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Instructions:
ええ...
本来のフリー
...。山田一鐘人
いやいアベッカサ
...
GotomeXtpage
Gotornextpege
葬送の
【原作】11日
【作画】「
第
話
さて!?
第73話「コリドーア湖」
CONTENTS
80
第
話
1話
...
第
トーア大漢谷
聖雪結晶
黄金郷
第83話支配の石環
第
20歳、万物を黄金に変える魔法。いて、
...
第
第84話命
命知らず
第
5話悪意
第85話
...
第
第87話
5話
話し合い
好意
だい
第78話カロリドーア湖
勇者ヒンメルの
死から30年後。
北部高原
コリドーア湖。
この町に来て
一週間...
相変わらずの
大荒れだな。
今日は
渡し舟は
出せそう?
出せると
思うか?
儂の船は
棺桶じゃ
ないぞ。
そうだ
よね。
しかし
驚いたな。
湖でも嵐って
起こるんだな。
コリドーア湖は
北側諸国最大の
湖だからね。
下手な
内海よりも
大きい。
確かに対岸が
ほとんど
見えないもんな。
さらに東西に
大きな山脈が
あるせいで
気流が乱れて、
この時期は
地獄のように
荒れる。
嵐でおお
大きな船が
沈む事故も
珍しく
ないんだよ。
この強風では
飛行魔法で
渡るのも
無理ですね。
葬送のフリーレンQ
そもそも
晴天でも
渡るのは
難しいよ。
対岸は
想像以上に
遠い。
湖を迂回する
ことはできない
のでしょうか?
私はともかく、
フェルンは魔力が
保たないでしょ。
それも難しい
だろうね。
そもそもの
悪天候の
原因が
東西の山脈だ。
峠道もないような
天候の荒れた山脈を
越えようだなんて
自殺行為だ。
幸いここは
交易拠点の
大きめの港町だ。
下手に遠回りを
するくらいなら、
ここで数か月
待った方が
結果的には
安全で早く
進めるよ。
時間を
潰すには
最適だよ。
葬送のフリーレンQ
結局
冬が明け
ちまったな。
船は
出せそう?
ああ。
それで...
船代は
あるのか?
荒れる時期で
ないとはいえ、
決して安全な
航路じゃない。
それなりの
値段はするぞ。
葬送のフリーレン区
まったく
足りんな。
フリーレン様が
魔導書を
買い過ぎた
せいですよ。
なら依頼と
交換条件と
いこうか。
暇だったん
だよ...
この先の島に
打ち捨てられた
修道院があるのだが、
結界が張られて
いてな。
そこには
勇者ヒンメルが
残したとされる
自伝があるらしい。
勇者ヒンメルは
儂の祖父の代に
この町を
救ってくれてな。
子供の頃からの
憧れだったんだ。欲しがっている。
町の皆も
その自伝を
そういえば
旅の途中で
書きかけの
自伝を失くしたって
言っていたな。
それを
見つけて
ほしいんだ。
ヒンメルの
自伝...
ヒンメルがっかりしていたっけ。
ヒンメル
がっかりして
いたっけ。
まさか
あんな場所に
あったなんてね
いいよ。
その依頼
引き受けた。
あれって
船団か?
マジで
海みたいだな。
ああ。
この時期は
人や物資の行き来が
盛んになるからな。
それに最近は北の方で
何もかもが黄金で出来た
黄金郷が見つかったって
いう噂もあってな。
それって
本当かよ。
湖を渡る
連中は
特に多い。
さあな。
だが実際に
辿り着いたって奴に
会ったことはない。
ただの
夢物語だろうさ。
......
あの島だ。
あまり強力な
結界では
ありませんね。
何十年も
前の物みたい
だからね。
解けたよ。
探索しようか。
大きな書庫
だな。
ヒンメル様の
像がありますね。
あった。
これだね
うん。まちが
間違いない。字だ。
ヒンメルの
何が書いて
あるんですか?
お客様からご注意しますので、
それはそうだったんだけど
ただの
日常だよ。
他愛のない
旅の日常。
はい。
依頼の
報酬だ。
これで船代は
チャラだね。
勇者一行には
エルフの魔法使いが
いたと聞いたことがある。
まさか
お前だった
とはな。
そんなに
寂しそうな顔を
していたら
嫌でもわかる。
どうして
そう思うの?
それは大切な物
なんだろう。
お前が
持っていろ。
私そんな
顔してた?
どうせここには
他にも価値のある
本はいくらでもある。
少しだけ。
報酬はそれで
十分すぎるさ。
ほら
日が暮れるまでに
対岸に行くぞ。
シュタルク。
クラーケンだ!!
早く倒さないと
船ごと水底に
引きずり込まれるよ。
海の魔物まで
いるのかよ!?
怖い!!
カッコイイ
決め台詞集は
いらないかな
今度
今度使ってみるか
葬送のフリース
第79話1
一ア大渓谷
勇者ヒンメルの
死から30年後。
北部高原
トーア大渓谷。
とんでもなく
深い渓谷だな。
底がまったく
見えないぞ。
葬送のフリーレンQ
北部高原の
標高の高さが
成せる業だ。
三千mの
大絶壁だ。
この大陸で一番
深い渓谷
なんだよ。
それでこれ
どう渡るんだ?
凄い風
ですね。
これでは
飛行魔法では
渡れませんね。
上流の方まで
行けば渡河は
可能だけど、
なんか
ちょっと前にも
似たような
ことがあったな。
険しい山岳地帯を
抜ける必要が
あるから
かなりの
大回りに
なるね。
下流の方は
どうなんですか。
海に面した
場所も三千mの
断崖絶壁だ。
結構です。
景色はとても
いいみたいだけど
行ってみる?
どちらにせよ、
このままだと
渓谷を越えるのに
二週間は掛かるかな。
かなり
掛かり
ますね。
うーん...
まあ
仕方がないん
じゃないか。
もしかしたら
そろそろ
出来てるかも。
なんの話
ですか?
とにかく上流を
目指そうか。
運が良ければ
途中で渓谷を
渡れるかも。
フリーレン様。
葬送のフリーレンB
見えて
きたね。
うん。
すげぇな。
あれって
もしかして
橋か?
出来ている
みたいだね。
ゲーエン。
無事
橋は出来た
みたいだね。
久しいな。
フリーレン。
ゲーエンだよ。
ああ。
この人は?
200年前から
ここに橋を
作っている
ドワーフだ。
すごいな。
でも
驚いたよ。
これだけの
橋が出来ているのなら
交通の要所になっていても、
おかしくない。
なのに全然
噂を聞かな
かったから、
まだ出来て
いないものだと
思っていたよ。
フリーレン。
実は一つ問題が
あってな。
この通り大型の鳥
大型の鳥の魔物が
強風を起こしていてな。
先日もおうごんまう
黄金郷とやらを
目指した商人の一団が
馬車ごと飛ばされた。
しかも
いくらでも
わいてくる。
近くに大きな巣が
できたらしくてな。
そのせいでこの橋は
使い物にならん。
幸い巣は
こちら岸の
どこかにあるようだ。
それをなんとか
してくれんか。
200年もかけて
作り上げた
橋なんだ。
ほうしゅう
幸かは?
