ

お前も

蟲師か

蟲の話

集めてんだろ?

やっぱね

この辺他に

家ないしね

協力すれば

「狩房文庫」

既覧できると

聞いたんだが

あじゃあ

これが噂の

墨色のあざ

......悪いが

帰ってくれ

じゃ

殺さねぇ

話な

蟲を殺す話は

もう

たくさんだ

あー

そっちの方が

随分多いな

いや

それでは

役に

えー

まずは

黒子を食う

蟲の話

いい

...いや

黒子?

何か今

言いかけ

たろ

話してくれ

蟲の話...

本当は

たまの許可が

下りてからでないと

いけないんだが

きっとたまは

お前のような蟲師は

雇いたがらんだろうし

......

すげえ...

特別な

ああ

その話は

聞いてる

禁種の蟲だろ

そう簡単には

くたばらねぇ

旦し扱いには

充分、気をつけて、

くれ

その文字列の中に

蟲が眠って

おるのだ

それにしても

こいつは

蟲師にゃ

宝だな

そうだな

だが

私は

生物と蟲が

共に生きている話を

もっと聞きたい

これらは

すべて

死の目録だ

...たまには

何とか私から

話を通す

また

話をしに

来てくれるか

......喜んで

......

お嬢さん

......おや

お目覚め

でしたか

ギンコが

来ておりますが

ああ

すぐ

呼んでくれ

ん.....

何だ

これ...

紙魚の

ーやばい

...これも

起きた...

よくよくっ

これも

かっ

のか?

ギンコ

おたまさん

文字列が

崩れ出してる...

紙魚が紙を

食い始めてる

ぞ!

何とっ

封が

解けちまう

お嬢さん

どうした

封の一部が

解けましたッ

そちらへ

向かって

おりまするー

えらい事に

なったな

この部屋からは

出られん

...本当

はは

ちゃんと

生きておった

のだな

数百年も

眠ってたとは

思えんな

いや

お前の事だよ

ギンコ

......

何か

余裕だな

私にだって

こいつら

元に

戻せるのか?

できる

蟲封じは

あるのだぞ

たま

はい

...?

文字列の

動きが

止まってる

この部屋の

壁と天井には

特別な棚が

塗ってあるのだ

巻之

一千八百五十三

一之章

二之章

内容

紙魚が

いようと

いまいと

全部

覚えてるのか

いずれ紙は

劣化するもの

だからな

少しずつ

こうして

写しをせねば

ならんのだ

かと言って

普通に写したのでは

封じた事にならぬ

...あの紙魚は

お嬢さんの

愛玩物なのだよ

これが

家に伝わる

写しのやり方だ

......

ははは

あれはぁぁぁ

愛嬌が

あってよい

少し

増えすぎ

なんじゃねぇか

また

それは

危険な

遊びを...

決して下手を

したりはしない

それが

いいだろう

私がこうして

きっちり写しを

すればよい事だ

私のつとめ

なのだから

女学の海に溺れるよう

生きている娘が二人いる

ははは

はそれで

一件落着か

他には?

んー

今日は

これくらいに

しとくか

まだいいぞ

蟲封じに

使えそうな話は

五割もなかったろ

昨日の今日で

疲れてんだろ

無理すんな

.....

わかったよ

ギンコ

終わるまで

そこに

いてくれな

ああ

.....う...っ

蟲に体を侵蝕された

蟲を愛でつつ

蓋を封じる

ついう娘が

きゃーーー

...

終わりましたか

いやーい

な、なんだんじゃあ、

ああ

布団を

ギンコ

...休まなくても

平気だ...

それより

外が見たい

連れてって

くれるか

:::この足

一体

いつになれば

動かせるように

なるんだろうな

死ぬまでに

消せなければ...

いずれ

私の子孫が

引き継ぐ事になる

う...焦るなよ

少しずつでも

あざは減って

きてるんだろ

...ほんの

少しずつだ

今までずっと

そうだったように

私の代でも

結局...

叶わないのかも

しれないな

お前さ

足治ったら

どうすんだ

お前と

旅がしたいな

話に聞いた

蟲を見たい

なんてな

ははは

よくても

その頃、私は

老婆だがな

........

冗談だよ

いいぜ

.....それまで

無事、俺が生き延び、

られてたら...だがな

いや

明日にでも蟲に

食われてっかも

しんね

ーー

...生きてるんだよ

それでも

生きてるんだよ

むちゃ

言ってんな

何とかなるさ

今日も陽が昇りままだ光お

朝吹く花が首から落ちる

今日も陽が沈みまた昇る

辺りぶ面談花が咲く

けれど昨日とは別の花

おー

まだ

着かんのか

......

あの

医家の先生が

紹介してくれたって

事は...あなたも

そうなんですよね?

ああ

もうじき

ですよ

見えました

いいや

蟲師っ

てんだ

ごごめんなさい

初めて聞いた

もんだから...

露骨に

不安がるな

よ...

話を聞いた

感じじゃ確かに

俺の範疇だよ

露を吸う華

・つゆをすうむれ

あこや、知ってるか

海の向こうに行けば

広くてきれいな土地があって

みんな幸せに暮らしてるんだ

いつか行こうよ

連れてってやるよ

だから

そんな顔

してるなよ

なァ

そうそう

......

