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テルマエ・ロマエ
ー、ヤマザキマリ
36,72,104,140,1
・
第1話...
第2話...
第3話...
第4話...
第5話...::
ローマ&風呂、わが愛
13
・75
第1話
【HITECTVS
この案が
使えないとは
どういうこと
なのかッ!?
単刀直入に言うが
君のアイデアは
いかんせん古いの
だ......
この手の
公衆浴場は百年前
に流行したもの
ではないか?
...なっ
なに!?
だっだから
私は更にその
裏をついて
...君個人がそう感じて
いるからと言って
果たしてすべての
ローマ市民が
同じことを思って
いるだろうか?
......
...今のローマが
求めているのは
斬新さなのだよ
見たまえ
今のこの
ローマの街を!
こうやって
現代社会の忘れた
古き良き時代を再現
しようと思っている
のではないかっ!?
皇帝自身が
ギリシャの
アクロポリスを再建
したほどの優れた
建築家ときたもの
だ.....
ハドリアヌスが
皇帝になって以来
次々と斬新な建造物
が増えだした...
この現状に
馴染まない
いい加減なものを
作ると命取りにも
なりかねない
君の言わんとする
こともよくわかるが
こちらも道楽で建築
事務所をやっている
ワケではないのだ
いっ...
いい加減な
ものだとッ!?
アテネにまで赴き
最高の建築技術を
習得してきた
この私の案が
いい加減なもの
だと言うのか!?
そうは言っていない
...ただ私のところで
君の案を採用する
ことはこれ以上できぬ
と言っておるのだ
......
私を失った
ことで後悔を
するなよッ!!
愚か者め!
きゃは
建国から
約八百年...
確かにこのローマが
かつてこれだけ豊かだった
ことはないだろう...
街のあちらこちらには
匹・五階建ての
集合住宅が
天に向かって
そびえ立っている。
通りを
行き交う人
多種多様
一体ローマ帝国の
境界線はどこまで
広がったのであろうか...
世の中は
景気が良くても
私にとっては
住みにくく
なるばかり...
お?
ルシウスじゃ
ねえかっ!?
よオッ!
どうしたい
浮かない顔
してっ!?
いや...
ちょっと
考え事を...
ははァ
さてはまた
カミさんと
ケンカ
したな?
それより
焼き鳥
喰うかい?
...実は
マルクス..
先ほど
失業して
しまってね...
これを機に
焼鳥屋でも始めようか
と考えながら歩いて
いたのさ...
おぃおいおいッ
教養人がなにを
ヤケっぱちなこと
言ってやがんだよ
え!?
ならどこか他の
事務所にでも
行けばいいじゃ
ないか!?
そんなもの
今のローマには
あふれるくらい
あるんだし..
いや私は
もうこの業界では
お払い箱なんだよ
マルクス!
なァルシウスよ..
そんなにクサらなく
てもお前を雇って
くれる所は必ず
あるって!
あーそうだ!
これからひとっ風呂
浴びに行ってよ
スカ〰ッとしようぜな!?
汗たっぷり
かけよーッ
うーむ...
ダンナ
随分
出ます
ねェ
菓子ッ
菓子は
いらんかね
ーッ!?
脱毛ッ
!!
...
いつ来ても
騒々しい
浴場だ...
あっ
そうだオレ
今日脱毛して
もらおっかな?
ハーイ
ハイハイッ
オレ脱毛
頼みますッ
ワキの下
キレイに脱毛
いたしますよッ
風呂は
リラックスする
ためのものでも
あるべきなのに::
.....
毎度ッ!!
あっおい!!
ルシウス!?
湯の中に入るしか
静けさを感じられ
ないなんて
とんでもない浴場
ではないか...
ん?
なんだ
あれは?
妙な排水口
だな...
とのような
仕組みになって
いるのか調べて
みよう
ここから
排水された
湯がどこか別の
場所に流れて
いるのか?
おっ...
なんなんだ!?
この吸引力は!?
ぐわぼっ!?
蝋を!!
剣がし
ますよ~~
ぐほぼぼぼん
コホーッ
いってッ
すっ...
水面!?
ぐあはっ
いやかが
ぷふァッ
ハアッ
ハァッ
ハァッ
じょぼま
ハァッ
なっ...
くるっ
なんなんだ
ここは
一体!?
ひッ
こっ...
れはっ...
ポンペイの
ヴェスビオス火山
ではないか!!
ちょ...
ちょいと
......
おメエさん
外人さんよ...
.....
あんた
ずーっと
湯船の底に
沈んどった
のかね?
......
ローマ人
じゃない...
わしゃ
気づかん
かったが
大丈夫かいの?
ああそうか!!
ここはおそらく
奴隷用の公衆治場で
さっきの場所と
隣接しており、
...
困ったのう
言葉が
わからん
ようじゃ
?
連れは
いないの
かい?
私はうっかり
入り込んでしまったのだ!
顔が
こちたち...
あそこで排水した湯が
この平たい顔の奴隷達の
つかる風呂に流されている
という仕組みなのだな...
なるほど
な.....
湯あたり
すると
マズイから
外に出たほうが
ええんじゃ
ないかのう?
ちょいと
外人さん
ここはローマ人の
入る浴場ではないので、
出て行ってくださいと
言っているのか?
ね
外
出る
まあ、その言い分も
もっともであろう...
ここは奴隷達が
唯一くつろげる場所
なのだからな...
外
それにしても
随分と文明の
発達した様子の物が
あるではないか?
今まで見たこともない
素材で出来ている...
やっぱり
日本の風呂
ってのは
珍しい
もんかい?
なんという
美しい黄色
なのだ...
国の土産に一個
持ってっても
いいかどうか
訊いてみて
やろうか?
.....この男は
なにを
ヘラヘラと
笑いながら
訴えているのだ...?
世界に名だたる
ローマ人のくせに
こんな物を作る
技術もないのかと
バカにして
いるのだな!?
ここの主人はオレの
幼馴染みだからヨ
こォーんなオケの
一個くれえ気前よく
くれるはずさ!
さ
......
......
奴隷の分際で
ローマ人を
バカにする
とは......
あら
サダちゃん
いらっしゃーい
ちわーっス
今日も暑くて
ヤんなる
ねーッ
あああ...
なっ
オバチャーン
ちょいと頼みが
あんだけどサー
なんという
文明度の
高さ...
きょ...
巨大な
一枚板の
鏡...?
...
「アショウ
まったく
驚くべき
奴隷達だ...
ほほう...
この中に衣類を
入れるのか...
これなら
我々の技術でも
複製が可能か...
この奴隷風呂
.....
しかもこの
催し物の告知の
絵の完璧さ...
こんな技を
持った職人が
存在するなんて
..
大きさや豪華さだけが
重視される今の治場から
よりシンプルに
しかしより多機能に!
温浴室には美しい
ヴェスヒオスヅのと
ナボリ湾の壁画を用い
脱衣場には
巨大な鏡と
催し物の告知...
斬新さを
求めている
今のローマに
ヒッタリでは
ないか!!
使えるぞ!
ん?どうしたい
兄さん?
もしかしてあんた
服が見つかんねぇ
のかい?
アイデア
すぐマルクス
に知らせたい
......
おはようございました
それじゃ、いいのですか
えっ!?
オバチャーンッ
オバチャーン!!
この外人さんの
服が見あたら
ないってんだ
けどさー
...?
私はただ友人を
連れてきても良いかと
訊ねただけなのに
このうろたえ方...
いやァ~
オレにゃあんたの
服のことは
わからんな~~
浴場のスタイルを
マネされては困ると
慌てているのか...!?
この平たい顔族が
風呂文化を殊の外
大切にしていることは
よくわかる...
わかんない
かねー?
しかしこうして
ローマの一部分に
なってしまったからには
我々ローマ人がその文化を
吸収する権利があるということを
彼らは知る義務がある!!
困ったわねー
あたしもさっき
お父ちゃんと交代
したばっかりで
わかんないわァ~
お父ちゃんは
バチンコ
行っちまった
しねェ
弱った
なあ~
あッ!?
いよい
兄さんっ
どこ行くん
でいッ!?
あんた
そんな素っ裸で
外には出れねぇ
よ!!
...
なんとでも
わめくがいい
奴隷達よ..
早くここを
マルクスに見て
もらわねば...
早まんな
兄さんッ!!
他の誰かが見つけ出す
前に動き出して
私を解雇したあの事務所を
存分に後悔させて
やろうではないか!
鉄は
熱いうちに
のけ!!
入り口の
日よけ布か...
この条も
いただいたぞ!
んもオ
やだァ
ねェ~
クスクス
兄さんよっ!
悪いこたァ
言わねぇから
中に入んなッ!!
もっぺん
よく探して
みような!?
オエッ
うわッ
大丈夫かい
兄さんっ!!
どう
したのサっ
外人さん
具合悪いっ
てサ!!
今まで嗅いだ
ことのない
空気の匂いに
思わず吐き気が
こみ上げてきた...
ローマの街が一瞬のうちに
この平たい顔族に
侵略されたわけはなく
どーした
どーした
のぼせたん
じゃよ!
...となると
私自身の身に
なにかが起こった
ということになる!
服は盗まれ
ちまったっ
てこと
かい!?
もしこのまま
帰れな
かったら...
どうしたらいいのだ!?
服の他にも大切な
もんがいろいろ
あったんじゃ
ないの?
...あんなに
落ちこんで
気の毒に...
兄さん
兄さんッ!!
ホイッ
ニッポンの
銭湯に
来たら
これは飲んで
おかねえ
と!
こくっってっっこ〜っ
フルーツ
牛乳ッ!!
カッハーッ
うんめェッ
さァさァ
遠慮しな
さんな!
お味をして
くれたから
危険はない
だろう...
ホ~レ
兄さんの
分!
栓抜いた
ヨ!
これ
飲んだら
スキッと
するヨ!
そうだ...
とりあえずは、
この喉の渇きを
潤さねば...:
美味いッ!!
しかも
冷たくて
甘い!!
牛の乳に
温帯の甘い果実の
沐が加わったかの
ような風味..
雪のような冷たさ..
湯上がりの
火照った体内に
染み込む
柔らかな味...
湯上がりの火照った体内に染み込む柔らかな味...
ああこの甘みが
夢心地にさせて
くれる...
この世の
物なのか!?
それで
ちょいとは
気分がよくなりゃ
いいけどな!
気に入ったん
ならもう
一本開ける
かい?
あら?
おいッ!?
...目を
覚ましたぞ
ルシウスッ!!
......
大丈夫かッ
ルシウス
ッ!!
...あれ?
...あの平たい
顔の奴隷は?
......
オマエずーっと
浴槽の下に沈んで
たんだぞッ
なに
言ってんだ
水飲んで
目を覚ませっ
オマエ頭に
血が上ってん
だヨッ!!