パンケーキを上手に
ひっくり返す魔法だ。
材料も
ある。
明日は豪華な
朝食が
食べられるぞ。
引き受けた。
ゲーエンの話だと
ここら辺だね。
流石に
険しいですね。
気を付けてね。
落ちたら
一巻の終わりだよ。
ところでゲーエンは
なんでこの渓谷に
橋を作っていたんだ?
たぶん
後悔だろうね。
そうか。
橋は建設中か。
残念だな。
いつ頃
出来る
予定なの?
一生無理
だろうな。
建設資金も
底を尽きた。
ゲーエンは何故
こんな所で
橋を作って
いるんだ?
口惜しい
ものだな。
昔この近くに
あった儂の村が
魔族に襲われてな。
儂には
時間など
いくらでも
あるのに。
一番近くに
駐屯していた車は
対岸の都市にいた。
あのときここに
橋があったら
皆助かったんだ。
これを
使ってくれ。
とある貴族の
宝剣を魔族から
取り返したときに
受け取った報酬だ。
...凄い額だな。
この橋が
ある。
受け
取れん。
これを
受け取るのに
見合った対価を
儂は持ち合わせておらん。
橋が出来るのは
早くとも
お前が寿命で
死んでからだ。
対価は
フリーレンが
受けとるさ。
任せてくれ。
...わかった。
千年は保つくらい
丈夫に作ってくれ。
見つけた。
倒すよ。
助かったよ
フリーレン。
お陰で
この渓谷を自由に
行き来てきるようになった。
ゲーエンはこれから
どうするつもりなの?
村でゆっくり
老後を過ごすさ。
良かったな
ゲーエン。
え?
今夜は
宴だ。
フリーレン。
200年もあれば
また新しく村も
できる。
そっか。
じゃあ
出発しようか。
第80話
出聖雪結晶
勇者ヒンメルの
死から30年後。
北部高原
シュマール雪原。
路銀がね、
もうちょっと
しかないの。
そ
これだと一週間
暮らせるか
どうかですね。
まったく。
無駄遣いばかり
するからですよ。
まぁ、なんにせよ
こんな雪原の
ど真ん中じゃ
どうしようもないか。
...ん?
待てよ。
進路を
変えるよ。
ここら辺って...
確か
あるかも。
資金の当てが
ここは..
集落とは
違うな。
冒険者の
野営地か?
野郎共!!
野郎共!!
今日も気張って
行くぞ!!
おー
ここはなんなん
ですか?
聖雪結晶を求めて
集まった冒険者の
野営地だね。
聖雪結晶?
この地方の
雪原で生成される
鉱物だよ。
魔法薬の
原料に
なるんだ。
この地方でしか
取れない貴重な物で
とても高価なんだよ。
なるほど。
つまりその
聖雪結晶ってのを
探して路銀を
稼ぐんだな。
シュタルクも
まだまだ
甘いね。
聖雪結晶はめったに
見つかる物じゃない。
だから
高価なんだ。
じゃあ
どうやって
稼ぐんだよ。
冒険者相手に
商売をしている
市場を見に
行こうか。
面白いものが
見られるよ。
普通の市場と
変わらないように
見えるけど...
値段を
見て。
パン一個
銀貨一枚...
聖雪結晶の
採掘で稼いでいる
裕福な冒険者を
相手にしている
わけだからね。
相場の10倍
以上しますね。
他の地域よりも
物価は上がる。
聖雪結晶が
高価なのは
二つの理由がある。
もう一つは
凶暴な魔物が
うろつく危険地帯に
あるからだ。
一つはその
希少性。
私の言いたい
ことがわかる?
物価が上がって
いるということは
討伐依頼の報酬も
上がっているという
ことですね。
この場所に
地元の人間しか
知らない大規模な
鉱脈がある。
流石だね。
フェルン。
ここに巣くっている
魔物を倒してほしい。
«»
それと討伐が
終わったらこの場所に
対人結界を張って
ほしいんだ
対人結界?
ああ。
人が立ち入れない
ようにしてほしい。
わかった。
引き受けるよ。
採掘にも
人員や費用を集める
時間が必要だからね。
それにしても
対人結界を張って
ほしいだなんて
変わった依頼ですね。
横取りを防ぐために
対人結界を張って
場所を押さえること
自体は珍しい
ことじゃないよ。
葬送のフリーレンQ
とにかく
討伐に
向かおうか。
見つけた。
大きな
魔物だな。
油断しない
ようにね。
討伐依頼が
出ていたってことは
野営地の冒険者じゃ
歯が立たなかったって
ことだ。
油断すると
死ぬよ。
じゃあ
倒すよ。
報酬に見合った
強敵って訳か。
流石に
強かったな...
もう
すっかり
夜ですね。
今夜は
ここで野営だね。
フリーレン様。
朝ですよ。
うーん...
あと5時間...
葬送のフリーレンB
起きて
ください。
凍死しますよ。
それより
見てください。
聖雪結晶の
鉱脈が朝日に
照らされて
綺麗ですよ。
...そうだね。
今回は路銀を
稼ぐことが
目的だった
けれども、
まさかこんな
光景に
出会える
とはね。
綺麗だな。
このために魔王を
倒す価値は
十分あるな。
僕達が魔王を倒せば
この美しい光景を
誰もが見られる
時代がくるんだ。
誰もがって訳には
いかないけど、
沢山の人が
この光景を
見られる時代が
実際にやってきた。
不思議な
気分だ。
でも
それも人の手によって
切り崩されていく。
それじゃあ
結界を張って
戻ろうか。
少し寂しいけど
これもまた
時代の流れだね。
ありがとう。
助かったよ。
これで
あの鉱脈を
保護できる。
保護?
約束の
報酬だ。
採掘のための
結界じゃないの?
あの美しい
光景を見て
冒険者を
目指したんだ。
俺は
この地方出身の
冒険者でな。
感謝する。
お陰で
故郷の景色を
守れた。
フリーレン様..
フリーレン様...
そう。
貴重な
物だったん
だよ..
物価が高いのに
なんでここで
魔導具を
買ったんですか:
当分路銀には
苦労しそうだな...
第81話7黄金郷
勇者ヒンメルの
死から30年後。
北部高原
ヴァイゼ地方。
フリーレン様。
大陸魔法協会も
通さないってことは
厄介事の予感がするわ。
また大陸魔法協会
からの依頼?
あまり乗り気じゃ
ありませんね。
いえ、
一級魔法使い
レルネン様からの
個人的な依頼の
ようです。
正式な依頼って
訳でもなさそうだし、
断っちゃっていいん
じゃない。
私あいつ
嫌いだし。
肩ぶち抜かれてた
もんな...
報酬の魔導書も
一緒に送られてきて
いますけれども:
よし。
やるか。
ええ...
城雲都市ヴァイゼ。
すごいな...