何で島を

遠まきに見てんだ

うん

流れも

早く強い

じき潮が

変わるんだよ

ここらは

複雑な潮目に

なってて

島に入れるのは

大潮の日

わずかな時間

だけなんだ

...なるほど

簡単にゃ

入れそうに

ねえな

気をつけて

下さい

この島に

漁師はいない

お前さん

漁師か

何かか?

月に一日しか

安全に船を出せる

日がないからね

こっち

だよ

みんな

何とか生きてる

岩しか

ないな

うん

土が少なくて...

貧しい島なんだ

〝生き神〟を

心の支えにね

生き神?

人だ

隠れて!

ごめんね

これは

食べらんない

んだよ...

生き神様に

差しあげて...

お前の病気

治してもらわ

なきゃあね

おぶさりな

今にきっと

楽になる

......

あ?

...なァ

オイ

俺が診て

ほしいのは

俺達ァ

何で隠れなきゃ

ならねえんだ

その

〝生き神〟なんだ

あの子は

ただの人間

だったんだ!

どうか助けて

下さい...!!

みんな

騙されてるだけ

なんだ.....!

あの子

だよ

彼女の身には

毎日〝奇跡〟が

起こる

隣が父親の

...:この家の

当主だ

今日はそれを

信者の人達が

〝参拝〟できる

日なんだ

呼吸も

完全に止まった

......

今の

見たか

え!?

お前には

見えんのが

何という

香りだ...

さあしっかりと

その香を

吸い込みなされ

あとは...

また元の姿に

回復していくんだ

ああ.....

ありがたい

心の苦しみも

病も取り除いて

下さるでしょう

不老不死なる

生き神様の

御力です

夜明けには

何もなかったように

目を覚ますー

...話の通り

だったが...

さすがに驚いたな

ーあんなの...

でたらめだ!

あれで病が

治るって?

俺の母さんは

...治らずに

死んじゃったよ

畑の収穫を

ほとんど生き神に

貢いでたのに

潮を読み

初めて島に

入ったのが

あの

生き神信仰は

当主の一族が

この島で

始めたんだ

当主の

先祖の一団

だったらしい

それ以来

それを聞いた

人達が

「一人

生き神が

死ぬと

また別の

生き神が

現れる

当主の一族

からは代々

生き神が

現れるように

なった

この島の

“奇跡〟を

慕って

少しずつ

集まり

始めたんだ

半年と

たたない

うちにね

そうしてく

うちあの

生き神の出す

匂いで

不治の病が

治ったという

人も出た

あこやとは

ずっと仲良く

してたんだ

「俺はとても

信じる気に

なれなかった

けど

あこやとは

.....でも

あの日

あこや!

先代の

生き神が死んで

ひと月の頃だった

また......

来なさい

外の者と

遊んで

おるのか

大事な

用がある

あれも...

そして

あれきり

昨日みたいな

大潮の日だったのを

覚えてる...

あんな

言葉も通じない

昨日の事も

覚えていられない

人でないものに

なってしまったんだ

それが

どういう事だったか

ほお

また病が

治った者が

出たのか

しかし

ご先祖様も

ありがたいものを

見つけて下さった

しばらくして

わかった

やれやれ

暗示で治って

しまうとは

めでたいものだ

あこやも

出来の良い

子供じゃ

なかったが

孝行できて

満足だろう

許せなくて...

もう戻らない

と言って

島を出た

戻ってるのが

知れたら

当主は俺を

疑うだろう

俺は

あこやを

治せる人を

探しに出たんだ

正直...

ギンコさん

あなたの身も

危険だ

...ハー

お願いだよ

このまま

黙ってる

なんて

嫌だよ

.....まァ

つきあって

やるよ

まっずいとこ

来ちまった

な......

!?

んー

早いとこ

本人診させて

くれよな

脈が異常なほど速い

体温も

体温も

ヒトの常温を

はるかに超えている

イサッ

......

そろそろ

だな

明かりを

頼む

ちょいと

失礼するよ

...いた

蟲だ

誰だ

子を産んで

親が死んだんだ

.....何が

見えたの

「原因は

鼻腔に寄生

しているモノだ

だが

こいつを取って

元に戻れるのか

.....

患者は

この子だけ

なのか?

あの岬に

隔離されてるんだ

他にも

数人いる

代々の当主は

彼らを

たたえて

ここに

住まわして

きたんだ

彼らもみんな

あこやと同じなんだ

昔から

ごく稀に

そういう人が

出る...

生き神に

近づけた

信仰篤き者

としてね

残された家族は

祝福してる...

自分達の

血筋に

すべての

苦しみから

解放された者が

出た...ってね

なあ

あの子が

発病した日も

大潮だったな

うん

...結局

新しい発見は

なかったか

大潮の日しか

入れない場所

とか.....

「どこか

思いつくが

岬の先端の

洞...

あの辺り

だよ

何か

探してるの?

いた...!!

見ろ...

こいつも

寄生されてる

他にも

いるはずだ

この一帯を

探してみてくれ

また二匹

見つかったよ

ああ

置いといて

くれ

ナギ

療法

んー

見つかったぞ

大丈夫

だから

ううー

ーっ

あこや

静かに...

一瞬ですむ

ここか

あこや

...?

...ナ...ギ...

......

あこや!

よかった!

よかった

そう...

...父様は

どうして

...あこや

島を

出よう

次の大潮まで

あと三日

でも...それ

この島が

好きよ

父様もきっと...