...夢?
だったの
か...?
ホレッ
こんっ
夢だけど
夢じゃなかった!!
なんでもそこで
風呂上がりに出る
飲み物ってのが
この世の物と
思えないほど
美味いらしいな!
そういえば
この間
ここの近所に
新しい浴場が
出来ただろう?
ああーあの
ヴェスビオス火山
が壁に画かれてる
浴場のことかい?
へえ~
今度行って
みようかな
ほほう...
ここに脱いだ
衣服を入れて
おけばよいの
だな?
見張りの
奴隷が
台に座って
見ててくれ
るので安心
ですヨ!
おお~
これが今週の
見世物の
告知か!!
風流
じゃのう
~~~
アこれって
オレがこの間
観た喜劇だ!
ヴェスビオス
火山には
ナポリ湾...
ナポリ湾には
やっぱり
松の木
ですよね〜
ハイッ
並んで
並んで!!
こちら
果汁入り
牛の乳飲料です
お一人様
一本までで
お願いします!
横入り
すんなよ
この!
一本
......
失業してあんなに
落ちこんでたオマエが
今じゃローマで
大人気の建築家と
きたもんだ一体
なにがあったんだい?
$マルクスには悪いが
とてもあの経緯を
説明できる自信は
私にはない:
いやァ~
すっげえなァ
ルシウスよ!!
大繁盛じゃ
ねえか!!
......
それに私としては
まだまだ納得の
いかないこと
だらけなのだ...
は~
ルシウス様!
牛をもう一頭
調達しませんと
乳の量が追いつき
ません!
例えばこの壜も
あの世界で
作られた物は
恐ろしいほど
完璧な形...
なのにここでは
ローマ人の
職人の技を
もってしても
これが限界だ...
今日は暑いな...
これ
もう少しだけ
冷えてたら最高
なのになァ
なぜ
あの世界では
この飲み物は
あんなに
冷えていたのか:
一応地下水で
冷やしては
いるのだが...
そして運ぶ時に
中身がこぼれないように
鼻の口に蓋をして
みたのだが...
三枚重ねの
ベビルス使用
これが開ける時
どうも今ひとつ
不便
なのだ...
うわッ
指が入っち
まったヨ!
...わしのは
上の皮だけ
剥けよった
わい...
あの時
あの平だい顔の男は
なにか小さな道具を
使って...
「スッボン!!」と
簡単に蓋を
開けたのだ...
恐るべし
平たい顔族
スッホン・
彼らから
学び取るべき
ことはまだまだ
山のように
ありそうだ...
ホイッ
スッポン
あっそーだ!
ルシウス
前にオマエが
沈んだ浴場
でさ...
浴槽の中に
でっかい穴が
見つかって
危険だから
取り壊すことに
したん
だってよ!
なに
!?
......
?
どうしたの
ルシウス?
おいッ
どこ行くんだ
ルシウース!!
せめてあの
「スッポン」が
どうなってんのか
もっかい確かめて
くるッ!!
一マ&風呂、わが愛
事を止めるとこの後の時間を昼食と
昼寝に当てるか、または公衆浴場に
行くかして過ごしていました。どん
な小さな規模の古代ロール連跡にも
欠かすことなく現れる治場跡地を見て
ていると、ローマ人にとっての公衆浴場
は二昔前の日本人の銭湯に果てしな
く近いものだったという確信が遡りて
さます。彼らにとってもお湯に浸かる
事は生活の要だったのです。
入浴料金も当時の物価にしてみ
れば大変安かったそうで、余程貧し
くない限りは誰でも足を運ぶことが
できたわけです。誰でもというのは
奴隷、一般の人、裕福な人、皇帝に
至るまでの「誰でも」です。これらの
人達が皆無防備な素っ裸姿で湯に
浸かっている様子は、まるで夢のよう
代ローマ人達は一日を日の
「出と共に始め、そして午
後の1時頃にその日の仕
でしょう。
外でどんな揉め事があろうとも、
公衆浴場という場に来てしまえば皆
にデモクラティックな光景だったに違い
ありません...まあ確かに是平レベル
の人やお金持ちの人たちは日分達の
家にも備え付けの浴室を持っています
したから、そう毎日毎日公衆浴場へ
通っていたというわけではないと思う。
のですが。
それでも中には浴場における様々
な役割分担を担った奴隷達を辿れて
浴場に足繁く通っていた椅根な人々
もいたようです。せっかく素晴らしい
公衆浴場があっちこっちにあるのです
から、狭い自宅のお風呂ではなく広
い所でゆっくり、時にはそこで売られ
ているお菓子や飲み物〈水で潜めた
ワインとか〉をいたださながら、誰か
とお喋りなんかして楽しい時間を過
ごしたいという気持ちちも湧いてくるの
Tivolitaly
ハドリアヌスの別荘敷地内の大浴場
そしてせん。
素っ裸になって食く権利を認め合う
ローマ人。
以前中東のとある街でハシマムとい
う古代から続く蒸し風呂スタイルの
浴場へ行ってみたことがあるのです
だが、普段思い布で全身を覆って目だ。
けしか見えない女達がその場では全く
具裸になって楽し気に集っているその
様子を見たとたん、一気に自分の中の
緊張感が解れたのを思い出します。
暖かいお湯を囲んでの裸の付き
合いは平和の一原見なのかもしれま
ちなみに私が今ボルトガルで住んで
いる家には浴槽がありません。取り
付けてもらおうと見積もりに来ても
うったら床が抜け落ちるから止めた。
方が良いと言われました。
それでも湯に浸かりたい願望を捨て
てきれない私はホームセンターで買って
さたプラスチックの幼児用浴槽をシャ
ワールームに隙いて、そこに渉を溜め、
体を「ん」の字にして腰から下とや
くらはぎから下だけお風呂感覚を無
理矢理感じています。。絶対に誰にも
見られたくないアホな光景ですが、
それでもやらずにはおれないのです。
そして、そんな不便な立場に置かれた
たのが例え私ではな〈二千年前の古
代ローマ人であったとしても、間違い
なく同じ事をやっていたと思います。
冷場の排水溝(Tivoliliay)
古代ローマ時代の下水道
(ialica-Spain)
紀元i29年F一マ
第2話
あのなー思うに
オマエのその
クソマジメさが
ダメなんだよ
ルシウス!!
そうそう
マルクスの
いう通り!!
カミさんと
ケンカした
ぐれえで
この落ち込み様
だもんなッ
...
干渉しないで
くれないか
きゃ
ホラッ
ルシウス
こんなのどう!?
オレなら
そんな時に
気晴らしに
女の子でも
見つけて
楽しむぜ!?
.....
いやん
オマエ
いらないなら
オレ
もらっちゃう
よォ!?
ヒヒ!
ここか..
......
ルシウス・
モデストゥス
建築技師の
ルシウス・モデストゥス!!
こちらに居たら名乗り
出て頂きたい!!
建築技師
ルシウス・
モデストゥス!!
私が
ルシウス・
モデストゥス
だが...
私は
レピドゥス執政官殿
の使いの者である
...?
ルシウス・
モデストゥスは
居られるか!?
レビドゥス殿より
これを預かって
参った
害状...?
......
馬はこちらで
手配をいたして
おる
そこにも
書かれている
のだが...
早急に
カンパニア州の
教政官殿の別荘へ
赴かれて頂きたい
明日...
......
おいっ!?
いったい
どうしたよ
ルシウス!?
何があったんだ!?
え!?
技師には
今夜とはいわず
とも明日には
ローマを発って
頂きたい
これでまた、妻の
機嫌が悪くなること
間違いなし...
許せ妻!!
執政官の
呼び出しならば、
断るわけには
いかない!!
ローマ人は
ローマの掟に
忠実に従って
生きるべし
こちらで
ご主人様が
お待ちで
ございます
執政官殿
......
おお...
そなたが
ルシウス..
高名な浴場
設計技師が...
遠い所を
呼び出して
悪かったのう!
実は..
書状にも
書いたのだが
どうしても
早急にそなたに
頼みたいことが
あったの..
数ヶ月前わしが
まだ立って動くことが
できてた頃
ローマの街で
たまたまそなたが
設計したという
浴場を訪れての...
この家の
屋外に浴場を
作ってもらえない
だろうか...
これは
ヴェスビオス
火山では
ないか...!
雄大で美しい景観の
昼間を眺めながら
湯に浸るという斬新な
発想には深く感心した
パッラス!!
おおっ!?
!!
e
はっ
そこの
鎧戸を開け
なさい!
ッコ、
こっ...
これは!!
フフフ...
本物の
ヴェスビオス山
じゃよ...
わしはこの
別荘でこの山を
見て育ったのじゃ
そんな
わしの命も
残すところ
あとわずか...
できればその
わずかな余生で
存分に生きる喜び
を味わいたい...
わしのその
ささやかな希望を
かなえては
もらえまいか...
......
ゴホッコホッ
大好きな風呂に
浸りながら大好きな
山は眺めたい...
ルシウス技師
....!!
屋外に...
浴場だと!?
私の作った
あのローマの浴場が
執政官にとんで
もない着想を...
もたらして!
しまった
ようだな...
凄い草の
茂りようだな
......
この辺
ご主人様の
ご意志で
一切手入れは
していないのです
そこの木の爽へ
行くと山が良く
見える場所に
なります...
これか?
ブールは水を貯めた
浴槽を外に投置すれば
それで済むが...
浴場とは本来
室内に設営
されるべきもの...
......
風呂は
湯を沸かさねば
ならない...
いかが
ですかっ?
うむ
なるほど...
確かに
素晴らしい
景観だな...
はいッ!
......
壁面などではなく
この景色を目のあたり、
にして風呂に浸りたく
なる気持ちが
解らないでもない...
しかし...
ここに水道を引いて
建物を建て、湯を
沸かすとなると
大事になるな...
はあ...
でも
ルシウス殿
別荘の水は
カンパニア州を巡る
アウグスタ水道から
引っぱっているのか?
水なら
水道管など引か
なくてもそこに
湧いておりますが...
ええ
そうです
何ッ!?
おお?...
これはまた
大した水量
ではないか!?
湧き水が
あるのか!?
はあ
はあー
この前はまだ
このように大きく
なっては
いなかった
のですか...
ふむ...
これだけの水が
湧くのであれば
わざわざ水道管を
引っぱってくる
必要はなさそうだ
ここから
うまく汲み上げて
ん!?
何でも五十年前
ヴェスビオスが噴火
した時からここに
湧き出してるん
だそうですよ
魚は一匹も
いないようなので
どうも只の水では
ないと噛して
いたんですが..
......
温かいでは
ないか!!
うわッ
ルシウス殿
何してるん
ですかッ!?
む.....
こっちへ来ると
どんどん熱くなるぞ!!