見渡す限りの
黄金だ。
50年前に七崩賢
黄金郷のマハトの
手によって一瞬で
黄金に変えられた
悲運の都市。
噂には
聞いていたけど、
まさか大陸魔法協会が
管理していただなんてね、
黄金郷を覆う
大結界の中には
今もマハトが
封印されているのか。
しかし驚いたよ。
依頼書には
大陸魔法協会
から派遣された
結界の管理者を
手伝うようにと
あったけど。
まさか
デンケン
だったとはね。
この地には
黄金郷には
儂の故郷が
あるからな。
ゼーリエに
頼み込んでな。
最近
結界の管理者の
任を継いだんだ。
皮肉なもの
だろう。
ここから
見える黄金郷は
あまりにも美しい。
...爺さんの故郷って
あそこだったのか?
正確には
そうでは
ないな。
城塞都市
ヴァイゼは
領主である
グリュック家
儂の故郷は
もっと北。
あの北端に
位置する
村だ。
儂の義父が
治めていた
街だ。
ずっと昔、あそこの
屋敷で妻と二人で
暮らしていた。あの村は
たった数年前に
黄金郷に呑み込まれ
たんだ。
結界はマハトを
封じるためのものに
すぎん。
黄金郷は今も
少しずつ
広がっている。
...数年前?
どういうことですか?
レルネン様の
依頼書によると、
黄金郷は50年前に
マハト諸共
結界で封じ込めたん
てすよね?
なるほどね。
大陸魔法協会は
そうやって
結界の維持を
続けてきたのか。
マハトにだ
手を出さないのは
ゼーリエらしくは
ないけれども
英断だね。
だから毎年、
結界の範囲を
調整するための
管理者が必要なんだ。
儂はもう
黄金郷に入り、
故郷の村でつまかまって
妻の墓参りも
済ませた。
私でも
たぶん
そうする
...結界の管理者には
黄金郷の大結界の
通行権が与えられる。
そう。
満足
した?
......
言っておくけど、
マハトと
戦うつもりなら
私達は一切の
協力はしない。
やっぱり
厄介事だったね。
この依頼は
受けない。
フェルン
魔導書は
送り返して。
...どうしたん
ですか。
フリーレン様。
らしくない?
私はいつも
皆の命を
優先してきた
つもりだよ。
らしくないぜ。
...ちょっと
大袈裟なんじゃ
ねぇか?
今までだって
魔族と戦って...
私は昔
黄金郷のマハトに
負けている。
マハトは、
私が今までの
人生で負けた
ことのある
11人の魔法使いの
内の一人だ。
そしてこいま
私は未だに
マハトに勝てる
イメージを
持っていない。
クヴァールと
同じ..
確実に仕留める
ことを考えれば、
このまま結界に
封じ込め続けた
ほうがいい。
百年でも
千年でも。
どうせ
この地方が
黄金郷に
包まれる前に、
マハトの寿命が
やってくる。
ゼーリエも
たぶんそのつもり
なんじゃないかな。
...確かに。
フリーレン様。
いくらなんでもそれは...
いくらなんでも
それは...
儂も初めは
それでいいと
考えていた。
儂はお前達が
考えているよりも
ずっと薄情な男でな。
若い頃に妻が
亡くなってから、
今になるまで
儂は一度も故郷に
帰ったことは
無かった。
儂は律儀に
妻の墓参りを
するような
殊勝な男では
ないんだ。
いつか帰ろう。
いつか帰ろう。
そう思いながら
職責や立場を理由に
帰らなかった。
何時しか儂は、
妻と過ごした
幸せな時間すら
思い出すことを
恐れていたの
かもしれんな。
数年前に、
旧友の口から
ついに故郷が黄金郷に
呑み込まれたという話を
聞いたときにようやく、
葬送のフリーレン区
初めて故郷に
帰ろうと決意した。
本当に
薄情な男だ。
儂がこの地で
結界管理の任を
継いだのも、
マハトを倒すだの
故郷を救うだの、
そんな勇敢な
理由じゃなかった。
すべてを
諦めるため
だったんだ。
年月が経ち
変わり果てて
しまった故郷を、
直接この目で見れば
諦めがつくと思った。
妻と過ごした
思い出の故郷は
もうここには
ないのだと。
それを見届けた後、
この地で静かに
最期のときを
迎えるつもり
だった。
半世紀以上も昔に
置いてきたのだと。
だがー
昔と変わらな
かったんだよ。
昔と変わらな
かったんだ。
数年前に黄金郷に
呑み込まれた
ばかりだというのに、
思い出の場所は
残っていた。
昔であろうと、
どれ程
儂は何を
していたん
だろうな。
どれ程
苦難に満ちた
人生であろうと、
あの幸せな時間は
嘘偽りのないもの
だったのに。
花畑の魔法が
見たいだなんて
ヒンメルは本当に
変わっているね。
...フリーレン。
この魔法はね。
ずっと昔に
死んでしまった
私の師匠が
好きだった
魔法なんだ。
驚いたよ。
君もそんな
顔をするんだね。
だから出来るだけ
使わないように
していた。
師匠を
思い出すから。
けれども
不思議だね。
でもそれは
きっと
辛く苦しい
道のりだったん
だろうね。
今はとても
穏やかな
気持ちなんだ。
簡単なこと?
...僕はね。
君がどんな人生を
過ごしてきたのか
なんて知らない。
こんな
簡単なことも
わからなく
なる程の。
君はきっと師匠と
過ごした時間が
幸せだったんだよ。
ただあ
幸せだった
だけなんだ。
だから
思い出して
いいんだよ。
思い出して
いいんだ。
フリーレン。
フリーレン
引き留めて
悪かった。
こんな
依頼は受け
なくていい。
レルネンが
余計な気を利かせて
依頼を出しただけだ。
儂は元々
一人で戦う
つもりだった。
それに
勝算を探せる
だけの情報は
手に入れた
つもりだ。
無茶はせん。
死ぬのなら
故郷の色鮮やかな
景色を見た後に
したいからな。
わかった。
協力するよ。
デンケン。
まずはその
勝算とやらを
探すのを
手伝うよ。
尻尾を巻いて
逃げ出すっていう
作戦は、別に
今じゃなくても
使えるからね。
...
...
第32話トラブルを表金に変える魔法
ここは
結界の管理者の
小屋でな。
歴代の管理者は
結界の調整の
ときにだけ
訪れて、
それが終わったら
すぐにこの地を
立ち去っていたそうだ。
とは言っても
滞在するような
変わり者は
ほとんどいない。
だろうね。
結界に阻まれてるとは
いっても、この場所は
あまりにも黄金郷に、
あまりにも
マハトに
近すぎる。
魔法使いなら
落ち着かないよね。
葬送のフリーレンB
フェルン
大丈夫か?
...大丈夫です。
すまないな。
配慮に欠けた。
黄金郷を見てから
ずっと顔色が
悪いみたいだけど...
なぁ。
なんの話を
しているんだ?
やっぱり
シュタルクは
平気なんだね。
とってあの黄金郷は
慣れてはいない者に
歪すぎる。
こういうとき
戦士は心強い。
...魔法使いにしか
わからないってことは
魔力か?
