お兄ちゃん、

...

「...アベッカサ

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葬送の

2018

【作画】

第18話、不死の軍勢

急襲

...

CONTENIS

20

21

第三第二十六第二条第二第一条第一部第一回「公第一発」が第12第13第16第2第一項

師匠の技

卑怯者

第22話・服従の天秤・

第33話勝利と思い、

第24話

結果、エルフの願望

剣の里

第25話

第26話

6話

戦士への贈り物

第27話、平凡な村の僧侶

不死の軍勢

しばらくは

安静ですな。

すまないな。

お前達のおかげで

助かった。

感謝する。

連れのまほうっか

魔法使いの件も

許そう。

これでフリーレンが

街に戻って来れるな。

あの、

フリーレン様は

衛兵を殺していなくて...

彼女の判断は正しかった。

彼女の判断は

正しかった。

リュグナー達を

倒してもらおうぜ。

知っている。

魔族がやった

ことだ。

それより

あの魔法使い、

フリーレンっていうのか?

はい。

まさか

勇者一行にいた

エルフの

魔法使いか...

この街が魔族の軍勢に

儂の爺さんの代に、まぁまず

襲われたとき、

だとしたら

無礼なことを

してしまったな。

グラナト家は

勇者一行に恩がある。

撃退して

もらったんだ。

そのときの相手も

七崩賢

断頭台のアウラだ。

久しぶりだね、

アウラ。

そうねぇ。

80年振りかしら、

フリーレン。

この先の街に

行くつもりでしょ。

引き返してくれると

ありがたいんだけど。

嫌よ。

なんで?

私の方が

圧倒的に優勢だから。

そう。

あのときより

増えている。

あのときより増えている。

これほどの数を操るだなんて

魔族の魔法はとんでもないね。

人類の魔法技術では

想像もつかないほどの高みだ。

でも、最低に

趣味の悪い魔法だ。

反吐が出る。

酷い

言いようね。

せっかく

頑張って集めた

のに。

見知った鎧が

いくつかあるね。

アウラ、

やっぱりお前は

ここで殺さないと

駄目だ。

服従の天秤。

儂らが長年

アウラに勝てなかった

要因だ。

奴が使うのは

相手を服従させ、

意のままに操る魔法。

七崩賢の魔法は

人知も人の理も

超える。

アウラは天秤に

自身と対象の魂を乗せ、

魔力の大きさを

秤に掛ける。

魔力が

より大きかった方が

相手を服従させ

操り人形にできる。

その体が朽ちて

無くなるまで永遠にだ。

リスクは

魔法をうだい

強大な物に

する。

絶大な魔力を持つ

アウラにとっては

必勝の魔法だ。

対抗することは

できないのですか?

アウラの魔力の重さで、

傾いてはいるが、

もとは公平な天秤だ。

アウラを上回る

魔力の魂が

天秤に乗れば、

アウラに打ち勝てる

だろうさ。

だが、そんなことは

アウラが七崩賢の座に

君臨してから五百年、

一度だりともなかったと

いわれている。

では

対抗手段は何も

ないのですか?

本当は

あったんだがな。

意志の強い者は

一時的ではあるが

抵抗ができた。

鋼の意志は、

鍛え抜かれた

英傑ほど

持ち合わせている。

それでも

一時的か...

葬送のフリーレンB

だが

致命的な

欠陥だ。

奴はその意志が

邪魔だったん

だろうさ。

だから、

だん

断頭台のアウラは

操った者達に

実に合理的な

処置をした。

惨い話だ。

葬送のフリーレンB

どう?

私の不死の軍勢は

強いでしょ?

...驚いたわ。

これほど強力な解除魔法

魔力の消費も

相当なものになるはず。

私の掛けた魔法が

解除されている。

こんなことは

初めてだわ。

どうしてこんな

回りくどいことをするの?

前に戦ったときは

派手に吹き飛ばして

いたじゃない。

後でヒンメルに

怒られたんだよ。

なら、益々

こんなことをする必要

ないでしょ?

どうして?

ヒンメルは

もういない

じゃない。

そうか。

よかった。

やっぱり

お前達魔族は

化け物だ。

容赦なく殺せる。

急襲

第19話【急

よし。

だいぶ動けるように

なってきたな。

神父様、

ここは安全

なんだよな?

ええ。

防護結界ほどでは

ありませんが、

この教会にも結界が

施されています。

じゃあ

伯爵は

ここで待ってろ。

クソガキ、

お前何を

するつもりだ。

こんなところで

隠れていたら

魔族が帰って

くれるのか?

シュタルク様

本気ですか?

あのときは不意打ちが

偶然成功しただけです。

もしあのまま

戦っていたら、

殺されていたのは

私達の方です。

現に止めを刺せるほどの

隙はありませんでした。

これは誰かが

やらなきゃ

いけないことだろ?

...そうですね。

では、一緒に

頑張りましょう。

いや、

フェルンは

衛兵の詰め所に

行け。

では

シュタルク様は...

街の人を

避難させ

るんだ。

俺は全力で

土下座して、

ああ。

キリ

フリーレンを

連れ戻してくる。

え?

なんだよ!!

もう倒してもらう

しかねぇだろ!!

葬送のフリーレンB

確かに

そのほうが

現実的ですね。

こいつを見せれば

衛兵は言うことを

聞いてくれるってよ。

わかりました。

俺はすぐ

街を出る。

.....

どうした?

...

酷い状態

ですね。

そんな姿で城門を

通れるんですか?

大丈夫だろ。

このくらい戦士なら

普通だぜ。

両手血まみれで

街中歩いてる戦士なんて

見たことないですよ。

第一、

人のこと言えねぇだろ。

フェルンだってー

葬送のフリーレンB

ん?

これ誰の血だ?

俺の血じゃ

ないよな。

おい!

どうしたんだ?

シュタルク様。

この血から

魔力が...

...ぐっ!!

フェルン!!

斧!?

そいつは

師匠の技だ。

信じられねぇぜ。

俺は夢でも

見てんのか?

下手に動いたせいで

急所を外してしまった。

苦しめるつもりは

無かったのだがな。

.....

それとも

我々の接近を探知

できなかったことか?

何を驚いている?

致命傷を負ったはずの私が

ここに立っていることか?

魔力の制御による

存在の隠匿など

君だけの才覚という

わけではない。

魔族なら

誰もができる

ことだ。

とはいえ、

魔法使い同士の戦いに

似つかわしい行為だとは

到底思えんがな。

...よく

喋りますね...

殺し損ねたついでに

いくつか聞きたい

ことがある。

......

...止めを

刺さないんですか?

それとも

今すぐ死ぬか?

...どうぞ。

あの小僧は

強いのか?

せん

戦士アイゼンの

一番弟子です...

そうか。すき

数奇なものだな。

可哀相に。

もう一つ。

フリーレンは

どこだ?

リーニエ相手では

碌な死に方は

しない。

:この街から

逃げましたよ。

...あなた達が

牢番の衛兵を

殺したせい

です...

グラナト伯爵も

言っていたな。

衛兵殺しは

罪が重いらしい。

...極刑です。

極刑?

