人であった頃の記憶が.. 自分のなまの名前すら... もう思い出すことができない。 たくさんの大切な人が亡くなり ささやかな幸せを... 守れる者になりたいと強く願い... 人ではない何かになる前の もう手が届かない... 夕日に消えた友の話... 血を吐いたらもう... 助けることができません... 申し訳ない力になれなくて.. いえあなたは十分やってくれました。 次々病で死んでいった。 命を守れる人になりたいと 細々し薬師の仕事をしているが... こんな山奥で身なりの良い男が なに膝を抱えて泣いているんだ? べ...!!別に... 大した悩みではなさそうだし。 た...大した悩みではないとはなんだ!! すごく立派な悩みなんだよ!! 女の子に告ったらフられた。 大した悩みではないじゃねーか。 う...!!うるさいなぁ!! 難しいものなんだよ!! これはバカにして悪かった。 ならばおわびに相談に乗ろう。本気の恋とやらはわからぬが 女として何か助言ができるかもしれん。 じゃ...じゃあ聞くが こちらになんの興味もない子を... 振り向かせる方法はあるか? そうだそうだよく覚えとけ 女の子はいつだって新しくて可愛くて映えるものが大好き。 つまり最新の...次に来そうなものが刺さるってこと。 それってあなたの感想ですよね? 貢ぎ物でどうにかしようなどと... あの婚約者たちもそれぞれ何か貢ぎ物を...あれも映えるからか...? 貢ぎ物で心はここ動かせないよ。 豪華な貢ぎ物を持ってきたとしてもそれで心は動くまい。 やはり人の心だけ... そんなの一体どうやって.. そう大陸ではずっと流行っていて最近こちらにも入ってきているという噂の...!! 帝からお前に貢ぎ物が届いたぞー! お前が先日泣かしたあの.. 布や木簡ではない... 実にサラサラとしたきも気持ちのよい触感... 物珍しい手触りに気分が高揚するだろう。 見たことがないほど薄いその作りに 新鮮な驚きがあるはず。 目に飛び込んでくるのは... 墨と呼ばれる真っ黒な液体で書かれた.. 鮮やかな文字の数々...!! お前の気持ちを綴ろう。 気持ちを綴る...!? 私は書けないけど身分の高そうなお前らなら 文字の読み書きくらいできるだろ? 消えていくばかりで残らない。 お前の想いはそこに留まり 物珍しさから何度も読んで 繰り返し彼女に語りかける。 そして興味を持つだろう... どんな素敵な人だろうと... 最新のものを取り入れながら、 古いものを再構築するという これからすごい流行ると思う。 た...たし確かにすごい流行りそうだ!! こんなに白くて薄いんだな。 大陸ではもうずいぶん前からこれに記録を残しているらしい。 そうかこの薄さなら木簡と違い大容量の記録がてきるから... 少し問題があって... なに書いていいかわからん... いやそこは考えろよ!! 好きな人へありのままの想いを書けばいいんだ。 とりあえずこれに試し書きすれば... こんにちわぼくはこのまえあなたをみてすごくおどろきましたあなたがすごくかわいかったからですきょうはすごくてんきがいいですねぼくはすごくうれじいきもちになりましたあなたはすごくすごくかわいい ですねだからぼくはすごく 口説く気がないのかお前は!! それでいいわけないだろ!! だ...だけど初めてだし...!! なんて書いたらいいか...!! だからもっとこう... うっとりするようなことを書けばいいんだよ!!女の子が喜びそうな...!! あなたはまるであの空を舞う白窓のように美しく 一目見た瞬間私の心はまるで春の訪れのように暖かくーーとか。 確かにすごくいいな...! これに書いてくれる?あとでいい感じにまとめるので。 読み書きができないんだって!! それはむ私が教えてやるから。 あの人と結婚したいから.. まあ読み書きがてきるようになれば... 仕事の幅も広がるけど.. 覚えられないと思うぞ。 お前は賢そうだし喋れるんだから読み書きなんてすぐにできるさ。 名乗れば身分がわかってしまう そうなればもう対等には話せない。 その意中の相手の名も出すな。 名前も知らぬ友人だ... ずっと帝からもらった紙を読みふけっていますね このまま帝と付き合うんでしょうか? さぁ?