Quick Edit

Advanced settings

昭和元鉄落許心!!

雲川はるこ

あらすじ

満期で出所の模範内

だれが呼んだか名は与太郎

塗装に放たれ向かった先は、

人生うずまく町の寄席

昭和最後の大名人・八雲が

ムショで演った「死神」に出会ったのが運のつきで

生きる道は噺家と決めていた。

弟子などとらぬ上義の八雲師匠

惚れて泣きつく与太郎を

あろうことか子犬を拾うがごとく弟子にした。

とはいっても師匠はなんにも教えてくれねぇ。

見かねた小夏に稽舌をつけてもらって

びびりながらも与大郎は高座の真似事

あ、あぁぁぁっっ

物相関図

あっかないけどな

〈ブチ師弟〉

師弟ン

ムカつく

同居さん

みなあとを

計価してない

それに寄席は、いつだって

駄目なやつにも優しいんだ。

さてさてそんなある日

与太郎のチンピラ時代の兄貴が

訪ねてきたんだが、前座の与太郎を見て、

思わず笑っちまった。

与太郎もちったぁ

なんで落語なのか」がわかってきたね

そして、八雲と小夏

この二人はひと筋縄ではいかないな

助力の呪縛にがんじがらめなのさ

助穴の亡霊を成仏させてもやらなきゃだめなんだ

!?

アメリカックベストアップの

!?

もー

そう言っているのですが...

其の二...

昭和元桜落語心中、日次

其の一...

八雲と助六篇

其の五...

写人郎放浪篇

創作漫画購入だらこそ、こしんじゅう、貧乏神の姿...

細落語心中

其の五

うひっ

ぐふっ

ぐふふ

マンション

プププ

ぐふっ

むひひ......

うひいひひ

ぐひっ

...

ウヒヒヒ

ヒヒヒ...

なにやってんだい?

こんな夜更けに

このおおお

ごめんなさい

廊下まで声が

もれてるんだよ

悪ィ悪ィ

いっぺん聞き

始まったら

止まんなく

なっちゃってよゥ

高らかしすぎっ

助六のレコード?

すきみ

うんっ、

ここんちに

あったんだよ♪

どこからみつけて

来たんだいこれ

いろんなトコ

探し回ったけど

結局ここが

いちばん品揃え

良かったんだ

助六サンの高座は

あんまり録音が

残ってねェッてなぁ?

こいだけ集めんの

大変だろうぜ

ししょー

どいだけ好きなんだよ

さあ?

嫌いで嫌いだ嫌い

すぎて集めてる

って場合もあるよ

父ちゃんの話

するとキゲン

悪くなるし

アタシは

そう思うけど

うん...うん

なんだィ

落語の質も

まるっきり

違うしね

やっぱり似てるなぁ

アネさんと助六さん

当たり前だろ

親子なんだから

瓜二つてぇか

割らずそのまんま

羨ましいなぁ

ほんとに生きて

居たんだなぁ

こんな落語やる人が...

ししょー

いっぺんでいいから

動いてるとこ

見てみてぇ

話して聞かして

くんねぇかなぁ

すっかり

骨抜きだね

だってすげぇんだ

助六の落語はァ

オイラほんとに

驚れぇたんだ

全くよォー

聞けば聞くほど

惚れこんじまうよ

腹の底から

面白ェんだ

聞いたあとは

ただただいい気分で

パァーーッと

明るくなるし

オッサンの落語より

全然面白ェだろ

かっこいいなぁ...

こんなふうに演れたら、

さいこうだァなァ

そんな事

ねぇよッ

ししょーの

らくごだって

最高だイ

ただオイラにできるか

てぇと話は別で

ナニシロ師匠の噺は

スキもねぇし

技術も頭もべらぼうに

使うからなぁー

アンタもやっと

身の程ってヤツが

判ってきたね

ときどき

むつかしくて

それ今度

あの親父に

言ってみなよ

おっかねぇこと

言うなよ〜

三途の川でも

見てくりゃあ

いいんだ

もう稽古は

終わってんだろ?

朝早いんだから

早く休みなよ

初めての大舞台

なんだから万全に

しないと

アタシは行かないけど

八雲サンの

独演会だよ!

アンタも出るんだろ

前座として

は?

うそ

はぁっ...

師匠

失礼致します

本日はお招き

ありがとうございます

萬月でございます

あァ雪ん中

ご苦労さん

まあ

おはいりよ

すごいですな

師匠!

やっぱりこんな

会場ともなると

格が違う

今晩は特別な

夜になりますね

ここと格で張れる

噺家なんていまや

八雲師匠だけです♡

こんな会に

師匠のヒザ

演らせて

頂けるなんて

こんなに光栄な事

ございませんよ♡

ハイ

ドウモ。

与太郎君の次

上がらせて頂きます

あァ...お前さん

テレビでも顔

売れてるし

ほかに呼べる人

思いつかなくてね

ほかに呼べる人思いつかなくてね

あの野郎

ちっとも稽古

足りてねぇんだ

いやあ前座の身で

この大舞台に上がれる

だけでも凄い事...

...にしてもその

なんというか

今日上がる事

今朝知ったァ

てぇんだから

よくまあそれで

上げましたね

それでも

出てェって

聞かねぇんだ

こうなったら

意地の張り合いさ

フラだけで

ごまかしてる

ようなもんだ

ザマぁねぇや

さんざっばら

言ってやったのに

この「初天神」は

師匠の型とは

ちゃいますなぁ

最近随分

ご執心みてぇで

アタシも人に

教ぇるなんざ

嫌いだから

...助六師匠

生きうつし...ゆうか

丸パクリ?

いい心持ちする

訳がねぇやなぁ

なるように

放っといたら

このザマでね

*落語の符丁。持って生まれたおかしみのような意味

大丈夫...

なんですか?

なんて事や...

師匠に砂

かけたうえに

客席をこないに

冷たぁして

しもたんでは...

前座に客席

あっためてもらおう

なんざ

ハナから考えちゃ

いませんよ

高座に上がりゃあ

いつだって独り

お前さんも

好きにお演んなさい

与太郎はん

よくも八雲師匠の

顔に泥ぬって

くらはった

やっぱりあんさんに

あの人の弟子やなんて

名乗ってほしないわ

ほな

とんとん

失礼します

お先に勉強させて

頂きました

師匠

あの

話す事ァ無い

邪魔だから

出てっとくれ

南無妙法蓮華経:

南無妙法蓮華経:

ウウ寒い

どっかで道を

このままじゃあ

間違いちまった

凍え死にしちまァ...

旅人は

身延山への

参詣の途中

雪の中大層

旅慣れた身装で

江戸を出て甲州路を西へ

小諸山で麦消しの

護符を授かった後

いったん敏沢へ出て

ご本山へ行く途中

雪風のため笠を飛ばされまいと

手で押さえ、南無妙法運華経の

お題目を唱え歩いております

今日に限って

行けとも行けども

人家は見えず

雪風ますます

酷くなり

不安は募る一方

次第に日も暮れ

旅人も

途方に暮れた...

そこへ遥か向こうに

ぽォーと灯が見えた。

いてやこのブログが

こんっぽい

アイ

スウー

どなた?

燃え上がる粗茶の火先に

女の姿が段々はっきり

して参ります

ぷかり、

ぷかぁりと

煙草を吸っている。

頭は樹素にして

色の白い鼻筋の通った

目元にちょいと膝はあるが

何とも言えないいい女。

年の頃なら二十八、九。

絹物の継ぎ接ぎの

どてらを引っかけ

長い羅宇の

煙管で

あたしゃあ

これでもねェ

観音様の

裏っ手のほう

ただ、どうした事か

アゴから喉へかけ、

月の輪なりにぐうッと

引っかいたような傷がある。

江戸に居た

事がありますよ

八雲師匠の

「鰍沢」...

雪深い山里の描写

元花魁の罪人お熊

経験も技術も要る

むつかしい嘲太...

八雲師の

真骨頂やなあ:

さぁさ

あったまるから

この卵酒

お上がんなさいな

ええじゃあ

ほんのすこしだけ...

ああ...

この雪ン中

歩いて疲れて...

熱うい卵酒が

つうっと...

いけねぇや酔いが

急に回って

参りました

いまに亭主が

帰ってきます

吉原でもって

お客だったなんてェたら

おまはんが勘ぐられるから

その事だけは

極く内緒にネェ

お前さん!

