ThermaeRomae_第03巻_mokuro

「エンターネットワーク」

テルマエロマエ、ヤマザキマリ

，１１０，１８６

第１話

第１２話．．．

第１３話．．．

第１４話．．．

第１５話．．．

第１６話．．．

第１７話

ローマ＆風呂、わが愛

・１１８

：８３

２７

第１１話

元老院の

意見なんて

あって無きに

等しきもの．．．

皇帝の決定を

是正するだけが

今の我々の

役目とは．．．

何もかも

納得が

いかぬ．．．

．．．．．．

アエリウス・

カエサル．．．

あんなのが本当に

次期の皇帝に

なったらローマは

お終いだ！！

あいつを選ぶ

くらいなら

ネロ帝の方が

何倍マシかって

話さ．．．

．．．しかしあの男

ローマ市民には

そこそこ人気は

あると聞いて

いるが．．

ハッどうせ

ハドリアススが

後ろでいろいろと

操作して

いるんだろう

皇帝としての

風格がみじんも無い

あいつが

支持されるなんて

あり得ん！！

．．．．．

お待たせ

いたしました

ウニの塩滅け

でございます

来るのが遅いぞ！！

ワインが空に

なってしまった

ではないか！

申し訳

ございません．．．

新しいのをすぐ

お持ちします

おおっ．．

これはなんと！！

今朝

オスティアの

港から運ばせた

ばかりのものだ

これに特製の

ガルムをかけて

．．．．．

さあ

セルギアヌス殿

新鮮なうちに．．．

私は

ここに宴のために

参ったのでは

ありませんぞ

アッティリアヌス殿！

まあ

ウニくらい良い

ではないか！

明日にでもローマを

危機から救うために

動かねばならぬと

いうのに．．．

確かに

もう随分長い間

ローマには

緊張感も

危機感も無い：

ウニなど

食べては

おられませぬ！！

だから

人間もどんどん

怠惰になって

しまうのだろうが

．．．確かに

そうだな．．．

済まなかった

セルギアヌス殿

それに裏で

謀をしたことが

皇帝に知れたら

えらい目に遭い

ますぞ

元老院との関係も緊張状態が続いていた。

私は心配で

ならんのですよ！！

今のローマを

思うと．．．

流し

を渫

そうそう

あの皇帝は

戦いはしないくせに

内部の企てに

対しては

容赦が無いからな

ぷハドリ

．．．市民が

今のように

皇帝を支持しなく

なれば

いいのですよ

かといって

市民の反感を

買う様なマネは

できぬし

私は

それにはまず

風呂をどうにか

せねばと思って

いるのですが：

何かこう

良い手は

無いものか：・

最近ローマでは

アエリウス・カエサル・

名義で

浴場に関する様々な

展開が見られます。

風呂！？

そう

浴場です！

名はルシウス・

クイントゥス・

モデストゥス：

市民にとって

大切な浴場を

繁栄させて

いるのだから

アエリウスの

人気も当然かと．．．

その一人気」の裏で

動いてる人物を

消してしまえばいい

のではないかと．．．

あの男が

ハドリアヌスや

アエリウスと

繋がっている限り

！ほう．．．

そんな人物が

おるのかね．．．

市民の軟弱化は

進み続けるに

違いありません．．．

まずは

あの男の存在を

消して

市民に正気を

取り戻させる

べきです！

ハドリアヌス

お抱えの

浴場技師

ですよ．．．

．．．．．．

．．．根本

治療という

わけか．．．

．．．して

その策は？

皇帝がまた

何か新しいことを

やり出す前に

誰にも

怪しまれぬ

方法を考えて

おります．．．

私たちの

「理想のローマ」を

取り戻しましょう！

ルシウス宅

お前いいかげん

新しいヨメさん

もらえって！

悪いこと

言わねえ

からよ！

私のことよりも

自分のことを

心配したらどうだ

マルクス．．．

オレはホラ

娼館の

おねえちゃんが

いてくれりゃ

いいの！

女は

いろんなのが

いてくれた方が

飽きないし！！

．．．．．．

オレ？

オレは

いいのよ！！

でも！

お前は

違う！

こんなに忙しく

なってきて

家には女手が

無いと大変

だろう！！

何ならアレだっ

オレがどっからか

探してきてやっても

いいぞ！？

どうせオマエは

自分からは

動かねえん

だから！

？

誰だ？

こんな時間

に．．．

．．．．．いや

今は遠慮しておくよ

マルクス！

ルシウス・

モデストゥス技師！

元老院からの

書状を届けに

参った！

何だって？

また何か

新しい風呂を

作れってか？

「．．．これより

早急に

カンパニア州の

内陸へ赴かれたし

そこには

知られざる

温泉鉱脈が

あって．．．

ヴェスビオス

火山の裏手

ヴェネヴェントゥム

方面．．．」

え！？

あんな危険な

所へ行けって！？

．．．

保養地

陛下と

アエリウス様の

為の別荘と

いうこと

だろう

．．．．．．

とにかく私は

見に行ってくる

でもオマエ

あの辺って

タチの悪い山賊が

ウヨウヨしてて

誰も

寄り付かねえ

そんな所に

一人で行ったら

命取りに．．．

ご容態の

悪い陛下は

そこに保養地を

お作りになり

たいと．．．

陛下のご命令だ

行かねばならぬ！！

ご体調の為とも

なれば一刻も

無駄にできぬ．．．

心配しても

しかたない

マルクス！

．．．本当に大丈夫

なのか？

油断してたら

ブッ殺されるぞ？

ずっと

音信の途絶えていた

陛下からの

久々のご依頼だ

お断りするわけには

いかぬからな！

夕食に招いて

おきながら申し訳

無いのだが．．．

まあいいよ

気にすんな！

戸締りはオレが

しとくから！

：取りあえずは

気をつけて

行けよ

ルシウス！

ここからさして

遠くもない場所に

ロー

あるなんて．．．

まるで想像すら

できないこの有様：

あちらこちらに

湯気の様な煙が

立ち昇ってはいるが

すぐにでも作業に

取りかかりたいのは

山々だが．．

まずは一旦

引き返すか．．．

という大都市が

この見放された

土地を一人でどうにかするのは

かなり難しいだろう．．．

わっ

矢！？

．．．．．．

お出ましの

ようだな！！

．．．．．．

オレ達を見ても

顔色一つ変えねえなんて

大した度胸だなァ

兄さんよ．．．

．．．．．

金を盗るだけが

山賊の仕事じゃ

ねえ．．．

金なら

持ってないぞ

久々の

通行人様だ！

存分に

おもてなしして

差し上げようじゃ

ねえかァえ！！

こっちは毎日

退屈してんのサ

兄貴

こいつの馬

相当イイ馬

ですぜ！！

はァ〜？

仕事ォ！？

冗談だろ