ワシにはわからんよばーさんや... まどろっこしいですねー 気になるならとりあえず接吻でもすればいいのに... いくらなんでもそれはお前: ですが私たちの若い頃なんかは... 草むらに連れ込んでからが勝負みたいなとこあったじゃないですか? そんな勝負どこにあった? まったくじれったいですわねー 私、ちょっとやらしい雰囲気にしてきます。 いやいや!!え!?どういうこと!? 帝からの贈り物はいかがですか? 心が洗われるようです。 気になるなら一度やっちゃうのも手ですよ。 いい加減にしてばあさん!! では...一つお願いがあります。 ご用意いただけますか? それはよかったじゃないか ただあの文章ほとんど私が考えたものだけど 少しずつ自分を出していくから! 早速返事を考えよう!! この調子ならいけるかもしれん!! いやえ微笑ましいものだと思って... 誰かを好きになると... 人はそんなにも生き生きとした笑顔になるんだなって; そんな連命の人と出会いたいものだ... 誰一人あわ幸せになれない結末だった。 どうやらたり二人は... 還らぬ人となったらしい。 やはり宝具の入手は相当難しいようだ。 帝も輝夜様を狙ってるらしい。 どうすると言われても.. ただ我々と違い門前払いされたそうだが... とはいえ帝も諦めてはいないだろ。 帝が相手でも引き下がれん。 なんとか宝具を手に入れなければ... 本物を手に入れる必要って.. ここに書かれている宝具は 手に入れることが困難な...この世に二つとない宝:・ 輝夜様も見たことがないのでは? 誰も見たことがない宝の真偽など... 誰がわかるであろうか.. 輝夜様の探しておられた 神世七代の剣でございます。 この剣は遥か大陸までおもむき 私が取ってきた宝具でございます。 艱難辛苦を乗り越えてようやく手に入れた品物...とくとご覧ください。 確かにこれは素晴らしき宝具 輝夜様への誠意を示すため... 命がけで取ってきた次第です.. ゆっくり聞かせていただきたいものです... 輝夜様と吉昏しと結婚した暁にはゆっくりと! ただほんとう本当に... 驚きを禁じえないのは、 私が適当に書いた宝具が まさか実在していようとは... 私のために知力の限りを尽くしてくれたこと.. 滅相もございません... ど...どうだった!? うまくだまし通せたか!? もっと精巧に作らねばだまし通すのは難しいな。 ならば我々はもっと手の込んだ... あの人が私と会いたいと言ってきたぞ!! それは良かったじゃないか! 文はほとんど私が考えたからな。 自分で考えた文じゃないことがバレたら... 信頼を得ることは難しい... 今日はお招きいただき... 本当にありがとうございます。 美しい文を何通も... ありがとうございます。 どのような方かと想いを巡らせていたのですが.. い...いやそれは... 人は外見ではなく... 中身の美しさですからねぇ... そ...そうです...! あの文こそが私のあなたへの気持ちです。 あなたが考えているの? バレたら信頼を得るのは難しい。 だから..なんとかしろよ。 あれは...友が考えてくれた文でございます。 あのような文を書くことはできません... 言わなければわからないのに... 嘘のつけない人ですねぇ... それだけ正直であるなら... 私への思いも想いもまた 本当なのでしょうねぇ... その男は現れなくなった。 恐らく意中の人と上手くいき 私の助言はちょ必要なくなったのだろう。 きっとこれでよかったのだ 恋人と呼べる素敵な人と... 巡り会いたいものだ... 世界に色がついたようだ。 想いが通じるというのは 正直...初めて...なんだよな... 女の子と...こういう感じになるの.. 女性とっ付き合ったことがないわけではない。 あくまで「帝」としてだ。 帝だから付き合ってくれた 私が女性と付き合えたのは全て『帝だから』だ。 私と向き合ってくれている.. 向き合ってくれてるってことでいいんだよね? いっちゃうしんらい信頼されてるみたいだし... あの紙という最新技術に 素敵な文章を綴っていた方てしたので... さぞや神秘的で魅力のある人なのかと想像していたのですが、 先程からずうっと黙ったままうろうろするばかりで... ちょっとお待ちください!! まだ諦めるのは早すぎます!! ほ...!!