噂でイタリア半島には
何カ所か火山で
沸かされた地下水の
湧き出る所があるとは
聞いていたが...
まさか
こんな所にも
その熱された地下水が
あったとは...
源泉を
つきとめたい
ところだが...
あッ
おわっ
ルシウス様
っ!!
これは意外にも
かなり深い泉の
ようだな...
水温も底の方が
熱いようだ...
.....
取りあえず
外に出なくては
む:??
水面が
見えない!?
いや:そうじゃない
水が濁っているのだ。
これも地底の
マグマの
せいなのか...?
とにかくこの湯は
そのまま浴場に
引いて使えるぞ!!
ブハァ
ゴホッ
よし
水面だ!!
ハアッ
.....
レグルス
すごいぞ!!
この湯があれば
湯焚きの奴隷も
いらぬかもしれぬ!!
.....
おいっ...
サワ
レグルス?
いや~~~っ
あ
わ
あ
なななん
なんだッ
貴様らはッ
ここから
出て行けッ!!
キキキィ
この
無礼者めッ!!
あ!?
ぎゃっ
コラーッ
ダメダメ
ダメ〜ッ!!
キホァ
何を
するかーッ!!
しーッ
しーッ!!
散った
散ったーッ
ねー
ちょっと
お客さんさー
困るんだよ
ね〜ッ!!
ここはねェ
サル用のお風呂で
人間は入っちゃ
ダメなんですヨッ
......
外人さん?
あー日本語
わかんねーか
ヒヤー
モンキー
オンリー!!
デスイズ
モンキーバス
オッケー!?
平たい顔族
そうだ
まちがいない
明らかにこれは
平たい顔族だ!!
ユーはあっち!!
あっちが人間のフロ!!
こっちは
観光用に
旅館が作った
サルのフロ!!
こ...この人種はもしや・
まさか:・
私は再び
あの高度な
文明社会に
オッケ!?
戻って
来れたのかッ!?
これは
一体全体
どういうことだ...。
考えられることは
さっき泉の中で滑って
転んだ時...
前回もそうだったが
水の中を通じて、この世界に
入り込めるということか...!?
人間は
棚の
向こう側
のやつ
だから!!
......
平たい顔族が
湯に浸っている
ローマでは未だ存在しない
屋外浴場がここでは
当然のように定着し...
しかも
こんな動物でさえ
湯に親しんでいるなんて
信じられないことだ
......
オッケ!?
...そしてこちらは
あのサルに似た
奇妙な生き物の
浴場...
うむ...
こうしては居られない!!
ローマに戻ってしまう前に
しっかりとここの浴場文明を
目に止めておかなくては
あんた
服は!?
フク
あーっ
ちょっと
外人さんッ
ないの?
FUCC!
あーッもォ
しょうがねえなァ
ちょっと
待ってな!
FUCとは
何であろう...
ホラこれ貸すから
後で返して下さいよ!!
ゆかた!!
......
ローマと違ってこの国では
裸体に対して何らかの
抵抗感があるようだが、
このように肌触りの
良い素材のトーカなら、
火照った体にも心地
良いな...
ローマ人に劣らす
人間としての快楽を
追求する平たい顔族:
できれば余す所なく
彼らの浴場文明を
学び取りたいものだ...
これが
人間用の
野外浴場か...
おおッ!?
何だかギリシャ
彫刻みたいのが
来たべ!!
ワハハ
ほんどだ
最近は
げーじんさんの
お客さんも随分
増えたんべー
こんな
風光明媚な場所に
浴場を設けようとする
ギリシャ人も顔負けな
美的感覚...
たしかに
壁で囲まれたッ
人工浴場では決して
感じられない開放感が
ここでなら存分に
味わえる...
見た目には
我々ローマ人よりはるかに
下等な人種に思えて
ならぬのだが
何ごとも侮れない
私もこうしては
おれぬ!!
おおおっ
入ってきた
べや!!
入り方
知ってんだべが?
何だあれは?
なる程...
どこかで痛いたこの
地下温水をここまで、
引っ張ってきているのが
さっきの
動物の場所
かもしれぬな
ところで排水は
この様な野外浴場の
場合一体どうなって
いるのだろう...
調べるだけ
調べなければ
この装置自体は
いたって
原始的だが
あの外人さん
日本の露天に
初めて
入ったん
でねべか?
んだなァ
あんの様子だと
間違いねえべ
そうかッ
川に排水して
いるのかッ
......
我々ローマ人が
水道だの巨大建造物の
開発にうつつを
抜かしている間に
平たい顔族は
しっかりと原始的理点の
便利さにも視線を向けて
こんな画期的な屋外風呂を
作っていたとはツ
......
しかし他民族の
学ぶべき文明を
学ぶのは明日の
ローマの為!!
今はとにかく
ローマ人としての誇りに
揺らぎを感じている
場合ではない!!
何だあれは...
.....
これもまた
何かの装置であろうか...。
ポコ
玉子!?
ワハハハ
外人さん
温泉玉子
見づけだァ
バハハハ
玉子喰わして
やるべ!!
外人さん
ほんれここに
中身さ出したの
あるべよォ!!
うんめえよォ?
温泉玉子ォ!!
外国には
あるんだか
どうだか
知らねえけどよ
パクッと
スプーンでな
パクッと
食べろという
意味だろうか
これがこの熱された
地下水で茹でた
玉子の中身なのか...
毒では
なさそうだ
っまいッ...
いやっ
これッ
サケも
あるべや
何だツこの食感は!?
半熟の様でそうでは
なく...
こんなうまい
茹で玉子ローマ広し
といえども
存在せぬぞ!!
ううむ...
もう一個もらえ
ないだろうか...
外人さん
せっがぐだろ
これも
飲んでげ!
飲み物!?
かなりきつい
発酵臭が
するようだが
外人さん玉子
気に入って
くれだみでえ
だあ!!
ワハハ
これが日本の
露天風呂の
楽しみ方ってもんだべ
毒じゃ
ねえから
くいっとな
くいっと
くいっ
うまいッ
玉子に
すごく
合うッ!!
私はローマ人だけが
この世にあり得る快楽の
全てを知り尽くしている
のだと信じて
疑わずにいたが...
おおッ!?
何なんだ
このとてつもない
心地の良さは
外人さん
いげるクチだな
ァ〰
うははッ
板に付いて
きたんで
ねえの!!
どんら
もお一杯
!!
それは
間違いだった
らしい:
ほんれ
玉子の
おがわりだ!!
外人さん
気持ち
良さげ
だんべ
私としたことが
だんだん収拾のつかぬ
感覚に陥ってきたぞ...
どんな状況でも
バランス感覚を
失うのはローマ人と
して絶対にあっては
ならぬこと...
ほんれ
食べれっ
ワハハ
あの男性には何が
長い乳房の様なものが
ついていたが:
気のせいだろうか?
外人さん
さっきから
オラのチチば
じ〜っと
見つめてるべ!!
こっぱずかしい
いかん!!
今の私のこの頭では
判断力はゼロだ!!
一つだけ
確かなことは
連中はローマに
匹敵する感覚の
持ち主だということだ
ワハハハ
女だと思わん
かったんだべ!?
彼らから
学び取れることは
際限がない...
あ...?
また...か?
こんなババアで
残念だったア〜!!
いつそこの国に
密学したいくらいだが...
ルシウス殿!?
大丈夫ですかっ
!?
しっかり
して
下さいッ
ルシウス
殿!!
ルッ...
ルシウス殿!!
起き上がっても
大丈夫なん
ですかっ!?
......
またあつけなく
終わってしまった...
レグルス
すぐに
野外浴場建造の
準備に取り
掛かるぞ!!
え...!?
あっ
はいっ!!
鉄は
熱いうちに
叩くのだ!!
楽しみながら、・OPOST
(暫く後
執政官殿!
ローマより
ルシウス技師が
お見えになって
おります
そうか!!
こちらに通し
なさい!
お陰様で
ルシウス技師が
お造り下さった
屋外浴場にお入り
続けられてる
うちにすっかり
お元気になられ
まして...
...その後
レピドゥス殿の
ご健康状態は
いかがですか?
本当にルシウス技師の
素晴らしきご才能には
ご主人様も心底感心
なさっておられます
......
私にしてみれば
所詮あの世界を
マネしたに過ぎぬのだが...
これは
レピドゥス執政官殿
ごぶさたを
しております
ここじゃよ
ルシウス技師!!
遠いところを
呼び出して
悪かったのう
!!
レッ...
レピドゥス
執政官!?
ワッハッハツ!!
お前様のお陰で
風呂で死ぬつもり
だったのが
逆に新しい妻と
子供を増やして
しもうたわい!!
いや全く
これは本当に
素晴らしい
屋外浴場じゃよ!!
そう言えれば
何よりでござい
ます...
そんな効果が
この湯にあったのか!?
お前様のアドバイス
通りにこうやって
欠かさず温かい
ワインを飲みながら
湯に浸かり
この湯で茹でた
極上の玉子を毎日
食べてるせいかのう?
?
...じゃがな...
今回お前様を
呼んだのは
ちょっと気になる
ことがあったから
での..
は
何でござい
ましょうか?
...あれ
あそこに...
なっ...
直接危害を
加えてくるとかでは
ないから
いいのじゃが..
...おぬし
アレが何なのか
存ぜぬか?
い...いや
存じませぬな
...ハハハ...
そうかじゃあ
このまま放って
おくかいのう
あやつ...