こんな場所で

どんな仕事を

するんだヨ

「ハハハ

私は皇帝からの

仕事を仰せつかって

ここへ来たのだ！！

貴様らの相手など

している

時間は無い！！

．．．．．．

ここに

浴場を作らねば

ならぬ！！

いやははは

何だ！！

何がそんなに

おかしいのだ！？

風呂は

よかった

バハハハ

フロだって

ヨ！！

こいつ

絶対

ダマされて

るって！！

フロ作りに

来たんだって

この兄さん！！

．．．．．．

風呂を小馬鹿に

している様だが

お前達の臭さは

この世のものとは

思えぬ！！

一体どれだけ

風呂に入っとら

んのだ！？

あ！？

．．．．．．

うるせいッ

山賊が

風呂なんかに

ちまちま

浸かって

られるかって！！

．．．．．．

臭さなんて

慣れりゃどうって

ことねえっての

うえっ

くせえっ

しかしこれだけ

臭かったら

貴様らの居場所は

丸わかりだぞ！？

よく

嗅いだら

くせえよッ！！

．．．

．．．こんな

宝の山に

囲まれて

いるのに．．．

調子乗ってんじゃ

ねえよ！！

くせえから

何だってんだッ！！

宝だとォ！？

馬と

身に着けてる物

さっさとこっちに

寄越しな！！

それが

貴様らには

解らぬらしいな．．．

何だ

宝って！？

さあー

何か皇帝の

お宝でも

隠してあんじゃ

ねえの？

こんな所に

宝だ！？

どういう

ことか

説明しろッ！！

．．．．．．

知りた

ければ

私について

来い！

見ろッ！！

素晴らしいでは

ないかッ！！

なんと湯量が

豊富なのだッ

そして

この湯の

良質なこと！！

温度も

適温！！

触れただけで

肌の中に

染み込んで

くるぞ！！

．．．．．．

これは相当

良い浴場が

できるはずだ．．．

こんな所の

どこに

宝を隠してる

ってんだヨ！？

おいッ

宝なら：ここに

あるではないか

．．．

オレ達を

どこまで

コケにしたら

気が済むんだ

よ．．．え．．．！？

早いとこ

あんたの言う

「お宝」ってのを

見せてくれねえ

この首が

スッ飛ぶぜ！？

手伝いが

必要だ

宝だと証明

するには

手伝いが要る！

え！？

．．．．．．

フン

．．．て．．．

手伝うん

スか．．．！？

．．．．．．

ごろご

さっさとやれェ

この

ウスラボケが！！

．．．．．．

その岩は

もっと右に

移動させて

くれ！！

畜生！！

あの野郎

調子に乗り

やがって！

親分の

命令だ．．．

逆らえねえよ

もっと

右だ

右！！

．．．．．．

まきっと

宝が見つかった

時点で

あの世行き

だろうな．．．

おいっ

アレ

見ろよッ

へっ

．．．．．．

何してんだ

あの野郎．．．

思った通り

最高だぞ！！

まあ

たまらんな．．．

この毒気が

抜けてく感じ．．．

オレ何かもう

どーでも

いいわ．．．

生まれ変り

そうだ．．．

温けえ湯に

浸かってると人を

襲ったりするの

面倒になって

きますネ

ねェ

親分．．．

．．．．．．

でもおめえ

こんな荒れた土地で

どうやって

生きてける

って言うんだよ．．．

オレ達ァ噴火の時から

他に行き場所の無かった

連中の子孫なんだ

人を襲うしか生きてく

術がねえんだよ！

たしかにな

．．．．．．

Ｘこの時は２４半世紀以上さかのほるＡＤＴで年に、有名なポンペイが減んだりとスピオス火山の大噴火があった。

せっかく風呂で

心も洗濯した

気分になって

たのに！

悲観する

のは早い！！

私に

案がある！！

案？

これだけの

湯量．．．

どんな

皆が平和に

暮らせる案だ！

これを

うまく

利用して

わっ

っとォ

！！

いはよ

岩ごと

落ちたぞッ

マヌケな

野郎だぜ！！

．．．．．．

．．．おいっ．．．

あいつ

出て来ねえぞ！？

ホン．．．

っていうか

居ねぇぞ！？

．．．．．．

．．．

話

ルシウス技師から

貴殿が素晴らしい

彫刻師であると

いつも伺って

おります．．．

ハハハ．．．

あいつの為に

随分と色んな

ものを作らされ

ましたからねえ

そう思って

くれてるなら

有難いや．．．

：：：この子は

父親が早くに

亡くなり

ましてね．．．

以来祖父と

ハドリアヌス様に

それはそれほ

可愛がって頂いて

おりまして

そういえば最近

ルシウス技師を

お見かけ

しませんが

お元気ですか？

陛下も

アエリウス様も

気にかけて

いらっしゃい

ましたので：

間もなく成人を迎えるに

あたって記念の胸像を

作るようにと皇帝が

御提案下さった時に

この子が

ぜひあなた様に

お願いしたいと．．．

この子がぜひあなた様にお願いしたいと．．．

え？

ルシウスなら

陛下の御命令で

ヴェスビオスの

麓まで出向いて

おりますが．．．？

．．．．．．

ヴェスビオス

！？

別荘を作る為

浴場設営の下見に

行ってくる

ようにと．．．

御通達は確かに

元老院からと

いうことで

受け取って

すぐに出かけ

ましたが．．．．．．

妙だな．．．

先週だったと

思うのですが

．．．．．．

ううむ

残念じゃ

何．．．

！？

陛下がルシウス技師を

夕食にお招きした時には

お風邪を召して御欠席と

いう伝言が届いて

おりました．．．

．．．．．．

．．．何やら

胸騒ぎが

します

．．．．．！

今日の作業は

ここまでにして

おきましょう！

母上

臥興は

家へでは

なく

ウェルス

御祖父様の

所へ回して

もらって

ください！

わかりました

マルクス

«高い身分の人物が乗ってた、寝そべって乗る奥。

そうですね

これは何かの

陰謀である

可能性があります！！

．．．．．

ルシウス技師の

身に危険が迫って

いるかも

しれません！！

ボコッ

ふっ．．．

くっ．．

苦しい！！

早く水面に

出なければ！！

早くっ！！

クファッ

ハァッ

マッ

街！？

あちらこちらから

立ち昇る湯気．．．

そしてこの川べりに

沸いている湯．．

どうやら

ここを取り囲む

あの山々は火山と

いうことらしいな．．

ビシャッ

！？

これは

平たい顔族の

衣服だ．．．

私以外の人間の姿は

他に見当たらぬが

これは忘れ物で

あろうか．．．？

．．．．．．

平たい顔族の

お

先客の方！

いやあ～

大分涼しく

なってきま

したねえ〜

よかった

よかった！

街か．．．

む！？

ほんの少しの間だけ

この衣服を

拝借しよう！！

．．．．．

華やかな街並み

湯共同浴場

じいちゃん

これ飲んでも

