リ女終末旅行わ、はい... いやまぁそう書いてあったんだけどさ.. ここを通るしかないってちーちゃんが言ったんじゃない イシイが書いてくれた生産施設への道のりも どこの先に行けばわかるんとしか書いてないし.. だけどこの先にまだ食料があるって言うんだから だったら行くしかないじゃん 何も食べなくても生きていけたらなぁ.. 生きてるとは言わないぜ お嬢さんは...はいいけど、 ...いいはいいじゃない。 あそうだこういうときこそアレだよ ちーちゃん好きだね、これ 落ちるときは道連れということか... いや私が落ちた瞬間にユーが反対に落ちれば助かるかなって でもなかなか治らないね高い所が苦手なの だいたい私たちってそもそもすごく高い所で それとはちょっと違うような... あユーは今おなかすいてる? でもいつもすいてるよね いや...いつもよりあちゃめちゃすいてる あっそうか!つまりちーちゃんはあちゃめちゃ怖いんだね ...まぁそれに近いかも いや、やっぱりバレンジンネットからいや、それじゃ... ...いいつもの、そういえば、それではないのですが、これからも あ...あいいじゃないんだから ねぇちーちゃん道ってこっちで合ってるのかな? ...薄暗くなってきたね しまったランタン置いてきちゃった どっちから来たんだっけ でもほら私たちっていつも迷ってるようなもんだし いつもとは少し違うような... いっそのこと今日はここで寝るってのは? 私が寝返りで落ちたらちーちゃんは反対側に落ちてね ...とにかく進むしかないな ユーが大丈夫って言うと、逆に危険な気がする... 管の中が道になってたんだ!! 今行けばわかるってのはこういうことか... ああ~~~...?今までの苦労はなんだったんだ... でも管の入り口なんてあったっけ? たぶん見落としてたんだろう イシイはここを通って行き来してたんだろうな... こんなに大きな管もあったんだな 外からじゃわかんなかったね 普段からこんな風に矢印があれば楽なのになぁ... あっこのまま簡単に着いたら面白くないから別の道に行ってみるのはどう? 目的地を目前にして道しるべを無視するヤツがどこに... そっかーじゃあこのままでいいや ちこるわへんなづミかたくさん すげ〜こんな風になってるんだ ここまで来てひとつだけか... これだけだね残ってるの 少しだけ残ってるとはイシイも言ってたけど 意外とぼんやりしてるよねあの人 だから翼が折れるんだよ イシイさんもお前にたけは言われたくないだろうよ.. とりあえず施設の中は、隅々まで探してみないと ここから下に降りられるかな こういうのってさなんの機械なんだろ 食料生産施設なんだからそりゃ食料を生産するための機械だろ 食料ってさっきのイモじゃなくて? 変なもの勝手に触るんじゃない!! ああいうのは横に逃げないと でも本当にどういう機械なんだろうね またそんな所に登って危ないぞ ...きちんとき...ミュニケーションの これあの味がするな... つまりこれがこうなったってことか... ちーちゃんも粉になるところだったね でもつまり食べれるってことじゃん! イモは煮て食べてたけど...粉はどうすればいいんだろう... 焼く機械みたいだし、やっぱり焼いてたのかなぁ... さとう...どこかで見た気が... ねえ思い出したんだけどイモは固形食料の材料だって言ってたよね 食べ物の話はちゃんと覚えてるんだなぁ... 〝さとう〉って書いてある 〝しお〉ってのもあるな あハイ別の袋もありました もしかして固形食料作れるんじゃ... おじいさんとパンを焼いたことがあったじゃない あーそんなこともあったなぁ... たぶんそんな感じじゃないかな 粉とさとうとしおをまぜて... なんか触りごこちが変わってきたね あめっちゃもちもちしてきた... これを伸ばして切ればいいのかな 焼き加減に気をつけなきゃ ちょっと焼きすぎたかな なんかきらきらしてるね 余ったさとうを外にかけたやつかな 生地がまだ残ってるから焼かないとな 無理無理見通しが甘すぎる... さとうがたくさんあったからな... なんの機械だろう... 