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おもてなし

じゃなくて

お〜

うまそう

なんで

こんなに

もてなして

くれるんだ?

強化合宿さ

ずっと説明してた

じゃないか

僕も丸2日間

スケジュールを

キャンセルしてきた

お前が俺と

トレーニング

すんのか?

いや...キミの強さは

折り紙付きだが

価値観や人間性の程は

定かじゃない

だからそういった

ヒーローとしての器を

大きく広げるべく

僕が伝えられる部分を

教示しようと思ってね

お勉強だよ

キミのプロデュースの為、

ヒーロー協会からは

潤沢な予算が下りている

本日貸切

ヒーロー協会様

このスター性

強化合宿で

僕の思想や哲学

経験則など

全てを教え込む

...であるから

揺るぎない信念を

前提とし

ヒーローとは

常に強く美しく

そして必ず勝利

しなければ

ならない

しかし

アニメや映画などに

勇気付けられる事が

あるように

存在するだけで

人々の心の支えになる

ようなヒーローを現実に

作り出すことは可能だと

考えている

気力へ大事!!

助けを求める声

全てに応じるのは

不可能だ

助けを求める声全てに応じるのは不可能だ

そしてそれが僕の

思う理想の...

起きろ

ハゲマント君!

ハクマント君まだ20分しか経ってないよ

以上の点から

見た目は大事だ

ヒーローも

例外じゃない

ねぇちゃんと

聞いてるかい!?

ビジュアルは

支持率に大きな

影響を与える

人気者になりたく

ないのか!?

キミはなんというか...デザインが

デザインが

粗雑だから

...そざつ...!?

僕専属の

スタッフ達が

最高水準の

美的処置をする

明日はもっと

徹底的に磨いて

いくから覚悟して

おくように!

え!?明日も!?

聞いてねーぞ

いーや何回も

話したしキミが

暇なのも知ってる!

逃げたら選然金だよ!!

美容と健康のために

夜更かしは厳禁だ

しっかり睡眠を取って!

スキンケアも忘れずに!!

おはよう!

スタッフも

揃ってるよ

チェン

朝食を摂ったら

早速始めよう

顔を洗ってくるんだ。

ハゲマント君

ファッション

コーディネーター

私服は皆が真似したく

なるようなオシャレを

してもらう

ボイス

トレーナー

美容師

笑顔や決め顔等の

表情アドバイザー

声は逞しさと

爽やかさと

少しの色気を

出せるよう

同指してくれ

いずれ歌も作る

スピーチ

コンサルタント

キャラクター

デザイナー

人前で話す機会が

増えるだろう

練習しておくんだ

キミの髪形を

大衆ウケするよう

良い感じにあッ

キミの衣装

ネット通販で買った

パーティーグッズだろ

子供にはスマイル!

戦闘時はキリッと!

カメラ同線も忘れるな

ヒーロー活動時の

コスチュームや

ヒーローネーム

必殺技などを

抜本的に見直す

これは僕も

一緒に考えよう

いいだろ...

別に...

格好良さという

部分においては

最終的には

僕を目指してもっ、こい

もらいたい

ポイケメン仮面

アマイマスク..と

呼ばれるレベルにね

うーん...?

...

特にかっこいいとは思わないかな

お前のこと知らないし

え?

いやいや...

...本当に僕を

知らなかった

のか!?

映画とか

ドラマとか..

住んでた部屋の

テレビは無料の

災害チャンネルしか

映らなかったから

すごいな

世間の情報を

知らないでよく

ヒーロー活動が

続けられるね

ヒーロー活動は

趣味だしな

趣味...

辛いことは

ないのか?

すまないが

予定を少し

変更する

僕はね...

S級ヒーローを

廃止しようと

思っているんだ

いや...それが

本物の精神なの

かもしれない!

もう少し

二人で話したい...

皆は待機してて

上層部に意見を

通せる立場に

あるからね

彼らは

自分本位が

過ぎる

キチンと大衆の期待と

要望に応えられる

ヒーローが必要だ

ブラストも不完全だ

正体不明という

ところがよくない:

希望は可視化

されてこそ

人々に前向きな

力を与える

太陽のような

巨大な正義が

世の中を照らす

理想のヒーローは

目に見える現実に

存在しているという

大きな希望が欲しい

お前の

理想のヒーロー

お前がなれば

いいんじゃね?

人気者なんだろ

もともと

僕じゃ

ダメなんだ

...自然の中を

歩くのは良いな

たまにはこうして

リラックスしないと

ストレスでパンク

しちゃうよね...

見た目以上に...内面から

溢れる陽気なオーラが

欲しい!

あとはその

死んだ魚のような目や

無気力な顔面の筋肉...

もっとキラキラと

輝かせられないものか

無理

内面をもっと

表に出すんだよ!

自分をアピール

するんだ!!

表情だよ

表情!

...

おぉ...すごく

つまらなそうな

表情だ...

キミに必要なのは

息抜きかもしれない

楽しい気持ちになる

ような...

そうだ!

確か近くに良い

場所がある!!

その眉間のシワを

なくしてみせよう

...

ふふ...

楽しいかい

ハゲマント君は

何故ヒーローを

えしたんだい?

ただの

趣味だって

あと名前は

サイタマだから

そうか

失礼したサイタッ

サイタマ君

僕の本名はビュウトだ

お前は

何でヒーロー

やってんの

それにはまず

身の上から話す

必要があるね

僕は...

あ!