本当です!! 私が今から輝夜様を... とっておきの場所にお連れ致します!! いいか?よく覚えておけ 若い女はいつだって... 映えるものが大好き!! 狩りの途中でたまたま見つけた蓮の花園です。 誰に知られることもなく咲き誇るこの蓮の花たちのなんと神秘的なこと... すごい映えてると思いませんか? ど...どうだ我が心の師よ...!! 私の知る限りの映え場にはやってきたぞ...!! さらょ、ちょ、ちょい!! 輝夜様何をなさっているのですか? いやせっかくなら近くで見たいなと... 蓮の池は深いので泥だらけになってしまいますよ!! そんな露骨に不満そうな顔してもダメですって!! ちょ...!ちょっと...! なんで今引っ張ったんですか? 泥だらけになりたいのかなと思って。 そ...そんなわけないでしょ!! ひどい映えようだ... もう全身泥だらけですよ... だがこうやって泥の中から見れば... より美しい光景ではないですか? そんな気もしますけど... たくさん知りたいのです。 この世界が美しいということを... では春になったら... 桜の咲き誇る山へお連れしますよ。 おや、そんご存じありませんか? 一本の木に無数の淡い白雪のような花が咲き誇る。 そんな木が何本も同本も連なり、 この世の物とは思えぬ光景を作り出しております。 桜だけではありません。 世界の果てまで広がる蒼い海や、 燃えるように赤々と染まる山々へ、 輝夜様をお連れしますよ。 どれも気に入ってくれるのではないかと... あなたと一緒にいると... きっとこれからたくさん... 私の知らぬ美しいものが見られるのでしょうねぇ... 一緒に桜を見に行きましょう: 世界にはたくさんの女性がいる。 優しい人もひとも賢い人も 美しい人もたくさん... この人だけが特別なのだ。 そんな人と巡り会えたことを 何よりも幸運だと思っている。 恐らくすぅじっ数日数日来れぬやもしれませんが その時は文を書きます。 あまり美しい文にはならないのでしょうねぇ... ま...まぁ...なんとか... そこは努力して自分の力で... 貴方の言葉であるならば なんでもかまいませんよ.. まぁでもできるだけ美しい文で... あの月を眺めて貴方のことを想います!! 私もそう思うことにしましょう: 声を聞くことすらできないけれど... 同じ月を見ていると思えば... はいいかがなされましたか? おぬしてきき手先が器用であったな。 やっぱりフラれたのか? やっぱりってなんだよ! じゃあいい感じなのか? 手を繋ぐくらいまでは... 上手くいってるならいいんじゃないか? 協力があったからこそだ... 読み書きの基本を教えてもらって助かったよ。 お前のそれはずいぶん使い込んでいるようだったので。 ちょうど作り直そうかと思っていたんだ。 もちろん早速使わせていただくよ。 その時は二人で来るよ。 心がただ温かくなる出来事だった。 本当によかったと思う。 立ち去る友の背中をずっと眺めていた。 何をそんなに泣いているのだ? たくさんの美しいものに溢れていて... たくさんの美しいものを見たいと思っております... 良いことではないのか? だからこそ悲しいのです もはやその願いは... 叶うことがないから... つきからのししゃが.. し最近、少しも体が重い。 止まらなくなる時がある。 岩笠の姉ちゃん、薬師が風邪でも引いたのか? 別にそれよりも母の具合はどうだ? 起きて体を動かしていれば 忘れてしまう程度の違和感 大丈夫!姉ちゃんの薬は世界一さ! だけどあの噂...聞いた? 輝夜の出したいんだ無理難題に花婿全員脱落だって。 じゃあ輝夜は結婚する気ないんだな。 てなければそんな無理難題... もしくは意中の相手が他にいるかだな。 確かに帝が輝夜といい感じらしいし.. つきからのししゃがやってきて.. つきへ還らねばなりません。 な...なんの話を... 貴方は一体なんの話をしているんですか...? それでも、そういえば、それでも、もちろん、これからのそういえば、これからも ただ一つだけ言えることは... 