いい？

いいよ

様々な年齢の

人々．．．

治安の悪さを

全く感じ

させない

温泉の湯気に

包まれた

開放的空間

．．．．．．

そして

の旦勿

あの印は

平たい顔族の

浴場に出てくる度

目にするものだ

あちらこちらで

見かける

あの印．．．

道行く人も

皆

湯上りの

様子．．

うへー、いい

いい湯

だった〜

ここはつまり

火山に囲まれた

温泉の街．．．

おみやげ店

私がヴェスビオスで

漠然と思い浮かべた

復興案に似ている：

いや！

ここは私が

想像したものより

遥かに素晴らしい．．．

画期的な事を思いついたと確信していたのに

画期的な事を

思いついたと

確信して

いたのに

平たい顔族に

とっては

既に存在するもの

だったとは！

はーい

温泉まんじゃうか

味見していっちまったりよ

おいしい

よう～～

できたてだ

よう～～～

かは。

何だ

この匂いは！？

．．．．．

ホラ

外人さん

味見してって！

うちのがね

評判いい

のよ～～～

もふっ

うっま．．．

な．．．っ

何なのだ

これは．．．！？

パンか！？

パンなのか！？

良かったら

お店の中も

覗いてって

くださいな！

しかも

よく見ると

またもやあの印．．．

わあ～

見て見て！

おいしそ〜

蒸したて

だあ～

平たい顔族の嬉しそうな顔．．．

平たい顔族の

嬉しそうな顔．．．

もしかすると

このパンはここでしか

食べられぬ物なのかも

しれぬな

湯の印が付いて

いるという事は

温泉の蒸気で

蒸しているのかも

しれぬ

湯のパン！？

そしてここが

製造所か．．．

２個

くださあ

～～い！

おいしーーー

こっ

これはっ

？

店！？

何だ

これは！？

そりゃー

「おススメじゃよう

？

こういう物を売るから

街も緊盛する．．．

出来れば

ここにある物全てを

持ち帰って研究

したいところだが

それは無理だ！！

たまたま

山賊に盗られず

首に下げていた

ローマの

通貨はあるが

属州ではない。

この国では通用

しないであろう．．．

味見して

いって〜

腹も減ってきたが

払える金が

なければ

どうにもならぬ

今度こそ

行くぞ！

む．．．あそこも

賑わってるな

．．．．．

あれーっ！？

今当たった

気がしたのにな〜

ヒカチュー

．．．．．．

ここは

一体何をする

場所なのだ？

ブぜんぜん

ほんと．．．！！

かんはって～

ほらあああ

やっぱり全然

ダメだああ〜

なんか

見てる

わっ

イケてる

外人．．

ジュー

ちょっと

．．．ロウ

えいっ！

ハクルまん

弓

やりたい

のかな．．．

これさー

残りのー

あげちゃお

っかなー

もう

止めるよ！

え〜

もったい

ないよー

あの

これっ

２０１７年

もしや

私に手本を

見せてくれと

言っているのか？

それで

いいなよ

よかったら

どうぞ♡

ブリーズ♡

随分弱そうな弓だが

まあいいだろう

ーーン．．．

あの

円の中心に

矢を射れば

いいのだな？

キャ～～～！！

なんなの〜

このひと〜！？

せ．．．

選手？

とかかな？

すごい

すごい！

外人さん

大当たりい

～～～！！

的が

近すぎる．．．

そんな外人さんに

スペシャルな景品が

出ちゃいまーす！

やった

やった〜！！

カラコロ

あんな簡単な的当てで

こんな大きな褒美を与える

と言う事．．．

それはつまり

平たい顔族の軍事力の

低さを物語っている

あの娘たちに

渡そうと

したら

あ

どーぞ

どーぞ！

外人さんの

ですから！

頑なに

断られたが：

この平たい顔族の世界に

生息しているのであろう

奇妙な動物の人形は

私がこの民族をやっと

超えられたという事の

大切な証．．

わ〜♡

いらねー

できれば何とかして

ローマに持ち帰りたい

所だが．．

っと

すみませんっ！

あれっ

外人さん

財布

落ちました

よー？

？

これ

これっ！

フトコロから

落ちたよ！

財布．．．？

しかしこれは

私の所有物

ではない．．．

いや．．．

待て！

すぐに

返さねば

！！

この袖の袋状の

ところから

落ちたと

今の男は言って

いた様だが

とすると

これは：

この服の

持ち主の物！

あそこ

だっ！！

誰か

いるぞ！

ねえなあ

くそ！

盗られた

か〜

お前が俺の服

なんか持って

くるから

ややこしい事に

なっちまったん

じゃねえかよ！

浴衣で

外歩いたら

腹冷えるから

服持ってこいって

ゆうたの

お前やろ！？

ま〜大した金額は

入ってへんかった

から別にええん

やけどよ！

あっ！

俺の

小銭入れ

だ！！

あ〜

これを探しているのか！？

この人間違うて

お前の羽織着てって

しもたんやわ〜

や

わざわざ

すんません

でしたねえ

大変無礼な

真似をした．．

もしかして

この財布を

探しているのでは

ないか！？

．．．．．．

そうだ！

両替という

手段がある！！

ローマの通貨なら

いずれこの者らも

使う機会があるぞ

はずであろう．．

．．．

？

そなたらに

提案がある．．

え！？

何！？

．．．何だ？

．．．．．

うえっ

何これっ！？

これと

そなたらの通貨を両替しくれまいか．．．？

髪を両替してはいまいか

．．．？

え！？な．．．

何だって？

うお

これ

銀や！！

どこの国の金か

知らんし

形も不揃いや

けどほとんど

銀貨や！

．．．んなァ．．．

偽物じゃねえの？

ありえねえって．．．

コインが偽物や

としても

これが銀やって

のはウソやない

俺ン家

質屋やったから

わかるんや！

．．．で

これを？

取り替えろっ

ちゅう事？

．．．．．

てきとーな事

言ってんじゃ

ねえよお前

．．．．．．

あーもー

どーぞ

どーぞ！！

チェンジ？

いいのかな

どうやら交渉が

成立した

ようだな．．．

よしっ！

平たい顔族の

通貨を何とか

入手したぞ！

これ全部がローマの

通貨でどれくらいに

値するかは分からぬが

さっきの細工を

調達したり

何かを食べたり

するくらいは

できるであろう

．．．

．．．素晴らしい

谺造技術

だな．．．

どりあえず

もう一度あの街の

中へ戻ってみよう！！

わう

．．．．．．

む！？

それにしても

ローマのように

通りに

開放された

食堂みたいな

ものは存在

しないのか？

そういった

．．．．．．

うまーひ！

食堂！？

何なのだ

この．．．