人が住む場所じゃなさそうだし... 何かの工場にも見えない でも一番変なのはあれだよね ほとんどはぴったり閉じて開けられないし 開いても中が空のやつは最初から何も入ってないのか誰かが持っていったのか.. それに何かあっても大したものは入ってないよね 今までどんなものが入ってたっけ? さっきの変な機械でしょ空の薬莢布切れ それからそこにあったのが服のボタン... 使えないだろそんなの... 何かに使えるかと思って 何かに使えると思ったんだけどなー 布の切れ端を何に使うんだよ 役にも立たない価値もなさそうなものが こんな風に大事にしまってある... 見覚えのあるやつが... でもカメラっていいよね撮っておくと忘れないし ...カナザワって誰だっけ そのカメラをくれた人だよ ああ〜...思い出した カメラがなかったら忘れてたよ 普通はそんな簡単に忘れないよ.. 元気にしてるかなぁ... 大丈夫このカメラがある限りカナザワのことは忘れないよ... 死んだみたいに言うなよ でも生きてても死んでてももう会うことはなさそうだよね そしたらいつか忘れちゃいそう まぁ難しいだろうなあ... 小さくて今まで見過ごしてたけど... どの引き出しにもそれぞれ名前が書いてある これはきっと中身の持ち主の名前だよ じゃあここに入ってるものは その人たちが忘れてったの? 忘れられないように入れてあるんだよ... きっとこの名前と持ち物を 誰かに覚えておいてもらうための目印にしたんだよ 私たちみたいに通りかかる人もいなくなって世界に誰もいなくなったら... 誰が覚えているんだろう そのための石像か... また寒くなるなぁ... さっきユーが拾ってきちゃったやつ あれはここにないと意味がないんだよ ちゃんと場所わかるかなぁ... あれ、これこでいいんだ。は ...月が見える夜ってさ なんかテンション上がるよね ちーちゃんはいつも不機嫌だよね 別に不機嫌ではないけどさ... ユーもまじめに探してよ なんだろう...不思議な力を感じる... これが月の魔力ってやつなのかな けっこう家が残ってるから何かあるかなと思ったけど.. 月光が差し込んでるんだ もーー棒拾うのやめろっ いや入ってるのもあるな... 何が入ってるんだろ...?水かな...? これなんて書いてあるの? すごい金色の水だ... なんかきらきらしてるね... ねーガラスの入れ物って持ってなかったっけ? ...あったと思うけど 月光が溶け込んでるみたい ジュワシュワして変な感じ... ユーちゃんと考えて... ちーちゃんがおかしくなった... ユーの顔はよく伸びるなあ... 月の光が溶けているのでは.. いつかずーっと高くまで登ってさ... どんな所なんだろう... あっちょっとちーちゃん髪の毛食べないでよー ううう、強いたい... 古くなった支柱が落ちてきたんだ この足場は大丈夫だろうな... 大丈夫しか言わないよな。ユーは どこに危険が潜んでいるかわからないんだぞ... なんか何もかも危険すぎて逆に大丈夫に思えてくる 塔の外についてる昇降機はこわれてたけど... 代わりに道があってよかったね 前に登ったやつより細いよね 種類が違うのかもしれないな 私は昇降機に乗るよりこっちの道の方がいいけどね。 あんな宙ぶらりんはごめんだよ... 全然たどり着かないね上層に 果たして登っているのか.. ...それとも降りているのか 君を知ってるってことだけど... これだけ同じ場所をぐるぐる移動してるだけだと いつもの代わり映えしない日々も恋しくなってくるな じゃあ早く登り切っていつもの毎日に戻ろうよ 動けば動くほど危険も増えていく... ちーちゃんは高い所に来るとすぐ弱気になるからなぁ... 死ぬのが怖くて生きられるかよ! なんかこっちまで頭がぐるぐるしてきたぞ... うーん...らせんがぐるぐる頭もぐるぐる... あちーちゃんストップ!! そんな...