えっ

てめぇなにか

うさい州でさ笑

強暑さまのように、

あれにゃァ毒がはいってるんだよォォ

キャケアでお付いてみ

沙織さんできる

亭主に毒ゥ

そういうことなんか

さァ

このやりとりが

旅人の耳にはいった

全身に痺れ薬が

回っているから

こりゃァ大変と

逃げようとするが

全身に痺れ薬が回っているから立てうとしても立ち上がれね

立とうとしても

立ち上がれぬ

ふと気付いたのは

手持ちの

毒消しの護符

ロィ押し込み

そこらの雪を

掴んでは頬ばり

掴んでは頬ばり

あの野郎ッ

感付きやがった

裏から

逃げたねッ

あいつはお前さんの

仇だ...

お前さんの

この鉄砲で

しとめてやらぁ

......旅人は

転つまろびつ、

無我夢中で

駆け逃げる

上弦の月が

青白く

折からの雪は

びたァりと止んで

雪景色を

照らしている...

ぐぅぅ...

...なんだか変な

寝息まで聞こえてきた

この辺は熊も

出るってェたなァ...

ウ~~ッ

南無妙法蓮華経...

命がいくつあっても

足りねぇや

お熊が

狙いをつけ

引金を

ひいた

かちりッ

弾はドオン、

ピュウー...

はっと伏せた

旅人の髷っぷし

を掠り

いーいやさんまだ

はァッ

助かった

おザイモクの

おかげだァ...

ゴタさんっ

起きてー

わはっ

ビピピピッ

この雪じゃあ

ハイヤー出せ

ねぇだろ?

はぁ

伸呼んどくれよ

そいで駅ィ

向かうから

早く戻り

てぇんだ

与太郎

松田さん

いまから

破門だよ

お前さんはウチに

戻らなくてよろしい

ししょお

出しとくれ

でも..

しょー

いいから

へえ...

師匠

破門なんて

嘘だろ

出すんじゃ

ねえッ

よく眠れたろ

アタシの落語は

退屈でさ

申し訳

ありません

でした

お前さん

アタシんとこ居たって

意味無ェじゃねぇか

意味はある

助六に弟子入り

すりゃあいい

いねぇもんは

いねぇんだよっ

伸屋さん

出しとくね

へえ...

ガキじゃねぇんだ

聞き分けろ

会が駄目ンなって

苛ついてるんだよ

これ以上不愉快に

させるんじゃねぇ

師匠

オイラあんたに

捨てられたら

どうにも

なれねぇんだよ

なんも無くなっ

ちまうんだ

へェ

そうかい

なにやってんだい

凍え死ぬよ

死んだほうが

マシだよぅ

あのオッサンに

なにかされたね?

だから

言ったろ

ロクな奴じゃ

ねえって

っ...

ししょーを

悪く言うな

冷たい手!

ほら立って

とりあえず

中にはいって

着替えな...

中へは

はいれねぇんだ

じゃあなんで

ここに居るんだい

未練タラタラ

じゃねぇか

破門されたんだ

男だろ

そんなに好きなら

話つけてきなよ

師匠

クチきいて

くんねぇのは

よぅく判った

居ねぇもんとして

聞いてくだせぇ

俺はアンタに

心底惚れてる

これはもう自分の

根っこみてぇな

もんだから

変えようが

ねぇんだ

でも落語やらせて

貰ってるうちに

判ってきた

師匠の落語は

俺には絶対

できねぇんだって

助六さんの落語が

近い気もする

でもそれがやりたい

のかまだまだ

全然判らねぇんだ

判らねぇから

側に居させて

もらいてぇんだよ

頼む

俺をアンタと

落語の側に

居させてくれ

居もしねぇ

もんが

べらべらよく

喋りやがらァ

お前さんの

やりたい落語が

なにか

お前さん

自身の

落語だよ

判らねぇなら

教えてやろうか?

破門しねぇ代わりに

なァ

与太郎?

アタシ達ゃあ

みっつ約束しなけりゃ

ならないよ

二ツ目になるまでは

うちで面倒見てやらァ

それまでに

アタシのと

助六の落語も

叩き込む

全部

覚えろ

とん

そうすりゃ

テメエの落語なんて

勝手に出来あがらァ

それがひとッつ

そいからアタシはね

助六と約束して

果たせなかった事がある

「二人で

落語の生き延びる

道を作ろう」ってね

だからこの穴

埋めておくれ

それが

ふたぁつ

どっちが一人

欠けたって

できねぇ事なんだ

らくご

覚えんのは

いいけどよぉ..

できねぇ時?

これく

なってきた

そんなでけえ

約束...

できんのかな

にたぁ

そん時ゃ諸共

心中だよ

あと

ひとっつは?

絶対に

アタシより先に

死なねぇ事

いいね

約束だよ

小夏

お前さんも

じゃあひとつ

お前さん方に

話して聞かして

やろうか

あの人とアタシの

約束の噺をさ

長ぇ夜に

なりそうだ

覚悟しな.....

八雲と助八稲

坊ちゃん

こちらですよ

ゆう

今日からここが

あなたのおうち

らく

てい...

そうよく

読めましたわね

坊ちゃんは本当

賢い子供です

いいですか

師匠の言いつけには

必ず従う事

あのお師匠なら

きっとよくして

くださいますから

あなたも不安で

いっぱいでしょう

けどね

こんなご時世に

とてもありがたい

事なんですのよ

私はすぐ

おいとましないと

いけませんけど

お一人に

なっても

しゃんとして

いつも通り

正しく...?

カッカッ

待て

まてまて

まて!!

待ちゃあ

がれいッ

お前さん、さては

七代目に入門かい?

たい

だったらなにかえ

文句あるのかい

見ろやい

なんでェんな事も

知らねェのかい

これで今日から

俺はオメエの

兄貴分でぇ

先に入門した方が

兄弟子んなんだよ

まぁいいや

お前さんも

こっち来なヨ

兄弟!

これがあたくしと

後に助六となる

信さんの

しょっぱなの

出会いで

ございました。

細落語心中

人であの女の

やあやあ坊

よく来なすった

お前のおっ母さんにゃ

昔たいそう世話ンなってな

弟子ったって

身内にも

なるんだから

お前さんも気の毒にな..

ケガで踊れなくなっちまう

なんて...数奇なもんだ

おいっ

おいっ師匠!

師匠!

結局女が

強えから

手前の家だと

思ってくれて

いいんだよ

やぁい

無視すんな

けどまァ

花柳界なんてな

しゃらくせぇの

クソガキが!!

とっとと

帰れ!

そいつだって

クソガキじゃねーか

お前も早いうち

落語来れて

良かったかも

しれねぇし...

オー

イ!!

なんでソイツが

入門できて

嫌だぁい

俺が入れねぇん

だよバカッ

なにも無ェ奴にまたげる

敷居はウチにゃ無:

いいか坊主

ものには道理って

もんがあらァ

こちらの坊は

所縁あって、ウチで

引き受けとくれってさ

口添えがあってから

ここへ来なすった

縁ならあるぜ

俺ァ

落語をやる為に

生まれてきたんだ

七代目

俺に任せりゃあ

未来は明るいよッ

明烏ッ

船徳

よかちょろ

芝浜

らくだ

文七元結

野ざらしッ

なんだって

演ってやらァ

さァさアさァ

入門を

許可しなよ!

聞いたかい?

大根多ばかり

並べやがって

フテエ

野郎だ

どれ

けど単なるタダ飯狙いじゃなさそうだなァ

けど単なる

タダ飯狙いじゃ

なさそうだなァ

そんなに言うなら

なにかやってみな?

こっ

いっ先生ェ...

ごまかしちゃいけねぇ

わじは婦人は好かん

なんてやがって

ゆんべの娘どっから

引っぱって来たィ?

わかってるねェ

さすが七代目!

お前あれをご覧に

なったかそんなら

話をしてやろう

あたりは暗くわし一人

弁天山で打ちいだす暮六ツ

陰にこもってもの凄く

ぼオォォォオン

ぼォォー

ぼオォォ:::ン

巣でもあるかと

葭をかきわけると

なまなましいどくろ

しかはねだ...

わしは回向を

してやったすると

ほとほと戸を叩く音が...

「一切へ小山壁体工事

改善されていた

止せよ先生

おどかすなィ!

じゃあその骨と

話してたっ

てぇんだな

ねぇ先生

向島にゃ

まだ骨が

あるかねぇ?

待ちだすな!

やがて出張ってき

どうしたい!

骨は釣れるか

骨はェ?