脳の感覚を

麻痺させるような

極上の香りは．．．

よし！

ここだ！！

いくぞ！！

へーい

らっしゃーい！

へーい

らっしゃい！

．．．．．

えっと

．．．．．．

何に

しやしょう

第１３話

あれと

同じ物を

くれないか

えっ？

あれと

同じ物を

頼む！

これと同じのを

くれって

言ってんじゃ

ないの？

．．．．．

あー

そっか

そっかあ

ハイよっ

そんじゃ

味噌一丁！

同じやつっ

てことね！

そ．．．

なんとか私の

意思が通じた

ようだな．．．

なんと．．．

アッという間に

完成した．．．

こうして

みたところ

私に判別が

出来るのは

へイっ

お待ち〜

一体

何が素材に

なっているので

あろうか．．．

薄切りの肉と

茹でた

くらい

汁の中に浸された

この黄色くて長い

物は何なのだ？

この黒いパピルスの

ような物や

渦巻き状の

これは食べるのが

惜しい程

美しいが

いや

それよりも私が

気になるのは

この茎の伸びた様な

植物は一体．．．

何なのか

さっぱり分からぬ．．．

．．．．．

この器の縁にある

ギリシャ伝来の

メアンドロス柄：

扉の外にあった

日よけ布にも

この柄がついて

いたが．．

この民族も我々と同様に

ギリシャの影響を

受けていたのか？

．．．．．．

．．．．．

じぃ～

しかしローマには

この様な食べ物は

存在しない．．．

．．．あの

お客さん

．．．．．

．．．．．．

早く食べねば

冷めてしまう。

という忠告か

それもそうだ

まずは

頂くとしよう

なるほど．．．

早く食べねえと

伸びちまい

ますよ？

このリグラと

ルディクス二本で

中身を汁から

すくい出すのだな

メリグラーローマ時代のスプーン。

ルディクスースープをかき渡せたりした太い榊状の食器。

スズオイル！！

．．．．．．

これは一体

どういう事なのか．．

．．．．．．

料理の分野でも

我々はこの民族と

同様にギリシャの

影響を受けている

はずだというのに：

．．．．．．

なぜ

平たい顔族

だけ

こんなに

美味い物を

開発できた

のだっ！？

兄さんっ

口ん中

ヤケドでも

したかねっ

！？

ＯＰＴＩＭＵＮ

うまいぞ！！

へ！

えっ！？

うまかった

って言って

んじゃ

ないの？

いかん！

ここで取り乱しては

ローマ人の名に

恥じる．．．

ＶＥＲＩＴＡＳ！

本当だ！

そ

なんか頼か

おっかねーけど

そうかい

．．．？

見てご覧よ

この食べっ

ぷり．．．

相当感激した

んじゃない

かね？

涙が出るほど

美味かったっ

てことかい？

しい

俺の

ラーメン．．

ローマのどんなに

贅を尽くした料理で

あってもこの者らには

鼻で笑われるかもしれぬ

いいやあ

〜〜〜．．．

いろんな意味でローマと

この国が互いの存在を

知らぬのは救いであり、

悔しくもあり．．．

む？

何だこれは？

頼んでいないぞ？

ラーメン

気に入って

くれたお礼

だよ

俺の奢りだ

喰ってくれ！

そうかこれは

この汁のつけ合わせ

なのだな．．．

アッアッ

だ．．．

むう

手づかみとは

豪快な！

ハハハ．．．

ジューシィ！！

俺のラーメンって

世界にも通じるん

だなあ〜

ラーメンやってて

本当に良かった〜

これはっ

止ま

らん！！

まてっ！

最後の一個は

ローマに持ち

帰ろう．．．

ギリシャの何が

変化して

こうなったのか

え？

袂にしま

うの？

よし！

腹はすっかり

満たされた

さっそく

さっき両替した

通貨で支払って

みようではないか

．．．．．．

じゃら

．．．．．．

お．．．

お勘定かい？

皆目

分からん！

む！？

黄金の輝きと

中心に穴を

空けた手の

込んだ作り．．．

．．．．．．

これは相当に

価値のある

通貨と見た！

この調理人の腕には

これくらいの

報酬があって

当然であろう

ほんの

感謝の

しるしだ！

いや．．．はは．．．

．．．これじゃ足り

ないな．．．

ハハハ

む！？

納得してない

表情！

遠慮せずに

受け取って

くれたまえ！

では一体

どれだけで

足りると

いうのだ！？

この紙の

やつで

足りるよ

ここの勘定

！？

なんと

いう

細かさ．．．

次古代ローマにはは紙幣は存在しなかった。

なんだ

これはっ！？

まさかこれも

通貨だという

のかっ！？

精巧過ぎて

恐ろしい！！

この人物が

平たい顔族の

皇帝か！？

そうそう

それで

足りるよ！

ありがとう

ございました

～～～！

パピルスの

通貨とは

驚いたな．．．

結局あの料理が

どれくらいの

価値のもの

だったのか

分からず終い

だったが

はい

お釣りが

三百円ね！

おくむらと、

とりあえず

美味いものを、

存分に食べ

られたのでも

満足だ

だが

のんびりは

しておれぬ

ローマへ戻って

しまう前に

まだ調達したい

物がある．．

ありがとう

ございました

～～～

．．．．．．

見れば見るほど

実に素晴らしい

発想の細工では

ないか．．．

是非これと似た

物を帰ったら

作らせよう

ヌード

問題は私が本当に

これらの物を

ローマに持ち帰れる

かということだが．．

何か．．．

て．．．

娼館！？

山賊の

頭では

ないか！？

いや違う

こんな所に

いるわけが

ない．．．

あれっ？

あれあれ〜

外人さん

もしかして

興味あり〜？

こいつは

．．．？

ナイスガール

おるから

見てってよ〜

ちょっと

待ってよ

お兄さん！！

ねえジャパ

ニーズガール

ヌード安く

しとくから！

ＤＰＵＳＮＯＮＥＳＴ

今は必要ない！！

客引き

あっ

ちょっ．．．

絶対に気に

入るから

ねえ〜！

どこへ行ってもうかッ

ああいう人相は

タチが悪い

らしいな．．．

わっ

すみませんっ

！！

ああ〜

すみませ

私の戦利品

が〜っ！！

あれだけは

何としてでも

ローマに連れて

行きたいっ！！

何として

でもっ

救い出さ

ねば

ならんっ！！

あら？

．．．こいつ

生きてるわ

本当だ！

わははは

おめえ

あんなに長い間

湯の底に沈んでて

よく死んでねえ

なあ〜

なんでいつの間に

服なんか着てん

だか知らねえ

けどよ

おめえと一緒に

ヘンな物が浮

かんできてるぞ

なにっ

何だ

それ．．．

．．．．．

．．．．．．

材料は

揃った．．．

ボヤボヤして

いる時間は

無いっ！！

すぐに村を