悪かった....って

言ってくれる

当主様に

治ってる事を

隠し通すんだ

私が

逃げれば

他の誰かが

生き神に

なるだけ...

.....

...その原因を

持ち出せば

いい

この島から

蟲の悪用を断つ

ためにはな

あの日は

生き神に

なった日の事

覚えてるか

父様に呼ばれて

あこや

さあ

お前のために

採ってきたんだよ

いい香り

だろう

きれい...

吸うて

ごらん

ヒルガオに

似た...

香りの強い

花....!?

:::三日後か

うん

あの岬の洞で

見たよ

暗がりに...

確かに

ヒルガオが

咲いてた

あれが

原因:...?

とにかく当主様に

あこや

気づかれない

ようにしなきゃ

それまでは

生き神を

演じてくれ...

......

どうした

調子が

戻らんか

何だか...

不安で

たまらないの

ふふっ!!

........

...生き神

だった頃は

今は...

恐ろしいの

目が覚めても

ただ昨日までの

現実の続きが

待っている

陽が暮れて

衰え始めて

眠りにつく時

あてどない

はっ

膨大な時間に

足がすくむ...

ーいつも

とても満たされた

気持ちで目を

閉じられたのに

目の前に

広がる

一日ずつ

くり返す生死

:::脈の速さ

...お前さん

寄生されてた

蟲の時間で

生きてたんじゃ

ないかな

あの蟲は

寄生した動物の

体内時間を

同調させるもの

だったんだ

...体内

時間?

ああ

生き物の寿命は

種によって

それぞれ違うが

体内に流れる

時間の密度は

皆、違うって事だ

その生涯で

脈打つ回数は

ほぼ同じと

言われてる

あの蟲の生涯は

およそ一日

それを

お前さんは毎日

味わっていたー

そう

それで

かな...

一日一日

一刻一刻が

いつも

心の中がいっぱい

だったの...

息をのむほど

新しくて

何かを

考えようとしても

追いつかないくらい

...あと

半刻もすれば

入れるよ

...あこや.....?

おや

父様

黙れ!

おかしいねえ...

とうに

衰弱している

時間だというのに

私...

どうしてだか

治って

しまったの

ーこの事

他言したら

ただでは

おかんぞ!

どこへ行ったか

知っているね

...ああ

ナギが...

戻っている

そうだね.....

今日は大潮

だったねえ...

もうじきだよ

すごい

匂いだ

ー暗闇に

ヒルガオ...

「この部分が

動物に

寄生した方が

確実に子を

残せるん

だろうな...

蟲の巣か

ギンコさん

はあ

はぁっ

生き神様.....?

はぁっ

どちらへ

...!?

...?

おい

生き神様が

言葉を....!?

...ごめんなさい

あ.....の

岬の洞って

どこにあるが...

教えて下さい...

すべて

話しますから

お願い

ナギを

助けて...

ナギ

ここで何を

している?

この....!

よくも

のうのうと

ほっとけ

どのみち

蟲を安易に

利用し続ければ

ヒトは少しずつ

正気を奪われていく。

よせ

どうする

気だよ

奴らは

長くはない

利用した者も

それに

巻き込まれた

者も

いずれ

あんたらは

破滅する

蟲を扱うには

不相応

だったんだよ

いかのことは

.....

挑発してる

けど~

何か来っえ

あるのかな

さてと

ナギ

言いまげ!!

追え!

はいッ

うん

さて

!!

骸は

浮かばんように

やれ

早く

戻らねば

.....花を

持っていたぞ

ああ...

あこや殿の

言った通り

だ.....!

許せん...

...追っ手はまいた

みたいだけど...

潮がかなり

上がって

きた...

もってあと

半刻かな

人だ!

オー

いたぞ

ナギ達だ

よけてろ

岩穴広げる

からなー

私が

殺したんだ

I3I

父様

父様...

さあ

お前のために

採ってきたんだよ

あこや

いい香り

だろう

吸うて

ごらん

あこや!!

どうして

ごめん.....ね

どうして

ナギ

むこうなら

生きて.....

いけるの

最初より強く

寄生している

これを

取り出す

のは...

もう

いいんだ

...あこやが

心底満たされた

表情をするのは

生き神でいる時

だけだったから

今日も

陽が昇り

また沈む

朝咲く花が

首から落ちる

今日も陽が沈み

また昇る

辺り一面

花が咲く

けれど昨日とは別の花

あの日

ブロも

きれいな花

大潮を逃してしまった

ギンコさんは

ひと月の間、島に残った。

その間

岬の人達を

すべて治療する

事ができた

けれど

大潮が来て

あの洞が開くたび

誰かが

〝生き神〟に

戻っている

おそらく

何人かは治療を

ありがたく

思っちゃいない

...あこやが

言ってたんだよ

恐ろしいの

彼の言った通り、

いずれまた

花を吸うだろう

目の前に広がる

あてどない

膨大な時間に

足がすくむ

俺達も

似たような

ものだよ

これから

何を糧に

生きていけば

いいか...

わからない

普通に生きりゃ

いいんだよ

魚が獲れり

少しは楽に

っても舟を

出せるよう

あの洞を皆で

削ればいい

......容易な事じゃあ

ないだろう...

だが

お前の

目の前には

果てしなく

膨大な時間が

るんだからな

...

露を吸う群。おわり

...やんで

きたな...

これは

近い

......消えるな

消えないで

くれ...

がくる町から

...