じゃあ、

いいわ

この観覧車は

一周30分かかる

ゆっくり

聞いてくれ

くっ..

厄介なモンに

乗っちまったか!!

僕は昔から

見た目の醜さに

劣等感があって

見た目..

それを補おうと

せめて内面だけは

綺麗でいたいと

品行方正を志して

生きてきた

まぁ続きを

聞いて

約3年前

ヒーロー協会が

設立されてから

僕はいち早く

ヒーロー試験に

チャレンジした

発足当初は今以上に

ザル審査で誰でも

合格できたし

入れ替わりも激しくて

C級スタートで

一か月後も

続けている人は

10分の1もいなかった

最初は自分の顔を

晒すのに躊躇いがあって

いつも仮面を付けて

ヒーロー活動していた

やがてファンができ

素顔を見たがっても決して

公開することはなかった

僕の素顔と

本名なんて

誰も知らない

応募時のデータは

盗んで破棄した

B級昇格時の

ヒーローネームは

やや強くて謎が多い

『シークレット仮面』

注目が増す度に

自分の素顔が

バレる事への

恐怖も増していた

しかしその恐怖や

焦りとは裏腹に

肉体は異常な程

強くなっていく

このときは

まだその理由が

わからなかった

ある日

戦闘中の事故で

仮面が割れ絶対に

見られたくない

顔が露出してしまった

周りの

リアクションは

どうだったと思う?

上がったのは

プーイングではなく

黄色い歓声だった

水溜りに映った

顔はまるで別人

そのとき

自分の身に何が

起きているのかが

ハッキリとわかって

しまった

不自然に何倍も

強化された肉体と

都合良く変形する

見た目

自分の醜さを

呪うあまり...

僕は怪人に

なってしまった

しばらく悩んだけど

僕は前向きに考えて

このまま活動を

続ける事にした

これまでどんな

著行をしても

人が集まることは

なかったのにね

偽りのイケメン顔が

周知されると

人気が跳ね上がり

ランキング1位...

各種メディアからの

出演依頼も殺到した

美しさは

ヒトの目を

曇らせる

いつの間にか

僕もその内の

一人になっていた

そして

今もなお

本当の姿は誰にも

見せられずにいる

信じて欲しいんだが

キミをプロデュース

したいと言ったのは

本当に正義心からだ

いや...もっと

本音を言おう

実は最近...

精神的にも怪人化が

進んでいくのを

実感しているんだ

怪人を殺す事が

自分を人間側に

位置付ける方法だと

考え始めているし、

どちらか一方しか

救えない局面では

少数の犠牲者を

迷わず切り捨てる...苦悩した

演技はする

けどね

このように正義が

記号化していくと

いつか完全に人の心が

理解できなくなって

しまうだろう

...その後

自分がどんな

存在になるか

想像もつかない

まだ人間性が

残ってる内に..

自分の理想を

誰かに託したい

サイタマ君

わかってくれる

かな...

...あ

鳥の葵

落ちてきた!

人々の理想を

維持するには

決して負けないのが

絶対条件

ヒーローは

強さこそが

最上の華々しさ

なんだ

キミの強さには

何者も霞む

これからの時代

特に...

なぁ俺悪いけどお断りするわ

キミしか

いないんだ

肩ひじ張って

生活すんのも

面倒臭そうだし

現状に満足

しているのか!?

ふざけた

ヒーローネーム

付けられて

民衆からの

支持も薄い

他にもっと

相応しい奴がいるじゃあ

いるだろ

ファンレターも

来てないん

じゃないか?

来てない

キミが思う程

面倒じゃないよ!

少しだけ活動の仕方を

変えるだけだ!!

少しメイクをして

少しオシャレに

少しクールに

少し笑顔を

振りまいて

人前に出る時に

演出を加えて

宣伝するだけだ!!!

それらの

セッティングは

スタッフがやる!

キミは今まで通り

怪人を倒すだけで

いいんだよ!!

あっという間に

スターになれると

断言しよう

二週間も経てば

ファンレターは

段ボールで届く

サイン会に

長蛇の列が

できるぞ

色んな企業が

スポンサーに

付いて

パーティーでは

各界の著名人が

挨拶に来るんだ

この僕

以上のだ...!!!

難しい事は何も無い

少し指示に従うだけだよ

それだけで

高いステージに

立てるんだ

今までキミを

下に見てた連中も

憧れの眼差しを

植木の目差し向けてくるよ

それって

なんか人形

みたいだな

人目を気にするのが

理想のヒーローか?

自分が人にどう

見られるかより

自分で自分を

どう見るかの方が

大事なんじゃねーの

人間なんだから

......

ビキ...

...僕の話を聞いて

いなかったのか?

あ!

そういえば

いま何時!?

ん?まだ

16時前だよ

やべー

そろそろ

夕方か

今日ジェノスと

手合わせする

手合わせする約束してたんだもう帰らねえと

待て!

待ってくれ

まだ話が...

メシなら

また行くから

呼んでくれ

急ぐから

降りるぞ

じゃあな

そんなに

帰りたかった

のか..

まぁいい...

ドアの修理代は

出しておくよ..

僕はまだ

諦めない..

僕が大きくした

ヒーロー協会が

もちこたえるかどうか

今が正念場なんだ

下が

騒がしい

何かイベントでもやってるのか?

やってるのか?

いい...

違う

み〜んな

見てる...

これは叫び声だ

き...

気持ち

良い...

っっく