てやんでぇてめぇらに

いい骨釣られてたまるけぇ

コア鐘がぼんとなりゃ

上げしお...ォみなみさ

いきなりにこのメンバル

ひいい...きょいまで

>>400%Dritest

...えー、ビットされ

ではこんなときへ

謝ちゃんよせよ

おいごらん

あの人自分のあご

釣っちまったよ

間抜けな野郎だ

痛ぇ!

笑うこたねぇだろ!

なんでェこんなもの

針があるからいけねぇ

針なんかいらねぇやっ

あっ痛ぇ

あごに針が

たとえまでだけど、

ヨシ大体

わかった

もういいヨ

痛ててて

そりゃ柳風師匠の

「野ざらし」だなァ

なんのこたねぇ

猿真似芸だ

でもなあ

仏頂面の坊が

笑った

お前さん

なんでまた

アタシんとこに

来たんだい

てぇしたもんだ

八雲に

なりてぇからだ

その大名跡は

七代目からしか

貰えねぇんだろ

この名跡で

どいだけ苦労するか

わかってて

言ってんのかい?

お前さん親は?

いいか絶対やらねぇ

って決められんのも

おいちゃんだけだヨ

そんなモンは

食った事もねぇ

ホウ

50銭やらあ

まず湯ィ行って

その汚ねぇナリ

なんとかしてこい

寄せ場で世話ん

なってたジジィがよ

落語好きだから

毎日やってやっとたんだ

でもこないだ

死んじまって

そんでここに来た

やった!

じゃあだれにも

気兼ねなく

お前のそのハナッパシラ

へしおって

かまわねぇんだな?

オイちゃん

松田くん

子供の浴衣あったろ

ふたっつ出してやんな

お前さんも

行ってきなヨ

なんだか妙な事になっちまったけど

なんだか妙な事に

なっちまったけど

あれァきっと

面白ェぞ

風呂でも入って

腹わって

話してみろ

ハイ

師匠

あっちまっっぐ

まっっぐ

あの汚い子供

内弟子にするのかい

もう取らないって

言ってたじゃないか

しかも子供なんて

手がかかるのに

一度に二人も!

まあまあ

いいじゃねぇか

ちょいと

冗談じゃ

ないよアンタ

大体アタシは

1000年11月

DishoneFor

いまは他に

内弟子も居ねぇし

それじゃ坊も息が

詰まるだろう

あれくれぇ大雑把なのが

一緒に居りゃ丁度だろう

このような

やりたかさんは、

カポーン...

菜あ〜〜〜

まあ...

なんだェ

なに気取って

やがんだい

男同士で

隠すモンも

ねぇだろが

こんな所

来たくて

来たんじゃ

ねぇんだ

好きに

させてくれ

なあ坊

踊りやってた

ってことは

都々逸

なんかも

できん

の?

やってみてくれよ

嫌だ

なんでぇ

ケチケチすんなィ

銭湯なんてなァ

唄うとこだぞ

響いて気持ち

いいだろ?

入れてもらえば

気持ちは良い

がァ〜ほんに

気兼ねなァー

もらい風呂〜♪

クソガリキー

そうなの?

そういうのは

どこで覚えるんだい

あの:さっきの

らくごとか...

ん?

寄席だよ

寄席!

いけねえ

ウソがバレた

俺なんかしょっちゅう

通ってたら、おじちゃんに

顔覚えてもらって

無料で入れてもらうんだ

お前な

ボンヤリ

してると

すぐ死ぬぜ

子供なんてなァ一人んなったら頭使わねぇと

子供なんてなァ

一人んなったら

頭使わ

ねぇと

お前さんも

捨てられたんだろ

なにがあったか

わからねェけど

なにがあったかわからねェけど

辛ぇよなあ

この年で一人

放り出される

なんてな...

なあ坊...

うえっ

詮無いことと

頭ではわかっていても

他人に事実を

告げられると辛いもので

私は確かに

親に捨てられた

のでした。

その現実が

このとき一気に

襲って参りました。

女系家族に生まれて

居場所が無かったこと。

芸者の家で、

男の自分が踊りをやっても

誰にも褒められないこと。

足を悪くして

またさらに

疎まれたこと。

なんの興味もない

落語なんてものを

やらされること。

いままで大人には言えずにいた

辛いことぜんぶを、

なぜか信さんには

洗いざらい喋っておりました。

すまないわ

お前さんはまず

笑わにゃいかんな

こんな話

つまらねぇだろ

これから噺家に

なろうってェのに

高座でそんな

シケた面ァしてたら

客だって笑うに

笑えねぇだろ

そうかぇ

だから

笑えって

なんにも

面白く

ねぇのに

笑える

かい

ほら面白ェ

カオしてる

だろ

面白く

ない

洗いざらいぶちまけて、

洗いざらい

ぶちまけて、

私の入門の日は暮れてゆきました。

私の人間の日は

暮れてゆきました。

そうして

数年後

ヨゥシ

上手く

書けた

今日からこれが

お前さん方の

名前だ

初太郎

知り合って

両方由緒ある

出世するってえ

前座名だ

精進しなさい

世の中が

こう悪くちゃ

しばらく付けて

やれなかったか

これでお前さん方も

ハレて前座だヨ

ししょ

頂戴

いたします

気に入ってる

文句は

言うんじゃ

ねぇぞ

じきに寄席にも

出させてもらう

からな

教えた根多は

仕上がってんのかい?

はいッ

お前さん方は

なんでもかんでぉ

正反対だな

一人が晴れりゃあ

一人がくもり

お天気

みてぇだヨ

初太

お前の落語は

走りすぎるんだヨ

もちっと

落っ着いてやれ

そいからその身ナリ

なんとかしておけよ

寄席ェ出たらすぐ

目ェつけられちまうぞ

お前の落語は

なんだか辛気臭ぇ

もっと腹から

声張って出せ

それと兄弟子には

もうちっと愛嬌

ふりまいてやれヨ...

やりにくいって

苦情来てんだヨ

へいへーい

はい...

なァー

見ろよ...

「いかにも前座です」

...ってカンジ

丸出しじゃねぇか

嫌だなあ

こんな名前

わたが

仕方ねぇ

だろう

いかにも

前座なん

だからさ

ハァ...

ついにこの日が

やってきちまった..

寄席出たくない...

菊比古なんてのは

いい名前だな

しとやかで

お前さんに

ピッタリだよ

そうかェ

なあ師匠は

腹から声出せ

なんてェたけど

廓噺とか

艶笑噺とか

俺ァお前には

そういうのより

もっと向いてる噺が

あると思うんだ

声張れなくて

辛えだろ?

だったら張らねぇ

噺をやりゃいい

いわゆる

色っぺぇ

噺だな

三味とか踊りの所作

使う噺もいっぱいあるし、

俺にゃ

逆立ちしても

できねぇけど

お前さんなら

なァ?

前座噺も

おぼつかねぇのに

そんなのまだ早いよ

だよなァ

わかる

女も知らねぇのに

できっこねぇよなー

はあ

女抱いて

みてぇな

こんな生活

してたら

まず無理

だァなあ......

寄席でワリ

もらえるように

なったらサ

チマチマ

貯めて

一緒に吉原ィ

行こうなあ

そーお

とんとん先に

行ってしまう

信さんに

私は正直、焦りを

感じ始めておりました。

学校の時間だ

そんときは、教えられた

前座噺を覚えるのに

精一杯で

向き不向きなんてェ

とこまで見えて

いませんでしたし

まじでや女の事など

考える余裕も

ございません。

そのころは

うちの親への手前

師匠は私を

高等科までは

通わせたいと言い

昼は学校

夜は寄席

という生活が始まり

一日中落語つけの

信さんとの差は

歴然とついてゆきました。

私はその

カ量の差がどんどん

辛くなっておりました。

けれども

芸事の世界に居られることは

素直に嬉しかった。

やはり私はこういうものが

好きだったのでしょう。

寄席に来て

三味線の音色を聞いていると、

心がスウッと穏やかになりました。

どうしたの

さっき指が

つれちゃって

まだ痛くて

どれ

ちょいと

貸してご覧

次のお師匠の

出囃子は

なんです

アレお前さん

弾けるんかい

梅は

咲いたか。だよ

おッ

八雲んとこの

坊が

弾くのかえ?

少しやらせて

頂きます

ちてとんとん

わぁー...

あみごと!!

あぁああ

ありがとう

あたしまだ

始めたばかりで

ヘタクソで......