あの黄金郷か。
魔力を一切
感じないんです。
マハトって奴が
とんでもない
魔力を出してる
ってことか?
いくら結界があろうと
これほど広大な範囲を
黄金に変えている
魔法があるのならば、
この場所からでも
魔力を感じ取れる
はずなんです。
...逆です。
なのに何も
感じない...
私の魔力探知は
あの黄金郷を、
魔法で黄金に
変えられた
地域ではなく、
広大な
黄金の塊として
認識している。
魔法で変化した物ではなく、
ただの黄金として
認識しているんです。
葬送のフリーレン区
うん。
フェルンの認識は
間違っていないよ。
気持ちが
悪いよね。
そう
私もそういう
認識だ。
魔法なのに
魔法と認識
できないのは。
マハトの
魔法はね、
あらゆるものを
黄金に変える
呪いだよ。
万物を黄金に変える魔法。
呪いってたしか
魔族や魔物が使う、
原理がまったく
わかっていない
魔法のことだよな。
正確には
さらにその中で、
眠らせたり石に変えたり
生物や物質の状態を
変化させる魔法の
総称のことを言う。
...普通の
呪いならな。
ということは
解除するには
僧侶の魔法...
女神様の魔法が必要ってことか?
女神様の魔法が
必要ってことか?
魔王軍との
長い戦乱の時代に、
マハトに黄金に変えられた
英傑達は北側諸国だけでも
数えきれない程いる。
葬送のフリーレン区
そいつらは全員
未だにおこん
黄金の像のままだ。
誰一人
助かっていない
それって...
万物を黄金に変える魔法は
女神様の魔法でも解除出来ない。
私の知る限り
最強の呪いだ。
当然魔法と
...
認識できないから
防御魔法でも
防げないし、
回避も
出来ない。
黄金郷のマハトが
最強の七崩賢と
呼ばれる所以だよ。
だから正直に言うと、
だから正直に
言うと、
それこそ
ゼーリエでも
連れてこないと:・
勝算なんてものが
あるとは思えない。
それも含めて、
順を追って
話そう。
儂のぜんにん
前任者であった
レルネン一級魔法使いが
引き継ぎ前に
黄金郷の内部を
調査してくれた。
その情報を
彼に同行していた
エーデル二級魔法使いから
受け取っている。
まずは
それから
先に満足
結論から
教えて。
葬送のフリーレンQ
ご苦労だったね、
エーデル。
......
あと数日もすれば
オイサーストに
帰れる。
その代わり
有意義な情報を
デンケンに
手渡せた。
まったく。
黄金郷の調査など
生きた心地が
せんわ。
彼の故郷を
救う手助けになる。
随分とデンケンに
肩入れをする
じゃないか。
理由を聞いて
いいか?
話すときなが
少し長く
なるかな。
私は若い頃
宮廷勤めの
魔法使いだった。
良い。
どうせ暇じゃ。
昔からの
友人なんだ。
デンケンとは
同期でね。
デンケンは
帝国軍出身。
私は貴族の
ボンボンだった。
でも妙に
気があってね。
一緒に働くのは
楽しかったよ。
でも私は
才はあったが
世渡りが
あまり得意では
なくてね。
若くして
地位を
追われた。
最後まで
私を庇ってくれたのは
デンケンだけだった。
そのとき私は
いつか彼に
恩を返そうと
心に決めたんだ。
彼は私と同じで
捻くれた青年だったが、
私には無い熱意のような
ものがあった。
葬送のフリーレンB
いつもと変わらない
口調で淡々と話す、
妻との惚け話を
私はよく苦笑いを
しながら聞いたものだ。
それにすごい愛妻家でね。
それにすごい
愛妻家でね。
彼の妻が
亡くなってからも
その思い出や
いつか故郷に
帰るんだという話を
山ほど聞いたよ。
本当に
懐かしい。
今の彼は
そんな話はほとんど
しなくなって
しまったからね。
結局デンケンは
50年以上も
故郷に帰らなかった。
わからなくも
ないさ。
遠い昔に
失ってしまったものと
向き合うのは
途方もない勇気がいる。
そして数年前に
デンケンの故郷が
黄金郷に
呑み込まれて、
ようやく彼は
重い腰を上げた。
だから私は彼が
故郷に帰る手助けを
してやりたいと
思ったんだ。
硬く冷たい黄金郷ではなく、
彼が過ごした
色鮮やかな故郷の地へ。
...デンケンの決断は
遅すぎると思うだろう?
そう。いまさら
今更だ。
そうじゃな。
あまりにも
今更じゃ。
ても私は
彼を責められない。
私達は
人間だ。
生きられる
時間は
限られている。
いつか
なんてときは
私達の人生には
存在しない。
本当に
愚かだ。
私もデンケンも
そんな単純なことに
歳を取るまで
気が付かなかった。
私もね、
デンケンへの
恩返しをずっと
後回しにしてきた。
いつでも
出来る。
もう
今生の別れなんて
いつやってくるかも
わからないのに。
いつか
彼が本当に
困ったときに
手を差し伸べれば
いいとね。
私達にはもう
今しかないんだよ。
だから私は
協力は
惜しまないし、
黄金郷から
この地を救う名誉を
デンケンに譲ってやる
ことにした。
これは
老いぼれの
最後の悪あがきだ。
きっとデンケンは
見せてくれるよ。
私なんかには到底
出来ないような
力強く美しい
最後の悪あがきを。
遠い昔の面影を
残したまま、
黄金に変えられた
故郷を見て彼は
何を思うんだろうね。
結論からマハトに
言うと、
勝つのは
無理だ。
よし。
解散。
最後まで
聞こうぜ...
第83話一支配の石環
確かに
結論から言うと
マハトには勝てん。
だが現状では
恐らく
負けることもない。
だから
今まで集めた
情報の中から
勝算を見出だしたいと
考えている。
ちょっと
待って。
負けることも
ないって
どういうこと?
フリーレン。
マハトと
戦ったことのある
お前なら
何故儂が未だに
生きているのか
疑問に思ったはずだ。
まあね。
どういうこと
ですか?
儂は一度
黄金郷に入り
故郷の村で
妻の墓参りを
している。
マハトの
魔力探知は
黄金郷全域に
及ぶ。
その探知能力は
極めて精密だ。
私でもそう簡単に
欺けるものじゃない。
現に儂は
マハトに
見つかった。
見逃され
たんだ。
断言するん
だね。
今のマハトに
少なくとも
儂を殺す
意思はない
順を追って話すと
だから
言っているだろう。
まるで
マハトのことを
よく知って
いるみたいだ。
これには
複雑な
「事情がある。
まずは
この黄金郷と、
マハトの
現状について
話そう。
50年前にマハト諸共
城塞都市ヴァイゼを
結界で封印したのは、
当時発足したばかりの
大陸魔法協会だった。
だが封印したのは
いいものの
大陸魔法協会は
消極的でな。
それで
旧友であるレルネンが
個人的に黄金郷の
内部の調査を
行ってな。
こうして結界を
管理する以外の
ことはやって
こなかった。
同行していた
エーデル二級魔法使い
から記憶という形で
その調査記録を
受け取った。
先に
その情報から
話そう。
でしょー。
あそこの
パン屋さんの
新作なんだよ、
うむ。かわい
可愛い。
私が
ねこちゃんで、
うまいぞ。
これ。
ラヴィーネは
うさぎちゃん
です。
容赦
無さ過ぎだよぉ!!!