完成させるぞ

皆の者っ！！

よしっ！

村？

．．．．．

暫く後ーー

．．．一体いつまで

こんな事して

なきゃならねー

んだ？俺たち．．．

知らねーよ

畜生！

あー

休みてー

ここを村に

するったって

日干しレンガを

作る作業から

だぜ？

一体あと

何年掛かる

事やら．．

だいたい

見てみろよ．．．

あいつのイッちゃ

ってる様子．．．

あそこには

別の店を

もう何かい

逃げるべ！

おおいっ

アレ見ろ！

捕まっち

まうぞ！！

いつの間にか

親分まですっかり

あの野郎に影響され

ちまってよう〜

やべえっ

軍隊だっ！

大丈夫だっ！

逃げるな！！

ルシウス

技師ーっ！！

ご無事です

かーっ！？

マ．．

マルクス・

ウェルス様！？

ああ

良かっ

た！

お変わり

なさそうだ

大変な事になって

いるのではと心配

して駆けつけて

来たのですが

ご心配

無用です！

皇帝陛下の

別荘の前に

まずは環境整備をと

思ったのですが

そんな事なら

お安い御用

ですよ

ルシウス

技師！

ご覧の通り

労働力なら

いくらでも

ここに！！

山賊を

全て使っても

この人数なので

なかなか捗らず．．．

陰謀の事は

黙って

おこう

ただ想像していた

よりもここが幾分

扱いにくい土地

だったもので：

！！．．．！！

確かに

これだけいれば

道路も水道も

整備できますな

．．．．．．

等のエキス／パートでもあった。

．．．技師は

ここを最終的に

どのように

しようと

お考えなのですが？

団兵は戦闘だけでなく、都市建

村です

温泉の

村！？

温泉浴場を

集合させた

悪いが目的の

村です！

随分と

賑わっとり

ますのう〜

今やローマ中で

噂になって

ますからね

この場所は！

温泉だけじゃなく

店なんかも随分と

充実しとるし

のう〜

ママ〜

これほしいよ〜

買ってよ

ねえ〜

ごめんなさい

この貝殻の細工

っておいくら

なのかしら．．

あ

えっと．．．

わあ

オイあれ

いくらで

売ってん

だっけ？

あら？

外から

なんだか

とっても

良い匂いが．．．

たったの

１アスです！

お向かいの

食堂

かしら．．．

へい

いらっしゃいませ〜

ほい

お待ち

どおさまっ

特製スープ！

そのスープには

つけ合せが

ありまして

こちらもどうぞ

粉に水を混ぜ冊長く練った

ラガヌムの

生地に

豚肉を細かくして

入れて

蒸した物だよ！

うっへえ〜

いい匂い〜

いろんな

属州の

カワイ子

ちゃん揃い

だよ？

肉汁が溢れ出て

くるじゃねえか！

最高〜！！

ねーねー

そこのご主人お三方！

温泉の前に

ちらっと

寄ってかない？

いや今は

必要ない！

なんでえ

辛気臭え

オヤジたちめ：

でもまあ

今日は

朝からガッツリ

客も入ったし焦る

こたあねえよな．．．

おっ！

親分！

おお〜お前か！

忙しそうだな

どうだよ

そっちの店の

調子は？

いや〜

繁盛して

ますよ〜

例の野郎が

何度も味見して

作った

変なスープ．．．

野郎は未だ

納得いってない

みたいだけど

客にはバカウケ

っスよ

ワハハハ

そうか！

今も材料が

足りなくなって

買いに行く

ところですわ

お前もともと

料理好きだったし

良かったな！

皆堅気に

なって喜んで

るな．．．

ルシウスよ

貴様にゃ

感謝してるぜ！

．．．．．．

．．．しかし

これは．．．

何ともはや．．．

お忍びで

様子を見に

くれば．．．

計画は

大失敗だ！！

まさか

こんな展開に

なっておった

とはな．．．

暗殺どころか

奴めこんな

快適な街なんぞ

作りおって．．．

まあまあ

もう良い

ではないか

私はどうもあの

モデストゥスという

男を甘く見ていた

ようだ．．．

もうそんなこと

考えるのは止めて

温泉を楽しもう

ではないか

セルギアヌス殿！

ハドリアヌス様も

ご容態が良くなられ

次第こちらへ様子を

見にいらっしゃるとの

仰せでした．．．

アエリウス

様も

急にご公務が

増えられて

ルシウス技師

にはくれぐれも

よろしくとの

ことです

．．．．．え？

いえ山賊たちが

ああして纏まって

くれたのはひとえに

湯の力」のお陰です

恐れ入ります

それにしても

手強い山賊を集めて

働かせてしまうとは

さすが

ハドリアスス陛下が

気に入られるだけの

事はありますね

湯のある場所に

諍い事は

生じませんからね．．．

あ～

いい湯だやっ

「湯の力」か．．．

我々は神から

素晴らしい物を

授かったの

ですね．．．

最高ですな．．．

こいや．．．

逆に

あの陰謀計画

立て良かたですね

ハハハへ

まさに

その通りです！

ところで

ルシウス技師

気になる事が

あるのですが

あの奥の

祭壇に

置かれている

．．．．．

はい

あれは一体

何なの

ですか？

神です！

ロー

ーマ＆風呂、わが愛

．．．いいんじゃ

術館所蔵の「ラオコ１ン像」をモティー

フにしております。

実はこのイラストは、既にコミック

ビーム誌の表紙を一度飾ったものであ

りまして、一３巻の表紙は描き下ろ

しじゃないのかよ」と思われる方も

中にはいらっしゃるかもしれません。

ですが、個人的にこのデッサンには

色々な思い入れがありまして、敢え

てコミックスのカバーにも用いる事にさ

せていただきました。

ギリシャ神話屈指の悲劇であるラオ

シチャーを支えて下さっている皆様方

のお陰です。心より感謝いたします

ところで今回のカバーは、名作揃い

の古代ローマ彫刻の中でも最高傑作

のひとつに数えられる、ヴァチカン美

おっしゃありがとうございます。今日はいたらお客さんがお願いしたいたいのを目になっておりました．．．やってならなかったよ

ました．．．。全てはルシウスの風呂アドベ

．．．いいい

していただきたく、ラオコーンファンの

シャンプータイムってことで、どうか許さ

コーンの逸話の中で、最も残酷なシー

シを描き出したこの彫刻に、私はシャ

シジーハットを被せてしまったわけです。

だが、この絵を描いた時、こよなくギリ

シャ・ローマ文明を愛する夫から猛烈

な抗議を受けましだ、「何もラオコー

シじゃなくたっていいじゃあいか！！

もっとヘンな彫刻なんていくらでもあ

るだろ！」と。

ええ、そうですよ。そうですとも

でも私は、かのミケランジェロにも強烈な

な刺激を与えたという、この哀れな

神官の肉体の「うねり」を、どうし

ても描きたかったのです。それに、ラ

オコーンだって髪の毛、くらい洗っていた