あの女が

その程度のことで

逃げるものか。

奴は魔族に

強い恨みを

持っている。

そんな奴が

逃げるはずが

ない。

魔族を殺すための魔法を

自分の弟子に

叩き込むほどに。

何か狙いが

あるはずだ。

アウラ様か。

...動かないで

ください。

フリーレン様の

向かった先に

心当たりが

あるんですね...

くだらん

ことを...

...あなたは私に

あの不意打ちの

意趣返しが

したかったんです。

...私を

殺し損ねた

というのは

嘘ですよね。

...プライドが

高くて傲慢で

未だに私達を、

フリーレン様以外を

脅威とすら

感じていない...

この至近距離なら

あなたの心臓を

撃ち抜けます。

だから私に

隙を与えるような

真似までした..

やってみろ。

その前に

お前の首が飛ぶ。

なんで

そんなことを

聞くの?

フリーレン様、

私はお役に立てて

いますか?

私はフリーレン様ほど

魔法を完璧に

扱えません。

それは生きてきた

時間の違いだからね。

フェルンが

私に追いつく

ことはないよ。

...そうですか

でも、それはあくまで

魔力や技術の話だ。

私はよく

魔物との戦闘を

フェルンに任せて

いるでしょ。

はい。

今回も

押し付けられ

ました。

フェルンが戦ったほうが

早く終わるんだよ。

私よりも魔法を

撃つのが速いから。

小娘、

私は魔法に人生の

大半を捧げてきた。

私もです。

第20話】師匠の技

小娘、

私は魔法に人生の

大半を捧げてきた。

私もです。

なんだ、

この反応速度は...

はん

反射的に

防御していなければ

心臓を打ち抜かれていた。

防御しましたね。

やはり心臓が弱点ですか。

こいつ...

なるほど。

人生を捧げた

というのは

嘘ではなさそうだ。

じゃぶり

では、全力で

叩き潰してやろう。

血を操る魔法

向こうも

始まったか。

しかしえねえ

残念だな。

えん

観戦でもするかな。

リュグナー様

邪魔すると怒るんだよね。

こっちは

もう終わりだ。

おや?

...まだ

終わってねぇぜ;

しぶといね。

少しは

楽しめそうだ。

魔力も技術も

コントロールも、

ただ、速い。

私の方が遥かに上に

小娘と私の間には

比べるまでもない

ほどの差がある。

純粋に手数で

この私が押されている。

フリーレンめ。

この小娘にどんな修行を

叩きこんだ。

消耗戦に

持ち込み

魔力切れを

待つか...

いや、駄目だ。

その前に決着が

着いてしまう。

せめて少しでも

隙を作れれば...

リーニエ!!

何をやっている!!

早くそいつを

片付けろ!!

こいつ防戦一方で

なんだよ、

我が儘だな。しつこいんだよ。

...その斧捌き

どういうことだ..

そいつは

師匠の技だ...

私は魔力を

読み取るのが

得意でさ。

人が動いている時の

体内の魔力の流れを

記憶して、

動きを

模倣できるん

だよね。

屋敷で初めて

あなたの動きを

見たときに確信した。

私が昔診憶した

最強の戦士と

同じ動きをしている。

こんな偶然

あるんだね。

運命は

面白い。

私は戦士

アイゼンの動きを

模倣している。

...まさか...

...なんだよ...

...無茶苦茶

じゃねぇか..

...こんなの

勝てるはず...

ようやく

倒れたか。

急がないと。

またリュグナー様に

怒られる。

...倒れた?

俺は倒れているのか...

立て。

シュタルク。

どんなに

ボロボロになっても

倒れることだけは

許さん。

...そんなこと

言ったって、

俺が師匠に

勝てるわけねぇだろ:

当たり前だ。

俺はお前より強い。

じゃあ...

だが、お前は

まだ負けていない。

立ち上がったからな。

なんだよ

それ...

簡単だ。

強い相手に

勝つ秘訣を

教えてやる。

何度でも

立ち上がって

技を叩き込め。

また

戦士ってのは

最後まで

立っていた奴が

勝つんだ。

...まったく、

師匠め...

葬送のフリーレン【

変な理論

押し付けやがって...

脳みそ筋肉で

出来てんじゃねぇのか:

大人しく寝てれば

よかったのに。

もう

負けたんだから。

:俺はまだ

立っている。

.....それに

思い出したんだ。

やっぱり

お前のは

ただの真似事だ...

なら

その真似事で

引導を渡して

あげよう。

師匠の技は

もっと重かった::

模倣する魔法

大振り

防御も無し...

血迷ったな。

相打ち覚悟

だったのに

ビビって損したぜ。

閃天撃!!

やっぱり

全然重たくねぇや。

あ...

リーニエ!!

しまっ...

魔族を殺す魔法。

第21話

卑怯者

.....出血が

止まらん...

...ここまでか...

これで貴方達の

計画は失敗です。

...そうだな...

奴は今頃

アウラ様と

戦っているはずだ...

...だが、フリーレンは

無事では済むまい:

前回は勇者

一行のせいで

撤退を余儀なく

されたが..

葬送のフリーレン図

...今はもう彼女を守る

ゆうしやたな

勇者達は存在しない。

...確かに

フリーレンは我らの

脅威だ...

...だが魔力は

アウラ様に

遠く及ばず...

...正面から戦えば

フリーレンは必ず

負ける...

なら

フリーレン様が

勝ちますね。

あの人は魔族と

正面から戦うような

真似は絶対にしません。

必ずアウラを

欺いて殺します。

...馬鹿な。

いつだって奴...

葬送のフリーレンは

...

我等を正面から...

.......

...なんだ

この違和感は...

...小死の

脆弱な魔力...

...私は確かに

こいつの迅速な魔法の

物量に押し切られた!!

...だが何故

魔力切れを起こさず、

そんな聖女当ができた...

...そうか...

卑怯者め...

...まさか

そんなことが..

...フリーレンも

同じなんだな...

お前達は魔法使いの

風上にも置けない...

それはフリーレン様が

一番よくわかっている

ことです。

ひでぇ有り様だな。

エルフの集落か。

玉座のバザルト。

魔王軍の

将軍の一人だな。

軍勢を率いて

集落を潰しに

きたってところか。

こいつを

殺したのはお前か?

そこの死にかけ。

すごい魔力だ。

お前

強いだろ?

魔族と正面から

戦ったのか。

くだらねぇ。

どうして正面から

戦いたがるかね。

逃げる、隠れる。

不意打ちする。

いくらでも選択肢はあるだろうが。

いくらでも選択肢は

あるだろうが。

とんだ馬鹿だな。

強い魔法使いの

気持ちはわからねぇ。

...わかる

はずだ...

は?

...あなたには

私の気持ちが

わかるはずだ...

...あなたのほうが

遥かに強い

魔法使いだから:

どうして

そう思った?

...なんとなく。

お前

名前は?

...集落は

どうなったの?