まっき

とっても

上手なのね?

今度

教えたげようか

この娘は

下座見習いの

お千代ちゃん。

♥♥♥

私が初めて

おつきあいを

させてもらった娘。

女ってェもんがなんなのか

知ってみたくて

つきあい始めた

ようなもんでしたが、

まあとにかく純情で

可愛らしい娘さんでした。

もちろん前座の身ですから

バレたら怒られますんで

隠れてコソコソ

逢瀬を重ねておりました。

けれども

お子代ちゃんとも

すぐにお別れ

する事になりました。

あたし

田舎に疎開する

ことになったの

菊比古さんお別れだけど

菊比古さん

お別れだけど

あたしの事忘れないで...

あたしの事

忘れないで

......

戦争は酷くなる一方で

東京からはみるみる

人が離れてゆきました。

落語どころではない

という空気も満ちつつ、

昭和16年には

不道徳・不謹慎であるとして

落語界が自粛する形で

明烏など花柳物と

宮戸川など艶笑物。

全5種の名作古典が

禁演落語として葬られます。

本当に参った

手足もがれた

みてぇだよ

なぁ菊

自粛なんざ蔓延すりゃ

それが落語界の

常になっちまう

冗談じゃねぇやな

馬鹿馬鹿しい

へえ...

信さんに言われた通り

廓噺や艶笑噺なんかを

稽古し始めていた矢先の

出来事でしたから

自分の落語をみつけようと

もがいていた私には

道を絶たれたように

思えました。

よウッ

どうしたんだェ

今日は

こっち

ーするだろ

あーあ

こんなに

ためやがって

信さん

先の用事がよー

浅く終わっちゃったから

手伝いに来てやったよ

先の用事がよー浅く終わっちゃったから手伝いに来てやったよ

お前さん最近

新しい奴が

全然入ぇって

来ねぇから

このご時世に

落語やろうなんてェ

馬鹿はいねぇんだろ

クタクタだからな。

ご時世だぁ?

知らねぇや

オレぁ雑用じゃなくて

落語やりてぇんだ

俺達いつまでも下ッ端だ

この前座不足じゃあ

いつまでもニッ目なんか

無理だよ

いや

こんなご時世

だからこそ

寄席には客が

不入り続きだ

噺家になる奴が

いねぇのも判る

絶対に落語を

残しといてやらなきゃ

ならねぇぞ

皆生きるのに

必死でよ

でもよぉ

明日のおまんまも

手に入らねぇのに

明日のおまんまも手に入らねぇのに

腹いっぱいになりゃ

また皆

寄席に戻ってきてくれる

俺ァ絶対

そう信じてるよ

そうかえ

お寺はどこだい

金兵衛さん

エエ麻布絶口

釜無村の木蓮寺

ッてんですがね

あっコレ

「黄金餅」かかってら

俺いま丁度

稽古してんだ

ペー助師匠かァ

あんましうまく

ねぇんだよな

あの人

わーわー言いながら

下谷の山崎町を出ましてェ〜

あれから上野の山下へ出て

三枚橋から上野広小路ィ出ましてく

御成街道から五軒町ィ出まして

そのころ堀様と鳥居様の

お屋敷をまッすぐにィ〜

落語が嫌に

なりかけていたのは

信さんが居たからですが、

落語をどんどん

好きになったのも、

信さんのおかげでした。

しかし、信さんの言葉とは

うらはらに、

落語界はどんどん

寂しくなり

師匠ォー

申し訳ません

ませ

兄弟子たちもつぎつぎ

菊初太

辞めていってしまいました。

とうとうお前さん方

だけになっちまった

ひでえもんだな

じつァなあ

お前さん方に

話があるんだ

失礼

致します

あとで一人ずつ

来とくれヨ

おう

入れ入れ

なぁ菊

でな

東京も危ねぇから

かみさんは実家に

やろうと思ってな

アタシぁね

満洲へ皇軍慰問へ

行こうと思ってね

お前さんも

かみさんについて

一緒に田舎に

行ってほしいんだ

松田くんにも暇を

出すつもりだよ

大丈夫だよ

重々伝えてあるから

ちゃんとよくして

くれるはずだよ

お前になにかあっちゃあ

お前のおっ母さんに

面目ねぇし...

お前さんももう18だから

余計な事かもしれねぇが

...信さんは?

あいつァ

なあ...

一緒に連れて

いこうと思うよ

あんな危ねぇトコに

お前は連れて

いかれないよ

お前さんは

足が悪いしな...

ならアタシも

連れていってください

人が増えりゃ

その分動きづれぇし

兵隊になるより

マシだろう

時代が

悪すぎらァ

この猫ももう

飼いきれねぇ

そらよ

行ってきない

なあに

数ヵ月すりゃ

お役ご免だ

いまここに居たって

どうせ落語は

できねぇしなァ...

放して

やらなきゃな

その猫と

同なし

なんですか

アタシはまた

捨てられるんですが

信さんは

師匠のお側で

ずっと修業できる

アタシだけ

呑気に田舎でぬくぬくと

暮らしてられません

これ以上

差がついちまう

のは嫌だ

アタシにゃあ

そんなに見込みが

無ぇんですかえ

そうは言って

ねえだろう

折角好きに

なってきたてぇのに

もっと落語を

稽古していたい

菊比古

口答えするように

育てた覚えは

ありませんよ

はい

ご免なさい

起きてん

のかい

ウン

俺達ついに

別れ別れ

だなあ

でもなあ

俺ァ絶対

生きて帰って

くるからな

まだ坊と

吉原行って

ねぇしなあ

なんでえ

そのカオ...

全然信用ならねぇ

ってカオだな

信さん

指きり

なあアレ

やってくれよ

「あくび指南」

お前さんの

聞いてると

眠たくなって

くるんだ

失礼極まり

ねぇな

眠たくなるたあ

それァ

褒めてんのか

くさしてんのか?

さあ?

おい、毛利付けあって

そんなわたしのことんねえかい?何だい

いや、おかしいじゃあ、おけになんだ

すげになんだけどもね...

よせやーはあ

おけいって

ソラじゃ

寝た、

それから

時は容赦なく

流れゆきました。

私は田舎で、

落語とはまったく

縁のない

工場勤めをして

戦争中とは思えないほど

穏やかに暮らしておりました。

またこんな

変なところで

寝て

体壊す

坊ちゃーん

体操すわよ

本持ってきて

あげたわ

こういう娘さんと

ふつうに結婚して

ふつうに働いて...

田舎でこのまま

添いとけたら

アタシは

どうなるっ

てぇんだろ

おかみの家は裕福で

東京ではあくせく

働いていたおかみも

すっかり気が

抜けたように

毎日師匠の帰りを

待っておりました。

初めはこまめに届いた

電報も次第にこなくなり、

数ヵ月で戻ると

言った二人の行方は

わからなくなり

半年、一年と

時はただ残酷に

過ぎてゆきました。

菊比古さん

電報は?

今日はまだ

きませんよ

やっぱりあの人は

あっちで

死んじまった

んだ.....

気が減入る事があると

いつの間にか口の中で

落語を唱えておりました。

しほっのやまやま

ゆきとけて

そうすると

フッと心が軽くなって

みずかさまさるおまかわ

の...あげじめみ

はみ

どういうの、どこから

っとみずみと...

忘れようともがいても

忘れようともがいても

こんなに心身に

染みついて

自分に必要なものに

なっていたと気づきました。

あるときそれは

唐突に起きました。

陛下の放送が

と聞い

空下の背後があったこと聞いてそれだけであっけなくそれ。

それだけで

あっけなく終戦

ほんとうに

突然のこと

でした。

一刻も早く

もう空襲のない

東京へ

おかみさんと私の

願いは一つでした。

そして師匠と

あの人を

迎えてやりたかった。

おかみさー

あちゃーん

神楽坂の師匠のお宅は

戦火を免れて

おりました

近場に暮らしていた松田さんが

こまめに家守をしてくださったのです。

私もこの家は

特別ですから

あとは家主を

待つばかりだ...

けれども吉報は

なかなかやって参りません。

引き揚げにはかなりの

手間がかかっているとの

噂も聞きました。

生還を信じて

私は仮の大黒柱として

めるばう働きづめました。

けれどもただただ

落語ができることが

なにしろ嬉しかった。

真打ちの師匠連の計らいで

「ツ目なみの扱いにしてもらい

座数が毎日三つか四つ

とにかく忙しくて休まりません。

イヨ!

