リ女殿未旅行ってのはっくみず ...しかし、それではないのですが...それは...まだまれいいですよ この辺りの感じ...あそこと少し似てるね ん:どこだっけ...雪がすごかったときの? あー...なんだろうこの いや...怪我したときの所 今どれくらいの高さにいるんだ? 毛布をかぶればいいんだ じゃあ途中で運転交代する? 大丈夫借りた温度はあとで返すよ... 雪も深いしそろそろ限界だな... だけどあんまり道から外れると溝に落ちそうだし... 柱の陰ならそこまで積もらないかな まずはここに雪を盛って... 積み上げればいくらでも大きくなるし うーん...もっと大きくしたいな... いやこれくらいでいいよ: 疲れるだけだけど... 全部閉じなくていいぞ酸欠になるから... しばらくは外壁沿いだから寒いな 人工知能の人が出してくれた地図? 昇降機はあそこまでだけど 最上部まで続くルートはちゃんとあるみたいだ なんでこんなに大きい都市を作ろうとしたんだろうね 作るのが楽しかったからじゃない? そんなユーじゃあるまいし... 何かから身を守るためとか このかまくらみたいに? かまくらは寒さから身を守るものだけどもっと別の... 戦争...うーんやっぱり違うか 体がだいぶ冷えちゃったのかな... 借りた体温を返そうと思って なんでこんなに肉づきがいいんだ あはは...くすぐったい 私と同じくらいしか食べてないのに.. さあ...なんでだろ? どうせ頭がまったくカロリー使ってないんだろ ちーちゃんが頭に使いすぎなのでは? ユー...体温高いな... ...あったかい... ...エンジンのかかりがわるい... すっかり雪に埋もれてるな... 昔のことがこんな風に雪に埋もれて見えなければ... ちーちゃんも考えすぎて余計なカロリー使わなくてすむんじゃない? 埋もれても雪はちゃんと溶けるよ あの向こうが最上部かな... ...何があるんだろう 運転しづらくない...? でもこの穴の向こうも気になるね 上に行くにはあの坂を登るんだと思うけど... あんまり寄り道する余裕はないぞ... でも一応少し見ていこうか!! この世界わからないものだらけだから.. できるだけたくさんの場所に行きたいじゃん? 世界のすべてを調べることはできないけどね... 人間は空を飛べるわけじゃないし... あんまり一人で遠くに行くなよ ちーちゃん...これは.. これはたぶん...宇宙だよ 星の位置を映し出してるんだよ 宇宙というか太陽系か... 太陽って地球よりでかいのか... だとするとさっきのはきっと... わかってなさそうだな... 遠くのものの方が小さく見えるだろ こんな風に大陽系の星はみんな大陽の周りを回っていて 月みたいなのはさらにその星の周りを回っているんだよ じゃあさ、この地球から出てる線はなんだろ さっきもあったっけそれ? ひとつはここで途切れてるな... ふたつ目はあそこ... どこまで行くんだろ... 上の階まで続いてる... なんてことはないだろうけど... あれはたぶん...ロケットだよ さっきのやつがよく見えるね... たぶんここにあるのも発射のための設備なんだよ 宇宙に行くための機械だよ えあれを通って行くの:・ ねえあそこから行けそうだよ 宇宙に行くぐらいだし何か積んであるがもしれないよ? なんか揺れてるけど大丈夫かな... でもさどうして宇宙に行こうなんて思ったんだろ 何もないんでしょ宇宙って 星はあるけど...まあ星と星の間はものすごく離れてるからな... ユーだっていつも食べ物のことだけ考えて探索してるわけじゃないだろ? んー...暗いな... うーん...食べ物... おこれなんかちょっと食べ物っぽいな... 私のせいじゃないよね...? さっき見つけたやつ... ...行かない方がよかった...? いや...でもロケットは私も近くで見たいと思ったし どちらも同じ好奇心ってやつなのかもね 宇宙に行こうとするのも..私たちがロケットを調べるのも... わからないものを見たら、知りたいと思ったりずっと遠くに行ってみたいと思ったり.. 人間の本能ってやつなんだろうか... でも昔の人はすごいよね きっとそういう時代もあったんだよ 行こうと思えば宇宙にも行けるんだもん 争いや食べ物のためだけじゃなくて好奇心を形にするために時間を使えるような... ちーちゃんがその時代に生まれてたらすごく楽しかったんじゃない? 数字は私もわかるけど...どうしたの...? 倒れたときに氷がはがれたのか... どのくらい遠くにいるんだろう... これを直して宇宙に行う それは私のカバンの中に入れといて またムダに読めない本が増えたね それでもおじいさんの部屋にあった本棚ほどじゃないけどね 思えばあれはすごい量の本だったんだな... ...