全滅だ。ことも

女子供も

皆殺し。

本当に

馬鹿だな。

私がお前の立場なら

迷わず逃げていた。

...守れな

かった。

...私が一番

強かったのに。

.....降ろして。

降ろさない。

お前には

才能がある。

私の弟子に

する。

それにわかっているはずだ。

私が通りかからなければ

お前は死んでいた。

お前は集落も

守れなかった上に

死ぬところだったんだ。

文字通り

無駄死にだ。

追っ手だな。

お前が殺した

将軍より強いぞ。

面白いよな、

こいつら。

直前まで魔力を

完全に消して

闇討ちする気

満々だった癖に、

魔族は卑怯で狡猾だが、

同時にといっもこいつも

くだらねぇ魔法への

誇りを持っていやがる。

こっちが魔法使いとわかるや否や堂々と姿を現しやがった。

こっちが魔法使いと

わかるや否や堂々と

姿を現しやがった。

人間の魔法使い、

そのエルフの女を

置いていけ。

そうしたら

見逃して

くれんのか?

エルフを

皆殺しにしろ。

それが魔王様の

命令だ。

お前の命など

どうでもいい。

そうかい

フリーレン、

確かに私は

強い魔法使いの

気持ちが痛いほど

よくわかる。

こいつらの気持ちも

手に取るように

わかるさ。

今まで研鑽してきた

自らの魔法に対する

自信と信頼。

要するに

クソみたいな

驕りと油断だ。

フリーレン。

お前と違ってこいつらは

私をザコと判断した

らしい。

こいつらは格上の

卓越した魔法使いだったが

些細な油断で命を落とした。

...体外に放出する

魔力を制限して

強さを誤認させた...

そうだ。

相手が認識した

魔力の誤差で

欺いて殺す。

誇り高き魔法を

愚弄した卑怯で

最低な戦い方だ。

傷もだいぶ

良くなってきたな。

そろそろ

修行を始めるか。

フランメ。

師匠だ。

私は魔族に

すべてを

奪われた。

私もだ。

魔族を根絶やしに

したいほど憎い。

私もだ。

けれども私は

魔法が好きで...

私も好きだ。

だから魔法を

愚弄するような

卑怯者は

私達だけでいい。

「修行って

何をすればいいの?

体外に放出する

魔力を十分の一以下に

抑えてみろ。

流石だな。

よく制御

できている。

並行して

基本訓練だ。

後はいこう

この程度

エルフなら

誰でもできるよ。

基礎的な

魔力を

上げていく。

それだけで

いいの?

簡単だろ?

ところで

この魔力の制限は

どのくらい

続ければいいの?

私と同じ

くらい。

一生だ。

あまり長いと

疲れるん

だけど。

お前は

一生を掛けて

魔族を欺くんだ。

...リュグナーが

死んだわね。

これで首切り役人は

全滅だ。

失敗したね。

アウラ。

そうね。

残念だわ。

でも、ここで

あなたを

仕留められれば

戦果としては

十分だわ。

あなたはこの戦いで、

沢山の不死の軍勢を

私の支配下から

解放したわね。

この私の前で

そんなに多くの

魔力を消費して

大丈夫なのかしら?

第22話】服従の天秤

この私の前で

そんなに多くの

魔力を消費して

大丈夫なのかしら?

服従の天秤。

天秤に互いの魂を乗せ、

より魔力の大きいほうが

相手を服従させる。

こんなリスクの高い魔法を

平然と扱えるのは、

アウラの絶大な魔力が

あってのこと。

魔力は基本的に

鍛錬を積み重ねた

ねん

年月に比例して

増加していく。

溢れ出す

アウラの魔力から

伝わってくる。

五百年か..

魔族の中でも

かなりの長寿だ。

今まで敵無し

だったのだろう。

アウラが

五百年以上

生きた大魔族

であること。

その生涯の

ほとんどを

鍛錬につい

費やしたこと。

体外の魔力の

量だけでも

これだけの

情報が手に入る。

それでも魔族は

魔力を包み隠さないし

包み隠せない。

哀れだ。

服従させる魔法。

師匠。

魔族って

ずる賢いん

だよね。

なんで師匠みたいに

常に魔力を制限

したりしないんだろう。

できねぇのさ。

魔族は個人主義の

世界といっても、

人類と戦うための

最低限の組織的な

繋がりを持っている。

秩序かな。

そうだ。

組織に必要な物って

なんだと思う?

要は組織をまとめる

偉い奴が必要って

ことだ。

人の場合は、

例えば

この国の連中は

地位や財産で

偉い奴が決まる。

あの宮殿から

出てきた

身なりのいいのが

偉い奴だ。

人の偉さはわかりづらい。

だからああやって着飾って

見た目でわかるようにするんだ。

魔族は

違うの?

魔族は自分達が

魔物だった頃と

何も変わっていない。

強さってのは

見ればわかる。

強い奴が偉いんだ。

人よりずっと

わかりやすい。

魔力だね。

奴らにとっての魔力は

人にとっての地位や財産だ。

隠密の手段として

一時的に魔力を制限する

ことはあっても、

常日頃から魔力を

制限する馬鹿なんて

存在しない。

尊厳そのものと

言ってもいい。

どこぞの貴族が

お忍びで城下町に

降りてくるのと、

そして、

魔力の低い連中に

尊厳が与えられるほど

魔族の世界は

甘くない。

地位も財産も捨てて

身を落とすのじゃ

まったく違う話だろ。

だから、力の強い魔族ほど

必死に魔力を誇示するんだ。

奴らにとっては

常に魔力を制限する

メリットなんて皆無だし、

そもそも

そんな発想すらない。

哀れだよな。

魔族は魔法を誇りに思い

誰よりも魔法が好きなのに、

己の魔力すら自由にできない。

フリーレン、

魔族じゃなくて

良かったな。

人が地位や財産に

縛られるように

魔族は魔力に

縛られている。

そうだね。

お陰で魔族を

欺ける。

魔力の制限を

始めてから3年か:

私の見込みは

間違っていなかったな。

だいぶ様に

なってきたな。

フリーレン、

まだ魔法は

好きか?

突然

どうしたの

師匠?

ほどほどかな。

お前はずっと昔

魔法が好きだと

はっきり答えた。

たった50年前でしょ。

そうだな。

結局私はお前に

戦いのことしか

教えなかった。

復讐のための

魔法だ。

後悔しているの?

いいや。

お前に私の魔法を託して

よかったと思っている。

フリーレン、

一つ頼みがある。

お前の長い寿命なら

いつか魔王を倒せるほどの

高みにたどり着ける。

私の墓の周りは

花畑にしてくれ。

似合わないね。

何?

フリーレン、

そうだな。

私の一番好きな

魔法は、

綺麗な花畑を

出す魔法だ。

小さい頃

両親が教えて

くれてな。

魔法が

好きになった

きっかけだ。

その魔法

教えてよ。

ふーん。

いいか、

フリーレン。

歴史に名を残そう

なんて考えるなよ。

目立たず生きろ。

お前が歴史に

名を残すのは、

魔王をぶっ殺すときだ。

この森に

長く生きた

魔法使いがいると

聞いた。

それは君か?

長く生きたといっても

だらだら生きていた

だけだよ。

優秀なわけ

じゃない。

どう思う

ハイター?

魔力は私の

五分の一くらい

ですね。

まぁまぁ

といった

ところです。

帰りなよ。

まぁまぁの魔法使いに

用はないでしょ。

どうして

そう思うの?