道が... ううう...なんで外側に作ったんだ... 人が通るには問題なさそうだけど ちーちゃん死ぬのが怖くて.. ...あいつは重いからなあ... だから登るのは嫌なんだ... わかった言わなくていいから アクセルを踏み続けて:!! ...いやー危なかった.. また中の道に戻れてよかったね まさかこの道がこんなに愛おしく感じられるとは... おそんなこと言ってるうちに ...寝て起きて食べて移動して またいつもの平坦な道に戻ったね 生きるとはつまり螺旋のことだったんだよ! 考えたらこれも毎日ぐるぐるだな ...ぐるぐる回って一体どこにたどり着くんだか また脱い道だなあ... なんか前にも似たような会話したような というかあの時の状況と似てるしな... あそこよりはずいぶん明るいけどね... 何か動いてるような音もするから ここの設備はまだ生きてるのかもしれないな ねぇ生きてるってどういうこと? ...いや私が言ったのは機械が機能してるって意味であって 生命体として生きてるかどうかってことじゃ... 生命体ってのは生き物のことだけど... んんんーいいなぁぁぁっ、いいいんじゃいい さっきのなんだと思う? ...なんかでかいやつ ...あれって生き物なのかな いや生き物ではないだろ どう見ても機械だったし ...そもそも機械は息もしないし意識もない 私たちが乗ってるこれと一緒だよ機械は勝手に動いたり考えたりしない 誰かが操作してるのかもしれないし... でもさっきのやつは一人で歩いてた気がするけど... じゃあさもし機械が一人でこっちに向かって歩いてきて 「こんにちは」って挨拶したらどうする? そんな機械ないだろ... そもそも機械ところか地球上にはもう人間以外の生き物は存在しないって言われてるんだから オフッ!息が;!グホッゲホッ... ねえ疲れたから魚食べようぜ あれはダメだって言ってるだろ あれは私が管理している魚ですが部外者が干渉することはできません やっぱり魚なんだ... お前はいったい何...? 私はこの区画を管理する自律機械です 安心してくださいあなた方に危害は加えません よし!だったら無理矢理食べよう!魚! 本来なら攻撃的な部外者に対して警備機械を呼ぶことができるのですが 現在は通信が途絶えています あ警備機械ってここに来る途中で見たあれかな いえ、それはおそらくこの区画を整備している建設機械でしょう この辺りで稼動しているのは私と彼だけです 古代人の技術はこんな機械まで...どうやったらこんなものを... ...魚は食べないからさもっと機械とかここのことを教えてくれないかな いいですよここを案内します ねえ話はいいからあれを食べたいんだが まるで水の中にいるみたいだ... ここは一番大きな水槽の真下です いいなーこんなたくさんの水に浸ってみたい 使っていない水槽なら大丈夫です 使用中ってさっきの所? それじゃ他の水槽には魚はいないんだ ここは食用魚を大量に生成する生産施設でした しかし今はあの一匹だけです あの水槽以外は好きに使ってもいいですよ この前見た魚ってやっぱりここから流れてきたのかな あーあのおいしかったやつ ちょっとここで洗濯しないでよー 私が泳いでるんだから気をつけてよね かつて地球はひとつの大きな生命でしたが 人類はその営みからの独立を選びました 彼らは水や空気エネルギーの循環を代替し 人間が生存可能な環境を提供し続ける都市を築きました 都市の基盤殻層に備わったそれらインフラを可能な限り維持していくのが 人間なんてもういないのに? ねーちーちゃんも入ろうよー 私たちには関係ありません。ただ、維持していくだけです あいつなんであんな自由に泳げるんだ ちょっと待って!!どうすればいいんだ、これ 足をバタバタすると浮くよ 足...足がつかない... 大きく息を吸って力を抜けば浮きますよ そういえば夢でこんな景色を見たな... かつてこの地球はひとつの生命だった 今はどうなんだろう... 