どうやって
帰るつもりなのか...。
ローマ&風呂、わが愛
時、鼻をつまみたくなるほど強烈な
ゆで卵臭の立ち込める泥状の温泉が
沸いている場所で、日本から来ていた
男性がいきなり「俺、もう我慢でき
ない!」と行っていさなり服を脱ぎ
捨て、その中に突進していったことが
ありました。
見れば何人か水着を着て中に浸
かっている人も居たので、まあ立ち入
り禁止の場所ではないのだと彼も判
断し、長旅の溜まり溜まった疲れを
そこで稼ぐうという衝動に駆られた
のでしょう。灰色の泥にまみれ、全
身から湯気を放ちながら「いやあ〜
最高っすー」とこの上ない満面の笑
みをただえていたそ、の人を見ながら
「やっぱり日本人には温泉がないと
ダメなんだ」と旅感しましたが、そ
前旅行でシチリア島のそば
にあるエオリエ諸島のブル
カーノ〈火山〉島へ行った
の夜、彼は原因不明の高熱にうなさ
れ、残りの旅行もずっと気分が優れ
ぬまま過ごし、何とか日本まで到着
したのは良いものの空港からは救急
車で運ばれて行ったそうです。
まあ、平気な人がいるから開放さ
れていたブルカーノ島の天然浴場だっ
たのでしょうが、彼には如何せん成
分の強すぎる異質だったのかもしれ
ません。要するに質の悪い湯中りに
なってしまったのだと思います。
それでも、硫黄の匂いを嗅ぐと
「温泉だ!入りたい!」と反応して
しまう火山国に春ちす日本人の性
...これは古代ロ1マ人にも共通して
いた事のようです。
日本でも一歩間違そればとんでも
なくリスキーな場所に平気で視界が
あったりしますが、古代ローマでもか
この大喰火を起こしたヴェスヴィオス火。
山のそばに湧き出す温泉が既に存在
山・海・松を取り込んだ、
ナポリの定番絵葉書
冷場内部の装飾「Romperiay」
し、紀元前から地元の人々がそこに
集っていたらしいのです。なのであの
大災害があった時も、そんな事を知る
りもせずーああ、良い湯だわい」とその
の場で湯に身を浸していた人たちが
実は居たのかもしれません...。
お風呂好きな人種としての日本
人と古代ワース人の共通性は、やはり
この火山の国に暮らすという事に根
拠が置かれるような気がします。
ただし、日本の鑑天風呂のように
景観を意識したような露天温泉が
古代リー時代に存在していたかどう
かは分かりません。
ローマ人だちは公衆浴場においても
ビューポイントには景色ではく立派な
周刻を配置し、そのんな人間の肉体美
を眺めながら風呂に浸かるのをラシ
としていましたから、温泉の沸く浴
場も同じような仕様の作りになって
いた様です。
でも、もし古代ロIマの人達を日本
に連れてこれる機会があったなら、ま
ずは骨土山の見える霧大風呂を経
厳してもらいたいと思います。触発を
受けた晩には古代ローマにもサスワイ
オス火山やナポリ湾を見渡す「絶景
露天風呂」が現れていたかもしれます。
せん。
秋田県・八幡平に沸く温泉
同じく八幡平に沸く温泉
コーン
......
第3話
ようマルクス!
何だか大変そう
じゃないか...
おおう
ルシウス!
第一ハドリアヌスは五駅市の一人で布施な人物であったが、自分の愛した男「アンティノ
一人が溺れ死んだのを嘆き核しんで、帝国中に彼の石像をぶっ逸ててしまい、評判を落と
した。当時、ローマに於いて男色趣味は、"ギリシャ的だ"とはいわれ風魔にされていた
大変も何も
たまったもん
じゃねぇよ
まったく!
こいつがナイル川で
溺れ死んじまった
お陰でこっちは
休む間もねぇよ!
仕方あるまい...
ハドリアヌス帝は
自分が愛したこの
アンティノーを
帝国中に置いて
おきたいのさ
ハッ
ま確かに
男にしちゃあ
べっぴんさんだし
いいオケツだし
ハドリアヌス様
がムラッときて
たのもわからん
でもねぇが...
そうだけどよォ
来る日も来る8日も
こればっかり彫っ
てるのはさすがに
しんどいぜ!!
俺ァやっぱり
前についてるモン
見たら
萎えちまうぜ!
ギヵェェェ?
おお~~い
マルクスゥ~
もうそろそろ
8時(今の13時
じゃが.....
今なら
浴場も空いて
おるじゃろう
悪いが今日も
連れてって
くれぬかい
のォ...
あんなにヨレヨレ
になっても
風呂にだけは
行きたがる!
面倒臭え!
え?ああ...
じゃちょっと
待ってて下さいね
湯に浸かる
気持ちの良さは
何にも変えられ
ねェしなァッ
よし
私も付き合おう!
でも
オマエの
大切な師匠
じゃないか
まァなッ
大丈夫
ですか?
うむ
大丈夫
じゃ
歩くのもまま
ならんってのに...
そうっとな!!
そうっとっ...
アッ
ホラそこ
段があるから
気をつけてッ
.......
そんな
こたァ
わかっとる
ふあああ〜ッ
あふ~~~
......
むっふ~
湯に浸かるは
至上の喜び
じゃわいっ
骨の芯まで
染み入るのォォ
わしみたいな
老人には
体の温まる浴槽
さえありゃあ
満足じゃ
運動場だの
プールだの
冷水浴室なんぞ
必要ないんじゃ
よ.......
別にここへ
来んでも
家に風呂が
あったら
楽じゃろうに
のう...
家に風呂
なんてのは
金持ちか貴族様
にしかかなわ
ねェ事っスよ?
してタクたまま
でますね...
......
...あったら
いいなァと
思っただけじゃ
、
風呂に連れて
来るくらい
オレ、いつでも
やりますから!!
家の敷地に
風呂か...
決して
不可能では
なさそう
だが...
ん!?
欲しい
なんて言っ
とらんもん
......
わしの
ストリジルが
見えないぞ!?
え!?
あっ...!!
いつの間にか浴槽の
下に落ちとるわいッ
あでは
私が..
オレが
取って
くるって
ルシウス!!
おいッ
金属の垢擦りべラ
「ストリジル」
数百年経つのに
まったく進化しない
原始的な代物...
まず体にオリ一プ油を塗り
その上に砂を軽くまで
それをストリジルで
擦り落とす
今の時代
もっと使い易い
垢擦りが
考案されても
いいはず
なのだが...
ん?
何だこれは?
水面が何かで
覆われてるぞ...!!
しかも何やら
狭くなった気が...
壁!?
......
これは
マルクスの
仕業か!!
おかげお
う...
息も苦しく
なってきた
ぞッ
しかもどんどん
熱くなってきた
ではないかッ
こんな事して
ふざけてる
つもりかッ!?
ぷふァッ
ハァッ
ハァッ
すこやか生活
......っ
マルクスッ!!
マル...
!?
何なのだ
ここはッ!?
もしかして
またもや
あの世界
か!?
そして私が
浸かっている
この貯水槽は
何なのだッ!?
熱い湯で
満たされて
いる...
ほか
湯の入った
棺.....!?
いや...確かに
小さめの棺のような
大きさでは
あるが...
湯の温度から
察すると
入浴用の浴槽という
ことも考えられる...
もしこれが
浴槽だとしたら
もの凄い執念を
感じるな
墓のような
スベースしか
なくても、湯を
欲するなんて...
どこで湯を
沸かして
いるのだろう
こんな狭い
空間の下で
火を焚いて
いるのか...!?
そして
この浴槽に
用いられている
未知の素材...
これはローマの
帝国内には
存在しない...
この次元へ
来る度に出会う
文明的な物の数々:
動物の腸の
ような物の
先端について
いるこれは
何であろう...
ん?
ああ
できる事なら
こういった
意味不明な物を
すべて集めて
ローマに持ち帰りたい...
一見バカげた
形状をしていても
どこかにとんでもない
要素をそなえているに
ちがいないのだ
何だ
これ..
狭いスペースにも
色んな物を
置く為の知恵は
こらされている
な......
さわ
またしても
ローマ人としての
プライドがゆらく...
浴槽の表面を
覆っていた
これに
しても..
要するに
湯の熱を外へ
逃さない為の
用途を為して
いるのではないか...!?
こうやっておけば、
湯の温度も確かに
下りにくくなる
釜がなくても
湯を直接注いで
こうしてフタを
しておけば
しばらくは
湯浴が可能なわけだ...
文明大国であるはずの
ローマでは
今まで
誰一人として
考えついた事の
ない方法......
自分は浴場の技師として
すべての知恵と努力を
注いできたと思っていたが、
それは愚かな自負に
過ぎなかった
...くっ
なんという
ザマなのだ
ローマ帝国も
私もこのままでは
オシマイでは
ないかッ
じゃあ
おじいちゃん...
はいはい
わかり
ましたよ
ヨネ子さん
私道子
ですよ...
お義父さん
........
もうすぐ
ヘルパーさんが
来るからネ
じゃ
行って
きますネ!!
そしたら
オフロに入れて
もらって下さいネ
はいはい
行って
らっしゃい
マツ代さん
お先に
風呂に
入って
ますか...
キス
もう
おおっ!?
なんじゃいっ
ヘルパーさん
もう来とっ
たんかいッ
いやァハハハ
遠いとこから
出稼ぎ
ごくろーさん
でスッ!!
しかし...
気をつけて
しかもなんと
今日は外人の
ヘルパーさん
かっ!!
わぁ!!
あぶねぇ
あぶねぇ
かなりの
高齢者のようだが...
この棺型風呂の
持ち主らしいな...
ああ、そう、目になるので
大丈夫ですか?
マルクスの
師匠にも
要するに
こんな風呂が
あれば充分なの
ではないか...?
すんま
せんね...
じゃ
背中流し
お願い
します!!
........
......
......
もう
いっぱい
...と
こうして
湯を汲んで
背中に
かけると!!
よッ!!
でも、100cWiki
POSSUM?
手伝い
ましょうか?
んあ?
おおお!
なるほど...
運動をしない場合は、
こうしてまず、
血行を促進させる
のだな...
よォしッ
その通りッ
その調子!!
じゃ
お次は
アカスリじゃよ
わしがます
最初にこする
からヘルパー
さんは背中
お願いします
.....
こっ...
これはつ
...!?
垢を
擦る為の
布!?
ヘルパーさんも
ほんとに大変
だのォ~~
その為に
こんな
不慣れな事まで
してんだもの
なァ......
国の家族に
仕送りも
せにゃ
いけんので
しょう?
そして
布切れ一枚で
乾いた老人の肌から
こんなに老廃物が...
運動で汗をかいて
いたわけでもなく
油を塗ったわけでも
ないのに、いきなり
布で垢こすりとは...
...じゃ
ヘルパーさん!
背中たのみ
ますッ
じゃん
じゃん
出る!!
ボロ
やり過ぎると
若い皮まで
むけちまう
からの...
うまい
うまい
......
一体
何の繊維で
できて
いるのだ
この布はツ
いでででッ
ハハハ
髪はそんなに
生えとらんの
じゃが
サンプーが目に
しみるのでの
わしゃこの
サンプー
ハットを
使っとり
ます!
こうやって
これを頭に
はめて...
じゃあ
次は
アタマを
洗うかい!
......
冠!?
この老人は
この種族の
族長なのか!?
こう
してなッ
んで
...こうやって洗って
これで
流す...
の?
顔はちっとも
ぬれとらん
じゃろ?
こんな
風に...
電事力で領地を
広げるのは
簡単だ.....
しかし文明は...
文明はそうはいかぬ...
ぬははは
さっひと通り
これをやってから
いよいよ湯舟じゃ!!
なーんも
むずかしい事
なんて
ねぇのヨ
どうじゃい
やり方は
わかって
もらえたかの?
ヘルパー
さん?
あれ.....?
ヘルパー...
ああッ
どうしたん
じゃいッ!?
うわぁ
大変じゃあ!!
慣れない事して
のぽせたかいの!?
今飲み物持って
くるよッ
どっか具合でも
悪くなったかの!?
大丈夫かッ!?