かわいいものを
うーむ。
くまさんも
あるのか...
これは
悩むのう。
あちらの
新作、
三種類全部
くれないか。
ブ、ブルジョワ
じゃ...!
記憶の譲渡は
高度な魔法
だからね。
区切りが
難しいんだよ。
印象に残った
場面から始まる
ことが多いみたい。
...なぁ、
この場面の
話いる?
でもこの場面から
話す必要は
ないかな。
いいのか?
この程度
これから君の本家に
支払う報酬に比べたら
なんてことはないからね。
また
大陸魔法協会の
仕事か。
エーデル
二級魔法使い。
レルネン
一級魔法使い。
まあ今回は
私の個人的な
依頼に近いかな。
どちらでも
よい。
働くのは
嫌じゃ。
すまないね。
今の
一級魔法使いには
君程優れた
精神魔法の
専門家は存在
しないんだ。
メトーデとかいう
やばい女が
いるじゃろう。
そうでもない。
中々楽しいよ。
メトーデは
専門という程では
ないからね。
それに彼女は
一級魔法使いの
中ではだいぶ
まともなほうだよ。
苦労して
いるんじゃな
レルネン。
きっと私が
一番まともじゃ
ないのだろうね。
それでいい
依頼のないよう
内容は?
黄金郷
絡みだ。
儂に
出来ることが
あるのか?
儂に出来ることがあるのか?
精神操作魔法、
対人戦でなければ
精神操作魔法は
ほとんど役に立たん
ことは知っている
じゃろう。
正確には、
人類の作り上げた
精神操作魔法は
人類かそれに
近い生物にしか
通用せん。
魔族の心は
操れない。
そうじゃ。
起源や精神構造の
まったく違う
別の知的生命体
である魔族には
効果がない。
儂らは
人類じゃからな。
魔族の心を
推測することは
出来ても
共感することは
決して出来ん。
そんな状態で
どうやって心を
掌握できよう。
うん。
だから君の
役割は
それじゃない。
これは..
支配の石環
神話の時代に
賢者エーヴィヒが
作り上げた、
この世界で唯一の
魔族の心を操る
魔道具。
その
レプリカだ。
昔これを使って
悪さをした
人々がいてね。
城塞都市ヴァイゼの
領主は
巨万の富を得るために
マハトに
支配の石環を着け、
意のままに
操っていた。
七崩賢ぢこん?
黄金郷のマハト。
彼は
あらゆるものを
黄金に変える
魔法の使い手
だった。
だがマハトは反逆し
城塞都市ヴァイゼは
滅び去った。
一瞬で黄金に変えられ
数少ない
黄金郷からの
生存者の情報によると、
マハトは未だに
支配の石環を
着けたままだそうだ。
だから私は
なんらかの理由で
支配の石環に
不具合が
生じていると
考えている。
このレプリカは
効力は発揮しないが
術式は忠実に
再現されている。
エーデル。
魔族の心は
わからなくとも
精神魔法の
専門家である君なら
この術式を
解析できるはずだ。
なるほど。
儂に
マハトに着けられた
支配の石環を
修復させるつもりか。
...プレッシャーを
掛けるのう。
失敗したら
どうする
つもりじゃ。
私がどうして
この歳まで
生き残って
これたと思う?
私は
支配の石環が
黄金郷のマハトを
倒すための
鍵だと
考えている。
引き際だけは
弁えている
からだよ。
そろそろ
着きそうだね。
そろそろ着きそうだね。
先に私の協力者達が
事前調査のために
黄金郷内部に入っている。
大丈夫なのか?
指揮を取っているのは
タオ一級魔法使いだ。
まだ若いが
北部高原での
戦闘経験も
豊富な精鋭だ。
他は君と同じ
二級魔法使いだが
タオ以上に場数を
踏んでいる奴等
ばかりだ。
彼らなら
有意義な情報を
持ち帰るはずだ。
まずはその
報告を受けよう。
...まだ
集合場所では
ないはずだが。
:レルネン様。
...フリュー
二級魔法使い。
報告を。
報告します。
黄金郷の内部で
マハトに
遭遇しました。
一瞬でした。
待て。
魔法を使う
暇もなく
他の仲間は
全員殺されて...
...一瞬?
何故
君は生き残った?
言い方を
変える。
何故君は
マハトに
生かされた?
私はただ
必死に逃げて...
わかりま:・
パーキ
.....あ...
エーデル!!
今すぐ
彼女の記憶を
読め!!
...もう遅い。
...レルネン。
ここは黄金郷の
結界の外側じゃ。
...すまなかった
フリュー。
辛い役割を
させてしまった。
なるほどね。
彼女を
見逃したのは
私達への
忠告のためか。
〝お前達ごとき
いつでも
始末できる〟。
随分と
舐められた
ものだね。
黄金郷に
行くのが
楽しみに
なってきたよ。
ブルジョワ
だ..!!
葬送のフリース
第84話17命知らず
黄金郷は
どうしても
人目を引くし、
あの結界には
強力な
認識阻害魔法が
掛けられているな。
普通の人間なら
黄金郷を視認する
ことすらできん。
人の欲望を
刺激するからね。
周辺の村の人々も
とうの昔に
立ち退いて、
今では
城塞都市ヴァイゼの
場所を覚えている者は
ほとんどいない。
それでも
認識阻害魔法を
突破して、
黄金を
持ち帰ろうとする
ような手練も
やってくるが、
ほとんどが
生きて
帰って来ない。
黄金郷の大結界は
あくまで対魔族に
特化した結界だ。
人間の侵入者を
完璧に防げる物
ではないし、
流石にそんな
無謀な連中の
面倒までは
見切れない。
それに
ここの黄金が
流通すれば
大きな混乱を
招くことになる。
唯一の救いは
見分け方が
あることだ。
マハトが魔法で
作り上げた黄金は
破壊できない。
そうだ。
どんなに熱しても
力を加えても
変形することは
決して無い。
魔法での分析では
これは金と
判別されるが
全く異なる物質だ。
あれがこの地方に
残された唯一の
集落だ。
黄金郷に入る前に
会わせたい人物がいる。
彼はどうさい
城塞都市ヴァイゼの
領主グリュック家に
仕えていた使用人だ。
城塞都市ヴァイゼが
黄金に変えられた日
彼は隣町まで
使いに行っていて
助かった。
数少ない
生き残りの
一人だ。
当事者との
大きな関わりは、知る手がかりに
無いが、
マハトのことを
なればと思っている。
ただ
老齢のため
当時の記憶は
曖昧でね。
君には
彼の記憶を
読んでほしい。
許可は
取っている。
...どうか
城塞都市ヴァイゼを
救うのに
お役立てください。
...使用人として
働いていた
期間は?