待ってちーちゃん! いや...ちょっと待て... とりあえず積めるだけ積んで... だけどこんなに高かったら 上の方とか絶対手が届かないよね そりゃ様子とかがあるんだろう ちょっとユー動いてたら本が見れないだろ 私にも読める本あるかな? 調べたことをまとめたものと空想を書いたものがあるんだよ だけどどちらも人間が生きて考えたことの証なんだって.. ずっと昔には図書館という場所が作られて... たくさんの本をそこで保存していたらしい ここがその図書館ってこと? ...もう少し上の方に行ってみようか ...もし人類が今まで記した言葉を全部集めたら 宇宙の星の数より多くなるんじゃないかとも言ってたよ ...星の数より多い言葉... アファンのあっあああーっ!! そういうわけでここでは、そういえば、 ...ねぇこれが全部人の考えたことの集まりなの? 読める本もいくつかあったんだよね どう?何かいい本あった? ほんとに世界中の本があるのかも... ロケットの中にあったやつ たぶんあれだと思うんだよね 昔おじいさんがよく飲んでたよね 私は苦くて苦手だったけど:・ ユーが好きそうな本があったよ 読め:ないけどわかる!! 図鑑ってタイプの本だよ絵で説明してくれる本だから たぶんそうだよみんな見たことない種類だけど... ...どれが一番おいしんだろ これもしかしてさかな!? あーーもうここに住みたいな :本を集めるのはさ... もともとおじいさんの趣味だったんだよ いや...趣味とも違うのか: 読める本も読めない本も 任務で行った先で本を見つける度に持ち帰るようにしてたらしい ひとつは色んなことを調べるため...だけどたぶんそれだけじゃなくて.. 全部同じじゃないかと思うんだ... 宇宙と好奇心の話...? 地図を作ったり...飛行機を作ったり... 機械たちがこの都市を維持しようとするのも... 私たちが一番上を目指すのも 人がこんなに大きな都市を作ろうとしたのも.. いや...目的ですらなくて... いつかすべて終わると知っていても何かをせずにはいられない... そういう何かしたいって気持ちの源みたいなものが心の中心にあって それが全部つながっているような... その長い長い連なりの最後に... 私たちがいるんだろうカ... この本は欲しいこれも... 上まではまだ結構ありそうだね... 履帯が切れたの...? それだけならいいんだけど... やっぱり...エンジンもかからない わからん...まずエンジンを見てみないと... 私に何か手伝えることある? じゃあカバー外すから手伝って 私にできることならなんでも言ってね ...とは言ったけど: フタを外したらもうやることがなくなった: 私何もできないから... 暗くなってきたな... 灯りがあったので持ってきました 一度エンジンを外に出すか: ねぇ...お風呂に入りたくない? えっ...入りたいけど.. こうしてみるとお風呂みたいだよね これをお風呂にしようと思って えっ...エンジンはいいの? シリンダーはひび割れてシャフトはぐにやぐにゃ あっちを直してもこっちが壊れる ...わかったどうすればいい? じゃあユーはまずこの中に雪を集めて... 燃料はもうほとんどいらないから抜いて... いらない布に染み込ませる ...あったまってきた 穴を塞ぐ接着剤も板もあるし この板を沈めて入るんだよ やっぱちーちゃんは天才だね... ...そうだあれを飲もうと思ってたんだった 今までありがとう... 持てるものだけ持っていこう これだけでももっこいくが... ...最近まったく夢を見ない 一日中歩いて疲れるからすぐ眠り 次の瞬間寒さで目が覚めている 意識のない間私たちは本当に生きているんだろうか... 生と死の境がぼんやりしていくようで 一瞬死んだりしてるんじゃないだろうか...そんなことを考えると この銃ってもう使わないよね: 弾だけいくつか残しといて なにも投げ捨てることないのに... だって置いてくのもかわいそうだから ユー...待って... 今日はここまでにしよっか やっぱり歩きだとぜんぜん進めないね やっぱり私たちが今まで生き延びれたのって...あの車両のおかげだったんだよね... なんていうんだっけあいつ ケッテンクラート...だったかな 結局ずっと乗り物に乗ってる人には出会えなかったし あれもすごく貴重なものだったのかも 地図を見るかぎり...この外壁を登り切れば内側に入って一本道だから カバンの本...なんか増えてない...? 図書館で拾ったものもあるから... えあそこでまた拾ったの? だって珍しいのがいっぱいあったし... こんなに持ったまま歩けない ユーが燃やしかけたやつ 「かっぱ」..