この世界へ来る度に
感じさせられる
とてつもない敗北感:
泣き寝入りなど
している場合では、
ない事もわかっている...
ちょっと
待ってなッ
立ち直るのは
容易では
ない!!
ヘルパーさんッ
大丈夫かっ!?
スッキリする
飲み物持って
きたでの!!
これ飲めば
気分も良くなる
はずじゃて!!
ザッホ
くいっと!!
ホレ!!
......
きゅーっと
きた!!
どうじゃい
え!?
それで
少しは
元気になった
かいの!?
......
何なのだ
この者らは
体全体...
やはり
快感追求の
熟練度は
ローマ人の
比ではない...!!
くそっ
もしローマがこの
国を帝国の属州に
おさめる日が来る
としたら...
我々のような人間の
仕事は間違いなく
彼らに取って替わら
れるだろう...
このままでは
まずい...
ほんとに
慣れないこと
させられて
大変じゃのう...
何とか
しなくては..
何とか
ではどうもありませんので、
おおお
ッ...
ルシウスッ
!!
目を
覚まし
たかのッ
........
大丈夫かッ
オイッ!?
バカヤロ
オマエ
これで
2度目だぞっ
心配かけ
やがって
ったくよォ!!
.......
...何だよ
それ...?
アカスリ
マルクス来いっ!!
師匠の風呂を
作るぞッ!!
えっ!!
あおいッ
ルシウスッ
マルクス・
ピエトラス!!
マルクス・
ピエトラス!!
皇帝の
使者だが:・
マルクス・
ピエトラス
エジプト滞在中の
皇帝の命令で
依頼した石像の
様子を見に参った!!
一体...
何を
作っているの
だね?
しあっ!!
こっ...こりゃ
どーもっ...
えっ...と
これは
あの...
その...
へへへっ...
貴様が手に
しているのは
石を彫るノミ
ではなく
丸く切られた皮と
そしてハサミ...
皇帝の為に
依頼されていた
アンティノー様の
石像作りは
どうしたのだッ!?
あああ...
アンティノー様の
石像ならばもう
すべて出来上って
おります!
ご依頼通り
20体...
本当に
20体あるの
だな!?
ん!?
ほらっ
あちらに!!
いやほうぼほぼ
なっ!?
いよぼぼぼ
何のマネだね
アレは!?
え?と
ハハ...アレは
........
風呂っスよ
家庭用
簡易ブロ
友人で浴場の
設計技師
やってんのが
いるんスけど
とんでもない
事思いつく
奴で...
それを
牛の腸の先っぽに
いっぱい穴開けた
ヤツから出てくる
雨みたいな湯で
洗い流す...
師匠が足腰悪くて
浴場まで行くのに
一苦労なもんです
から特別に作って
くれたんス...
...どれも
ちょっと
商売欲を
沸かせる
代物でしょ?
で
あの頭にかぶってる
石ヶンの泡ヨケの皮の
ツバも奴の思いつきで
凄く便利なんスよ!
これは絶対に
皇帝陛下に
お知らせ
しなくては!!
......
ははッ
一旦ローマへ
戻る準備を
整えさせろ!
これは公的な
ものではなく
私的な帰郷だ
ローマで
どうしても
会わねばならぬ
人物がおる!
へへいいモゃいいいら
EuM.ponevM.Ap.
AEDIFICAND
はっ!!
じです。
ーマ&風呂、わが愛
もローマの場合、温水浴、数浴、冷
水浴という順番で入浴をしていたの
で、この3種類が備わっていなければ
風呂とは言えず、そうなると本当に
大きな家に住んでいる人にしかける
られなかったものなのだということも
が判ります。で、いさ風呂に行こう
と思った時には何がしかと準備が必
「裕福な家の人たちだけでした。しか
先ほども書きましたが、百万の
人口を誇ったローマで個人用のお風呂
が持てていたのは本当に限定された
うか。随分昔から既にあることは
あったようですが、銭湯が存在する
ということは当然家にそういった個
人用の風呂を設けられない人が多
くいたからでしょう。ローマも全く同
休いつ頃から日本人は個
人住宅に風呂なるものを
置くようになったのでしょ
リジルが無い人や連れの垢すり専用
奴隷が居ない人でも、そこで働く垢
すり屋というのがいるのでその人に
頼めは全部やってくれます。マッサー
ジ専門の人もいます。まあ、とにか
く手ぶらで出かけても全然事足り
ていたようです。
このストリジルという金属性の垢
すり、私も是非二度これを使用して
みたいと思っているのですが、現代の
浴場まで行けば、ねとえマイ・スト
要になってさます。
日本人ならマイ桶に石鹸、垢すり
といったところが、必要最低限のアイテム
ムになるのでしょうが、ローマ人は何を
自宅から持参して行ったのでしょう。
3話目にも出てきたストリジルとい
う金属の薄いヘラのような垢すり、
そして体に塗る香油入れ。ちょっと
ゆとりのある人はネイルケアダイズな
んてのも持参していたようです。
個人住宅に備えられた浴室跡、
ここも床下曖房だった
〈Vidigueia-Porceall
古代ローマ時代の裕福な人の個人
住宅、Vidgueria-Pordeall
ヨーロッパでは博物館からこっそり持
ち逃げしない限りどこにも売ってい
ません。どうしても欲しいという場
合は鍛冶屋さんに頼んで作ってもら
うしかないのです。でもギリシャ時代
から何世紀にも渡って使われ続けて
いたというから、そのごうつい見かけ
によらず擦ってもらったら実は気持
ちが良いんじゃないかと思うのです
が.....。
そんなわけで二千年前には念入
5に擦り落とされていたらしいヨー
ロッパの人々の垢なのですが、長いこと
ちらでの暮らしの間、ブラシやスポン
ジ以外に垢を落とす為の代物が売る
られているのを私は見たことがあり、
ません。柔らかい海綿やプラシで擦っ
ただけでは垢など落ちるとは思え
ず、こっちの人の洗い方だと単に肌の
上に付着した垢を石鹸で綺麗に洗っ
ているだけなんじゃないかという気が
するのです。
なんていうか、ストリジルのあった
時代の方が健康衛生面では今より
清潔だったんじゃないかって気がします
すよ。ほんと。
ストリジル
香油を入れていた容器
ネイルケアセット
1.話
紀元131年
ローマ近郊ティヴル
ハドリアヌス帝別荘
...!
待たせて
しまって
かたじけない
ルシウス技師!
......
緊張性の腹痛など
子供の時以来だ...
私としたことが
何とも情けない
皇帝は時間に正確な
お方だこれ以上
腹具合が悪くなっても
我慢してもらわねば
ならぬぞ
そんな事ぐらい
わかっておる!
よしでは
中へまいるぞ
百人隊長
殿!
...うむ!
隊長殿!
しかし会見の相手が
皇帝なのだから
誰にでもこれくらいの
緊張は当然であろう。
.....
これは?
別荘というより
まるで一つの
街ではないか...!!
設計は
ハドリアヌス帝が
全て一人でやった
と聞いているが...
見れば立派な
浴場まで
あるではないか!!
そんな人が
私みたいな
一介の浴場技師に
一体何の用だと
言うのだろうか!?
これだけの規模の
建造物を自分で
作ってしまう皇帝
ルシウス技師
早くこちらへ!
...う...
またハラ具合
が...
ぐるるっ!?
......
百人隊長
カエリウス・
クレメンス
ローマより
ルシウス・
モデストゥス
技師をお連れ
いたしました!
Doogotight
随分
遅かったでは
ないか
中で皇帝が
待ちかねて
おられるぞ!
ここから先は
ルシウス技師
そなたが一人で
行かねばならぬ
え!?
私が一人で!?
この扉から先は
皇帝がお一人で
過ごされる為に
お造りになられた
場所
指名された者
以外は入れぬのだ!
でっ...でも
いくらなんでも
私一人ってのはっ...
いいから
皇帝がお怒りに
なられる前に
行きなされ!!
しかしっ!
無謀な...
何とも不思議な...
随分と奇怪な
物を見るような
目つきではないが
堀の巡らされた
円形の居住空間:?
従来のローマにおける
建築概念には
全くなかった形だ...
...そなたが
浴場技師の
ルシウスか...?
ハドリアヌス
帝!!
はっ
へっ
......
そんなに硬く
ならなくとも
よいぞ!
ははっ...
ぐるるる...
いかにもっ
私がルシウス・
モデストゥスで
ございますッ
ルシウス技師
こちらへまいれ
そ...
そんな事
言われてもっ
はっ
ただ今!
この橋の
向こうにあるのは
私の島だ
......
術を
渡れば
処罰...!?
通常私以外の者が
ここを渡ると厳しく
前せられる事に
なっておる
早く
こちらへ
まいれ!
...え!?
は...はい...
しかし
そなたは特別だ
...
どうしても
見てもらいたい
物がある
橋を渡らせてまで
見せたい物...!?
......
何をしておる?
私の作る
建造物も
奇抜だ何だと
散々言われて
おるが..
そなたも
随分と
おかしな浴場を
作るらしいでは
ないか...?
...はあ
何であろう?
この部屋の様な
妙な空間は...
ルシウス技師
そんなそなたに
見てもらいたいのが
ここなのだが::
そなた
なら
この狭い空間に
どの様な浴場を
作ろうと思うかね?
えっ!?
よっ浴場で
ございますか!?
ここに!?
そなたは
狭い家の中庭に
機能的な
浴室を作った
そうではないか
いやっ
あの...
あれは本当に
単純で粗末な
物でして...その...
下手に
通らなくとも
よい!
私には何年かけても
その「粗末な物」ですら
考えつくことが
できなかったのだ!
私が元老院から
良く思われていない
のはそなたも
存じておるで
あろう?
領土を拡げる為
の戦をするでも
なく風州に
出掛けてばかり
というのが気に
喰わぬらしい
だが私にとっての
ローマは拡張よりも
帝国内の平和維持
いかにその平和を
保つのかを思索する
為に私はこの島を
作ったのだが...
外の大浴場では
集中力も散漫に
なって思索に
浸れない!
......
そこでそなたに
是非私用の浴室を
作ってもらい
たいのだ!!
...しっ
しかしっ...
ああ
アポロドロス
なら
もうおらぬ!
引き籠もっていると、
外の風呂に行くのも
面倒になってのう
陛下には
アボロドロスという
優れた建築家が
ついて
おられるのでは;
え!?
天下の建築家
アポロドロス
さえ
この皇帝を
満足させる事が
出来なかったと!?
私が欲して
いるのは
今までに無かった
ような物を生み
出せる斬新さ!
あんな古い発想
しかできぬ者は
遠ざけた!
まさに
そなたの様な
若くて挑戦的な
感覚の持ち主!
これだけの
確信的な期待が
なければ
エジプトから
ここまで戻っては
こなかったであろう
遠ざけ...