しかしその日は

やはり前触れもなく

やってきました。

いっ、

信さん

くさいッ

坊はえー

匂いじゃあ

50年やるから

湯ィ行っていて、

ひゃはははッ

間もなくして

私たちはついに

落語の仕事を

再開致しました。

ほら

緞帳を上げるぜ

なあ坊

よく見てろ

耳も目も

かっぽじってなァ

そら来たぜ!

見ろよこの客

俺の言った通りに

なったろ

娯楽に飢えた連中が

これからどんどん押し寄せる

なにもねぇときだからこそ、

舌三寸の落語の

腕の見せ所よ!

俺たちの時代が

もう来てるんだよ

この人の見つめる先は、

いつも明るい

私はこの時心底

そう思いました。

そして正しい

そして私も

同じ方を見ていれば

自ずと自分の

行く道も見える。

そう確信したので

ございます。

この後成人した

私共はトントン

>目へと上がり

師匠の家を出て

貧乏どん底

二人暮らしと

相成ります。

落語火気の追い風は

凄まじく

一挙、若手のスタッダムへと

押し上げられてゆく訳ですが...

コンニチハ

八雲センセー

いらっしゃる?

みよ吉が来たって

伝えて頂ければ

すぐわかりますわ♥

こうしていよいよ

波乱方丈二ツ目時代の

幕開きとなりますが、

あいにくのお時間で

続きはまた明晩ー

ああ!!

昭和元禄

ボラ

...

稲落語心中

其の

マンショップで

ねーえ

ポーイさん

ちょいと

こっち

来てえ〜♡

やっと見た(

ご用ですか

お嬢さん?

これも

修業...!

にこ...

ねえまだ

忙しいの?

今日はどうも

ずっとこんな

感じで

なによいいでしょ

座って喋ってって

よぉ〜♡

おーい

ボイさん

決まってるねェ

巴里の千両役者

みてぇだなァ

信さん

...!

ここには来るなっ

てぇたのに

じき上がれるから

その辺で時間

つぶしといでよ

なんでェ一杯くれえ

奢ってくれたって

いいじゃねぇかよぅ

酒なんて

置いてないよ

ウチはッ

上野まで一緒に

歩ってこうと思ってな

夜は高座ィ

上がるんだろ?

じゃあ飲み代

頂戴

!?

昼席の

ワリは?

新宿から遥々

都電で来たら

ワリなんて

カラッポだよ

わざわざここへ

寄らなきゃ

いいんだよ

夜席まで

空いてんだ

まっつぐ向かう

のも

シャクじゃねーか

さてはそれが

目的かい.....

今日だけ

だよ

ぼっちゃん

悪いねー

なんだいいまの人

芸人さん?

アンタ出す生だっっ?

いえ

道きかれた

だけですよ

うー

さみいッ

なあ坊

怒るな

よー

そんな噺家丸出しで

来られたらこっちの

素性もバレちまう

銀座のあんな

うわっついた店で

働いてるのがバレたら

師匠に大目玉だ

勘弁して

おくれよ

ああいうトコで

ちったぁ揉まれりゃ

いいんだよ

アタシにばっかり

働かせて

なに言ってるんだ

お前さん

ツルッと

転がりこんで

出ていく気なんて

サラサラねぇだろ

お家賃の足しにも

なるしな?

良い案だったろ

男所帯じゃ

気兼ねもねぇし

腹ァ減っても

寒くっても

日銭が無きゃ

生活できねぇ

働きゃあ

稽古できねぇ

稽古できなきゃ

寄席にも

呼ばれねぇ...

堂々巡りの

火の車だよ

べらべら喋ってりゃ

気が紛れらァ

師匠の家ェ出て

だいぶ経つってェのに

ちっとも落語を

覚えられない

なんのための

二ツ目だい

そらァ気の毒に

俺ァ明日

かけもち4軒だぜ

最近評判

良くってよォ

「助六」って名前

貰ってからずっと

上りッ調子だ

お前さんも一丁

どっかから名前

貰ってみちゃ

どうだい

今度なぁ

ラジオに出てみねえ

かって話もあるんだ

嫌だよォ

襲名なんて面倒だ

アタシは一生

菊比古でいいよ

だいいち助六なんて

噺家らしくねェ...

二代目だっけね?

どっからほじくり

出してきたんだい

「初太郎」よか

マシだろー

男前には

ピッタリ

じゃねぇか

エ?

どの

クチだい

どおー見たって

助六って顔だろ

名前負け

してるなんて

言うんじゃねぇッ

言ってねぇし

手前で

言うなィ

ちょいと

お前さん

名前だけじゃなくて

ナリもなんとかしなよォ

この着物

いつまで着てるんだい

洋服くらい揃えたら?

ア〜ァ

ありゃダメだ

股んとこが

モタモタして

着てらんねぇや

そんなら

師匠に頂いた

紋付きはどうしたエ

ああれな

質ィ入れて

みんな飲ん

じまった

いいじゃねぇか

噺家なんだから

着物だけ着てりゃよ

バレたら

破門ですなァ

短い付きあい

ったね

なんでェ

紋付きなんて

浮かれやがって

そんなの

構って

らんねぇよ〜

浮かれちゃ

いないよ

作法だよ

とにかく

落語で喜ばしゃあ

それでいいんだよッ

ナリが悪くて

帰る客なんて

俺ァ一度っきり

会ったこたねェ

ニッ目上がりたてで

遊ばねぇでいつ

遊ぶってェの?

芸のこやしって

やつだぁね

お前さんが

お目当てじゃ

ねぇんだろうよ

いまに見てろ

きっと役に立つさ

まあ一理は

ある...

のかも...?

くっ

それにしたって

その着物じゃ

モテねぇだろ

お前さんも

ちったあ

見習いなよ

へェ

さいですか

オネーチャンには

けっこう評判

いいんだけどな

そら

面白がられてる

だけだよ

この野暮天

着たっきりなら

せめてもちっと

いいモン着なよ

こんなぞろっとした

ナリじゃなくて

ちったあ二ツ目らしくしないと

落語にもハクが出ねぇだろ

どやって

買うの

まじめだな

簡単だよ

貯めりゃ

いいんだ

そしたら

いくらでも

見立てて

やるよ

ケチケチ

すんない

買って

おくれよ

古着でいいよ

酒やめりゃ

すぐだよ

じゃあ

嫌だよ

今の借家ィ入ってから

ケチッぷりが尋常じゃ

ねぇなお前さん

あたり前だよ

生きるか死ぬか

なんだ

いまに俺が

ドカーンと

売れるからよ

上野のお山だ

もう着いちまった

寒いと思ったら

白いモンが

チラチラしてらぁ

貧乏暮らしは心底こたえたけれど

貧乏暮らしは心底

こたえたけれど

初雪だ

落語を

辞めたいとはちいとも

思いませんでした。

おぅ菊

文鳥師匠

お早いですね

ああ本降りに

なってきたからな

顔色が

悪ィなあ

ソバでも

取るかい?

ちゃんと食って

んのかい

師匠!

ごちそう

さまです

ごちそう

さまです

なんだいこれは

いったいいくつ

頼みゃいいんだ

このころは、いまから思えば

落語界の天国のようなころで

明治生まれの

神さまみたいなお師匠方が

まだまだご健勝で、

そんな人たちとこうして

軽口を叩きあうだけでも

それは幸せな楽屋でした。

落語人気も絶大なもので

落語人気も

絶大なもので

ポツリポッリと前座も増え

ポツㇼポツリと

前座も増え

戦争の匂いも

みるみる消えて

ゆきました。

厳しい世界ではありましたが、

芸人らしいやりとりもいちいち

愛おしく、

この場所にいて

落語家で

あり続ける為でしたら

なんだって

堪えられたのです。

満洲慰問旅で益々

腕を上げた信さんは

若手の中では一番の

注目株で

持ち根多の多い

二ツ目として重宝され

その高座は

独特の熱を帯び

来るお客さまが

みるみるトリコに

なる様子が

小気味好い

くらいで

ございました。

ドゥモドウモ

雪の中、よくぞこんな

しみったれた所へ

お運び頂きまして

わはは...

エー我々の方でよく

しみったれ、ケチの噺

なんてのを致しますが、

「欲深き、

人の心と降る雪は

積もるにつけて

道を忘るる」:

なんてんでね

とくにひでぇのは

寝言でもっても

金の事ばっかり。

オヤッ

なんだい

熊の奴

一階で寝言が

始まった

寝てまで金の事

言ってるよ

あのケチは

くす...