めがくるにしかた」

いや

参ったね

まったくだ

邪魔

するよ

ああ

ろくに前も

見えやしない

いつになったら

やむのやら

...あと半刻は

このままだな

あんた

商人かい

食い物なら

何か売ってくれ

長雨で皆

やられちまってな

じゃ何入れんだ

でかい瓶だな

へっへへ

死体

そりゃ

兄ちゃん

死体だよ

...いや

この中は空だ

商人でもない

...あ

だよ

こいつにな

虹を入れて

持ち帰るために

俺は旅を

してるのさ

ほー

うっはは

そりゃいい

おい

話してみろよ

何だって

そんな事

してんのか

ちょうど

退屈してた

とこだ

ああ

いいぜ

...あれは

俺がガキの頃の

話だ...

賢郎っ

父ちゃんを

あんた!?

お父ちゃん

またかよ

よしてくれよ

「あああめが

あめがくる

俺の

父親は

あんたっ!!

俺が

物心ついた頃

すでに

あめがくる

にじがたつ

あんたっ

雨気を悟ると

にわかに

別人の様相となり

さも嬉しげに

山野を駆け回っては

何日も里に戻らぬような

奇妙な質の男だった

そして数日後

ぬかるみに

はまっているのを

発見されたり

そして雨の!

降らない日はよ

浴びるほど水を飲ん

う...恥ずかしい

ったらないよっ

俺にも...

もういっそ

帰って来なく

たっていいのに

自分が

どうしちまったのか

わからんのだよ

虹を見た時から

あの

自分で

よっこりと

帰って来たり

するのだった

そんな虹が

あるものが

あんたの頭が

いかれちまった

だけだよっ

なぁ

父ちゃん

雨ん中

走ってる時

楽しいのか

それじゃ

また虹の話

してよ

ん.....ああ

いやこれが

何とも言えず

楽しい

じゃあ次

俺もやる

...そりゃいかん

母ちゃんに

怒鳴られっぞ

そうか?

うーん...

これも

母ちゃんには

内緒だぞ...

あの日はなぁ...

お前の生まれる

前の日で

...仕方がない

まだまだ

考えが足りんと

いう事だろう...

ようやく

大水の引いた日

だったよ

......畜生

あんなに

苦労して

建てたものを

だが

あれ以上

頑丈な橋

なんて...

よくよく

見てみれば

虹だ...

やけに

はっきり

してるな

の曲は

すぐそこの

河原から

生えていたという

虹のたもとを

掘れば宝がある

と聞くが...

うわッ!?

れから

その虹は

雨の後には必ず

どこかに姿を現す

うになった

消え.....?

!!

見るたびに

姿を変えて

親父を楽しませたが

他の者には

見えないようで

唯一

虹に反応を

示していたのが

まだ乳飲み児だった

俺だという

けれど、ある日

やけにさ

遠くにいるなど

思ったら

それきり

現れなくなった

それ以来

飲んでも

飲んでも

喉が渇く

こうやって

まともでいる

時はまた

雨の降りそうな

日は、体の底が

ざわざわしてな

どこへ

いるのか...

気がつくと

野山を

駆け回って

いる...

しかし

あの虹が

恋しくて

恋しくて

たまらんのだ

いつか探しに

行ってみたい...

やがて親父は

病で床に伏す

ようになった

それでも

雨の前になると

外へ出たがり

暴れたが..

やがて

足も

立たぬほどに

衰弱していった

...親父

ああ

あの虹が...

見たいなあ...

...それで

何とか、その虹を

見つけ出して

親父に見せて

やろうと

旅をしてる

ってわけさ

はっは

そりゃあ実際

見てみねえと

わからんさ

はは

それもそうだ

小降りに

なってきた

で?

虹を両手で

ふん捕まえんのか

その咄

最後のツメが

ちと甘かったな

おい

さァて

行くかな

待てよ

.....さて

俺も

その虹

探すんなら

まぁ

達者でな

あっちへ

向かった方が

いい

今の話...

ほら話では

ないだろう

親父さんが

見たってのは

虹蛇という

蟲だ

俺も今まで

一度だけ

見た事あんだが

生えてる根元

ってのを

見たかったんだよな

報酬は

当面の飯代

って事で

よけりゃ

協力するけど

あー

そのでかい瓶な

売っ払っちまえ

役にゃ立たん

と思うぞ

ほれ

どーすんだよ?

まずな

普通の虹ってのは

太陽を背にしてる

時にしか見えない

もんなんだよ

だが虹蛇は

それとは関係なく

現れる

あと

それからな

色の並びが

逆なんだよ

そのへんを

見極めてから

追わないと

キリがない

だから

太陽に向かって

歩いてた方が

見つけやすい

ってこったな

なぁ

...ギンコ

と言ったな

あんただって

何か目的があって

旅してたんじゃ

ないのか

何故こんな...

通りすがりの者に

手を貸す

.....特別

目的があって

旅してるわけじゃ

なくてな...

だから

俺もそれ

見たいだけ

だよ

でもまぁ...

ずっと虹蛇

探してるわけにも

とりあえず

俺は...

そうだな

立秋までに

見つからなきゃ

手を引くよ

雨上がりによく姿を

見せるってのは

虹と同じらしい

そういう

契約なら

いいだろ?