でしょうし、頭皮をじっくりマッサージ

しょうと思ったら、やっぱりこういう

ポーズに必然的になっていたと思うの

です。だから、これはプライベートな

イタリアの大通谷ポッツォリの

ゾルファタ

方々、ご了承下さいませ。

今、この日は一番、いいのですが、

さて、３巻の最初のＡ話は日本の

温泉街ですが、実はこのエピソードを

描いている途中で、私は天の仕事の都

合により、ポルトガルからアメリカのシ

カゴへ引っ越しをいたしました。

シカゴ。ギャングとプルースとオバゴの

街、シカゴ。都会だし、楽しくていい

んですけどね．．．ただ、自宅の窓か

ら見える景色、周りを取り囲むぞ。

ネス臭に包まれた高層ビル群は、私を

何とも行き詰った心地にさせるので

す。向かいに建つビルの、同じ高さの

フロアはジムになっていて、心身のバラン

スをなんとしても整えようとするで

メリカ人達が、毎朝５時くらいから、

心不乱に運動しています。そんな様

子を見ていると、やり場の本い圧迫

感が変ってくるのを抑えられません。

日本の温泉街：そう、それは、こ

んなシカゴのダウシタウンの雰囲気と

は対極的な、完璧に１８０度間こう

側にある世界ではないでしょうか。

温泉街には、人間が日常で強いら

れる一生きている以上、何かやらねば

いけない。自分を何かに役立たせね

ばならない」という緊張感やら義務

感が、すっかりこそげ落ちた「思いっ

きり緩もう、ちょっとくらいハメも外

してるシー」的な、怠惰さと優しさの

混合した資容な空気が漂っています。

あんな場所は、少なくとも私の暮

らすこのアメリカの都会の周辺には

切ございません。大変残念な事です

が、人前で無防備な素で裸になってお

風呂に浸かるという習慣すらないこと

の国で、日本の温泉街の理念を解っ

てもらうのは、不可能であると考え

ざるを得ません。

私の手元に、温泉を特集している

かつて繁栄していたであろうカン

バニア州バイアエの温泉地の遺跡

１９７６年発行の雑誌「太陽」があり、

ます。沢山の著名人の方選が日本各

地の温泉について手記を寄せている中、

に、作家の田中小実は、漫画家のげ義

春、そして写真家の渡辺兄ロの三氏が

だが、城崎温泉の温泉街で一緒に過ごし

ている様子を綴った記事が出ています。

酔って前の晩の記憶が無いという

田中小実昌さんの文は、読んでいる

と行間から億えたアルコール臭が漂っ

てきますし、そこに添えられたつげ

義春氏の味わい深い温泉街のイラスト

が、これまで素晴しい。狭い路地だ射

的場や湯の町ヌード、小さな飯屋な

どが密集していて、さりげなく立ち

小便をする治衣姿の男の後ろ姿や、

赤いショーズ枚で客を呼び込むヌ！

ド屋の女性の姿が醸す退廃的な雰

囲気が、心を揺さぶります。

そんなつげさんの情緒に満ち満ち

た世界に浸りながららページをめくる

◆◆．．．ＷＲＩにも

．．．いいじゃ、

と、芸者さんに浴衣を半分脱がされ

て両サイドから乳首をいじられている

田中小実昌さんの写真が、巨大な見

開きて出てきます。読み手の意表を

突く物凄い編集です。

でも、私は思うのです。これ以上

に温泉街の解放感を表現した写真

が他にあるだろうか、と。温泉街と

言うものが、いかに人間から表面的

で窮屈な体裁を取り除いてくれる場

所か、そこでハメを外さなかったら、

生人間社会の中、で緊張感に縛られ

て生きるしかないこのだと訴えかけて

くるような、素敵な写真です。

今回のルシウスは残念ながら、せっ

かく鄙びた温泉街に現われていなが、

あら、一時だりとも眉間の皺を緩められ

れずにローマに戻ってしまいますが、人

間として心身のベランスを重視し、巨

大な帝国をそれぞれの分野でプライ

ド高く文える一方で、公共浴場では

伊東温泉の海岸

古代ローマの熟海、バイアエの海岸

コーマ＆風呂、わが愛▼▼

他人と一緒に素っ裸になって湯に浸か

りリラックスをするという術を知ってい

たローマ人になら、日本の温泉街は級

迎されるのではないかと、私は考えた

のでした。

．．．いいい、

そして、今回取り上げた温泉街で

のお買い物。ルシウスは、両替に成功

したお金で貝細工を購入します。温

したお金で目細工を購入します・温泉街の土産物屋などで購入レた物

は大抵、やや時間が経つと「．．．何で

こんなの買ったんだろ」と、自らの当

時の嗜好に疑問を抱くような物だっ

たりします。ですが世の中には、日

常の緊張や様々な義務感から解放

されて伸びたパンツこのゴムみたいな精神

状態にならないと、欲しいと思えない

「物」というのが存在するといえると、

そ、温泉街の工産物は教えてくれます。

す。人様にお土産として献上したら

迷惑がられるに決まってるような、

◆．．．いいです．．．いいや〜〜〜いい〜

温泉のお湯でふやかされた脳細胞の

みが反応する、体裁を切無視した

〈緩い物欲も、人として大切なものだ

と思います。私も以前、素温泉街で

でっかい通行手形のキーホルダーやって

シトを喜んで購入し、しばらくして

からそれを見て、自分の不可思議な

衝動について考え込んだことがあり、

ました。でも、そんな物欲を悔やん

ではいけないのです。その通行手形ご

そ、解放されるった素晴しい精神状

態の証なのですから、

独自の時間の流れの中で、まった

りと人々を癒す日本の温泉街。古代

ローマでも、恐らくカンベテ州バイステ

のような二人温泉地では、それと似て

たような雰囲気が感じられたのでは

ないかと推測しますが、とにかく、

今暮らしているアメリカからは、色ん

な意味で程遠い世界であります．．．

伊東温泉の街

北海道の温泉街の土産物屋、

さあ、どれを選ぶ？

第１４話

米ローマ近郊の港町

紀元１３７年

オスティア

ちわーっす

よしここは

これでいいだ

ろう．．．

この後は

冷浴室の

給水口だな？

錫管は

後何本

残ってる？

はいっ

そうです！

ルシウス・

モデストゥス

技師！

パンノニアの

アエリウス様より

そなたに書状を

預かって

参りました！

パンノニア？

☆現在の東欧各国におまたがるドナウ川沿岸のローマ帝国最前線防術拠点。

親愛なるルシウス

私は今夏の気配など

一抹も感じられぬ寒さ

土地パンノニアより

そなたにこの書を

したためている．．．

アエリウス・

カエサル様は

現在パンノニア

の総督をされて

おります

第１４４軍団ゲミナと言えば

ローマにおいては重要な

駐留軍であることは

そなたも熟知しては

いると思うが．．．

しかしここに

赴任して驚いたのは

その浴場の古さと

ボロさである．．．

寒っ！！

どんなに長時間炊いても

湯がさっぱり熱くならず

どう見てもこの浴場には

大々的な整備や

点検を行う

必要があると思われる．．．