生きて会うことはないでしょう.. いつ来るかわかっている敵ならば 兵を集めて迎撃します。 勝負にすらなりません。 失うくらいなら...! たとえこの命に代えても そのゆうき勇気が... たくさんの命を奪うのですよ... いつにも増して咳が止まらなくなった。 頭痛が止まず熱も引かない 立ち上がることすら困難になる。 父に頼りたいところではあるが 父はなにやら未知なる敵との戦いで忙しいらしい。 それに心配もかけたくない 私以外の家族を病で失った父はー 一体どれほど動揺するかー 血を吐いたらもう助からない 私も父もそのことはよく知っている。 次の満月を見ることはないだろう.. あまりに動揺する父を宥めるために 必死で平静を装ったが... もうすぐ消えてしまうことだけはわかる。 私が亡くなったら... 父はどれほど悲しむだろう。 泣かないでほしい悲しまないでほしい できれば早目に忘れてもらって 新しくひといい人でも見つけて幸せになってほしい。 せっかくあいつがくれた大事なものなのに...!! 私が亡くなった後... あいつは私のことを覚えていてくれるだろうか...? そんなあいつもいつか死に... どれだけ悲しい思いをしようと父もいずれ亡くなるだろう。 私を知る者はいなくなる。 私がこの世界にいたことを 誰も覚えてないのなら.. 生まれてきたんだ...? 名前くらい伝えておけばよかったな... あいつやっ偉い奴みたいだったし.. ま...いみ意味ないか 名前だけが残っても.. そうすれば墓に名前くらいは刻んでくれたかも... 残したいわけじゃない。 ただ見つけだかったんだ 永遠の別れの話を... 「月からの使者」というのは結局なんだったんですか? だって死にかけてて見てないんだから。 じゃあなんて書けばいいんですか? 二人の別れの場面なんだから.. なんか感動的な感じで書けばいいんじゃないの?そのための文才だろ。 な...!なにおう!! いっぱい勉強教えてやっただろ!! 大体このごたん五人の責公子が課せられたという 何か一つくらい覚えてないんてすか? すっごい貴重品だったんじゃないの? てすから具体的に... 「唐土にある火鼠の皮衣」!! 昔さ、ガンダーラ行く時見たんだよ なんか燃えないっていう超☆貴重な服!! 試しに火をつけようとしたら、すっごい怒られてさ あれ滅茶苦茶高級品だったし、あれにしよう! この頃って唐はおろか隋もないんじゃないですか? 時代考証どうなってんですか姉様... あとそんな大昔からその感じだったんですか姉様は。 恥ずかしいのでいい加減思い付きで行動するのやめてくれません? 昔の貴重品なんてものは!! お前が今手軽に使っている紙だって あの頃は貴重品だったんだぞ!! 知りませんよそんな昔のこと... これはもう大昔の話なんだから誰も覚えてないんだよ! あの時生きていた者たちは... もう誰も...生きていない: だからあの夜何があったのか真実を知る者は誰もいない。 国中から武芸の達人を集めました もはや敵は姫に指一本触れることはできますまい。 ありがとうございます。 本当にありがとうございます。 必ず勝って輝夜様をお守りしてみせます!! 勝てるとか勝てないとか そういう次元の話ですらないのですから... お気持ちを聞かせてください。 貴方が月へ帰りたいのであればもう止めません。 ですがそうでないなら... 『つきからのししゃ』は... 命に限りがある者たちのことなど... 取るに足らない資源の一つだと思っています。 あの遥か空より来るものたちは 私がわがままを押し通せば 「取るに足らない者たちのせいで私が誤作動している」と判断し... その罪を正そうとするでしょうね あなたが戦おうとしているものは この世界が美しいということも忘れ ただ永遠に機能し続けるだけの 命の価値がわからぬもの。 儚く短いものなのだから.. もう...私のことなど... めちゃくちゃな性格の人だ。 高飛車でわがままで人の話など本当は全然聞いてなくて 自分が興味あることにしか興味がないデタラメな人だ。 何をそんな急に...! ですが!その素直さが貴方の魅力だ!! 