20年に
なります。
情報量が
ほうだ
膨大すぎる。
彼は60年前に
領主がマハトに
支配の石環を使った
場面を目撃している。
なんとか
範囲を
絞れないか?
わかった。
城塞都市
ヴァイゼの民と
その子々孫々に
仕えることを
命ず。
そして
ヴァイゼの民に
悪意を持った行いを
してはならない。
少しでも悪意を
抱いた時点で
お前は自ら
命を断つことになる。
...レルネン。
領主はマハトに
ヴァイゼの民に
悪意を
抱くなと
命じていた。
具体的な
命令ではなく
悪意を持った行いを
してはならないと、
そう
命令した。
それに
なんの問題が
問題が...
......
そうじゃな。
何も
問題は無い。
レルネン。
黄金郷に
向かうぞ。
相手が
人ならばの
話じゃが。
場合によっては
儂らの作戦は
無駄に終わる
かもしれんがな。
そうじゃ。
最後に
ひとつだけ。
そもそも
領主はなんのために
マハトを操ったんじゃ?
そうか。
よくわかった。
...それは
巨万の富を
得るためと
聞きました。
ここからは
黄金郷だ。
油断は
命取りになる。
妙だとは
思わんか?
まあね。
妙なことが
多すぎて
どれのことかは
わからない
けれども。
巨万の富を
得るために
マハトを操った。
加工出来ない
黄金なぞ
すぐにバレる。
古くより多くの国が
貨幣に金を用い、
本当に
あり得ると
思うか?
それが
装飾品であれ、
新たな国の
貨幣であれ。
その価値が
普遍的なのは、
たとえ国が滅んでも
加工して新しい
価値を見出だすことが
できるからだ。
金に価値があるのは
どんな文明でも
安易に加工ができる
扱いやすい
希少金属だからだ。
対してこれには
金としての
価値は無い。
加工できない
黄金など
塩の見た目をした
砂のような物だ。
そこに
大きな
価値は無い。
偽物は
偽物に過ぎない。
やはり
儂らが
理解できていない
事情があるな。
これは
死体...
本当に
趣味が
悪い。
私の協力者達と
黄金郷に侵入した
冒険者の一団だね。
...エーデル。
...わかっておる。
これは
参ったね。
私もエーデルも
潜伏は得意
だったはず
なんだけどね。
引き返せば
良かったものを。
お前達のせいで
また新しく
二つの死体を
飾らなければ
ならなくなった。
俺は争いが
あまり
好きじゃない。
だから侵入者は
なるべく惨たらしく
殺してから
黄金に変える
ようにしている。
...随分と
気怠そうじゃ
ないか。
平穏を乱すのは
お前達のような
命知らずだけだ。
たった
それだけで
多くの人間は
引き返す。
命知らずか。
光栄だね。
これほどの
褒め言葉を
言われたのは
生まれて
初めてだ。
第85話17悪意
エーデル。
わかっておる。
この距離からでも
支配の石環の
解析と修復は
できる。
どのくらい
時間を
稼げばいい?
場合によっては
長期戦になる
というわけか。
腕が
鳴るね。
修復箇所
次第じゃな。
直接黄金に
変えようとして
こない。
あくまで
殺して見せじめに
するのが優先か
完全に
舐められているな。
実にっこう
都合がいい。
確かに私は
魔法の極みとは
ほど遠い人の身だが、
時間稼ぎという
姑息な戦場で
負けたことは
一度もない。
だが
やりにくい
だけだ。
これは敵を
殺すための
戦い方ではない。
...やりにくいな。
何か別に
狙いがあるな。
そうか。
支配の石環の
修復か。
なら
その努力は
無駄に終わる。
...レルネン。
悪い
知らせじゃ。
そうか。
あまり
聞きたくは
ないな。
支配の石環は
正常に作動
している。
マハトに
掛けられた
精神操作魔法は
効力を失って
いない。
...それは
どういうこと
だろうね。
ならばマハトは
ヴァイゼの民に
悪意を抱けない
状態のはずだ。
だが彼は
城塞都市ヴァイゼを
黄金に変えている。
住民諸共だ。
この行為を
少しの悪意も
抱かずに出来たとは
考え難い。
エーデル。
君の見解を
教えてくれ。
魔族は
悪意という
〝言葉〟は
知っているが、
悪意という
感情が
無いんだよ。
恐らくは
悪意という
〝概念〟は
持ち合わせて
いない。
存在しない
感情は
抱けない。
魔族の起源は
言葉で人を欺き
捕食する魔物じゃ。
これは
生まれ持っての人類を
ただの習性で、
害することに
特別な
理由は無い。
魔族にとっては
人類を欺き殺すことが
生活の一部。
恐らくは
人類にとっての
食って寝る
といった、
意思をほとんど
必要としない
最低限の行為と
同列なのじゃ。
そこに
悪意を抱く
余地は無いし、
そもそも
悪意なんて
感情は必要ない。
なるほど。
これは
参ったね。支配の石環に
追加の命令は
できるか?
使用者にしか
権限が無い。
次の作戦は
決まったか?
あわよくば
討ち取れればと
思っていたが、
ああ。一旦だった
撤退する
ことにしたよ。
私の本来の
目的は
あくまで
情報収集だ。
やはり
高望みは
良くないな。
元来
私は臆病者で
いつも裏方だ。
だから
勝利の名誉は
勇敢な
旧友に譲り、
私は素直に
情報収集に
徹するとしよう。
近い内に
また来るよ。
幸い
お互いの手の内は
まだ見せ切って
いない。
仕切り直しと
いこうじゃないか。
君が
手の内の全てを
さらすまで
何度でも。
呆れて...
物も言えないな。
俺がそれを
させるとでも
思っているのか?
...君はずっと
勘違いを
しているよう
だが、
君が戦っている
相手はただひとり
私一人ではないぞ。
確かに
エーデルは決して
強くはないが、
私よりも
ずっと勇敢な
魔法使いだ。
...驚いた。
お前
俺の記憶を
読んだのか。
どうやら
また来る
必要は無くなった
ようだね。
よくやった
エーデル。
上出来だ。
十分な情報が手に入った。
十分な情報が
手に入った。
そう。
エーデルは
マハトの記憶を
読んだんだね。
とんでもない程の
精神魔法の
使い手だ。
魔族の精神構造は
人類とは大きく異なる。
そこに潜って
記憶を拾い上げるのは
至難の業だ。
そんなすごい
ことなのか?
耐えがたい
ほどの苦痛が
あったはずだ。
日没だ。
そろそろ
時間だな。
どういう
こと?
実は毎日
黄金郷に
通っていてな。
話し合いを
続けている。
マハトの記憶に
ついては
用を終えて
からにしよう。
話し合いって
誰と?
黄金郷の
マハト。
魔族との
話し合い。
つまりは
時間の
無駄だ。
それはそれだけではないでしょうがないのですが、これまではありませんでしたが、それでもないということができました。これからこういうのは、このようなことです。そうにないうですね。こと思います。
儂はずっと
それを
続けている。
藁にも縋る
思いでな。
軍星張星星
懸援破張推張整盤毘彊
露護護
第86話】話し合い
マハトと
話し合いを
しているって
どういうこと?