父上は寒冷な土地の方が

私の健康に良いはずと

判断されたようなのだが

．．．．．．

温かい湯に浸かれぬ

この状況では私の

体力は衰える一方だ．．．

ついてはそなたに

こちらまで出向いて

もらうことは可能で

あろうか？

多忙な事は

承知している

たが是非とも前向きに

この件は考えて

くれまいか．．．

．．．アエリウス：

どこまでも軟弱な

男．．．

．．．．．．

だがしかし

活力の元となる心地良き

入浴が出来ないというのは

実にまずい事態だ．．．

私は今

ハドリアヌス様に

命じられてここ

オスティアの浴場を

修復している以上

どうしても

今ここを去るわけには

いかぬ．．．

ルシウス技師！

冷浴室

での準備が

できております！

そして

この後はすぐに

カンパニアにある

バイアエの

浴場修復に

行かねば

ならない．．．

あいえ

これから

ですが．．．

ああ

今行く！

そうかでは

忘れないように

しっかり頼む！

ゲミナの浴場が老朽化

しているとはいえ、

わざわざ出向く程の

ことでもないと思うのだが、

左の管は

水盤にもう

接続済みか？

しかしあの男の

ことだから

駐車地にもローマ市内

並の浴場を求めている

のだろう．．．

パンノニアといえば

クアディ族やマルコマン！！

といったローマに敵対する

変族から常に脅威にさらされ

ている所．．．

風呂に存分に浸かれ

なかったという理由で

もしあの男が属州を

しっかり守りきれ

なかったとしたら

それは

一大事だ．．．

．．．．．．

どうしたもの

であろうか：・

．．．．．

何か

良き知恵が

湧いてくれれば

いいのだが．．．

アレキサンドリア

がらの船が到着

したぞーっ！！

第３

埠頭だ！

急げっ

船が着い

たぞー

アレキサンドリア

か．．．

．．．．．．

ハドリアヌス様の

荷物であろうか．．．

降ろすぞー！！

いいかーっ！？

☆古代エジプトの記念碑。。ローマ帝国によって多くが路飾された。

よーしっ

そのまま

ゆっくりーっ！

あの

オベリスクは

ここからローマに

迎ぶのか？

そうか．．．

．．．．．．

新しい

オベリスク

だぞっ！

いっそここで

組み立て式の浴槽と

ボイラーを作って

パンノニアに運ぶ

というのは

どうであろうか．．．

パンノニアまで

大理石を運ぶとなると

重量が重量なだけに

時間もかかってしまうし、

壊れる公算が高い

だが何か大理石よりも

もっと軽い素材で作れば

運ぶのも楽になる

大理石以外の素材で

浴場を作ることは

今まであまり

考えた事がなかったが．．．

む！？

木材．．．

そういえば

以前平たい顔族の世界へ

行った時に木製の浴場を

見た記憶が漠然とあるが

木材ならば

石よりもはるかに軽いし

運ぶのもずっと楽だろう

水に浸かりっぱなしの

船ですら木でできている

このだから浴槽だって作れ

ないことはないはずだ．．．

木材で浴槽か．．．

作り方を考えねば

ならぬな．．．

おおーい

その材木は

こっち

だぞーっ！

なんでえ

そっちかよ！

ガサ！

ほ～い！

．．．

ソロー

マッ！！

．．．．．．

どれ

新しい薪

割って

くるかい

こらあ

シケっとって

火がつかんわ．．．

ハアッ

ゴホッ

む！？

こっ

．．．．．

これはっ！？

樽！？

？

何故

私が樽の

中に．．．

この空気．．．

ここは多分

平たい顔族の世界だ

オスティア

ではない！！

そしてこの大樽．．．

．．．．．．

ボイラー

．．．？

．．．．．．

そうか

これは

風呂だ！！

木でできた

簡易浴槽だ！！

樽の中に水を溜め

それをボイラーで

沸かすだけの単純な構造．．．

私が以前マルクスの

師匠に作ったものよりも

はるかに簡単なものだ！！

しかも良く見ると

この木材自体も

相当に年季が入っているから

恐らく何年も使われてきたの

であろう．．．

つまり

木材であっても

立派に

浴槽の素材になりえる

ということだ！

そしてこの大きさ

ならば男一人が

湯に浸かるには

十分であるし、

馬車にそのまま

乗せてパンノニア

まで運ぶことだって

可能だ．．．

今のうちに

この浴槽の仕組みを

把握して

ローマに戻ったら

すぐに同じものを

作らせるとしよう！

ぃよざああ〜く

はぁ～～

フーンフン

フンフーン

樹脂で接着

しているの

だろうか？

へいへいほぉ〜

ひっ

なっ

なんっ

なんなんだっ

オメっ！！

もで？

．．．こっ

こっちくん

なっ！！

．．．．．．

はぁ！？

は・

ス．．．

私の名前はルシウス・モデストゥス．．．

私は怪しい者では無いそなたらの風呂文化に感銘を受け色々調べさせ

受け色々調べさせ

てもらっている

突然邪魔を

天然外れをして申し訳わかった．．．

しい中しぃなかった．．．

？

バラバラじゃ

ねえかっ

おっ．．．

オメっ

わしの風呂さ

あんなこと

してくれてっ

どっ

どうしてくれ

るんじゃいっ

えっ！？

おらっ！

すまなかった．．．

．．．．．．

どうしても

衝動を抑え

られなかっ

たのだ．．．

だが案ずる

ことは無い！

私がちゃんと

元に戻そう！

ああ～

ダメダメっ

角度をきっちり

合わせねえと

ダメっ

釘も打たな

ければ接着剤も

使わねえでな

．．．

これが

日本の

ワザって

やっよ！

．．．．．．

これは

ビシッと

合わせねえと

また

壊れちまう！

つまり私たちが

右材で用いている

アーチ構造と

同じ概念だ

そうか．．．

わしも炭焼き屋で

楠職人じゃねえがら

詳しくはねえけど

な．．．

おそるべし

平たい顔族．．．

よっしゃっ

ひとまず

直ったぞ！！

．．．．．．

あーもう３日も

風呂に入っと

らんから

痒くてならんっ

こらっ

オメ！

わしの

風呂桶を

壊した

罰じゃ！

オメが湯を

炊くんじゃ

いいな！？

わしは

準備して

くるでの

！

ホレっ

これ

持てや！

．．．．．．？

へいへっ

いほお〜

ＬＤＤ

フロー

ぃよぉさぁくぅ〜

はぁ〜

フーンフン

フンフーン

へいへい

ほぉぉ〜

コー

フンフン

フーンフン

フンフーン

何の歌であろうか．．．

実に味わい深い

良い旋律だ．．．

この景観に

ひったりの

歌ではないか

へいへい

ほぉぉ〜

なんという

長閑さで

あろう：・

この老人の歌声と

ともに私の心に

染み込んでくる

ようだ．．．

この国では

木々の葉が

鮮やかな黄色や

赤に変化する

のだな．．．．．

なんとも美しい