私が好きになったあなたの とにかく可愛いところだ!!! 貴方の本心は目を見ればわかります!! そんな周りに気を遣った言葉じゃなくて 貴方の本心を言葉にしてください!! どうしてほしいのか...!! 桜...まだ見てない... 咲き誇る桜を見せてくれると... 何もあなたと見ていないのに.. このままお馴れなんて... 私は...還りたくない... 私があなたを守りましょう。 それが敵の名前なのか? てもここでかっこいい所を見せれば 輝夜様も気が変わって惚れ直してくれるかな? 命に代えてもお守りする価値は そんなの何も見えんぞ。 あの月のしたあた下辺りに 外の兵たちが次々と倒れていきます!! 『それ』がなんであったのか.. もはや知ることは難しい。 ただ...一つだけ確かなことは それは悪意そのものであり、 この星の全ての命の脅威であったということだけ... 『つきからのししゃ』と呼ばれていた。 なんだ!何が起こっている! ですが外の兵たちが次々と...! なんだこの音...!! 私から離れませぬように。 これはいったい一体...!! 体の自由が利かなくなるこの感覚は...! まさか...見えていないのか...!? 敵は空だ!!空にいる!! とにかく空に向けて撃つのだ!! 押し潰される...!! 決して交わることのなかった 我らのそらへと続く道。 あなたを失うわけには... 我こそがつきからのししゃである。 どうにか皆様の力をお借りして 犠牲が出ぬようやってみたのてすが... 力が及ばず申し訳ありません。 我が命をもって消し去ります。 私からの最後の文です。 ま...待ってください...! あなたに約束した...! あなたをお守りすると...!! 私の愛した人たちよ... 儚く短い命を宿していたこと.. きっと忘れません... まだ行かないで..!! こんな形で別れるなどと...!! 結局かな悲しい思いをさせてしまって... こんな最後であるならば もっと素直になれば良かったかな? もしもが願いが叶うなら... 受肉した我が血より生まれし 生きるものとなろう... 哀れなお前たちも肉体の苦しみから解放される。 病に苦しむことも無い。 お前は神となるだろう。 永遠の命を手に入れたら いつかまた輝夜様と巡り会えるのですか...? 天と地に分かれた者は水道に交わることは無い。 天と地に分かれた者は永遠に交わることは無い。 君に想いが通じた日... 私は君に嘘をつかなかった.. 都合の悪いことが君に知られ そのせいで君を失うことになっても 唯一、君に示せる誠意だと思ったからだ。 君に嘘をつかないよ.. 君ともう二度と再会できないので、あれば... 儚く短いも命を持った人のままで.. その後の死まっ顛末を... 隠れてときいる時輝夜は温の腹を少し触りこえ小声で言った。 美しい子に巡り会えますように」と... 後に翁はすぐに亡くなり 一人残された堀は『八葉』という名の女の子を産んだとされるが その後を知る者はない。 手元に残った逡来は一つにまとめられ この国で一番高い山で燃やされるはずであったが 信頼していた部下の岩笠に密かに奪われ 蓬莱自体はついにはっいに発見することができなかった。 数年後大きな政変が起こり、 そのどうなん動乱の中で 無念のうちに亡くなったという。 理由は知らぬが残さず灰にせよとの上からのお達しだ。 愛人からの文のようだが...こんなものまで燃やす必要があるのか? なにか重要なことでも書いているのか? 大したことは書いてないな。 『いつか巡り会える日を信じております』とか... つまらない言葉ばかりさ... なんかすごい顔してるけど すごく長い嫌な夢を見て... ちょ...!!何その反応...!! 夢の話なんて意味ないの!! えーいいじゃん教えてよー 教えてくれないと輝夜の個人情報を大声で叫び続けるよ? どんな種類の嫌がらせなのそれ。 大した話じゃなくて...なくて... 遠い世界の侵略者から... たった一人でこの星を守った...少女の話。 すごい面白そうじゃん!! この世界の支配者になれるはずだったのに... 愛する人たちが正しい選択をしてくれると信じて...そのみたい未来のために自ら犠牲になるなんて... 