なんだこいつ

ムカつくな

いや、

君は僕が

出会ってきた

どの魔法使い

よりも強い。

なんとなくだ。

服従させる魔法

嬉しそうだね、

アウラ。

勝利を確信

しているの?

今に

わかるわ。

葬送のフリーレン。

80年程前に初めて

表舞台に姿を現し、

いっすかた...

勇者三行とともに

魔王様を倒した、

謎に満ちた

年齢不詳の

エルフの魔法使い

でも、あなたが

どれだけ長く生きた

魔法使いかなんて

どうでもいい。

手にとるように

わかる。

あなたは優秀な

魔法使いだけれども

魔力自体は

それほどでもない。

あなたの魔力が

すべてを物語っている。

鍛錬を積んだのは

精々合わせて10年程度。

しかも80年前と

大して変わっていない。

魔力以外の技術を

磨いていたのか

それとも

だらだらと生きていたのか。

私には遠く及ばない。

どちらにせよ、

私の勝ちよ。

後は

この私直々に

あなたの首を

落としてあげる。

これならブリーレンの

魔力を消耗させるまでも

なかったわ。

少し警戒しすぎた。

不死の軍勢もだいぶ

やられちゃったし

後で補充しないと...

キィッ...

...なんだ?

天秤が

フリーレンの方に

傾いていく...

私の魂を

天秤に乗せたな

アウラ。

正直、このまま

軍勢の物量で

押されていたら

危なかったけれども

やっとお前を

倒せる。

...どういう

こと?

お前が

自分の魔力にしん

自信を持っていて

よかった。

私は魔力を

制限していた。

お前は

見誤ったんだ。

アウラ。

もう気が付いて

いるはずだ。

...そんなはずはないわ。

それならこの私が

見逃すはずがない。

あなたの魔力には

制限特有の不安定さも

僅かなぶれも

なかった。

驚いた。まず...

魔族はそこまで正確に

魔力を観測できるのか。

師匠のやり方は

正しかった

みたいだ。

私は生きてきた

時間の殆どを

魔力を制限して

過ごした。

...馬鹿じゃ

ないの?

そうだね。

馬鹿みたいだ。

この状態が

自然になるほどに。

なんでそんな

訳のわからない

こと...

アウラ、

でも

魔族に勝てる。

...ふざけるな。

私は

五百年以上生きた

大魔族だ。

お前の

前にいるのは

千年以上生きた

魔法使いだ。

フリーレン。

魔族が言葉で

人を欺くように、

お前は魔力で

魔族を欺くんだ。

アウラ、

自害しろ。。

...ありえない...

この私が..

第23話】勝利と弔い

フリーレン様。

遅かったね。

アウラを

倒したんですね。

信じられん。

まさか

こんなことが...

一番

第23話『勝利と弔い

葬送のアリゴン

行くよ。

待て。

逃げる必要は

無い。

伯爵は全部

不問にするってよ。

激しい戦いであったろうに

どれも大きな損傷は無い。

感謝する。

北側諸国の英傑達に

よく敬意を払ってくれた。

前はもっと派手に

やっていたん

だけどね。

ヒンメルに

怒られたから。

ヒンメル様は

フリーレン様の

躾が上手ですね。

躾って言うな。

俺だって怒る

そりゃあ

そうだろうな。

怒られて

当然だ。

ヒンメルは

もういない

じゃない。

でも、まあ

そうだよね。

どういうこと

ですか?

これが普通の

リアクションだ。

こっちの話。

フェルン。

シュタルク。

よく

リュグナー達を

倒した。

偉いぞ。

ボロボロじゃなければ

もっと良かったけど。

へへっ。

満員創痍じゃん

戦士なら

普通だぜ

立目通って

なんなんだろう

丁重に

弔ってやれ。

閣下。

どうした。

...フリーレン。

儂は今日ほど

誰かに感謝した

ことはない。

「わかった」

フリーレン

確かに儂はお前に

出来うる限りの変美を

取らすと言った。

お前が望んだのは

防護結界について

記された、

グラナト家に代々伝わる

大魔法使い

フランメの魔導書。

本当に

こんな魔導書

でいいのか?

この魔導書はー

百も承知です。

閣下。

偽物。

そうだ。

口伝により継承された

この街の防護結界魔法とは

似ても似つかぬものだ。

そうか。

それより

堅苦しい

言葉遣いは

無しにしよう。

これは

趣味ですので。

お前から見れば

儂など赤子のような

ものだろう。

魔王討伐の旅立ちの時

痛い目にあったもので。

そういえばハイター様が

言っていましたね。

王都では貴族に対する

非礼は死罪だとか。

ヒンメルとアイゼンが

王様にタメ口叩いて

処刑されかけたん

だよね。

懐かしいな、

ヒンメルの泣き叫ぶ顔

...ははは。

死罪だなんて

大袈裟な。

中央諸国は

野蛮ですね。

閣下。

マジかよぉぉぉッ!!

裏庭の木、

切り終えました。

ご苦労。

まぁ、あれだ。

あのとき言ったのは

小僧を逃がすための

方便だ。

気にせず

楽にしてくれ。

そういう

ことなら

タメ口程度で

牢に放り込む

ような法は

この街にはない。

気絶してる...

良かったですね、

シュタルク様

アウラ討伐の報は

街の者達にも

伝えておいた。

皆、英雄達を

労いたがっている。

どうかゆっくり

していってくれ。

ここまでは

日目の

...

買い出し

終わったぜ。

では行きま

しょうか。

もう旅立ちか、

フリーレン。

グラナト卿

門まで

送ろう。

フリーレン。

お前は魔王城のある

大陸最北端のエンデを

目指しているそうだな。

大部高原

だが、今は北部高原の

情勢がだいぶ悪いようでな。

人の往来が制限されている。

冒険者の場合でも

一級魔法使いの

同行が必要だそうだ。

(...ああ、これから10月17日土

ならフリーレン様が

いるので問題

ありませんね。

なにその

一級魔法使いって?

フリーレン様、

知らないん

ですか?

大陸魔法協会が

認定する

魔法使いの

資格ですよ。

私も旅立ちの

とき聖都で

取得しました。

ほら

三級魔法使いの

認定証。

フリーレン様、

まさか無資格の

闘魔法使い

だったんですか?

そういえば

なにかやって

たっけ。

今の資格って

そんななんだ。

闇医者みたいに

言わないでよ。

だって魔法を

管理する団体って

しょっちゅう

変わるんだもん。

どうせ

この聖杖の証も

もう使えないんでしょ。

なんですか

その骨董品は...

流石の俺でも

大陸魔法協会は

知っている。

一々資格なんか

取ってらんないよ。

少なくとも

半世紀以上前

からあるぜ。

全然さいきん

最近じゃん。

困るんだよね。

頻繁に管理の

基準を

変えられちゃうと。

あまり詳しくは

ないのですが、

北側諸国最大の

魔法都市

オイサーストだな。

ともかく

このままでは

先に進めません。

確か北側諸国でも

一級試験が

受けられる場所が

ありましたよね。

シュヴェア山脈を

越えたずっと先だ。

街道沿いに進めばいいが

長い道のりになるな。

フリーレン、

グラナト家は

この恩を

決して忘れん。

良い旅を。

雪だな。

ここら辺の冬は

厳しいから

気を付けてね。

そろそろ

冬ですね。

舐めていると

死ぬよ。

そんなに

危ないん

ですか?