「百両ォ欲しい(

「二百両ォ(

欲しい......」

オイ婆さん

戸締まりは

してあるかい

こんな雪の降る

シィㇱ...とした晩だよ

あんな

大きな声で

白両だ二百両だ。

そそっかしい泥棒が

金勘定でもしてるかと

間違ェて入ってきたら

かなわねぇし

早ェとこ

寝ちまおう

ファコッコッ

これ

ちょっと

開けんか

ファファッファ

それみろっ泥棒を

呼び込んじまったん

じゃないのかい?

「手前どもは、しがない

船宿渡世です、

金なんぞ

ございませんので...

これ

たわけた事を

言うな

さようなうろんな

者ではない

船を一般

頼みたいのだ

へッ...

お客さま...

......?

ごれはこれは

失礼しました

.....

お侍が雪の中

主がそっと

土間へ降り

臆病窓から

ひょいっ

と覗いてみる、

てぇと

痛ありそうな

不釣り合いな若い娘を連れて立っていた...

不釣り合いな

若い娘を連れて

立っていた...

こっから

地の語り

ふたりの姿を

くっきり描き出す

お侍と娘の姿形を

たんねんに語り

こここ、

じつは妹と

芝居見物に参った折

あいにくの

大雪で...

夜中気の毒であるが

深川まで屋根船を

任立ててくれぬか

へえ...それが

たまの大雪で

百両ォォ

欲しい〜...

船頭どもは皆

出払っておりまして:

なんじゃ

あの声は

いやっ

あれは

その...

上で寝てるのは

大変に強欲な奴でして...

この難儀な日に

あいつに

出させたら

お客さまにいくら

ふっかけるか

わからねぇんで

おお、寒い

冷てぇ布団を

やっとあっためた

てぇのに...

起こされちまっちゃ

かなぁねぇや...

ええ?

船を出せ...?

嫌だ嫌だ

こんな雪ん中

深川くんだりまで

冗談じゃねぇや

おじさん

呼んだかい?

かような雪の夜

であるから、

骨折り分の酒手は

充分につかわすぞ

この冷えじゃ加気がおきて

腰がみりみり痛ぇんだよ

酒手頂けるんスか!

しかも充分に!

よし行きやしょ

酒手は疝気の

薬でがす

いやいや...

こういう失礼な

奴なもんで、

どうぞご勘弁を...

よいよい

面白い奴じゃ

それより早く

深川へ行きたい

本流手ぃお礼として渡す金銭、心つけ

ヒピッヒバ

船頭、はは

早場にな

奴さん、表へピャーッと

飛び出してくってぇと

そこは薬が成ってますから

すぐに、船の支度ができる。

さぁお嬢さん

雪で下が

滑りますから

トン

アッシのここに

アッシのここに

ね...

なにもなさらねぇ

と見えて、

お来ァらかな

お手々でござんすな

...いい匂いが

フンフン

と...

まははは

雪の中

娘を船に

のせる場面

さっき、娘の姿形を

じっくり描いたから

ここは熊公の

独壇場

ここでは

娘の台詞がなくたって

なんとなくしとやかで

声の小さいお嬢さん

なんだってわかる

むしろ台詞は

無くした方が

雪の静けさが伝わって

余計いい...

船は山谷堀から大川へ。

雪はますます激しく

綿をちぎっては

ぶつけるようで...

おそろしく降って

きやがった...

ああ...うう

おぅ寒ッ

小寒ぅ...

棹を櫓に替え

こぎだします。

この雪の降る中

船をこがなくちゃ

よるよなか

ならねぇとはな...

旦那ァ

だいぶ降って

きやしたな

再び地語りで

雪の大川

船頭熊の

グチ

あったかい

屋根船の中

のらくら返事を

する侍

その間ずうっと

熊は櫓をこいでいる

上手

だな...

ひょっとすると

冬の景色を

たのしむだけに

なりがちだけど

ここでは同時に

熊の江戸っ子らしい

おかしみも

存分に出さなきゃ

ならねぇ...

そのほう、

随分欲が深い

そこを見込んで

頼みがあるが

金儲けだが

半口のらんか?

さあ

ここから

物騒に

なってくる

じつは娘、

妹ではなく

通りすがりに

苦しんでいた

侍は介抱してやろうと

懐中へ手を入れる

すると懐には

百両もの大金

彼女を殺せば

大金が手に入る

事情を聞くと不義を致し

有り金さらって

家出したと見え...

どうだ、人殺しの

手伝いはせぬか?

ほら

ここまでで

お客は熊に

充分情が

わいてる

ぐうっ...と

引き込まれて

本気で心配

してる顔だ

えッ

人殺し...!?

じょ...

冗談じゃねぇや...

いくらアタシが

強欲でも

人殺してまで

金取ろうなんて

太ぇ了見はねぇよ

嫌というか

...?

ならばその方

から殺そうか

殺されるんなら

手伝おうと

しぶしぶ決める態

ここでグッと

緊張感を

上げる...

たったの二両ォ?

ふっえっ!!

言うことは大束で

やることはしみったれ

あんまりお前が

しみったれなんで

俺はびっくりして

震えが止まったよ!

そいでも侍の出す金の

少なさに

強欲も手伝って

強気になりだす

江戸っ子熊公の

本領発揮だ

じょぁぁぁだん

じゃねェェよォ

はははっ..

オイふざけた事

言うと俺はとびこんで

船しっくり返すぞ!

うわぁ

やめろ

やめて

くれ

こんにゃろう

さては泳げねェな

オラ、ちゃんと

金出すか!?

オイッお前

もィー

オイッお前

オレの船に血糊つけてみろ

明日っからおまんま

食い上げだよ

あっちの中洲に

つけてやるから、

そこでやれ

ハイッ

侍がひらり中洲へ飛び移ると

。以外で付い料理

これに入学問

なんか

飛び移ると

中洲へ

森さんっ小さめさを

侍がひらり

シンポイントに

人前にだけで

...と

と突くと

...ご一日美子

ひらりは何か決めた

コメテロートは

さって、さっき

みるみる遠ざかる中洲の小鳥...

船頭ハ

ざまぁみろ

スリコギめ

浮かぶも沈むも

勝手にしろ

散々悪態をつき、

船を間部河岸につけ

娘に家をたずね

家まで送ってやる。

潮が上がりゃあ

そこは水の底だ

この

おトムライ!

すると八方手分けて

捜していた両親は

大喜び。

あなたは命の恩人です

これは助かりました身祝い

ほんの酒手でございます

どうかお納めを...

いやいやそんな

いいんですよ

お礼なんて

そんなぞんな.....

こっちも共々

助かったんですから

え、なに

身祝い?

あ、そう

身祝いと

あっちゃ受けとらねぇ訳

いかねぇかな

いやいや後日

あいさつなんて

いいんですよ

まわりにバレたら

大変だもの...

中を見ると

ピカリッ

いやいやねぇ

五十両と五十西

合わせて百両!

うわー

こいつは豪気だ

ありがてえ!!

やっこさん自分の

睾丸をぎゅっと

握ってた...

なんとこれらは

夢を見ていて、

夢金」という

一席でござい

ました...

金包みをぎゅっと

にぎった瞬間、

あまりの痛さに

目が覚めた

...

はぁ...

凄い

泣かせるのか

笑わせるのか

迷ったらすぐ

駄目になる噺だ

信さんに迷いは

全く無かった...

ああ凄いね...

まだ二ツ目とは

思えないよ

この客席の

熱気!

お疲れさまです

凄い拍手だね

どうでぃ

良かったろ?

おかげで

実感

こもったよ

お前さんが

ケチだから

どうした

菊?

なんださっきから

ずっとうわの空で

稽古にならねぇ

今日は終いだ

こないだから

ちいとも

良くなってねぇな

いやぁ

お前さんの

場合

一稽古しすぎ」

だな

すみませんアタシの

稽古不足です

真面目

すぎるんだ

お前の

落語は

型はキチッと

してるが

隙がねぇ

色気ってのは

隙から

生まれるんだよ

完璧な物に

色気は差さねぇ

隙ってのは

余裕とも

とれるな

そんくれぇのか

愛嬌あって

親しみわくし

ああいい落語だな

って思うもんなんだよ

爪先くれぇの

図々しさなら

貰っときなよ

精進します

精進してたら

遊べねぇだろ

助六を見習え...