この地域一帯は
ヴァイゼ領主である
グリュック家の
所領だった。
儂はかずさく
数少ない
ヴァイゼの民
なんだ。
儂の村もそうだ。
儂の村も
そうだ。
ヴァイゼの民に
〝仕える〟ことと、
ヴァイゼの民に
“悪意〟を抱いては
いけないこと。
そういえば
支配の石環に
施された命令は
二つあったね。
悪意は
意味が無くとも、
...仕えるという
命令は有効かも
しれないと
いうことですね。
もしかして
マハトは
デンケン様の
命令なら
聞くということで
しょうか?
......
だから
デンケン様は
黄金郷に
入っても
無事だった...
そこまで
都合のいい状況では
ないんでしょ。
そのための
話し合いって
ことか?
それだったら
デンケンが一言
マハトに“死ね”と
命令するだけで
すべて丸く
収まるはずだ。
...その
通りだ。
魔族は元々
社会性の無い
生物だ。
儂に対して
危害を加える
ことはないが
強制力のある
命令はほとんど
受け付けない。
”仕える
という概念すら
曖昧なのかも
しれん。
そんな状況だと
わかっていて
なんで話し合いなんて
馬鹿な真似を
続けているの?
マハトが理解する
〝仕える〟の概念に
よっては
いつデンケンが
殺されても
おかしくない。
儂の目的は
黄金郷を
元に戻すことだ。
マハトを
倒すことは
もちろんだが、
だからこそ
藁にも縋る
思いなんだ。
...なるほど
そういうことか。
厄介だね。
それで黄金郷が
元に戻らなければ
意味がない。
どういう
ことだ?
マハトを倒せば
黄金郷は
元に戻るんじゃ
ないのか?
術者の死後、
その魔法が
どうなるかは
魔法の特性に
よるんだ。
術者が死ねば
効力を失う
魔法もあるが、
代表的なものだと
結界魔法だね。
残り続ける
魔法もある。
大魔法使いフランメが
作り上げた結界魔法は
今でも現役のものがある。
そうだ。
万物を黄金に
変える魔法は
死後も残り続ける
魔法なんだね。
だからマハトは
決して黄金郷を
元には戻さないし、
仮に黄金郷を
元に戻せるのだとすれば
それはマハトだけだ。
奴もそれを
自覚している。
儂はマハトを
殺せない。
たとえ殺せる手段が
見つかっても、
それは
同じことだ。
マハトは
自分の命の価値を
よくわかっている。
確かに
勝てないけれども
負けることも無い、
まるで
人質みたい...
...そういう
ことだ。
だからいみ
意味が無いと
わかっていても
話し合いを
続けるのか。
黄金郷を
元に戻すという
決して叶わない
願いのために。
最悪の状況って
わけだ。
行ってくる。
ねえ。
その話し合い、
私も付いて
行っていい?
...儂の友人として
紹介すれば
マハトは手を
出さないだろう。
...それって
大丈夫
なのかよ?
だがかくしち
確証は無い。
不確定な要素に
命を懸けているのは
デンケンも同じでしょ。
そんな
不確定な要素に
命を懸けさせる
わけにはいかん。
......
確かめたい
ことがある。
私達は
勝算を探して
いるんでしょ?
それには
マハトを直接
見る必要が
あるんだ。
無駄な話し合いを
続けるよりも
よっぽど建設的な
選択肢だと思うけど。
わかった。
二人はここに
残って...
共に行こう。
私達も
行きます。
いいの?
シュタルク
震えて
いるけど。
フリーレン。
俺は昔から
逃げ足だけは
自信があるんだ。
葬送のフリーレンB
ただいま
今の内に
謝っておくから。
いざというときは
俺が全員抱えて
逃げてやるよ。
?
大袈裟だね。
ただの
話し合いだよ。
何も
起こらないし、
起こす
つもりもない。
怒らない
でね。
そちらの
方々は?
お待ちして
おりました。
どうぞ
中に。
お初にお目に
掛かります。
丁重に
扱え。
友人だ。
儂のゆうじん
仰せの
ままに
私は
グリュック家
魔法指南役の
マハトです。
初めまして
ではないよ。お前と戦っている。
・私は600年前に一度
とんだ
ご無礼を。
葬送のフリーレンロ
そう。
やっぱり
覚えて
いないんだ。
思い出させて
あげようか?
やめろ。
儂らは
話し合いに
来たんだ。
どうぞ。
失礼
致しました。
冷めない
内に。
茶器等は
黄金に
変えないように
しているのです。
おい。
フリーレン。
何が?
グリュック様が
お好きでしたから。
おっ始めようと
してただろ?
........
心臓に悪い...
つもりだよ。
なんの
怒らないでって
言ったでしょ。
確かめ
たいこと?
興味深い
ですね。
何か
わかり
ましたか?
確かめたいことが
あったんだよ。
うん。
やっぱり
勝てないことが
わかったよ。
そしてお前が
完全無欠じゃ
ないことも
よくわかった。
...デンケン様。
彼女は?
魔王様を倒した
勇者一行の
魔法使い。
そうですか。
フリーレン様。
実に
懐かしい。
実に懐かしい。
昔から
デンケン様は
勇者一行の冒険譚が
大好きでしたからね。
葬送のフリーレンB
随分と
他人事のように
語るんだね。
魔王の敵討ちとか
考えていないの?
おい..
そうですね。
純粋に
どうでもいい。
忠誠心など
あってないような
ものでしたから。
そもそも私は
本当に戦いが
嫌いなのです。
私の願いは
ただこの地で
平穏に暮らすこと。
今の貴方方の
ように。
元々私は
魔王軍の中でも
穏健派で、
共存の道を
探して
きました。
なのに人類は
いつも私に争いを
持ち込んでくる。
支配の石環を
着けられるよりも
前からです。
どうだか。
そんな台詞は
いくらでも聞いた
ことがある。
もう数えるのも
やめるほどに
息を
するように。
言い得て妙
ですね。
魔族は
息をするように
嘘をつくから。
ですが私は
嘘は言って
おりません。
デンケン様。
エーデルを通じて
私の記憶を読んだのは
わかっています。
ああ。
マハトは
人類との共存を
望んでいる。
嘘は
言っていない。
なら尚更
駄目だ。
貴方であれば
これが私の
本心だと
わかるはず。
お前は
危険すぎる。
共存を謳って
おきながら
黄金郷を
戻さず、
侵入者を
容赦無く
殺している。
そして何よりも
お前からは
死臭がする。
それ程にまで
お前は人を
殺めてきた。
逆に
疑問なの
ですが、
人類との
共存を望んで
いるのに何故
殺し続けるの?
何故
そんなことを
聞くのですか?
ああ
っぱり
この話し合いは
本当に時間の
無駄だ。
うん。
よく
わかったよ。
魔族は
絶望的なまでに
わた!
人類とは
違う生き物だ。
わかり合えない
決して
ことが、
よく
わかった。
帰ろう。
...今日は
このくらいに
しておこうか。
帰ろう。
...ねぇ
マハトとは
どんな関係
だったの?