魔王軍との戦いで

最も多くの人を

殺したのは、

北側諸国の

冬だよ。

ほらね。

迷った。

どうしよう。

庭師です。

気絶

してる...

葬園では、

第24話】エルフの願望

...

ああ、そうだ...

それは...

勇者ヒンメルの

死から28年後。

北側諸国

デッケ地方。

迷った。

シュヴェア山脈に

入る前に遭難とか

洒落にならないよ。

シュタルク様

起きてください!

...ジャンボベリー

スペシャルって

こんなに

小さかったっけ...?

寝たら

死にますよ!

どうしましょう?

この強風だと

魔法で飛ばして

運ぶわけにも

いかないね。

知りませんよ

そんなこと!

どっかに

たぶん

飛んでっ

ちゃう。

担いで

いくしか

ないですね。

...重い。

なんでこの人

こんなに

重いんですか?

...いい匂い...

置いていって

いいですか?

我慢して。

麓まで行けば

避難小屋が

あるはず...

それ80年前の

知識ですよね。

大丈夫

なんですか?

良かった。

まだ定期的に

管理されている

みたいだね。

人の気配がしますね。

先客がいるので

しょうか?

とにかく入るよ。

このままじゃ

氷漬けになっちゃう。

ふんッ!!

いいッ!!

いいぞぉ!!

ふんッ!!

温まってきたぁ!!

お邪魔します。

フリーレン様、

ここは駄目で

ございます。

他を探し

ましょう。

葬送のフリーレン【

えー。

なんで?

中に変態が

いるからです。

変態とは

心外だな。

行きますよ。

フリーレン様。

ん?

待て。

お前

エルフか?

同族と会うのは

300年振りくらいだな。

エルフはもう

絶滅したのかと

思っていたぞ。

私もだよ。

嬢ちゃんも火を

ありがとうな。

魔法使いと

会えたのは

幸運だった。

女神様の導きだな。

シュヴェア山脈を

越えてきたんだが、

この吹雪で火種を

失ってしまってな。

なるほど。

よくわからないん

ですけど...

凍える小屋の中

スクワットで命を

繋いでいたんだ。

武道僧の

クラフトだ。

魔法使い

フリーレン。

同じくまほうっか

魔法使いの

フェルンです。

こちらは戦士の

シュタルク様。

しかし

魂の眠る地...

天国を

目指す旅か。

半信半疑

だけどね。

フリーレン様。

信仰心が

篤いのは

いいことだ。

シュタルク様の

体温が...

温かくて心地いい:

俺どうしちまったんだ...

確か猛吹雪で...

ぱち

誰この

おっさん!?

騒がしいなぁ...

せっ

折角、人肌で温めて

やったというのに

なんたる態度だ。

...おっさん

いい体してんな。

人肌って...

シュタルク様?

よく鍛え上げられた

いい体だ。

武道僧の

クラフト。

いや、

そういう意味

じゃなくて。

あんた

とんでもなく

強いだろう。

:聞いたこと

ねぇな。

おっさん

名前は?

シュタルク。

お前はここで

休んでいろ。

でも

名のある武道僧ってのは、

間違いねぇだろ。

二人は食料を運ぶのを

手伝ってくれ。

近くに俺の荷車と

積み荷がある。

本当にお前達に

会えてよかった。

この凍った食料も

なんとかなるだろう。

量は十分に

ありますね。

このまま

シュヴェア山脈を

越えるのは自殺行為だし、

ここでしばらくは足止めかな。

遠慮せず

使ってくれ。

ところで

フリーレン。

全然。

だろうな。

お前は俺のことを

知っているか?

勇者様御一行の

魔法使いですよ。

俺もお前の

ことなんて

これっぽっちも

知らん。

......

俺達は

エルフってことだ。

その前は?

何が

言いたいの?

もうすぐ

半年になるな。

お前達のおかげで

無事、北側諸国の

長い冬を越えられた。

こいつを

フェルンに渡して

やってくれ。

あの子は

信仰心の

篤い良い子だ。

クラフトはどうして

女神様を信じているの?

僧侶に育てられた

影響だろうな。

女神様への感謝を

忘れていない。

フリーレンは

信じていないんだな。

天地創造の

女神様は、

神話の時代を

除いて、

この世界の

長い歴史の中で

実際に姿を現した

ことは一度もない。

若いな。

ちゃん

俺も昔は

そうだった。

だが今は心の底から女神様を信じている。

だが今は心の底から

女神様を信じている。

いや、

いてくれなきゃ

困るんだよ。

俺の成してきた

偉業も正義も、

知っている奴は

皆死に絶えた。

だから俺は

死んだら天国で

女神様に褒めて

貰うんだ。

よく頑張ったクラフト。

お前の人生は

素晴らしいものだった

ってな。

俺達は

長い人生を歩んで

ここにいるんだぜ。

わかるだろう。

フリーレン。

自分の

生きてきた軌跡が

誰にも覚えられちゃ

いないってのは

あまりにも酷だ。

クラフト。

それはただの

エルフの願望だ。

天国もか。

フリーレン。

そうだな。

まあいい。

お前の身の上を話せ。

俺も話す。

お前が信じないって

言うのなら

女神様の代わりに、

俺がお前を

褒めてやる。

まさかハイターが

この村の孤児院の

復興資金を

出すだなんてね。

意外ですか?

うん。

私も孤児

でしたから。

きっと女神様も

清く正しく生きた私を

褒めてくださることでしょう。

はっはっ、は。

正直ですね。

フリーレン。

酒を飲みながら

何を言ってるんだ

この生臭坊主は。

あなたには

褒めてくれる人は

いますか?

急に

どうしたのさ?

あなたは女神様を

信じていない

ようなので。

だらだらと

生きてきた

だけだよ。

褒められるような

ことなんて何もない。

常に魔力を

制限している

のに?

身の上を話して

頂ければ代わりに

私が褒めますよ。

気が付いて

いたの?

それは血の滲むような

努力の賜物に見えますが。

それこそ

人生を懸けたような。

何年一緒に旅を

していると思って

いるんですか。

面白い話じゃないよ。

構いませんよ。

それに後学のためにも

なります。

なんで?

もしかしたら

私の子供は魔法使いに

なるかもしれませんよ。

僧侶は生涯

独身でしょ。

ばっはっは。

なんで女神様に

仕える連中は

変な奴が多いん

だろうね

遠慮しておくよ。

もう別の奴に

褒めて貰ったから。

そうか。

いい友人を持ったな。

フリーレン。

大事にしろ。

いや、

その人はもう...

......

今は天国にいるよ。

なら、

いずれ

会えるな。

そうだね。

俺はこっちだ。

フリーレン。

今生の別れとは

思わん。

何百年後かに、

またな。

さぶい...