雨を読んで

移動しな

けりゃな

それなら

ずいぶんと

心得てきた

この辺りは

当分、雨は

望めそうにない

あの山

”かつら”が

かかっている

ほー

ーお

あの周辺は

明日、雨だ。

俺だってな

闇雲に歩き回って

きたわけじゃ

ねえんだよ

......

いや

出た!

ありゃ

ただの虹だ

......

...まあ

予想は

していたが

あれも

違うな

探すとなると

見つからん

ものだな

...あんたは

旅を始めて

どれくらいに

なるんだ?

.....なぁ

......

五年

五年になるな

あの話

病床の親父に

見せるためってのは

半ば嘘だろ

親父に

見せたいってのは

嘘じゃない

でも

それが行動の端

じゃなかったな

病人抱えた

家族を放って

五年も

旅をしている

なんてな

...俺の名を

言ったっけか

ん?

いや

虹郎という

この名のために

村ではずっと

笑い者にされて

きたよ

...!虹を探しては

俳徊をくり返す

親父を常に

背負う名だ...

:::西の国に

有名な暴れ川が

ある

俺の家は、そこに

代々橋を架けて

きた橋大工だ

何度架けても

大水のたび

橋は流された

それでも

親父の跡を

継いだ兄は

優秀だった

壊れるたびに

丈夫な構造の橋を

考え出していた

...皆

親父には

期待していたん

だがな...

俺には

そんな才能が

からきし

なくてな...

腱を切る

ケガをして

左手の自由が

きかねえ

大工としても

二流以下だ

それに

耐えられなく

なって

いつしか

あの村には

俺の居場所は

......

なくなっていた

親父のそばしか

ほォん

じゃあ

結局

何だ...?

逃げ出して

来ちまったん

だよ...

虹を

探してる理由

ってのは

虹を見るたび

追わずには

いられなかった

んだよ

親父の言葉を

確かめたかった

のもあるし

親父や俺を

笑ってきた

村の連中に

原因はこれだと

言ってやりたかった

けど

何より

お前は

目的もなく

旅をしてると

言ったな

村を出ても

俺は結局

負け犬だからな

.....

何か生きるための

目的を作らにゃ

〝ただ生きてく〟

事すらできねえ

旅をしてくのも

楽じゃあない

目的ね

まぁ.....何か

理由は

あるんだろうが

目的がなくて

旅を続ける気に

なるものが?

そりゃ

たまに

休みたくもなる

そういう時

こうやって

目的を作る

そうすれば

こうやって

余暇も

生まれるだろ

こっちは真剣に

やってるってのに

息抜きの

つもりかよ

あただ生きるんために、

生きてるぶんには

余暇ってもんが

ないからな

心構えの

問題だ

何だそりゃ

俺だって

真剣には

やってる

だろが

休むのだって

生きるためにゃ

切実な問題だ

それになァ

お前よりは

まっとうな

動機だと

思うがな

不毛だね

お前は

後ろめたさを

紛らわすために

虹を追う事で

自虐を続けてる

だけだろう

どこへなりと

根を下ろして

過去なんて

捨て去りゃ

よかったのによ

...わかってる

だが

それも

潮時かも

しれん

うおー

ーい

待てよ

それが

できんから

ここにいるんだ

俺も立秋まで

って事に

するかな

おおーい

そいつは

人魚の

ツメだ

煎じて

飲めば

ホレ薬に

なんだよ

お目が高いね

旦那

はぁー

今はそれよか

雨を降らす薬は

ないもんかね

そりゃねえ

よー

安くしとく

よー

こう日照り続き

じゃなぁ...

田も枯れっちまうよ

.....そんな薬

あったらとうに

使ってるわ

オー

ちゃんと

空見てろよ

.....

喉渇いた...

そろそろ

降っても

いい頃だろ

ああ...

もう...

汗も出ねぇ

あめかくる

あめがく

あめかくっ

あめかく

にじがたっ

ギンコ!!

........

あれを見ろ

一太陽が

虹の中に

あっおい

ホレ薬......

悪いな

店じまいだ

ーイ

オー

あんまり

初めっから

とばすなよ

むーっ

はあっ

よあ!

畜生ッ

どこへ

消えた

:::位置は

この辺りで

いいはずだ

この辺り

雨はまだ

降りそうだし

そう遠くへは

行ってない

がもしれない

今日はここで

待ってみよう

雨の場所が

目で見ずとも

わかった

渇ききってた

体のせいか

...親父も

こうだった

のか.....

虹良B

.....お前も

そろそろ...:

俺や...

俺のつけた名が

うらめしくなる

頃だろうな...

俺は...俺の見た

この世で一番

美しいものの名を

お前に

やりたかった

のだが...

悪かったなぁ

あ...おかげで

友達にも

笑われるのだろ

どら...

これを

別の...

いい名を

考えておいた

......

そんな事

...言うなよ

明日からは

そう名乗れ

いいよ

俺...

負けねえ

から...

親父より

立派な

橋大工になって

みせるから...!

おい

起きろ

降ってるぞ

ああ...

..あ

出た...!

急げ!

近いぞ

おう

それは...

そういうことですか

それは...

それでも...

いやいや...それじゃないけど、ここにいいのかもしれないということでしょうか。

......

俺の見た

すげ...

この世で一番

美しいものの名を

美しい...

よせ

親父が

こいつを

持って

帰らにゃ...

これ以上

近づくな!

言っていた事は

本当だった

バカやろが

...どうとも

ないか?

ああ.....

