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7歳以下の孤児を集め

10年以上をかけ

暗殺者に育て上げ

闇社会に出荷する工場

『忍者の里』

俺が親に売られて

里に入所したのは

5歳のときだった

全ての課程を終了し、

卒業許可が下りるまで

その施設から逃げだす

ことはできない

脱出失敗時の

懲罰痕は

今も残っている

忍者の里は

一日22時間

6時間睡眠

食事に味は無く

外部の情報も

完全に遮断され

殺人スキルを

学習するだけの

機械と化して

毎日を過ごす

喜怒哀楽を

表に出す事も

許されず

感情が死んだ者は

優秀とされた

正に地獄と

呼ぶに相応しい

環境だった

いちいち

痛みを怖れるな

涙は視界を邪魔する

抑え方を覚えておけ

......

返事が聞こえんぞ

はい

お前ら

44期生21名

互いを

仲間と思うな

喋る必要もない

組手の練習台と

認識しろ

1班は

休憩してよし

栄養を摂れ

2班は座学

3.4班は

刃物組手

卒業後に

現場で会えば

殺し合う関係だ

いま隙を見せれば、

刺されると思え

5班は心の甘えが

抜けておらん

沼地で体術指導を

教官交代で3時間だ

最下位班の

俺達に課される

試練は様々だった

遺伝子操作で

凶悪化した

猫獣達が棲む森

そこで20時間

気配を消して

身を守れと言われた

サバイバル訓練の初日

俺達は2人がかりで

猛獣達を駆除し

残りの時間は

技の研鑽に費やした

お前はガキの頃に

ここに来たんだろ?

だからそれまで

外で過ごした記憶が

今の自我を支えている

一方、俺は施設内で出生して

すぐ育成プログラムに

則して生活させられてきた

それなのに

なぜ意思が機械化

してないか疑問に

思うだろ?

教官共は俺を

失敗作と言うが

それは違う

俺の生まれ持った

心が強いから

奴等の力では

支配できないんだ

俺には

将来の夢がある

この『忍者の里』の

最高幹部になって

施設を乗っ取る

ここのクソみたいな

組織体制を壊して

俺達と同じ境遇の

孤児達をもっと

自由に伸び伸びと

育てるんだ

暗殺術なんて

人殺し以外じゃ

役に立たない

俺が思うに本当に

価値のあるものは...

自分の人生を

自由に生きる力だ

今の俺達には

それが無い

お前も俺に

協力するだろ?

フラッシュ!

お前の眼は

わかるんだよ

俺に似てる

音速のソニックは

いつか俺に語った

夢を実現させる

道を失い

突然放り出された

外の世界で

生きる方法を

見つけられないまま

ウトミッ

名称不明

暗殺術の需要を探して

細々と仕事をやっている

ようだった

Expice

レイドフリー

あれから随分経つ...

まだ生きていたとは

思っていなかったがな

それがきっかけで

敵視されていると

いうことか

悪の芽を摘むなら

何故ソニックを

見逃した?

結果奴は今も

凶悪な暗殺者として

サイタマ先生を狙い

続けている

......

楽に毒殺する

つもりだった

味無しシチューに

混ぜてな

実際にソニックは

それによって死の淵を

彷徨ったはずだ

だが卒業日までずっと

番付最下位だった

ソニックは過酷な環境下で

耐性がついていたらしく

生き永らえさせてしまった

シチューか...

そういや冷蔵庫に

プロッコリーと

人参が残ってたな...

........

......

......

...

...何人か

隠れているな

出てこい

俺の縄張りに

何の用だ

やぁ...

〝終わりの44期〟

音速のソニック君

はじめまして

俺は

...黄金の37期?

疾風のウィンド

雷鳴のサンダー

恐怖の2期

業火のフレイム

狂気のマッド

混沌のカオス

・余裕の9期...

弾丸のバレット

"特選の35期"

暗黒のダーク

非情の42期

破壊のデストロイ

暴力のフォース

血染めの36期

殺戮のスローター

"決意の22期"

幻影のファントム

開花の13期

旋律のメロディ

色彩のカラー

勢いの19期

一瞬のモメント

安定の16期・

震動のヴァイブ

鉄板の15期

氷結のフリーズ

間の40期

可能性の5期

絶叫のスクリーム

総合力の27期..

思ったより

多かった..