葬儀の久すく

5話予剣の里

結局、王様は

銅貨10枚しか

くれなかったな。

ケチだよね。

まぁ、地道に

討伐依頼を熟して

路銀を稼ぐのも

いいじゃないか。

無理も

ありませんよ。

今まで多くの

勇者が旅立ち、

魔王の討伐に

失敗してきたの

ですから。

冒険らしい。

...そうですね。

ねぇ、その剣。

〝勇者の剣〟だ。

偽物ですよ。

昔、村に来た行商人を

魔物から助けたときに

お礼で貰ったものだ。

未来の勇者にってね。

子供騙しみたいなものだ。

それが勇者に

なったきっかけ?

村の孤児院に

ハイターっていう

ムカつく奴がいてね。

いいや。

偽物の剣しか持っていないから、

偽物の剣しか

持って

いないから、

じゃあ本物になって

やろうじゃないか。

偽物の勇者にしか

なれないと

僕に言ったんだ。

そう

思ったんだ。

僕はいつか本物の

〝勇者の剣〟を

手に入れて、

魔王を

打ち倒す。

しかし時の流れは

残酷だな。

あんなことを言っていた

ハイターは今や

酒ばっかり飲んでいる

偽物の僧侶だ。

本物ですよ。

...夢か。

フリーレン様。

ようやく目を

覚ましましたね。

勇者ヒンメルの

死から29年後。

北側諸国

シュヴェア山脈

...この光景。

既視感がある。

まだ夢の中だね...

...山の天気を

甘く見すぎた。

...わかりました。

だと

いいんだけどな。

このまま

北に

進んで。

目的地の

集落が

ある。

フリーレン様。

自力で

歩けますか?

.....無理。

流石に

運びっぱなしで

疲れただろ、

フェルン。

えっち。

そうですか。

代わるぜ。

なんでだよ。

吹雪もだいぶ

落ち着いてきたね。

凍え死ぬかと

田心った...

本当にこんな山奥に

集落があるんだな。

お待ちして

おりました

フリーレン様。

君が今の

里長?

はい。49代目です。

はい。

49代目です。

ようこそ

剣の里へ。

里の外に壊れた

小屋があったね。

使われていた

狩猟小屋

ですね。

山の主の

仕業です。

ここが

剣の里か...

勇者の剣を

守っていた里だ。

主?

この山に

そんなの

いたっけ?

知っているの

ですか

シュタルク様?

この里の近くの聖域には

女神様が授けたとされる

勇者の剣が刺さっていたんだ。

その剣はなんだよ

歴史上のどんな英雄達が

引き抜こうとしても

微動だにしなかった。

確か

言い伝えが

あって...

それだ。

80年前まではな。

勇者の剣を引き抜けるのは、

この世界を滅ぼす

大いなる災いを撃ち払う

勇者のみ。

その剣を引き抜いたのが

ヒンメル様なのですね。

そうだぜ。

結構、有名な話のはずだけど

聞いたことないのかよ?

いえ。

ハイター様からは何も。

......

こちらです。

しかし

困りますよ、

フリーレン様。

半世紀後に

また来てもらう

約束だったのに。

温厚な私でも

流石に

ブチギレですよ。

というのが

先々代の遺言です。

私は80年後でも

大丈夫だと

言ったんだけどね。

お役目って

なんですか?

勇者の剣を

代々守ってきた

この里の連中なら

自衛くらい

余裕で

できるでしょ。

魔物退治だよ。

この村の周辺には

定期的に魔物が

湧くから。

じゃあ明日にでも

始めようか。

確かに

そうですけれども、

ちゃんとお役目を

果たしてもらわないと。

特に最近は

山の主が暴れて

大変だったんですから。

......

面倒事は

早い方がいい。

里が近いってのに

魔物だらけだな。

出したいのは山々

だったのですが。

ヒンメルは

英雄だからね。

こんな状況なのに

どうして他の冒険者に

討伐依頼を

出さなかったのですか?

あの洞窟の前に

集まっているな。

しかし本当に

魔物が多いな。

フリーレン。

これってー

主です。

新顔だね。

なるほど。

私が知らない

わけだ。

たった80年で

主面か。

シュタルク。

まだ

動けるでしょ。

...人使い

荒すぎるだろ。

上出来だ。

これでお役目は

終わりだね。

フリーレン。

こいつは

どういうことだ?

あれは

勇者の剣だ。

魔物が集まって

いたのは

そいつのせいだよ。

聖域は強力な結界で

入れないのに、

魔物は勇者の剣を

破壊する衝動を

抑えられない。

そういうこと

じゃなくて...

よっぽど

勇者の剣が

怖いんだろうね。

...そうだね。

ヒンメルは

この剣を

抜けなかったんだ。

今回の勇者も

本物では

ありませんでしたか。

...ヒンメル。

いいじゃないか周り自音で。

偽物の勇者で。

そうすれば

偽物だろうが

本物だろうが

関係ない。

僕は魔王を倒して

世界の平和を

取り戻す。

そしてヒンメルは

成し遂げたんだ。

では何故

その事実を

隠しているの

ですか?

あんな剣は無くたって

世界を救ってみせた。

本物の勇者だよ。

ヒンメルを

英雄にしたがった

連中の仕業かな。

勇者の剣が

抜けなかっただなんて

格好悪いエピソードは、

英雄には不要でしょ。

英雄というのは

どうしても後世の連中が

勝手に美化していく。

そしてそのうち

原型すら

無くなって

しまうんだ。

フリーレン様なら

やってくれると

信じていました。

マジ感謝。

じゃあまた

半世紀後に。

これも

先々代の遺言です。

お前のばーちゃんの遺言

どうなっているんだよ。

今度は遅れないで

くださいよ。

葬導の人よく

心戦士への贈り物

第26話した

勇者ヒンメルの

死から29年後。

じゃあ宿に

荷物置いたら

夜まで自由行動ね。

北側諸国

アペティート地方。

ひさひェ

久々の町だな。

羽を伸ばせるぜ。

フリーレン様

どうします?

一緒にお店とか

見て回りますか?

私はいいや。

そうですか。

じゃあ

私一人で..

宿でゆっくり

魔導書を読むよ。

あ、そうだ。

今日はシュタルクの

18歳のたとうぴ

誕生日だから。

なんで

そういうこと

事前に教えて

くれないんですか?

この町で何か

買えばいいじゃん。

シュタルク様の

欲しいものが

わかりません。

ぶっふっふ。

フェルンは

詰めが甘いね。

私、何も準備して

いませんよ。

フリーレン様の

せいなんですけど。

ちなみに

フリーレン様は

何をプレゼントする

つもりなんですか?

とっておきだよ。

服だけ溶かす薬。

男ってのはね、

こういうの

渡しておけば

喜ぶんだよ。

って師匠が

言ってた。

何?

フェルンも

興味ある?

ぁあああっ!!

この

下品な薬、

この下品な薬、

買ったときに

私、返品しろって

言いましたよね。

フリーレン様なんて

知りません。

...この薬

貴重だったのに。

プレゼント

どうするかな

ああ。

これがあったか。

やっぱり直接

探りを入れるしか

ないか...

絶対バー

シュタルク様?

出かけて

いるのかな..

斧を背負った

戦士様かい?