たぁ言わねぇけど

せあ旦那じゃあ

ねえんだからさ

お前はまだ

自分の落語ってのを

みつけて

ないんだ

アタシとか

兄弟子たち

アタシとか兄弟子たち

ましてや助六みてぇに

やろうなんざ

思わなくていいんだよ

そして

よし今度

遊びに

連れてってやる

ついにここに

入れる日が...

オーイ

迫力あるなぁ...

久しぶりだな

初太

スミマセン

口が滑って

お前のこた

呼んでねぇんだが

初太は

もう

やめて

ください

普段は稽古なんか

ひとっつも来ねぇのに

こういう時ア

外さねぇな

有望な若者に

いいもの見せてやる

なんて粋ですね師匠!

お前...

なんでそんな

こ汚ねぇ

かっこで

買ってやった

紋付きはどうした

そのカメン

エ?

センセ

待った?

慣れないから

迷子ンなっちゃった

お〜

みよ吉!

嬉しいわァ

呼んでくださって

紹介するよ

みよ吉だ

アタシの紹介で

いまは向島で芸者を

やってんだよ

せんせーには

とってもお世話に

なったんですの

おかみには

ナイショ

だよ

満洲でちょっと

知りあってな

引き上げを

きっかけに

東京に出て

きなすったんだ

お久しぶりです

ご無事でなにより

おかげさまで

コラッ

初太!

お前はみよ吉とは

喋るなッ

なんでえ

なんでもだッ

でれでれ

しやがって

お前なんかに

みよ吉は

もったいねェや

ひぃきだ

ひぃき!!

はあ...

じかけたよ

アタシは菊に

いい女と喋らせて

やりたくて

つれてきたんだ

お前なんか

予定には

入ってねぇんだ

面白いのネェ

落語家さんて

商売ですからね

...

ねェ

おみやげとか

見なくて

いいの

ああ...

無駄使い

したくない

ので

師匠にうまーく

おねがいすんのよ

...あのもじゃの子、

いっぱいねだってたョ?

ニッ目にもなって

そんなことしません

あなた昔

踊りをやって

たんだって?

センセに

聞いたのよ

今度おしえて

くれないかしら

あたしいま

修業中なんだ

覚えること多くて

いやんなっちゃう

どうしてアタシに

そんな事言うんです

師匠に遊んでやれ

って頼まれた?

やだ

そんなんじゃないわ

ただ二人で

話してみたいだけ

せんせーには

内緒でよ

ふたっつめ

なんだから

断らなくても

いいじゃないの

わないわね

フィッ

内緒じゃ

嫌だ

わかったわ

内緒じゃ

なくていいから

私のおみせ

遊びきて

奢って

あげるよ

内緒じゃ

ないから

センセの

お金でね♡

それ

奢りって

いいませんよ

それにセンセじゃなくて

師匠!

なあ

凄かったなぁ!!

やっぱりあすこは

日本一の小屋だなぁ!

あんなモンよく

もういっぺん

建てたよな!

またそれがい

ちったぁ違う

話もしなよ

いつかあすこで

独演会...なんて

夢みちゃう

よなァー

また大それた

こと言って

なあ

俺たちも

小せえとこ借りて

芝居やるってのも

面白くねぇか

ニッ目

かき集めてよ

「鹿芝居」

どーだ!?

二ツ目だけで

お客なんて来るかい

売れっ子の師匠

呼んじゃったら

主役ができねぇ

だろ!

手前が

目立ちてぇ

だけかい

走り回る

とか...?

なんとかして

売りさばくんだよ

どうやってェ

策なしかい

とにかくよ

考え

とくから

お前も半口

乗れよ

メンドク

サー

師匠にはまだ

内緒にしとこう

私たちの男の前には

とりあえずます

内緒といやあ

あの女

二号サンて

やつだろ

ありゃ

満洲だけでの

内々のことかと

思ってたけど

師匠もついに

はじけたね

どー

怪しいなと思ってたんだ

こっちでまで

見てやるなんてな

まあ男だから

わからねぇでも

ねーけどな

おかみさんも

きっともう

承知の上だと

思うんだよ?

ねえ

信さん

アタシァ

あのひとに

あとで

二人で会おう

って言われたよ

へえ

そうかい

なにも

無しかい

なんで俺に

言うんだヨ

さあ...

わかんない

インターネットで

...

それはそれでも

「インターネットで

オレだって

わかんねーやッ

菊さん♡

もうヤダ

菊さん

厳しいん

だもの

芸事は厳しくないと

うまくなれません

ハイ

せんせ

あァ

痛ッ

ねぇねぇ

三味線

ひいてよ

あたし

唄うから

いいですよ

てけてんてん

あてるのさっかし、

”馬のオ

かあは私ね

初声をっと

粋な世界じゃ

上手だね

セオしみにィ

ここでん

驚いた

ふふっ

あたし小唄は

習ってたの

いつか寄席にも

出てみたいんだ

目標が

あるのは

いいことだね

頑張れば

きっと叶いますよ

ハイ

せんせ

あなたと

話してると

あっという間だわ

楽しくて

時間を

忘れちゃう

他の男と

全然ちがう

5つも年下なのに

お兄さんみたい

やらしい目つきで

あたしを見ないわ

うわっ

ヤダ

なんで

倒れるの

ちゃんと

受けとめる

のよ

ごめん.....

びっくりして

おもしろい

人ね

菊さん

いいにおい...

いけない

もう帰らないと

明日も稽古で

早いんだ

ふつうはね

先に帰るなんて

言っちゃダメ

送ってってあげよっか

って言うもんよ

嫌だ

んもう

つれないわね

遠回りだろ

「送って

いこうか?

また来て

くれたらね

いいから

言ってみて

菊さん

まって!

また来てね

きっとよ

第3巻につづく

【参考文献】

「落語の手助」1日中国民社「美しい落語のことばけアスペクト「落語の世界上「落語の年齢」

「寄席はるあき〈河出文庫上河出書写新社「落語家論」「蕎語特選」わいわっ、ちくまと帰り

筑摩昔房「落語への招待」駅人物往来社「落語昭和の名人決定版「LIA学館」

身大部

鹿之君、ちく子とんと

えっ

長屋のちゃんと

長屋のちがお?

小夏

...まだ

横丁のご隠居

身がのおじさん

小雲

助六

ぼうっ

貧乏神巻

数カ

伊勢男

私とかはなし...

おそばはっ

「これこれ

皆がサン

起きなさい

お前に

良い知っせ

を持ってきたよ

何だいも

この紙...

オイラ、字が

読めねぇん

だった

テへへ

読んどくれ

松田の

おじさん

おかしいと

見ったよ

エエッ

へぇあの

お金持ちの

今日の伊都大屋のご主人から

何をしても笑えないってよ

女子病を患いなさってな

それを笑わしてやったら

〈金二十両下さる〉

ってェんだよ

全千両

お前さん、人も笑わ

すんなら得意だろ

仕事も無くて

暇してんなら

どうだいう

でもオイラ

ばかだから

あんなお屋敷で

失礼かあっちゃ

あっかねぇや

そんなら

アタシも付いて

行ってやるよ

善は急け

しまったァ

すっかり

並んでらァ

こうしてお二人は

てくてくと

伊勢屋サンへと

向かいました。

さすがにニナ両

とあっちゃ

行列も仕方

ねェやな

並ぶか

おっ

アニ

兄さんも

ニキ所がい?

行勢度

その出立ち、

家がったなァ大切だなァ

関わりのねェ

事でござ

んす

☆次郎

いざ居

でもする

のかい

おいっまーも

おーっ達もダヤク

何やろ

うかねぇ

与太さん

おたべ

次の御方

こげれっっ

はあ〜

バッ

こりゃ

一筋縄

じゃ

いかね

えな

おじさんあどさん

あのブ主人の

すでタラダラ

寝ている人は

誰なの?

何だい与太さん

六々な事「お言いで

ないよ

...

いるじゃねーか

さっきから一人で

ケラケラ城突ってら

何もいないよ

白い三角頭中

かぶって

足か無くって!!

おばけだ...

こらァ気の毒に

お前さんお当

まずといと見たヨ

お前さん

俺が見える

みてェだな

なんせ〈負〉《え神

だからなァ

俺ァ心底

〈具元な奴にしか

見えねえんた

俺ァアイツの

親友だった

のさ

何であのご主人に

とりついてるんだ?