命を持つモノで

ありながら

近くで見るまで

確証はなかったが

自然現象

そのものに

近しいモノ

皮膚に

ビリビリくる

こいつは

ナガレモノの

一種だ

.....ナガレ

モノ.....?

〝命がある〟事

以外は

コウキ...:?

光と雨の作る

〝現象〟である

虹と同じ

おそらく

虹蛇を

作り出した

ものは

光と...

光酒を含む雨だ

ナガレモノとは

洪水や馳風と

似たようなモノ

発生する

理由はあれど

蟲の生命の

元となるモノだ

ただ流れる

ためだけに

生じー

目的はない

何からも

干渉を受けず、

影響だけを

及ぼしー

去ってゆく

「そういう蟲は

触れれば

“憑く!!

あれの中に

入った気がした...

親父は.....あの

上昇する滝のようなものに

呑まれだんだろうか...

......

:俺の

自由になる

相手じゃ

なかったか

「体に穴の

空いたようだ

いっそ

また

流れるだけ

だよな

清々しい

くらいだ

...これから

どーすんだよ

その後

男が

どこへ

行ったかは

さぁ...

しばし考えるさ

......

お前は?

...あー

こいつと

同じか

知る由も

ない

ただ

西の国の

有名な

暴れ川に

増水してくれば

渡し枚の片方を

外し

水の流れるままに

泳がせ

水が退いたら

元に戻す!

壊れぬ橋が

できたと聞いた

ナガレ橋という

名の橋が

一人の男の

考えて

その川に

祭けられて

いるという

NHKライフ

雨がくる虹がたつ、おわり

......嫁入りの時

北の森を通って

参りました

おそらく

その時に

付いたのだと

思います

いつの

間にか

ばつりと

被衣綿に

緑色のしみが

できていました

...ひどく

気がついたのは

婚礼の後...

その翌年

最初の子を

なしました

この.....長男

ワタヒコです

禍々しいものの

ように

思えました

斑が出始めてから

衰える一方で...

...

見るたびに

あのしみを

思い出すの

です...

見当違い

でしたら

お許しを

:::この子

生まれた時

ヒトの姿を

していました

か......?

...はものの

姿ですら

...いえ.....

ありません

でした...

「あれから

三月足らず、

糸は

再びその家に

招かれるとはー

こわたばうし

ギンコ!!

よく来て

くれた...

...すまないな

いや

それはいい

よく

知らせて

くれた

文は読んだ

まだ

間に合うか

ああ

早く

家へ

お前の言った

通りに...

するつもりで

いたんだが

だが.....正直

ここまで

早くなるとは

な...

ああ...

「この子

生まれた時

下の姿を

していましたか...?

おそろしく

成長が早くなって

いる......

あき

...大丈夫か

そう

あれは

ここからは

俺が

けものの

姿ですら...

なく

......ひ

ひいっ

産声も

産声も

あげぬ

緑色の

あきっ

得体の知れぬ

塊でした

逃げる

ぞい

くそっ

ーそれは

あっという間に

床下に入り込み

姿を消した

妻は...;強く子供を

欲していたが

それももう

無理に思われ

――そして

そして

年が

過ぎた頃

ふさぎこむ日々が

続いた

何の音だ

床下か....?

わり

カリ...

誰かが...

捨てていった

のか...

あの時の子よ

私達の子

違うわ

......

あきに

よく似て

いるな...

あれから

ちゃんと

人の姿に

育ったのだわ

俺は

成長は早かった

新鮮な小魚や

その子...

ワタヒコの

木の実を好んで食べ

半年余りで

三歳児ほどにも

なった

内心

恐ろしかったが

そう思い込む

事にしたー

ただ

頭の中は、

赤子のまま、

表情はなく

言葉を発する事も

なかった

ーそんな

ある晩だった

それでも

ますます自分達に

似てくる面ざしに

次第に

情も移っていった

...猫か

うるさいな

シッ

シッ

また、赤子が

!!

同じように

床下にいた

ワタヒコと

何から何まで

そっくりよ

同じように

育てなきゃね

メビコは

半年ごと

増えていっ

もしかして

まだ増える

かしら

予感は

的中した

しかし

......

恐ろしい事

言うなよ...

そして...

何度も床下を

掘り返してみたが

何も

変わったものは

見つからなかった

今年に入って

少しずつ

長男の様子が

おかしくなって

いったんです

一日の大半を

眠り続け...

それで...

......

緑の発疹が

増えていく

医者には

さじを投げられ

ました...

あなたのような方が

いると聞き

残念ながら...我々

蟲師にもこの子を

〝救う〟手はありません

..!!

綿吐という

蟲がいます

生まれて

くる時は

へどろ状

だがー

これが

寿命.....

なのです

緑色の綿の

ような姿で

空中を漂い

身重のヒトの

胎内に入り

卵に寄生します。

素早い動きで

床下や天井裏に

逃げ込み

一年が

経った頃

それからの

増え方といい

記録と

寸分違わない

...ましかし

念のため

床下を

見てきても

いいか

赤子の姿の

〝人茸〟をヒトの

親元へ送り込む...

いや

明かりは

いい

しかも

...いるな

相当でかく育ってる

間違いない

綿吐だ

そんな

何も

いないじゃ

ないか

この土を

陽の下で

よく見ろ

人茸の体は

この蟲の本体と

糸のようなもので

つながっている

!?

ひ.....っ

あれらは

......