荷車を押すのを

手伝ってくれてね。

確か広場の

ほうへ向かって

いったよ。

木から降りれなく

なっていたところを

助けて貰ったんです。

ついさっきまで

俺達と遊んで

いたぜ。

暴れ牛を

止めて

くれてねぇ。

たくさん人助けを

している...

シュタルク様が

あんなえっちな薬を

貰って喜ぶはずが...

シュタルクさ...

フリーレン様は

流石に失礼です。

あの雲

おっぱいみたいだ。

えっちだった。

あっちは

うんこだ。

マジかよ...

後でフェルンに

教えてやろう。

いつ

ガキなんだ...

フェルン。

ちょうどいい

ところに。

リアクションに困るよ!!

少し歩き

ませんか?

...シュタルク様

あの雲さー

...すみません。

なんでもないです。

はい。

ねぇ、なんで

怒ってんの?

何かした?

謝るから

さぁ...

どうやったって

怪しまれるんだし、

もう

直球でいいか。

どう

切り出そう

かな...

シュタルク様。

何か欲しい物とか

ありますか?

なんで?

今日がシュタルク様の

誕生日だからです。

そうだっけ。

それと欲しい物に

なんの関係が

あるんだ?

シュタルク様の

誕生日プレゼントです。

え?何か?

くれんの?

やっぱり

なんかムカつくから

あげない。

いや

ふざけていた

わけじゃなくて...

俺、誕生日に

プレゼントとか

貰ったこと

ないんだ。

故郷の家族

からも?

そういった風習

だったのですか?

死んだ故郷の

家族からも

師匠からも

貰ったことが

ないから、

そういうもんなの

かと思っていた。

いや。

単に俺が大事に

されていなかったん

だろうな。

俺の故郷は

戦士の村でさ。

弱い奴の居場所

なんかなかった。

魔物相手に

なんたる様だ。

シュトルツを

見習え。

怪我どころか

返り血一つ、

泥一つさえ

跳ねていない。

汚れ一つない

白い外套は

この村

最強の戦士の証、

シュトルツは

この村の誇りだ。

ここまで、

当然だ

親父。

それに比べて

シュタルク、

あいつは失敗作だ。

毎日あれだけ

修行している

というのに、

まだ一度も

魔物とまともに

戦えていない。

...降ってきやがった。

帰るぞ。

愚弟に稽古を

付けてくる。

あまり虐めて

やるなよ。

俺は先に帰る。

時間の無駄だ。

シュタルク。

......

...兄貴...

ごめ...

いい

集中力だ。

お前はきっと

強くなる。

でも少し

構えが悪いな。

そういえば

兄貴だけは

違ったかもな。

でも俺は故郷が

魔族に襲われたとき、

そんな兄貴も見捨てて

逃げちまった。

家族から

祝って貰えなくて

当然かもな。

シュタルク様。

俺は逃げてばかりの

失敗作だ。

過去なんて

関係ありません。

この先

逃げるかも

しれねぇぞ。

プレゼントを

選びに行きますよ。

私の見てきた

戦士シュタルクは

一度たりとも

逃げ出していません。

私達が

逃がしません。

でもおれ

俺はー

選ばないなら

勝手に選びますよ。

スタスタ

......わかったよ。

じゃあ

これにしようかな。

それは

高いから駄目。

はい。

フリーレン様。

なんですかこの

馬鹿みたいに

でかいハンバーグは?

何、言ってんだよ。

誕生日と言ったら

これだろ。

お帰り。

遅かったね。

師匠もプレゼントは

くれなかったけど、

誕生日のハンバーグ

だけは作って

くれたな。

どういうこと

ですか?

シュタルク。

アイゼンから

聞いてないの?

何が?

戦士ってのは

不器用だね。

そうだね。

私もさよ

不器用だから

わかる。

これはねー

フリーレン様が

それを言うん

ですか?

馬鹿だよね。

想いっていうのは

言葉にしないと

伝わらないのに。

そういえば

誰かの誕生日のたびに、

馬鹿みたいにでかい

ハンバーグを作っているけど、

これなんなの?

これは俺の

地方の

風習でな。

精一杯頑張った

戦士を労うための

贈り物だ。

俺からの

誕生日プレゼント

みたいなものだ。

でもアイゼン、

僕達は戦士じゃ

ないぞ。

頑張った者は皆

戦士だ。

そうなの?

どうでしょうね。

精一杯頑張った

戦士:

兄貴。

何作ってんだ?

ハンバーグ。

おや

親父達には

内緒だぜ。

誕生日だろ。

逃げろ。

シュタルク。

お前は

生きるんだ。

アイゼンから

レシピを

貰ったんだよね。

どう、

おいしい?

ああ。

あとこれ、

まだ少し

残っているから:

また

頭から

かけますよ。

で、この女って

なんなの?

えっち。

むふー

なんで?

第27話】平凡な村の僧侶

勇者ヒンメルの

死から29年後。

北側諸国

アルト森林

ずっと昔、

冒険者に

憧れていた。

誰にだってある

ガキの頃の

くだらない夢だ。

一緒に

小さな冒険を

沢山した

親友がいたんだ。

無鉄砲な

体力馬鹿で、

ゴリラみたいな

奴だった。

とはいっても

友達思いで

いいゴリラだったよ。

大人になって

そんな夢も

忘れかけた頃、

そいつから

一緒に冒険者に

ならないかと

誘われたんだ。

あのとき

あの手を取っていたら、

何かが変わって

いたんだろうな。

俺の村は

収穫祭が

近くてな。

10年も昔の話だ。

今でも

後悔しているよ。

料理に使う野草を

森で取ってくるように

兄貴に頼まれた。

ふーん。

なんで私に

そんな話を

するの?

そしたら

底なし沼に

嵌っちまった。

俺はもう

お終いだ。

でもお前が

この手を取ったら

何かが変わるかも

しれないぜ。

ちょっと

待ってね。

悩んでる。

ここまできて

悩む要素

何かある?

手が汚い。

絶対

そんなこと

気にしている

場合じゃないよぉ...

もう少し

時間いい?

”底なし沼から

引っこ抜く魔法

思い出すから。

それに嬢ちゃん。

大人ってのは

汚いもんなんだぜ。

うーん。ちょっと

物理的に汚いのは

初めてかも

なるべく

早くね...

フリーレン様。

薬草集まり

ましたか?

思い出した。

ぽんっ

俺はここで

いいよ。

フリーレン様が

ご迷惑を

お掛けしました。

別にいいって。

助けて

貰ったんだから。

いえ。

きつく言って

おきます。

それより本当に

村に寄って

行かなくて

いいのか?

収穫祭の

準備で忙しいが

礼くらいするぞ。

物資の補充が

したいから、

今日中に大きめの街に

行きたいんだよね。

そうか。

なら

気を付けてな。

ここら辺は

危険なといけない

毒性生物が

多いから。

噛まれちゃった...

気を付けろって

言われたのに

何やってるの。

毒の種類の

分析って

僧侶の魔法だから

得意じゃ

ないんだよね。

とりあえず

止血しましょう。

知らない反応だし、

手持ちの

毒消しじゃ

無理かも。

なんか

鼻血出てきた...