私は一ヶ月後に
エルサレムへ向か
わねばならぬ
........
なのでエルサレムで
為すべき事を
これからじっくりと
考えねばならぬのだが
ローマの平和を担う
ローマ人としての
そなたの力を貸しては
くれまいか...!?
どうもそこには
私の求める平和に
反発する者達が
おるらしくてな...
ローマの平和を
担うローマ人
として......
わかりました
何とかいたしま
しょう!
ハドリアヌス帝の
期待に背く事は
ローマ人としての
誇りを捨てる事...
はあ...
とは言った
ものの一体
何をどうしたら
いいのやら...
たかが便所の
床ですらこの
タイルの斬新さ...
品の良さ...
ハドリアヌス帝が
勤勉で繊細な
天才肌とは
聞いていたが...
はあ~~
作ってみた所です
「気に入らなかったら
きっと容赦は
無いであろう...
........
そうなんだけど、
それにしても
ハドリアヌス帝と
いう人が
ここまで孤独な
人物であるとは知らなかった...
こんな堀を巡らせた
狭い空間の中に籠もって
いたいとはな...
何とも
哀れな気が
しないでもないが...
ん...?
待てよ...?
堀があるという事は
ここに水道が引かれている
ということではないか?
だとすると
浴場を設ける、
為の
......
一番の問題点は
簡単に解決できるでは
ないか.....
注水口と
排水口の位置だけ
取りあえず確認
しておこう...
ん?
底が見えてた
様に
思ってたのに
足が着かぬ...?
うわっ
紀元2009年
東京・新宿
シミ」
えぇ〜ッ
私一人で
接客ですか!?
緊急の
呼び出しだから
行かないワケには
いかんのだよ!!
すぐに
戻ってきます
から!
で?でもォ〜
外国からのお客様
なんてえ
あたし英語も
できないのに...
大丈夫!!
先方はイタリア人
だけど日本語
少しくらいは解る
かもしれないし!
それに向こうも
同じ水回り関係の
仕事だからカンで
何とかなるって!
........
もし
来ちゃっても
適当にその辺、
見せといて!!
部長
早くっ!!
どうしよう..
で実際3時って
約束なのに、まだ
来てないって事は
忘れてるかも
しれない
相手は時間に
ルーズな
イタリア人だし
ひょっとして
来ないかも
しれない!
そんな...
2〜3時間位
平気で遅れて
来るかもしれないし:
イザとなったら
接客中だけど
吉澤さんも
いることだし
うん
何となく
大丈夫って気が
してきたかも!!
弱気になっちゃ
ダメよマミル
せっかく入った
会社なんだから!!
外人の一人や二人くらい
何さ
外人ッ
!!
こ:ここは!?
イ...
イタリア...?
そうか...
........
また来て
しまったのか:
いや
また来れたと
言うべきか...
部長は今
緊急の用で席を
外しておりますが、
戻りますまで私が
ご案内
いたしますッ
むっ
平たい顔族!!
どうやら
誰かの家の
浴室に出て来て
しまったらしいな...
いっ
主人に見つかったら
この奴隷の立場も
悪くなるだろうから
出ておこう...
いらっしゃいませ
お待ちして
おりましたッ
?
も
日本語で、
いいや!
一体何を
そんなに動揺
しているので
あろう...?
ひっ:
えっ!?
お客様っ
ふ...服は!?
え!?や
うそっ...
なんで!?
まじ?
わーッ
どこ行くん
ですかーッ
パスゥエUN
.....
かなり経済的に
裕福な人物の
別荘か何かで
あろうか...
随分と
高級感が
感じられるな..
オプションで
エアプローや
水中照明もお付け
しております
...で
こちらのタイプは
パスタブが深めに
なっておりまして:
見渡したところ
小型の浴槽が
いたる所に置かれて
いるが...
この家の主は
余程の風呂好き
なのであろう...
ちっ
ちょっと
マミちゃん
何よアレ!?
...あ
吉澤さん
警察呼んだ
方がいいんじゃ
ないのっ!?
うん...
あたしも
最初はヤバイかも
って思ったん
だけど
...でも
ホラ
あれ見てよ...
......?
ああやって
我を忘れたみたい
に浴室の細部を
確認してるのよ
もうどう見ても
水回り関係の人
って感じじゃん
すごい真剣だし...
イタリアも
景気が悪くて
これ位_気合入れ
ないと生き残れ
ないのかも..
...そっか
まァ大丈夫なら
いいんだけどサ
何かあったら
呼んで!
...うん...
まあ
そうね...
うん
ありがと!
お客様
すみません!
お待たせ
しました〜
あーそれ
考えられるー
......
.....
...?
お客様?
あれられシリープ
建国から九百年:
エドルリア・カルタゴ・
ギリシャという高度文明を
吸収し大国となった
ローマだが...
だとするとこの世界の
文明度の高さは一体
どんな説明が付くと
いうのであろう...?
考えたくない事だが
この国は
ローマ帝国など
比較にならぬ程の
属州や領土を
抱えているのかも
知れぬ...
この傲りのない
平たい顔族の
すっとぼけた様子が
どーした
のかなァ
逆に何とも
腹立たしい!
...
大丈夫ですか?
どう見ても
この者らが
我々ローマ人に
優る事事力を
持っているとは
思えぬのだが...
文明で劣るのは
私にとっては
それ以上に
納得がいかぬ事...!
神が何を意図して
私をこの世界へ送り
込むのかは解らない...
え!?
何...!?
しかし怯んで
しかし怯んでこの場から引き下がる!!
事が許されないのは
確かである
私は何としてでも
ここにある物以上の
浴室を皇帝に
お作りし
ローマを更なる
繁栄に導いてもらわねば
ならぬのだ!
アルヴァ
...あ
あのォ〜
こちらは
もうご覧に
なられ
ましたか?
これって
イタリアには
もうあり
ますかね?
こちらは
最近人気の
タイプに
なっており
まして...
...あれ〜
音って
どうやったら
出るんだっけ...
クラゲの
壁の向こうに
水槽が埋め込まれて
いるのか!?
わからないや...
ガラスの窓を付けて
水槽の様子が
見える仕組みなのか...
あのっもし
よかったら
こちらに入って
横になってみて
下さい
どうですか
~~~?
テレビを観ながら
ゆっくりバスタイムを
お楽しみ頂けるん
ですよォ〜
ウフっっ
奴隷の分際で
私を見下した
この態度...
水槽を埋め込んだ位で...
しかし一つだけ
確かなのは
浴室の壁に
壁画や彫刻以外の
物を設ける発想も
狭いながらも
広々と寛げる
こんな形の浴槽も
書物に書かれた事や、
何かをマネする事しか
できぬ私には一生賭けても
生み出せぬ事かもしれぬ...
私という人間は
ハドリアヌス帝が
思っている程の
器ではないのに..
とんでもない
大役を...
うう
INQUANAM
PARTELATRIN
PST...!?
便所はどこか?
どうした
んですか!?
え...
えっとォ
〜?
もしかして
トイレ...?
ですかね...?
まずいっ...
またしても
腹の具合がっ...
LATRTNA
便所だ!
ぐるる!?
全く
ラテン語くらい
学んでおいで
もらいたいものだ...
......
便所もまた
個室式か:
ここでは用を足しながら
隣の人と話をしたりする
習慣は無いのだろうか...
こちらが
お手洗い
なんです
けど...
む!?
あの中心にあるのが
便器か?
穴を隠す
フタ付きか...
一見良い工夫にも
見えるが
今の私のように
急を要する者には
いかんせん面倒...
便をするだけの
為に何人の奴隷を
使っているのだ!?
つタ雨け係
うお
構造を調べるのは
用を済ませた後だ!!
用価の間中
音楽を奏でさせ
られる奴隷も
大変だな...
普段はGook
ああ...
やっと
スッキリした!
海綿の尻拭きの
様な物はここでは
使わぬのだろうか?
ん?
人間の尻に何かが
当たってる図柄...?
・一ブ洗浄
何を
するかッ
無礼者ッ
!!
......
噴水...?
もしかして、今の
尻を直撃した水は
洗浄する機能
だったのか...?
確かに海綿をいちいち
水に浸して尻を拭き
それをまた
使い回すよりは
噴水式の方が
余程清潔では
ないか..
......
もう一度
試してみるか...?
......
......
気持ちいい...
人生で
初めての
感覚だ...
まだかな
〜〜〜
クセに
なりそう
あ〜
部長!
お客様が
お見えになって
いるんだぞッ
山口君!!
人から
君はッそんな
所でボーッと
突っ立って何を
しているんだねッ
え!!?
でででも
あたし...
あのっさっき
トト
トイレに
イタリアの:
何を
言っとるんだ
ね!?
トイレ!?
え~~
誰も
いないじゃ
ないか!!
あの時、堀で溺れて
いるそなたが
すぐに見つけられずに
いたら...
...全く
お恥ずかしい
次第でござい
ます...
私が今ここで
こうしてクラゲを
見ながら
風呂に浸って
いる事も無かったの
かもしれぬな...
いやとにかく
生きててくれて
何よりだ!
これで私も心と体の
バランスを整えて
エルサレムへ赴く
事が出来る...
お...恐れ
多き
お言葉...
礼を言うぞ
ルシウス技師!
...それにしても
クラゲというものが
ここまで
心を癒すもの
だったとはな...
クラゲも
そうだが...
特別に作って
くれた洗浄
機能付き便器も
素晴らしい発想
ではないか!
水槽を見ながら
入浴するなど
ギリシャの有能な
技師にすら思い
つかぬであろう!
ハハハ
他国の文化を
マネするだけではない
そなたの様な国民も
いるのだと思うと、
心強いぞ!
この後ろめたい心地には
耐え難いものがあるが
全てはローマ帝国の
為...
結果としてこれで
ローマ文明が更に
躍進するのであれば
それに越した事は
ないのではないか:
......
ときに
ルシウス技師
はっ
.....
そなた...
私と一緒に
行ってはくれまいか
エルサレムに
一緒に行っては
くれまいか...
......
え?
ローマの平和の
為に
この通り!!
まずい...
どうしよう
そう言えば
あの浴場技師
ローマに帰る
気配がないな
...?
えっ...
で...でも...
皇帝の
愛人になっちま
ったのかも♡
フハハ...
そなたがそばに
いてくれると
心強いのだが!