なんとも

美しい．．

へいへい

ほぉ～～

ＨＥＩＨＥＸ

．．．ＨＯＵ：．

オメ

フ．．．

へいへい

ほぅ～～

ハンハシハンかン、

ハーンハン

ハンハーン

ＨＰＩ

ＨＥＩ

．．．ＨＯＯＵ．．

フンフン

フンフンワーン

ＨＥＪ

ＨＰＴ

ＨＯＴＴＩＴ

よっしゃ！

へいへい

ほぅ〜

．．．

じゃじゃっ

ジャじゃじゃ

じゃ

じゃじゃ

じゃあー

んっ

いよおおさあ

ああくううう

．．．．．．

やっぱり

失敗じゃっ

たわ！！

おいっ

外人さん

よっ？

ご指示頂いた

ままの形．．．

素材はレバノン杉を

使いました

船や神殿の

屋根にも使われ

ている素材です

から水には強い

はずですよ！

ハドリアヌス

様が保護条例を

お出しになった

木だな

浴槽を作るのに

使ったと

お知りになった

ら．．．

私の故郷の

ガリアで用い

られている

樽と同じ方法で

作りました

まあ

アエリウス・

カエサルの為と

なれば陛下も

間違いなく

お許しになられる

ではあろうが．．．

この

ボイラーは

連結できるか

どうか試した

のか？

ハイ確認

済みです！

大丈夫です

よし

いいだろう！

では

すぐに出荷の

準備を！

これが浴槽設置の

説明書と風呂を沸かす

のに使う筒だ．．．

むこうの担当者に

渡してくれ！

了解した！

．．．．．．

無事に

届くといいが．．．

☆古代ギリシアの哲学者。大樽に住んで思索をめぐらしたという。

はいっ

では

現場に

戻ろう．．．

その樽の中に入って

ディオゲネスの様に

無欲と自制心を養い

属州パンノニアを

しっかりと守ってくれ！！

アエリウス・カエサル

よ！！

☆ナポリ近郊の港町

２ヶ月後

カンパニア州バイアエ

どうだ？

今週中には

仕上がり

そうか？

ＨＥＩ

ＨＯＵＵＵＩＵ

ＨＰＴＨＡ

ＨＯＵ〜

はい

なんとか

間に合い

そうです

よしっ

ルシウス技師！

書状が届いて

おりますが．．．

書状？

アエリウス・

カエサル

からだ．．．

親愛なるルシウス

そなたの送ってくれた

木製の浴槽のお陰で

私はすっかり生き

かえることができた

ふはあ

ついでにここに

ローマの美しい女性が

２〜３人いてくれれば

私の健康面はより

完璧になるはず

こんなことはそなたに

しか頼めないと思い

あらためて工画を

お願いする次第．．

父上がこの依頼の

ことを知ったら

烈火の如くお怒りに

なられるであろう。

からくれぐれも

内密に．．．

これで父上から

仰せつかっている

任務も無事果たせる

であろう．．．

そなたには、心より

礼を言う

ンノニアの娘は

田舎臭くて

ダメなのだ．．．

アエリウス・

カエサルより

知るかっ

ボケッ

ロー

一マ＆風呂、わが愛

仕事を終えた後は、他に居場所が無

かった、ということがあります。

今回のエビソードで、ルシウスが浴場

のメンテナンスに訪れている街「オスティ

ア」は、ハドリアヌス帝の時代も含めて

長い間港町として栄えたローマ近郊の

小都市ですが、こことは数ある古代ローマ

の遺跡の中でも、当時の特徴ある集合

住宅「インスラ」が大変素晴しい保存

状態で残されていることで有名です。

オスティアの石畳をぶらぶら歩きな

がらこのインスラこの遺跡を眺めている

と、そこでどんな都市生活が営まれ

ていたのか、かな５具体的にイメージ

することができます。«古代のローマ市

内には、高い物だと地上１８メートルに

とか、ゆっくりリラックスでさる場所は

を求めていたからというだけでなく、

１マ人達が公衆浴場に毎

日のように通っていた理由

は、彼らが清潔好きだった

◆◆．．．ＷＲＩにも

．．．いいじゃ、

もなるこうした高層建造物が、４万

ないし５万近くも建っていたというの

ですから、その都会っぷりたるや、田

舎から来た人達にとって度肝を抜か

れるスケールだったに違いありません。

考えてみれば、当時ローマ市内だけ

でも人口恐らく２００万弱、これだ

けの人々が暮らす。には、どうしても

居住空間が縦に伸びてしまうのもや

むを得ない気がします。

ただ、現代のマンションと違うのは、

隣が上に行けば行くほど価値が下

がり、そこに暮らすのは貧しい人達

になっていく、ということです。

通りに面した地上階はだいたい店

舗に当てられます。が、２階には、現

代のペントハウスになるのでしょうか、

裕福な市民層がヮシフロア全体を占う

める空間に暮らしていました。トイレ

はもちろん、可能であればお風呂を

作る余裕もあったわけです。それが

１３０年前に外国に紹介された

日本女性の入浴

が〜、銭湯へは趣味嗜好云々以前

だって風呂無しアバートなんてのは

当たり前に存在し〈今もあります

上へ行くほど作りも簡素で脆いもの

となり、水道が届かないのでトイレも

無く、最上階に至っては隙間風も雨

漏りも当たり前、ただ寝るためだけ

のスペース、という有り様だったようで

す。当時のそんなローマの環境では

現代人のように「日中家に引きこ

もってだらだらする」という概念は、

お金持ち以外には持ちえなかったこ

とでしょう。

結果、窮屈な家屋に暮らすことを

強いられる多くの人々は、広くて心が

落ち着ける公衆浴場でたっぷりと時

間を費やすわけで．．．実際、この本

スティアも、どこを向いても浴場跡だ

らけて、その必要性の高さを感じさ

せられます。

しかし、思えばちょっと前の日本

今、いいじゃないけど、今の

に、必然的に通わねばならぬ暮ら

しの人達が沢山いたわけです。木桶

のお風呂がある田舎の風景なんての

も、遠い昔の記憶の様で実はつい最近

まで現実にあったものなのですから、

日本文明の目覚ましい変化には驚く

しかありません。

そんな中、なに気なくアメリカの浴

槽サイトを見ていたら、シルバーや真剣

ででさたスペースチックな木桶風呂の進

化形みたいなものをいくつも発見します

した。どれも「ジャジ・スタイル」と称

されていますが、なぜ形状が木桶風

呂でなければならなかったのか気にな

ります。木桶イコールジャパンという独

断的解釈は、何を根拠にしているので

しょう。個人的には、どんなお金持ち

になっても、この形状の浴槽を欲しい

と思う事はさっとないでしょうが、コレ

らに興味を持った人にその動機を聞い

てみたいな、とは思います。

オスティアの高層マンションの下

履部分。何気に今のイタリアにも

普通にあるような雰囲気

話

第１５話

．．

はははい

本当はな

俺だって忙しいお前に

こんな事頼み

たかぁねえけどよぉ．．．

．．．．．．でも

先方がどうしても

諦めてくれねえん

だよ．．．

ホラっ

だってお前