天空のスカイ

虹色のレインボー

均衡のバランス

筋肉のマッソー

まさか

慣れ合い禁止の

里にOB会が

あったとはな

我々は〝忍天党〟

同じ思想の下

結集した

歴代の卒業生の中でも

戦闘力に特化した

エリート暗殺チームだ

忍者の里が

減んで以来

意識を

改めた我々は

ある計画のため

水面下で集まり

準備を進めてきた

のだが...

機は熟した

【あの母方】が逆に目覚めたのだ

世界の表と裏が

ひっくり返るぞ

!?

まさか..

忍者の里の創設者であり、

史上最強の忍者と

呼ばれた【あの御方】

ブラストとの熾烈な戦いで

意識を失って以来15年もの間

回復カプセルで休眠していた

あの御方】を

党首に迎え入れ

まずは最大の仇敵である

閃光のフラッシュを暗殺し、

その後に老いたブラストを

公開処刑する

そうなればもう

我々に敵など

存在しない

律儀に

静かな仕事を

続けるのは

もう辞めた

能力を利用し

表舞台に出る

圧倒的な

忍術をもって

我々「忍天党」が

世界を牛耳る

無論お前にも

我々の計画に

参加してもらうぞ

音速のソニック

同期なんだし

上手くやれば

誘い出せるだろ?

今はヒーローらしいし

少し脅せば応じざるを

えないはずだ

安心しろ

お前一人で

殺れとは言わん

俺達も待機して

いるさ

明日の夜

この場所に

フラッシュを

呼び出せ

長生きしたければ

先輩の言う事には

従うものだ

逆らう者は

処刑するのみ

翌日

【あの御方】も

明日ここへ

姿を現す

果たし状など

今時になって

何の真似だ?

単に昨日会うまで

お前のことを

忘れていただけだ

そういえば

まだ決着をつけて

いなかったとな

修行時代と

今は違うぞ

俺と

決闘しろ

フラッシュ

いいのか?

あのとき

せっかく拾った

その命を失うことに

なっても

ふっ

馬鹿言え

先生

どちらへ?

ちょっと

思い付いてさ

今からソニックの

住み処に行ってくる

!?

奴の場所を

知ってるん

ですか?

何通かアイツから

果たし状の手紙が

届いてて

引っ越しの

段ボールの中

探したら一通だけ

捨てそびれたやつ

見つけたんだ

ここに住所が

書いてある

...なぜですか?

ほら...フラッシュだっけ?

アイツ俺が折っちゃった

刀の事をしつこく

言ってくるじゃん

だから代わりの刀を

ソニックから貰って

それをフラッシュに

渡せば帳消しになる

かなって

点数の低い者は

より過酷な

教育プログラムが

組まれる

壊れる直前まで

追い込まれるが

壊すことはしない

里にとって俺達は

貴重な商品だからだ

未来の収入源に対して

投資は惜しまない

様子だった

いつからか俺は

落ちこぼれの演技を

する癖がついていた

あと20キロだ

絶対に歩くな

歩けば重りを

追加するぞ

自ら弱いフリをして

一番厳しいコースで

修行させられることを

選んでいた

秘伝の法で調合された

薬物などにより

生命を保全され

自殺すらもできないと

言われていた

おい

お前もいつも

5班だな

刃物捌きのコツを

教えてやるよ

そこで同期の

音速のソニックと

初めて会話をした

閃光の

フラッシュだ

当時体格も

近かったため

互いに高等技の

練習台になった

私語がバレれば

懲罰くらうぞ

唯一の会話

相手だった

それができなきゃ

話にならないぞ

俺は忍符号

"音速のソニック"

成績は俺と同じ

落ちこぼれの枠に

入る者だったが

メリットも無いのに

俺に助言をする

異端者だった

他者と会話すると

訓練で鈍化した

感性が戻ってくる

それが俺には

有り難かった

年月が経ち

16歳になった俺の

優秀さはとっくに

見抜かれていて

番付1位になっていたが、

俺の正義は

逆風を浴び激しく

燃え盛っていた

卒業検定の日

教官、役員、同期生

施設関係者を

皆殺しにすることで

悪の芽を摘むことに

成功した

強い目的意識をもって

続けてきた努力が

実を結んだ瞬間だった。

ソニックは

病床に伏して

いたため

俺の最後の姿を

見ることはなかった

しばらくして

ヒーロー協会設立の

噂を聞き

俺は職業ヒーローとして

力を振るうようになった