だっけ? 魚の缶詰も重いから先に食べちゃおう ねぇ「かっぱ」ってどんな本なの? 私もよくわかんないけどお話の本だよ ある人が変な生き物が暮らしてる所に行くんだよ頭に叩みたいなのがのってる生き物 頭に皿...あのヌコの親たちみたいな感じかな... うーん...ちょっと違うかも あれが「かっぱ」だったのかもよ.. 地図のメモは切りとっておくから それも燃やしちゃうの...? 今の私たちに必要なのは本の中身より: それを燃やして温めた水... たぶん私は忘れるのが怖かった まるで夢のない深い眠りみたいに 自分の記憶にぽっかり穴があいてしまうのが 毎日ちゃんと目は覚めるし 中はそこまで寒くないからありがたいな... どう...?最後の日記を燃やして飲むコーヒーは きっと大丈夫だよちーちゃんは記憶力がいいから ランタンが切れた... どうしよう..コンロの燃料は使いたくないし.. しかたない...このまま進むか... ねぇちーちゃんは死ぬの怖い...? 私...暗い所って苦手 そんなの初めて聞いたぞ どこか暗くて狭い場所に一人でいて...それがすごく怖かったような気がする ずーっと昔...まだ生まれてすぐの頃... いや...生まれる前かも 覚えてないよ:気がするだけ そうだ手ぶくろとろうよ ひたすら続く長い階段... 足の感覚がなくなっていく... もう疲れて何もしゃべらない... 私たちは何もかも失っていった... そして今光もなく... 足音は繰り返しの中に消えていく... これが生きることなんだろうか; 暗闇から来て暗闇の中へ還っていくみたいに.. ユーの手が...時々震える... また握り返してくる.. 初めからそうだったのかもしれない ひとつの生き物になってしまった 本当にそうだとすれば... 私の手...ユーの手.. その外側にある建物...都市... 肌に触れる冷たい空気... こうして触れ合っている世界のすべてが... 私たちそのものみたいだ... 心臓の音が聞こえる... あるのは石だけか... じゃあ登り切った記念にごはんを... ちーちゃんもそれもうとったら? もう落ちてくるものもないか.. 私たちこれで正しかったのかな 正しかったって...? もっと早く引き返した方がよかったんじゃないかとか もっと別の場所に進んだ方がよかったんじゃないかとか.. そしたらもっと暖かくて食べ物もある場所に行けたんじゃないかとか... どうするのがよかったのかも どうしてこんな世界に二人っきりなのかも... 生きるのは最高だったよね... ...私不安だったんだ こんなに世界は広いのに...何も知らずに自分が消えてしまうのが ...だけどあの暗い階段を登りながらユーの手を握ってたら 自分と世界がひとつになったような気がして.. それで思った...見て触って感じられることが世界のすべてなんだって ...よくわかんないよね;こんなこと言っても 私もずっとそれを言いたかった気がする 端の方まで行ってみよっか.. あっちの端は近そうだよ あの雲の下にも本当にもう誰もいないのかな... さあ:でもきっと誰もいないんだよ あでもそれだとちーちゃんが世界一不幸に... じゃあ私たち今世界で一番幸せだね 私が一番でちーちゃんが二番かな? 私はいいよ二番で... 荷物って何が残ってたっけ ...あとはナイフとか お湯はあと少し作れるはず.. ロープにワイヤー... 起爆のための銃弾はユーが持ってたよね? あれ爆薬なら私も持ってるけど... ひとつだけ残しておいた爆薬 じゃあこれが本当に最後の... ねぇ:これからどうする? とりあえず食べて... この世界はあまりに巨大で複雑なので色んなものが不明のままお母さまってやきます。ただどんな時でも、生きる者ひが消え去ってしまうことはないとチトとユーリは信じていたし、私もそれをしたいと思いながら、描いた気がします...。多分。「辻ぃ作品でしたか」ここまでですが、このさってありがこうございました この作品の全部あるいは一部を無断て複製・転載・配信・送信すること、内容を無断で改変・改竄することを禁止します。また、有償・無償にかかわらず第三者に譲渡することとはできません 滝行所「株式会社新潮社 都市の最上層にたどり着き、さらにその最上部を目指すチトとユー道中、二人はロケットの第対指設や巨大図書館に立ち寄り、古代より連綿と続いてき特定人々の営みに思いを離せる。その後、再び最上部へと進路を取る二人だったが、旅の行方に影を落とすトラブルに見舞われてしまい...。終末世界に生きる少女二人の旅が結末を迎える最終者! そうですね。これからもうちょっと