所が最近あの

ごうつくが悪い事して

儲けているから

少々つらいめてやろうと思ったが、

神様にお願いして

食え神にしてもらったんだ

アイツが

笑わねえのは

福の神が

寄り付か

ねぇよう

にだよ

これでアイッも

ちったぁっッっだろ

っまいっん

ふー

ただなァ

与犬公

ロモヤツを

がらねェから

お前の隣に座ってんのは

実は俺の忘れ形見でな

ちぃっと

頼みがある

ただの思い葉い

なんだかこれこ

の通り

伊教屋で森のカタキと

思い込んで直しゃう

しみぅとしてるらしい

どうか止めて

やってくれよ

どう

やって?

ンンッ!!

手前で

考えろよ

俺の姿も声も

コイツにァ

見えねェんだ

これ

次の人

といどもどうしよ

どーしょ

中来部

アラ

!!

やって

ここで冬走ったは

盲言の浮水

優曇華の

花待ち

得たる

今宵の

対面

伊勢室

悪兵衛ィ

いざ尋常に勝負ゥ

いっぱいちゃん

どてっ

あっ!

かつらか!

良い出しゃ

だった

ほうびの

ニ+両だ

アッ

グクク...

こっちでふざけてる

うちに一福の神に

「安られちまった!

「バザグルのしばい」映像に直先見てね

いろれなしばい」呼びに度光らせてくる人間につきました。大体学校に来て来てはいいんだよ

大体済まで来て、はっかに無かった。

横っから混乱は。人が良いが基本的に

そうかわからなかったんですけど、どうするんだか。

まぁまだそんな...とまれたから聞いて笑うかが、ばんみんに楽しい

そう言っていたのかもしれませんが、これまではないのですが、それは確かになってしまったのでしょうか。

いやいやだしたり、江戸みっぱり

さんでばかで与太郎。このいつもの画々が

いつものように面白いいつもをしていて、それを

「あーあ、またやっとよ」と呆れながら

『愛らいのとおばかり、様々な

小御にみがあってるんだよ

ここが大好きです。

謝辞御さ

夢のよう

イタニ読上でも読んでくだすってる

せっかく

全ての資産品環境を

すけすけさん、あい城、

なおさん・ばしすん・かつ?さん

お本様

いいみたいな

膿驀投撫冬-与

皮も万丈

しかし、本当の古悩はと

本当の苦悩は

あいつはー

と菊比古。

次巻の昭和元禄落語心中は?

昭和元禄

落語心中

ITAN3:6:9~K月発売で絶賛連載中中

...

先売...

!!

みなさ〜ん

よってらっしゃいい見てらっしゃい。

今回はITANから緊急報告も

あるので、お楽しみに★

「TANコミックス最新のお知らせですよ〜。

絶好奇闘中

ドキドキが止まらない!!

「TANロミックス最新刊!!

潮見知任

梅鴬譲乱

長州幕誌徒緊曲

MANATGLAOKURURKINEW

「梅鴬擦乱」2

会田薫

長州東京歴史給巻、革命時代の日本大三阪の森市でロックに阪は

長州商売版投稿者。高齢研修代の日本三昧の番色でロックに駆け抜ける

待望の第2巻!!

「七つのくるり」の

潮見知佳

愛や願いや欲望が七つのくる

鬼狩りの命を受けた3人の男

え...たちが向かう先とは!?

りを回す時、人間は鬼と化す!!

「「ANコミックス

緊急NEWS!!

宝島社

ITANコミックス大躍進!!ヨミヅクス刊行から5ヶ月!!

「ANコミックス大爆進!!コミツクス利行から55カ月!!

「このマンガがすごいぜいつ作品ランクイン!!」

2作品ラ

ランクイン!!

「昭和元禄落語心中」

「昭和の頃の雲田はるこ

出札しは

シュー

落語心中

地上は

ポケットの中の

それは...

「地上はボケットの中の庭」

田中相

東雲田は201

はぁ

これで立派な

昔と

7月Nコミックス絶好調発売中!!次のノミネートはどの作品だ?

新聞の書類にも

取り上げられた

...

「赤の世界」ぴっけ

「痣使い」こなみ詔子

「地上はポケットの中の庭」田中相

「梅濃擦乱」○〜の会田薫

「テンペスト」の阿仁谷ユイジ

「星河万山霊草紙」D鈴木有布子

「ロックウェル+ギャングスターJ○冴凪売

「平安女子郎!」○夏目コロ

「関係ありがとうござい中」「○・○要因はあると、「福耳☆美ブラザーズ」南国はなな

「まつるかみ」○群青

「隠慎一郎の電気的青春!ッナミノユウ

「七つのくるり」○潮見知佳

最新のコミックス情報は一HPでonexkしてね、http://kCkotansha.cojp/idan/

あて先

〒112-8001東京都文京区音羽2-12-2

講談社BE・IQ:田編集部気付雲田はるこ先生

それでも、このようになっていたのですが、今回は自分の気持ちがありませんが、自分ではないでしょうか。

このKCxを読んだご意見・ご感想などを

下記へお待せいただければうれしく思います。

なお、お送りいただいたお手紙・おハガキはご記入いわただいた個人情報を含めて

著者にお渡しすることかありますので、あらかじめご了解のうえ、お送りください。

そのまま

「TAN・グリー」を第5号ー7号!!みさ、Wicbコミック

★この作品はフィクションです。実在の人物、日本名、おとは関係ありません

KOx54ITAN

じゃ、わかんなくなくて、しんじゃないから

..

昭和元禄落語心中

2012年1月6日第1朝発行「定価はカバーに表示してあります」

発行者

発行所

印刷所

本文製版所豊

製本所

雲田はるこ

ユーローは、2016年10月10日のKindowsの2

清水保雅

株式会社講談社

〒12-8001東京都文京区:音羽2-12-21

電話編集部東京(COJS5955年)

慶昌堂印刷株式会社

豊国印刷株式会社

株式会社国宝社

販売部,東京(33)5355-36K)

業務部・東京(33)5355-36K)

火災

N.D.C.726.159p19cm.Printedingon

ピースキャン、デジタル化等の無断複製は著作権法上での例外を除き禁止こられています。本書を代行業

名等の第二者に依頼してスキャンヤデジタル化することはたとえ個人や家庭内の利用できま作権は必要です。

●落丁本乱丁本は購入書店名をご明記のうえ、小社業務部宛にお送りください。送料小社負担にてお取引替えい

たします。なお、この本についでのお問い合わせはBEXOR王編集部宛にお願いいたします。

ISBSYO78-106:38W55K3

雲田はるこ

昭和元禄

落語心中に

...普段落語心中、2

・落語心中に

いや、本当に...これはいいんだよね

一雲田はるこ

・1929979079年05627

雑誌42900.54

SBN978406-2015年4月

C9979Y562E(0

講談社定価・

講談社定価:本体550円税別

惚れ抜く八雲師匠の芸だが

オイラにゃできねぇ。

気づき始めたこの与太郎

小泉の父ちゃんにさゆえの子げぇ落ち取りつか

迎えた師匠の独演会、やっちゃいけねえっ

破門と言われた巨大郎と与えるかはう。あの人に

師匠が語る約束の噺たぁ

与太郎放浪篇から八雲と助穴篇

長ぇ夜に、なりそうだ。

雲田はるこ好評既刊

昭和元緑落語心中O-@

お客さん

いまで呼ばらって

おこられる

ふわーわわわ

当たり

おまえ

スマス

進む

前座に

してもらう

寄席のお仕事

つくこは

ふりだし

獄ゆに師匠の落語に出るう

くっくっか、受けない。

姐さんにいくごを見てもいた

晴れて出所

寄席は

どこだ!

一張羅

を買う

弟子は

取ってない

回へこあ

2ス進む

令嬢の餅匠に会う

何だか

気にいって

もらえる

ガハハ

☆な奴に会う

京都の師匠と仲良しになる

変な奴ちゃうん

前座与太郎

かっこいい

納涼らくぞ

上がり

ししょお

ふじさんっ

師匠に京都に

連携れていってもらう

続きは本試にて!

...

おっかない

姐さんに

ふう

自分のせいで

即匠と姐さんが

大ゲンカ

狂方にくれ

いったしに戻る

なんかしない

字席って

変な奴に

会う

部屋に着物を

『あってもらう

自分の気に時点が落語でやってみる

2マス進む

南村大緑海美しいーーーっ、繁田はる

雲田はるこ

昭和五森落語心中

さて、今回

ふふっ

雲田はるこ