本体に養分を

送るための

蟲の一部に

すぎないんだよ

.....そんな

ばかな...

あの子は

じきに

役目を終え

壊死

します

そしてその

死に際に

その前に

大量の

「たね」を

吐きます

殺さなければ

なりません

言ってるの

...何のために

あなたを呼んだと

思ってるのよ

あの子を...:

その

蟲とやらから

救ってやって

ちょうだいよ

あの「子」らは

あなたたちの

子供の皮を

かぶった

救える「子供」など

もういません

「蟲」

なんです

そして

あれこそが

どうか

生まれてくる

はずだった

あなた方の

子供を殺した

モノなんです

ご理解

下さい

悪いな

恨んで...

いいのにな

...よく嫁さん

説得してくれたな

まだ

口もきいて

くれんけどな

......

...三年以上も

育ててきたんだ

...無理もない

ただ

どうしても

他の子らは

手元に...::と

俺からも...

どうか

見逃して

やってくれ

あの子ら...

発症するまでは

何の害もないんだ

その代わり

......次男も

......

次に生まれて

くる子供も

綿吐の寿命は

十年から三十年と

個体差がある

ああ

ちゃんと俺が

たねを吐く前に

...殺してみせる

から

......

あと何年

この状態が

続くのかも

一体あんたが

何人の「子」を

殺さねばならん

のかもわからん

...それでもか

約束する

.....あんたは

あれを

恐ろしいと

言っていたな

それでも

育てて

いきたいと

言うのか?

...俺は

...あきは

かみさんを

悲しませたく

ないだけだ...

残った四人も

ワタヒコと呼んで

かわいがっている

あの子らを

すべて失えば

どうなって

しまうか

わからん.....

......

あれは昔

一度...

山むこうの町の

大店の家に

嫁いでいるんだ

そこで......

嘱望されてた

跡取りを

産んだが

一歳を

数える前に

どうして

些細な事で

死なせてしまった

らしい...

離縁も

それが

原因だ

どうして

こんな

むごい...

これまでは

そうする事で

根まで枯らして

きたんだよ

「綿吐の子」と

わかれば

ただちに全員を

殺してきたらしい

いずれは危険となる

二つ目以降を

生かしておいた

記録はない

それらが

この先

何らかの変化を

しないとは

言いきれん

しないかも

しれん

しかし

!!!

とはいえ

わからんものも

皆殺し

ーってのは

わけあって

ここでずっと

監視はできんが

...!!ああ....

大雑把で

好きじゃない

三月の内には

また様子を

見に来る

何かあったら

そこへ文をくれ

そして

文は

きた

...恩にきる....!!

三月足らずで

届けられた

きたよ

あいつだよ

ころされる

だいじょうぶ

だよ

しんばい

ないよ

ワタヒコ?

あいつが

くるよ

ああ

かみさんなら...

どうにか

納得してくれた

ようだ...

あき

異形のものを

育てているんだ...

この掟だけは

守らねば...

ギンコが

来て

くれたぞ

...ようこそ

いや

ギンコ

おいで下さい

ました

こっちだ

ああ

ギンコっ!!

.......

...ギンコ?

...本当に

あたたた...

...あ

気がついたか

帰りてよ...

横になってた

方がいい

わびのしようも

ない......

あいつは...

事が済むまで

寝間から出さんように

するから...

「わかって

くれたと...

あーー...

そうして

くれ...

思っていた

......

何やら

色々と

事情が

変わった

ようだな

ある時

次男にしか

教えた事のない

栗の皮むきを

...ああ

すぐ...話すつもりで

いたんだが...

あの子ら

な...

ただ...成長が

早まっただけじゃ

ないんだー

四男が

やっていた

次男は

やっとの事で

覚えたのに

う...う

おとう

あら

雨に

濡れたのね

すぐ

着がえ

出すからね

...あき

見よう見まねで

覚えたのか

少しずつ

知恵がついている

ようだった

はら

へった

こいつ...

しゃべった

ぞ......!

そうか

そうか

今すぐ

やるから

なー

.....まだ

早いわよ...

「そんな中

次男が.....

あの症状を

現し始めた...

上の子が

こうなったのは

ついこの間

じゃない...

...やらねば

こいつは...

俺達の務めだ

ころさ

ないで

たすけて

おとう

しぬの

こわい

まだ

いきたい

たとえ

我が子の

敵だろうと...

.あれはもう

人のようなものに

なってしまった...

俺達には

何て事だ...

思考力を

持ちやがった

いや

これまでも

一人一人は

仮能は

あったのだ

危機を察した

からか...

それも

五人分の

情報を皆が

いちどきに得る

一人が得た

情報が

全員に

伝播している

歩みは早い

根元で

つながった

全体の一部

“人のような

もの”...

...しっぱい

した...

なにか

ほうほうが

あった

きがする

彼の中に棲むは

ころされる

わすれて

しまった

ころされると

わすれて

しまった

だ思考するばか

のくさびら

.....たねを

まもらなきゃ

ことばを

おぼえて

わすれてしまった

たねを

たねを

まもる

ほうほう

...どうだ

具合は

ああ...

まァ何とか

起きてられる

よ...

次男は

奥の間だな

そうか...

...ああ

よかった

行ってくる

ス!

その後

根を払い

もう

あれらを

これ以上

残りの「子」らを

連れて行く

あんた達の

下に置いては

おけん

たすけて

ころさないで

しにたくない

無駄だ

お前らが

ヒトの子を

食うからだ

どうして

ころすの

ぼくらは

わるくない

......