愛だの恋だのが理解できないので 理解したいと思っていたけど、 これが愛だというのなら 理解てきなくても構わないな。 愛とか恋でとても尊いものを得られるのかもしれないが... プラスかマイナスかで言えばマイナスの方が絶対に大きい だったら合理的に考えていつか失う愛など そんなもの最初からない方がいい 命より大切なものなど.. だけどその夢の女の子には ご褒美くらいあってもいいかもね。 だって守ってくれたんでしょ? 命をかけてこの星の未来を... だったらそれに見合うー ーとまではいかなくても... あるといいなって... 祈りが届くといいわね... 遠い遠いないある夏の日の夢をー 歩いてきたのだろうか? たくさんの命の終わりを見た 歴史に名前や功績が残っている奴もいるが... その鼓動も笑顔ももうどこにも残っていない。 私しか知らない命のカケラ 触れることもできないー いつの間にか眠ってしまった... それにしても人である頃の夢なんて... 久しぶりに見たな... 恐らく蓬莱の力なのだろう 人でなくなってからの記憶は 鮮明に細部まで覚えているのに.. もうかすかなものとなってしまった... あの後どうなったのかな? ちゃんと結婚できたのかな? そうであってくれたなら なに泣いてるんだ私は...! ふいに昔のことを思い出すと悲しくなってしまう 命の終わりは悲劇だからだ。 だから本当は知っている その悲惨な結末を... あの...えっと... なんかだんな様の顔... 今日も朝ごはん一緒に食べたし... まぁそれはそれとして: ちょっとセンチメンタルな気持ちになっただけ... 優しく甘やかさなきゃダメなやつよ。 !?ええーそ...そうなの? めっちゃ甘やかさないと司ちゃんの切なさ炸裂よ。 アイスでも買ってこようか? 以前似たようなことを聞いた時はたしかケーキだったけど.. だんな様の甘やかしはバリエーションが少ないわね。 手を繋いでいっしょ一緒に行くっていうなら... 免許とったり色んなとこ行ったりもしたけど何かやり残したことある? せっかくなら車で海水浴とか: プールに行ってみたかったかな? そういうのをあえて避けたというのもあるんだ。 司ちゃんの水着姿を... 他の人に見られたくないので...! それはもうなんかもうそうなのです。 普段あんなに賢いのに... たまにカミーユみたいなこと言うよね。 遊びで言ってんじゃないのに...!! でもそうなるとブール付きの超ハイグレードな温泉宿とか... モルディブみたいなプライベートアイランド行くしかないかな~? そ...!!それでも...!他の人に見られるくらいなら...! じゃあそんな日がいつ来てもいいように... 他の人に見られることなんて考えない! 君だけに見せる用の... とびきり可愛いやつだぜ! わ...わかりました!! あれからずいぶんと時間が経ちました。 あの日も君に教えた最新技術は 日常となり伝統となりやがて消えていく古い物の代表となりました。 まだ私と共にありますが 変わってしまったように思います。 あの日の君のときめきを ようやく私も知ることができました。 できていればよいのですが あの日と変わらぬ夕焼け空の下で 資源極少。文明レベルも著しく低いとの観測 管理用端末を地表にて精製 端末にいんはっせ異変発生 未成熟の状態で接続途絶 イラスト・畑健二郎ン・中野絵美(パナナグローブスタジオ 当該惑星についての最終報告 管理用端末の暴走によりシステムは大破。自己修復不能 当該惑星は当初予測より資源量が極めて乏しく 全システムの復旧はコスト面で大幅なマイナス 辺境中枢機構は当該惑星の重要度を最低レベルに修正 回収不能となったシステムは全て破棄 この強夜は...。きっと忘れません... 少年サンデーコミックス ●選本には十分注意しておりますが、印刷、製本なと製造上の不備がございます。したら「制作局コール 発、行、株式会社小学館、 電子書籍制作会社株式会社昭和ブライト ☆本書の一部または全部を無断で複製、転載、複写(コピー)、スキャン、デジタル化、上演、放送等をすることは、著作権法上での例外を除き禁じられています。代行業者等の第三者によりる本書の電子的複製も認められておりません。