通常は跳ねたりする種ではないのですが、ある種の突然変異ですね 命令の誤伝達バグのことです 進化の源でもありますが... 機械の言うことは難しいな... ねー私にもそれできたりする? エサやりですか?いいですよ 私たち友達になれるんじゃないかな 捕食者は友達になれないだろ 私はお前を一緒に旅に連れていってやりたいよ.. よだれたれてるし... 今日はつかれたな... 寝るならそこの配管下がいいですよ温水が通っています。 思ってたんだけど本当に生きてるみたいだよね、機械なのに あなたたちが喜ぶと私も嬉しいということです 私たちは人間とコミュニケーションできるように共感”という能力が備わっているからでしょうか おお!でかい方の機械! この施設の解体を始めたみたいですね わかりません資材の確保のために不要な施設を解体することはありますが... はい、ここを解体すると言っています 停止を提案しましたが聞き入れてもらえませんでした 解体リストには周辺区画のほとんどが含まれていました おそらく都市にとっても致命的なバグが発生しています。 それも進化の源なの...? 破壊がもたらす次の創造を進化と呼ぶのなら 私には不可能ですが... しかしあなた方なら可能かもしれません ...食べるんじゃなかったの ううん...なんでだろう:あの魚を助けたい 〝共感〟ってやつかもね ふたつ下の層で拾った爆薬だけど使えるかな これなら半分あれば大丈夫でしょう 彼の体幹部に爆薬を設置して爆破すれば 内部構造を破壊して停止できます あの天井の通路なら背中に移れるかな あそこへは端の階段から上ることができますが あの魚を助けたところであなた方の利益になると思えませんが、 まああいつの考えてることは私にもよくわからないからねぇ... ...ねぇあのでかい機械を破壊するのってさ やっぱり殺すってことになるのかな... 私たちは生きてるし... 大きい機械も魚もしゃべらないけれど ...でも〝共感〟はできる気がする ...たぶん...生きているからだ 昔は人も機械も都市も生きていて、循環していたんだ... ユー!急がないと魚の水槽が! ...ごめんねでかいやつ 私も魚もこれでもう少し長く生きられそうです もちろんいつかは死にますが ...人も機械も魚も都市も生きていて それもいつか終わりがくるんだ... これからのアプリケーションを使っていますので、それはそれで、 〝生命〟って終わりがあるってことなんじゃないかな 魚は助けられたけど... ずいぶん壊れちゃったね... また作り直せないの?そしたらあれでしょ...?あれ 私一人の力ではせいぜい水漏れを止めるのが限界です 維持するしか能かないか... 「限界があるのかもしれません この都市も大規模な破壊が起こった後はそれっきりです この都市も大規模な破壊が起こった後はそれっきりです 破壊の先の創造がなければただ終わるだけだもんね... この層にいた人々もいつしかいなくなりました ...じゃあ私たちは行くけど 二人とも長生きしてくれると嬉しいな 私もそう思っていますみなさんもお元気で 「きご出会。たかがついたたから。貴重なさらに、大阪市南西町で、中村エートカバカバーではないでしょうかどういった機能があるのか完全にはわかっていない。泣いてくれれれど、長い間なんだよね 「いの感度やシャルスピードなどが ながら時を超えてきた。店区動かち式も不明 先生に電源が存在した電源や中高時間の日本ですが、ファンというのが、本当に電源の中で初めてですので、お前ごという情報が一般的にはご静太さんに居り早い時には、小さなかった 攻撃はここで画像と定場など、 に取り残されてほうような不安、あるいは寂しさでしょうか。 この作品の全部あるいは一部を無断て複製・転載・配信・送信すること、内容を無断で 改変・改竄することを禁止します。また、有償・無償にかかわらず第三者に譲渡すること この作品は、二〇一六年一一月新潮社より刊行された。電子書籍化に際し、仕様上の都合により適宜編集を加えた