ローマ&風呂、わが愛
確かにハドリアヌスは戦争を出来る
だけ遊び、前代のトライアヌスの時代
には最大限に達した古代ローマのテリ
トリーを自らの足で視察して回り、
帝の中で始めて顎鬚を生やした人で
あり、長身で優雅な容姿をしいでい
だ、という事でしょうか。この顔鏡は
後に彼の後継者となる皇帝達もぞ
くぞくマネをするようになるのです
が、バドリアススに関しては顔の傷を
隠すために生やしていたという説がある
ります。で、性格はというと、まあ詳
しいことは、ドリアススに関しては書き
籍が沢山出ているのでそれをお読み
になって頂くと良く判ると思うので
すが、一般的には「眠争よりも文化
と芸術を愛する」皇帝だったとされ
ています。
ドリアヌスという皇帝の外
観的特徴をシンプルに現
すならば、まず歴代の星
ただ色んな本を読むんでいくうちに、
「ああ、こういう人って友達に居て欲しい
しいけど自分の家族だったら凄く苦
少しそう...」というタイプであること
とが判ってきました。レオナルド・ダ・
「ウソテなんて人も同族だと思うので、
すが、要するにマイペースな大すとでも
いうのでしょうか。子供の頃から目然を
が大好きで、発明も大好さで、探究
心と自尊心が一緒になったような、人
に何かを任せるよ5は自分でやってし
まいたい、というタイプですね。
まあヘドリアヌスの場合は人間にお
いて心身全てのバラシスの良さを要求
されるさー。時代の人ですから、マイ
ベースといっても勝手な行動もそこそ、
こ抑制されていたのではないかと思う
うのですが、それにしても彼が自分
を注ぐ、まさに蛯帝の一人としてる
さわしい人物だったようです。
帝国の内政を維持するのにエネルギー
ハドリアヌス帝の別荘にある円形
劇場と称される場所。実際の用途は
まだ判明していない(Tindinay)
五賢帝のひとり、ハドリアヌス帝
と思います。
で設計して作らせたというローマ近郊
の別荘というものを見てみると、バド
リアヌスのエネルギッシュな普通じゃな
さっポーダーレスなセンスというのが大
変良く伝わってさます。
ハドリアヌスはこの別荘に自分が
巡ってきた風州の、特に気に入った場
所を彼なりのアレシジで再現している
というのですが、その設計規格の断
新さを見ていると、小学生が近所の
空き地に自分の隠れ家や陣地を作り、
りたくなる、あの無邪気で夢見がち
な衝動に似たようなものを感じさせ
られてなりません。
まあ、いろいろと無茶な事なども
冒してしまいつつも、今の時代には賢
帝の中でも繊細で芸術肌のインテリ
派として沢山の人から好感を持たれ
ている具音ですが、沢山居た皇帝の
中でも特に風呂好きの一人だったとの
われるこの人こそ、今の日本なんかに
来たら色々と楽しめたんじゃないか
私はこの回のエビソードを描く為、
とある夏の暑い日にコミックビートの奥
村編集長と新宿にある某水周り関
係ショールームへ出かけました。
そこで彼は空の浴槽を見つけては
「こんなもん、入ってみなけりゃわか
ちんだろ」と言って中に入ってどーん
と横たわり、湯が溜めてあるわけでも
ないのに悠々と覚きボースを取ってみ
たり、新機能をいろいろひじってみるのは
に生懸命。そんな様子を私は写真
に収めながら「ああ、さっとヘドリアス
スもここへ来たら同じことをしていた
だろうな...最終的には周囲の目と
が、そんなもんはどうでも良さそうだ。
もんな...」としみじみ思ったもので
した。編集長はベトリアススとでも良い
感じのお友達になれたと思います。
ショールームでいろいろ試す
奥村編集長
ショールームで寛ぐ奥村編集長
紀元134年ローマ帝国属州ユダヤ
エルサレム第10軍団
......
風呂に
入りてえなァ
......
オレも...
「ル・コクバ反乱対策司令本当
はっ?
もともと
この貨幣の表には
私の顔が刻印されて
いたのだが、完全に
叩き潰されておる
...これを
見たまえ
セウェルス将軍
イスラエル
建国二年」と
ありますが...
既に
3年..
貿易と文明の交差路である
この土地がローマ帝国に
とっていかに大切な
ものなのか
反乱は始まって
から既に3年
経っておる
しかし、連中には
一向に私の意見を
受け入れる
つもりは
無いらしい
全く
何という
有様だ!
それを示す為に
新たな街「アエリア・
カピトリナ」を建設
しようとしたのに
思いがけず
この様な反乱を招く
結果となって
しまった...
...皇帝
陛下...
...私はもう
若くもなければ
健康でもない
残された貴重な
時間をこの様な
戦い事で費やしたく
ないのだよ
セウェルス...
ご安心下さい
陛下!
本日帝国各方面
より総計8個の
軍団が集結します
のでエルサレム
陥落も時間の問題
です!
それとアポロドロス
技師の作った
弩砲がかなりの
効果を発揮して
おりますし..
アポロドロスも
老いてもう役には
立たぬものと
思っていたが
とにかく!
ああ
あれか
.....
まだまだ
手腕を発揮する
力は残っている
ようだな
...これは
恐れ入ります
陛下!
...時に
ユダヤ人による
毒ワイン攻撃を
受けた兵士達は
そなたも
頼りにしておるぞ
セウェルス将軍!
そなたのプリタニアに
おける優れた指揮能力を
ここでも存分に発揮して
くれたまえ!
その後
どんな塩梅
なのだ...?
未だ腹痛や
吐き気に悩まさ
れてる者も
おりますが
皆何かにつけて
入浴をしたい
入浴さえできればと
その様な事ばかり...
弱ると
体が冷える
からな...
風呂か!!
ゴホッ
私もそろそろ
限界だ...
はっ!?
私も
湯にさえ浸る事が
できれば頭も
今以上に冴える
はずだろうし
もう風呂に入れぬ
生活には耐えられん!!
兵士達も
風呂にさえ入れば
再び力を蓄えられ
るであろうに...
......
しかし陛下
この様に岩と砂
だけの土地では...
何よりもこの
疲労感と全身に
こびりついた砂を
洗い流して
しまいたい...
実は
いや
浴場は間もなく
完成する事に
なっておるのだ
何と!?
この土地に
浴場を作って
おられるの
ですか!?
ローマからとある
有能な技師を連れて
きておっての:
さすが
ハドリアヌス様!!
いかにも
そこまで
考えておいで
だったとは!!
.....
ローマ人の
力の源は
浴場にあり...
鉱泉は既に
見つけており今
工事を進めている
ところなのだよ
セウェルス将軍
そなたもその浴場で
今までの疲れを
落とすがよいぞ..
うむ
ありがたき
事でござい
ますっ!!
ルシウスよ
待ちわびて
おるぞ!!
......
本当に
済まないのう
もうすぐ
着きますよっ
わしももっと
足腰が丈夫じゃ
ったら歩いて
行けたんじゃが
のう...
どうぞお気に
なさらずに
アポロドロス
技師!
お前様に
一緒に連れてって
欲しいだの無理を
言って済まん
かったのう...
しかしわしゃ戦場は大嫌いでのう
しかしわしゃ
戦場は大嫌い
でのう
ルシウス
技師よ...
そのお気持ち
とても良く
わかります!
...まァ
やるべき事は
やったわけだし
の.....
後は何をしようと
わしの勝手じゃ!
な?そうじゃろ!?
ええ...
それにあの琴砲は
素晴らしい効果を
発揮してますし...
はは:
さあ
着きました
よ!!
おお
何はともあれ
お前様のような
後継者がいると
思うだけで
安心じゃわい
早くせんと
あの
ヘソ曲がりが
怒り出すぞよ
ワハハハ!
そうですね
.....
む!?
完成まで
もう少しじゃのう
っこうしまっと
ほお!!
これはっ...
地面が温かい
ではないかっ!!
いやあ~
これは温かくて
気持ちが良いぞ
ええこの辺りの
岩は全て地熱で
温められて
いるんですよ
そなたも
横になって
みい!
アボロドロス技師!
そんなゴツゴツした
岩ではなくて
お湯に浸かって
ゆっくり温まって
下さい!
そうじゃの
その為に
そなたにここまで
おぶってもらった
んだものな!
...それにしても
こんな岩だらけの
土地にも湯が
沸き出して
おるなんて
足元に気を
つけて下さいっ
自然とは
不思議なもの
よのう...
のう?
ルシウス...
まだ
終わっていな
かったのか!
よし
わかった..
私も
手伝おう!
ルシウス?
まず
この辺りの岩を
どければいいの
だな?
......
申し訳
ございません
でも
この人数だと
どうしても...
ええ...
でもおそらく
お一人では
無理ですよ
...!?
なあに
心配は
無用だ!
これしきの
岩の一個や
二個!!
!?
うおっ
どうされ
ました!?
こっ...
腰がっ
大丈夫
ですか
?
う...うむ...
少しばかり
休ませて
もらう...
私とした事が
何と情けない
.....
急にっ
ただでさえ
工事が遅れている
というのに
そんな時に限って
腰痛とは...
アポロドロスを
長い道のり
背負って来た
のがまずかった
のか..?
私も自分の体力を
過信してはいけない
年齢になってきたと
いうのか...
ん?
アポロドロスの
姿が見えないな...
.....
さっきまで
そこに居たはずなのだが、
そこの者達
アポロドロス技師を
見かけなかったか?
さあ...
さっきまでそこで
お湯に入っていらっ、
しゃいましたが
いったい
どこへ...
わしなら
ここに
おるぞー
アポロドロス
技師!
そっちは深くて
危険ですよ!?
おおーい
ルシウース!
わっ
その周辺はまだ
整備ができて
おあっ
落っこっち
まったッ!!
うッ
紀元2009年日本東北地方
んで...
気づいだら
トラックがら
ほり投げ
出されて
医者さ
見放されて
ここさ来だら
歩けるように
なったど
医者より
湯治だな
こらあ
このヒメダケ
皮むいて
喰うが!
あらあ〜
あんりがでえ
なあ〜
立つべと
思ったげ
足がぐんにゃり
曲がってたんだ
ど...
こいだもの
湯治はやめられ
んなあ
ちょっと
ちょっと
うははは
煮づけに
すだら
うめえべなァ
いっぺ
取ってぎた
なあ!
あり!
あんた
起きたの?
おう...
ちょっと
汗流して
くるが
んだあ
もお大丈夫だ!
一人でも歩け
るがらあ
手伝わねえでも
一人で
行けるがァ?
んだら
気ィづけで
うあさっ
男
あァ!?
じょぼぼぼ
人が
溺れでる!?
うおい
ちょっとっ
あんたっ
大丈夫がァ
!?
おあっ!!
外人
さん!?
こっ
こらァ
死んで
るがァ!?
うおッ
重でェ〜!!
わすー人じゃ
無理だべっ!!
鏡、交カルを
進化物温泉
ナトリウム、カルシム、
きりきず、筋肉痛
マンション初心のやけど、神経面...
だが、だから、だったら
うおおーい
誰がァーっ!!
笑えぬ
誰が
来でげれぇーっ!!
目ぇ
開けだなァ
えがっだなァー
......
あ〜
起きた
起きだ!