彼は領主である
グリュック家の
お抱えの魔法使いだ。
そして儂の
師でもあった。
随分親しい
ようだったけど。
ソファ
やっぱり食べ
硬ぇ...
お尻
痛い...
第87話1好意
葬送のフリース
マハトは
儂の師でも
あった。
儂が幼少の頃から
様々な魔法を
教わった。マハトは
魔族では珍しく
人類の魔法も
多く使えたからな。
幼少の頃、待って。
から?
デンケンって
今、何歳なの?
年数が
合わない。
今年で
78になる。
支配の石環が
マハトに
着けられたのは
60年前でしょ。
マハトが
ヴァイゼの
領主である
グリュック様に
仕えたのは、
今から
80年以上前だ。
支配の石環が
着けられたのは
その20数年後になる。
だがマハトに
非があった
訳ではない。
当時
大きな政治的な
問題があってな。
その
結果だ。
現にマハトは
支配の石環を
着けられる前から
友好的だった。
少なくとも
グリュック様の命に
逆らったことは
一度もない。
儂は支配の石環なんて安全装置すら必要ないと考えていた。
儂は支配の石環なんて
安全装置すら
必要ないと考えていた。
今考えれば
異常な状況だな。
あの頃の
城塞都市ヴァイゼは
魔族との共存を
実現した都市だった。
それで
フリーレン。
......?
マハトとの
話し合いで
勝算は
見つかったか?
:残念ながら
デンケンと
同じ結論かな。
現状では
マハトには
勝てない。
私達はいつ
黄金に変えられても
おかしくなかった。
そうか。
葬送のフリーレンB
なのに盛大に
喧嘩を売った。
.......
フリーレン。
何か
隠しているな。
隠している
訳ではないよ。
確信が
ないだけだ。
勝算というには
不確定要素が
「多すぎる。
デンケンだって
その程度の勝算は
掴んでいるんでしょ?
そのことに
ついてだが、
まだすべての解析が
終わっていない。
マハトの記憶を
読んでいるん
だから。
どういう
こと?
エーデルが
読み取った
マハトの記憶は
今から
100年前まで。
記憶の量が
膨大なんだ。
100年分の
記憶か。
触れただけで
それほどの
記憶を
読み取ったのか。
葬送のフリーレンB
本当に優秀な
精神魔法の
使い手だね。
わかった。
わかった。
その作業
手伝うよ。
儂一人では
詳細を解析
するのに
時間が掛かる。
そんなことが
出来るのか?
精神魔法は
あまり得意では
ないけれども。
相手が協力して
くれるので
あれば、
記憶の共有や
解析くらいなら
出来る。
ありがとう
フリーレン。
恩に着る。
マハトを
討つための
勝算を、
共にきおく
記憶の世界から
導き出そう。
実に有意義な
話し合いだった。
お共存を望んでいるのに
何故殺し続けるのか?
素晴らしい
質問だったよ。
その感性の違いを
理解することこそが、
人類との共存の
道しるべになる。
フリーレン。
そしてそれは
俺の目指す
所だ。
今頃は
デンケン様を
通じて、
フリーレンに
記憶が渡っている
頃だろう。
好きなだけ
俺の記憶を
見るといい。
そして
共存のために
殺し合おう。
フリーレン。
俺の探し求めていた
答えを見せてくれ。
切っ掛けは
本当に些細な
ことだった。
それは
いつもの
日常風景。
魔王様に
命じられ
人類の村を
一つ滅ぼした。
今までに
滅ぼしてきた
多くの村落の、
その内の
たった一つ。
その村の神父は
悪意〟だの
ン、
“罪悪感”だの
そんな言葉を
まくし立てた。これもまた
これもまた数えきれないほど聞いた人類の死に際の言葉。
数えきれないほど
聞いた人類の
死に際の言葉。
だがその神父は
今までに殺してきた
人類とは何かが違った。
...どうした
突然黙って。
命乞いを
続けないのか?
...そうか...
...わからないのか...
...なんと
いうことだ...
可哀相に...
そのとき
ふとした疑問が
湧いた。
言葉としては
知っていても
俺はその感情を
知らないと。
恐怖は
わかる。
怒りも
わかる。
あれは
悲しみだ。
わかる。
この感情はちぃ
殺意。
怒りや
憎しみから
くるものだ。
それも
わかる。
だが
〝悪意〟とは
なんだ?
魔族には、
人類にあって
当たり前の
なんらかの感情が
欠落している。
罪悪感〟とは
なんだ?
それは
なんだ?
俺は生まれて
初めて人類に
興味を持った。
もっと
知りたいと
願った。
殺し合え。
生き残ったほうを
見逃してやる。
相手を
理解したい。
これは
好意だ。
この感情も
知っている。
俺は人類のことが
好きになった。
「葬送のフリーレン町・完ー
葬送のフリー!!
ソリテールよ。
マハトだっ
言葉で
表せ。
俺にその
感情を
教えてくれ。
マハト。
ウァイゼの
敵を討て。
利用価値が
私には
ある
私た
悪意に触れた
男はそういない。
私ならお前の
知らない感情を
教えられる。
七崩賢
黄金郷のマハト。
...シュラハト。
南の勇者を
討つのに
協力して欲しい。
マハト。火を。
これが本当の
何せの
ままに
お前は
強いのか?
七崩賢の
中では最も。
グリュック様。
地獄の底まで
付き合って
くれるのですよね。
もっと食べ
させようぜ
よく噛んで
食べて
くださいね。
そう
ですね。
さあ、
共存のための
殺し合いの
始まりだ
やめて
よお...
させてやる。
この世に
不可能は
ないって
好きな
食べ物とか、
どんな境遇で
育ったのかとか
お仕事!!
なんなびんとか
IIIESTRATIONノアベツカサ
COYBRDESIGX/〈石沢将人+ベイブ
カバー表紙折り返し
カバー裏表紙折り返し
お天
...ぁぁ、四百二二人
nanアベツカサ
本体表紙
本体裏表紙
勇者ヒンメルの
死をきっかけに
"人を知る。旅を歩む
魔法使い・フリーレン。
目指すは
"魂の眠る地"
魔王城がある場所。
北部高原へ進み、
遭遇するは
七崩賢・黄金郷のマハト。
物語は、
黄金都市に残る
記憶を投影する。
英雄たちの
普日。を描き出す
後日譚ファンタジー!
...
K.ANEHITOYAIADA&TSCKASAABEPRESENTS
カバー裏表紙
201
PCB、
«...山一田鶴人
...アベツカサ
素送のフリン
勇者ヒンメルの
死をきっかけに
死を知る」旅を歩む
魔法使い・フリー
・魂の眠る指...
魔王娘がある場所...
北部高城へ進み、
七凪賢・黄金郷のマハト・
黄金都市に残るときに
記憶を投影する。
英雄たちの
当日”を描き出す
後日調ファンタジー!
こそこ山田鐘人。
この『アベツカサム』
あ、そういう
......
mmアベツカウ
でも山田美人や
そこアベツカサル