教会でも

見て貰った

ほうがいいね。あとどの位

フェルン。

飛行魔法

使える?

魔力の消費が

大きいので

30分が限度ですね。

街までは

行けないね。

さっきの村まで

戻ろう。

シュタルクは

私が運ぶね。

...大袈裟だな。

大丈夫だって。

葬送のフリーレンB

毒は気合いで

なんとかなるって

師匠も言って

いたぜ。

そういえばアイゼンって

竜を昏倒させるほどの

猛毒の矢を受けても

ピンピンしていたっけ。

ドン引きしている時点で

おかしいのはアイゼン様だと

思います。

ハイターが

ドン引き

していた。

ハイター様の

話によると

冒険者の死因の

二割は

毒だそうです。

いや

急ぎましょう。

本当に

大丈夫だって...

手遅れですね。

数時間後には

脳が溶け始め

鼻から全部

流れ出て、

死にます。

すごく

怖い!!

本来なら

初期の段階でしか

対処できませんが、

新しい風呂桶

小さくない?

清貧です。

どうにか

ならないん

ですか

神父様?

私の弟なら

あるいは...

兄貴。

やりすぎ

じゃない?

掌サイズまで

清貧しちゃってんの

家くらいだよ?

それよりも

ザイン。

見てあげなさい。

見てあげなさい。

兄貴。

にいつらだよ、

俺のこと

助けてくれたのは。

なんだ?気を付けろっつったのに

蛇にでも噛まれたか?

じゃあ

これで

チャラだな。

兄貴、ひろぱ

広場の手伝い

行ってくる。

...ああ。

...鼻血止まった。

毒の反応が

消えています。

神父様。

あいつ...

...どう

思われますか?

その首にかけている聖印、

聖都から地方で最も

優れている司祭に

与えられる物だ。

その回復の

エキスパートが

不治と判断した

毒を一瞬で

治療した。

あれは

天性の才だ。

やはり

フリーレン様には

わかりますか。

私のこと

知っているの?

この聖印は聖都から

視察に来られた、

とはいっても

所詮私は

田舎の僧侶。

ハイター様から

聞かされて

おりましたので。

ハイター様から

授けられた物です。

誇れるものなんて

これくらいしか

ありません。

両親は早くに

私達の

他界しましてね。

ですが

ザインの才は

私の比ではない。

私のような

同じ毎日を

繰り返すだけの

平凡な村の

僧侶には

なりたくないと、

男手ひとつで

年の離れた

弟を育てて

きました

あの子は子供の頃

冒険者になりたいと

よく言っていた。

夢や希望に

満ちた目で

そう言ったんです。

でも今は

まるで私の

若い頃に

そっくりだ。

どうかあの子を

この村から

連れ出してやっては

くれませんか?

さぞつまらない

人生でしょう。

きっとあの子は、

ずっと背中を

押してくれる

誰かを

探しているんです。

俺は賛成だぜ

フリーレン。

うーん...

悩むようなことじゃ

ねぇだろ。

もう脳みそ...

鼻から出そうに

なる経験は

御免だぜ。

確かに

ここから先は

僧侶がいたほうが

安心かも

しれませんね。

はむっ

フリーレン様は

何が不満

なんですか?

同族嫌悪

かな...

何言ってんだ

こいつ。

とにかく

俺一人でも

勧誘しにいくぜ。

流石に

サボって

ポーカーは

生具過ぎないかな...

親睦を深めてるんだ。

小僧もやるか?

シュタルクだ。

俺達

僧侶を探しているんだ。

仲間にならないか?

冗談だろ。

俺はこの村の

僧侶だ。

座れ

シュタルク。

俺に勝てたら

仲間になって

やるよ。

冒険に

なんか...

...いや、

これも一興か。

シュタルク様

遅いですね。

まったく。

確か

広場だっけ?

身包み

剥がされてる!?

酷い...

誰がこんな...

悪く思うなよ。

大人ってのは

汚いもんなんだぜ。

村長の

一人勝ちさ...

身包み

剥がされてる!?

鬼神の如き

強さだぜ...

ザイン。

仲間探してん

だってな。

他を当たれ。

...冒険者に

なりたいんでしょ?

昔の話だって

言ってんだろ。

今更だよ。

俺はもっと早く

あいつを

追いかけるべき

だったんだ。

フリーレン。

僕達と一緒に

魔王を倒そう。

ここにいるのは

落ちぶれた

パンツー丁の

おっさんだ。

今更だよ。

もう五百年以上

魔族との実戦は

やってない。

もう

戦い方も

忘れてしまった。

私は決断を

先送りにしすぎた。

きっと魔王と戦うのが

怖かったんだろうね。

それがどうした

フリーレン。

もう取り返しの

つかないほどの

年月が経った。

僕はー

私は今の話を

している。

...他を

当たれ。

お前には

俺の気持ちは

わかんねぇよ。

そう。

今ので

よくわかった。

やっぱり私

ザインのこと

嫌いだ。

そうかい。

だから

意地でも仲間に

誘うことにした。

...え?

わけわかんな

すぎて

怖い...

葬送のフリーレン8.完

葬送のつ!!

...えっと、

ありがとう..

またく

もー...

私は

あの子の兄です。

あの子から

故郷まて

奪うことは

できません

でも、あなたに

人間の気持ちは

わからないでしょう。

いつも

きつく当たり

やがって!!

そんなに

俺のことが

嫌いかよ!!

気に入って

変えたから。

どう褒める

つもりですか?

こいつ

獲物を地面に

叩きつけて

狩りをする

タイプの成物だぜ。

良かったよ。

年上の

お姉さんだよ!!

普通はバーティーに

一人くらいは

いるだろう!!

色っぽい大人の

お姉さんがさぁ!!

そうかなぁ..

彼女は

〝魔王を必ず倒す〟

と言いました。

私はその言葉を

信じたんですよ、

報酬の成瀬書

どれにしよう

フリーレン

もう半目に

なりますよ

人はどうでも

いいことに

命を懸けない。

どんな英雄でも

いつかは

忘れ去られます。

どう?歴戦の老戦士

って感じて

格好良いでしょ。

きっと盛王を倒した

勇者ヒンメルも

例外ではないでしょう。

因みに俺は

僧侶アゴヒゲ。

聞いて

ねぇよ。

micisnで、CIOミノアベツカサ

CONEKDRIGX石沢将人ャベイクリッシュタジオ

表紙カバー折り返し

裏表紙カバー折り返し

葬儀アリーの

「原作」

いやいや、

manアベツカサ

本体表紙

KANEIICOYAIADAとTSCKASA.JREPRESEXTS

本体裏表紙

勇者一行にいた

魔法使い・フリーレン

魔王軍の残党で

大魔族でもある

七凪賢・断頭台の

アウラと衝突。

その中で、

フリーレンの史実が

明かされていきます。

悠久の時の中で、おまえ

彼女が抱いた感情とは

物語は、

現在と過去が交錯していく。

英雄たちの〈真実〉を紡ぐ

後日順ファンタジー!

カバー裏表紙

ICANEHICOYAMADA&TSCKASA.AREPRESEXTS