...確か
アポロドロスに
近づこうとして
滑って転んで...
その後の事は
覚えていないが
気が付けばここは
平たい顔族の
世界..
わーッ
まだ
寝でれっ!
悪い事
言わねがら
寝でればァ
......
......
それにしても
ここは一体
...!!?
兵士の
宿舎で
あろうか...
日本語
わがら
ねが?
軍の
詰め所の様な
雰囲気だが...
ここに寝て
いる者らは
兵士達なの
だろうか?
ほら
ヤグルド
飲めい!
スピー
む!?
ほのかに漂う
鉱泉の匂い...
さっそく
様子を見て
こなくては!!
どこさ
行ぐの
ここのどこかに
鉱泉が湧いて
いるのだな...?
あーッ
この外人さん
腰が
あんべ〈塩梅〉
いぐねェなァ!
......
んだがら
無理しで
立づなって
言ったのに
寝でれっ!
寝でれば
えぐなるよ!
うッ
うう
やむをえん
しばらく
休んでから
調査開始だ!
湯治の仕方
わがっでねぇな
こら
腰痛だぱ
何はともあれ
オンドルだな
んだんだ
ここは日本一の
オンドルだがら!
........
この者らは
この温かい床に
寝そべる為にここに
集まっているのか
...?
......床が
随分温かいな
......
この床は何故
温かいのだ...?
そう言えば
アポロドロスが
気持ちがよいと
寝そべったのは
地熱で温まった
岩だったが...
地熱か!?
カはっ...
そうか
地熱の通った地面に
この小屋を建てたの
だな!
.......
ちょっとちょつと
ムスロは
はがさねでけれ!
あっまだ
起きだが!
落ち着きが
ねぇな!!
湯治する
ごっだら
......
確かにこうしていると
血の巡りが良くなって
腰の痛みも和らぐような
気がするが...
よげ〈余計〉なあ
考えねで
ゆっくり休んで
ねば!
そいだなおめぇ
外国から来て
何でも珍しいのは
わかるども
我慢さねば
ダメだ!
すっ..
凄い傷だ!!
あの男
よく見れば
体中
傷だらけではないか...
ローマでは
あれだけの傷を
負っても動ける
兵士はおらぬ...
百人隊長
あたりの
地位に違いない
ここさ
湯治に通って
いるうちに
歩けるように
なっだもの
オレの足もな
ホレ
ああ...あの人なあ
トラックで事故すて
骨ボロボロになった
んだども
雨漏り直すべと
思って屋根さ
登っだら転がり
落つで...
........
!!
まだ
ここんとこに
金属入った
ままだァ
湯っコは
こういう怪我にも
効ぐし
オンドルは
血行促進に
効ぐ!
いやまて...
全員が
兵士で負傷者
というわけでは
ないようだ...
全員戦の
負傷者か!!
要するに
体に何処かしらの
支障のある者らが
集まっている...
ということは
この地熱や
鉱泉には
ちょっと
あんだ!
ヒメダケ煮だの
食べる?
リオクトNOK
味付けしだの
母さん
やめれ!
そんなもん外人
さんは食わね!
傷や病を治癒する
効果があるという
ことなのか!?
魚醤!?
んだがァ
む!?
この香りはッ
無理
すなぐで
いいがらッ
ローマ味だ!!
こんなに美味しい
物を食べたのは
久々だぞ!
この人
しょっつる
平気だなァ?
こが、
くんいよかっ
Niderlight
......
ホレ
兄ちゃん
これ飲んで
みろや!
しょっつるに
合うべが
オレの
ドブロク
外人さんに
ドブロクの
美味さがわがる
がナァ
まちょこーっと
飲んでみれ!
この男のすすめる
酒なら
くいっ
断れまい...
どんだ!?
うめが!?
うめが
!?
.....
毒だッ
毒を
盛られたッ
だっ...
大丈夫が
!?
酒っこ強過ぎ
たべか!?
ただ者では
なかった...
あ
まつがった!
これ古い
酒だった!
わあッ
私と
したことが
こらおめ
腐ってる!
悪いこと
してしまっ
たァ~~
不覚にも
油断したっ!!
召集が
掛かれば軍団の
基地に赴き
時には
兵士として
戦い:
そして兵士達の為に
基地に浴場を作る
一介の技師...
しかし浴場が
無ければ
兵士達は疲労を回復
させるのが困難に
なる...
そんな
ローマ軍にとっての
密かな弱点を
あの男は
知っていた
のだ!!
私を殺して
しまえば
ローマが困ると
いう事を知って
いたのだ!!
ほれッ
これ飲ませで
やれっ!!
ゴッッ
ゴホッ
ゴホッ
これが
いつばん
効ぐど!
ノゲムしかし、
何をするか!?
ち
ちょっど
落ちづいで...
けれッ
...なっ
...
NOLITEME
DVTERPICERE
CONARI!!
私を殺そうッたって
そうはしいかないぞ!!
...あんだ
具合は...
「JRHARC
AQUASALS
BST!?
何だこのしよっぱい
水は!?
あれ
!!
治ってる!!
この湯っこは
ナトリウム泉
だもの
飲めば
薄消しにも
なるもんだ!
飲まされたのは
ここの鉱泉の
湯だったのか...
しょっぱい
エルサレムの
鉱泉と同じく
塩分の濃い
湯の様だが...
まさか
飲んでも
効き目が
あるとは...
ほんっどに
すまねがだ
なァー!!
男
ふは〜
何はともあれ
一件落着して
よがっだなァー!
最初に風呂さ
浮かんでんの見だら
ド肝抜がれだ
なァー!
後で上等の
酒っこ出す
がら..
そんで
勘弁して
けれ...
あり..
...へ?
どっ
どこさ
行った!?
いねぐ
なっだ!!
エルサレム
陥落万歳!!
やっと
ローマに
帰れるぞーッ
オレ達のハラを
治してくれた
この海にも
万歳!!
後で地熱で
体を温める
小屋にも行って
みようぜ!
この奇跡の湯といい
地熱小屋といい
あの技師は
大したものだな!
皇帝のコレ
ってウワサ
だけどよ...
はッ
ルシウス
技師!
今回は
手柄で
あったぞ
ありがとう
ございます!
エルサレムを
陥落できたのも
浴場で兵士達が
力を回復した
お陰だ!
うむ
そのような
もったいなき
お言葉...
私は大した事は
何もして
おりませぬ!
名前の通り
謙虚な男だな
モデストゥス!
さすが
皇帝陛下が
気に入られた
だけの事は
ある!
これは
セウェルス
将軍!
ルシウス・
モデストゥス
ローマへ戻ったら
そなたを囲んで
すぐに宴を閉こう
ではないか
そなたの
食べたい物を
何でも用意
させるぞ!
......
コウノトリ
でも
ウツボでも
何でも言う
がいい!
ぎゃ
妻と会った
後からでも
...
...いや...
あの...その...
宴ですが...
よろしいで
しょうか...
なんか...
えーっ!!
数ヵ月後、口・
家へ一旦
戻る事を
許してもらえて
良かった!
何せ
ローマを
3年も離れて
いたの
だからな...
妻は元気で
やっているのだろうか...
今
帰ったぞ!
リウィア
離婚させていただきます!
おおい
リウィア!!
リウィア!
どこだい!?
ローマ&風呂、わが愛
ヨ
には人抵ミネラルウォーターの工場と
立派なスペリゾートやホテルがあって、
お金持ちが数日間滞在しながら温
泉城法でそれぞこれの疾患を治癒しに
来ています。私も何度か行ったこと
がありますが、どこも医者の処方や
んがなければ入れてもらえない場所は
ばかりで、一般の人が体験できるのは
鉱泉を溜めたブールが蒸し風呂程度
でした。お金は高いし、水着は着など
とダメだし、見渡す限り何気に椅掃
そうなスカした人種しかいないし、同
じ温泉に病気の治療を託すにしても、
こうも日本と様子が違うのかと心底
ガッカリしたものです。
ところが調べてみたところ、古代
ローマ時代にはもっと一般大衆向けの
湯治場があったというではないです
が設けられ、そういう所は
ころには保養地なるもの
1ロッパにも温泉の沸くと、
で、私は日本へ帰った際に友人の選
湯治場のエビソードを描くにあたっ
か、ナポリ近郊では岩のくぼみから
湧出する温泉を利用した治療目的
の湯治場が設けられ、そこには沢
山の人が集まっていたそうです。悪
名高さローラ皇帝のネロですが、彼も
同じくイタリアのカンペニア州に「大
湯治場施設を建設してて一般の人に
も開放していたら、しいです。更に、
とある地方では何と別府の砂蒸し
風呂と同じシステムのものがあり、結
核や喘息の人にはその浸身浴が良い
く効くとされていたというのですが、
二千年もの昔に。
この頃のこういった湯治場は上記し
だとじゃれたスペとは違って、もっと大
来的なイメージの場所だったはずなの
に、残念ながらその形跡は今やどこ
にもありません。
画家三宅乱丈さんと一緒に東北の温
泉地を数日掛けて回ってみました。
かつてイタリアで家の電気もガスも水
道も切られるほどの貧乏学生をして
いた頃、私はつげ義者さんの作品を
猛烈に愛読したせいで、彼が訪ね歩
いた眺めた温泉地には並々ならぬ姿。
望を抱いておりました。もしイタリア
が古代ローマのままだったとしたら、
間違いなく画家になる志など捨てて
様々な鄙ひた田舎街の公衆浴場巡り
に出かけていたに違いありません。
そんなわけで私はかつての美望を
満たすが為、三宅さんとつけ義者も
訪れた秋田の八幡平や乳頭温泉郷
などへ赴いて一日に7回も8回も温泉
に浸かったり、オンドル小屋に班そべつ
てたりしてさました。
た私です。
私達二人はハッキリ言って健康体そ
のものです。何の疾患も怪我もあり、
ません。そんな身で湯治場のオンドル
小屋に立派属するのはとても失礼な
事だったのではないかと後になって反応
省しましたが、それにしてもあの大
地の治療力に身を委ねる人々の乗う
独特な雰囲気は一度行ったら癖にさ
せられるものがあります。
こんなオンドル小屋なら古代ローマ
このご老人達も泣いて喜んだはずなの
に...。寿命もいくらかは長くなって
いたはずなのに...そんな事をふらり
この上に寝そべりながららずっと考えてい
滑治地のオンドル小屋内部
東北・乳頭温泉郷黒池
"頑張れルシウス!!
ウス!!
仕事に没入するあまりついた嫁に逃げ
げられたルシウス!!奇麗な
連命と風呂に翻弄されるルシ
BDAMCOMIX
テルマエ・ロマエI
発行所
そ、それでも、
ヤマザキマリ
@MAR-YAMAZKI2009
株式会社エンターブレイン
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BRAIN.INC
2011年11月20日に、Windows