そうか

俺らも

悪かない

だが

俺達の方が

強い

だからお前は

たねを残せずに

死ぬんだ

それじゃ

しかたがない

やろう

やろう

!?

...あいつら

床下の根

もろとも

焼くつもり

カ.....!?

.....!

ぐ......っ

...おまえの

もっていた

まきものに

がいてあった

...そうか

もしや

お前ら

ほんらいなら

むいしきに

できるはず

なんだかな

たねを

まもるには

こうするしかない

ギンコ

われらの

かちだ

来るな

表へ出ろ

ワタヒコは

あの子達は

どこ!?

火をつけたのは

あいつらだ

どきなさい

よ!!

たねのためなら

何でもするんだ

あいつらは

そういう蟲なんだ

あれはもう

私の子よ

あきっ

......

ワタヒコ

ワタヒコ

......

ワタヒコ

ワタヒコ...:

根は完全に

消えている

......

綿吐は

災害などの

危機に陥ると

人茸を

根から

切り離し

たねだけでも

よそへ

逃がそうと

する.....

人茸は

姿を変えて

長い眠りに

入る

こ...れが.....?

こ...れが.....?

再生が

いつになるかは

わからない

あんた達の

死んだ後かも

しれない

肌身離さず

いずれにせよ

時が来るまで

.....わかった

持っているよ

あんたらに

預けとく

.....なにを

わたしたんだ

鉱物だよ

生活の糧の

一部だった

のに...

丸損だ.....

なぜ

そんな

ことを

...ふかかいな

いきものだ

お前眠りに

入るんじゃ

ねえのかよ...

お前が

言うか

これまでの

記録じゃ

そうなってんぞ

しらん

ねむくは

ない

おまえこそ

なぜわたしを

いまのうちに

ころさない

まだ寿命が

あるからだ

ふかかいな

いきものだ

いいからお前

もう寝ろよ...

えっとすみませ

二巻が出てから、工事余りが経てしまいました。ゆっくり

いてごめんなさい。私には何だかあという間だったのですが、

そしかし時間は確実に過ぎているのだなぁ...一番古い

話あたり、何考えておそたのかさっぱりです...

あの子が「こうは、覚え方だったという事で」と

サカッは銀なのでもっと高者

なのでしょうか。

「ま、〈軍の海〉《ち》〈西路〉《、う群〉どちらも土地イメージ

は地元県、弐は草有名かルスト台地、今は石垣氏家

群が特殊な瀬戸の小鳥。四〈雨がる灯がたつ〉周りには

純不評だた知郎だが私は描いたいくる当時大校を好きでした。

が、見返してみると何でこんな奴を...そしていう。何。これは。だって

さて、やまわれる、最近、になって、カラーページ4P目の

ような言い伝えがあると知る。マタギの人達が「サカブ」

と呼び、山神の声だろうかです。少しかぶっているのは偶然な

それでも時はまたホラーになるほど、感慨深い

さて、これを買って下さったみなさん、のおかげで二巻は色付き

になりました。ブラボ。感謝。続きもどうぞ、ごひぃきに。

何べ綿胞チンタイトルだけは、シリーズ化と前からあったのだけ

おまけれねい版

だいぶ

世目の比較・高級

毎日お使えて

するのが役目だった

おばあちゃんは

いっからおばえするか

気がかりだったという

私のおはあちゃんか

子供の頃。

え内に

不幸があたため

神棚のお供えて

やめていた

そんな折

夢を見た

神様いうたら

ひげのじいさんちう

頭(イメージ)が

あるんじゃろなあ

メンをくれいー

いつか入ったいやー

がりかりに

やせとったいや

私は、人間のストレーキング...未、できれかね。

ここでは、

アフタヌーンKCX

蟲師@

二〇〇二年二月二一十二目第一刷発行

二〇〇二年三月

〈定価はカバーに表示してあります。

☆十八目第二刷発行

うるしばら

漆原友紀

著し者、

発行所

発行者「九十嵐降大

発行所、株式会社講談社

電話

東京都文京区音羽2-191

郵便番号ili8001

電話-編集部東京(03)5395!346?

印刷所_図書印刷株式会社

製本所「永井製本株式会社

販売部東京(03)5395-360x

装って、住吉昭人(フェイク・グラフィックス)

泉栄一郎、ラェイク・グラフィックスに

編、集一宮崎孝士、(アフタヌーン編集部:

[本書の無断複写(コピー>>は著作権法上での例外を除き、、然じられています。]

『蟲師』第2巻は、アフタヌーン・シーズン増刊第5号から第9号に掲載されてた作品に、描き下ろしを加えて収録しました。

なお、この本についてのお問いa合わせはアフタヌーン編集部宛にお願いいたします。

送料小社負担にてお取り替えいたします(電話305-5395-360)。

また、今後「アフタヌートンKCJにまとめてほしい4作品がありましたら、編集部ままでお知らせください。

編集部では、この作品に対する皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。

落丁本-乱丁本は小社雑誌業務部宛にお送りください。

©YUKIURUSHIBARA,2002

N.D.C.726.227p18cm

CSBN4-06-314284-14F)

Printedin.japan

〒12-8001東京都文京区音羽2-12-21

講談社「アフタヌーン・編集部アフタヌーンKC係