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Instructions:
うせもの宿。
...
...
...
穂枝
wersフラワーコミックスの
...
...
【最終話】「名もなさ季節
[客入場],有明の月
[客人16]「綱手
【客人り】、待雪草
[客入4]_金木犀
[客人B]_麦薬菊
女将さん」
【マツウラ
番頭
宿を仕切る
ミステリアスな少女。
生前の記憶がない。
宿に客を連れてくる
案内人。生前の女将と
かかわりが?
宿の従業員。
様々な事情に
精通する。
訪れる客も
宿で働く者も死者。
皆、思いを残した
さがし物を見つけ、
去っていく。
しかし女将は、生前の
記憶すら失っていた。
そして番頭の口にした
紗季。という名はー
それは...
・診学・さん
それは...
[客人13]
麦藁菊
あの時、お前と
出逢わなければ
........
お勤め
ご苦労さん
もう
来るなよ
はぁーーい
......
腹減ったな
その夏は酷く暑かった
お待たせしました!
きつねそばのお客さまー
いたーだきーます
え?何あの人
この暑いのに
あの格好...
うわっヤバ...
うせもの宿。
あはは
ばさ幼稚園
せんせー
...
せんせー
さっちゃん
せんせー!
どうしたの
よう君
ぷーる
ん?
ぼくぷーる
はいりたい
プールかぁ...
プールは今日は
ないんだよねぇ
また明日に
しよっか?
いやだ
いまはいりたい
わたしもぷーる
はいりたーい!
...おおぅ...
困ったな...
わたしもー!
......
寺島先生ー
ちょっと
だけよ?
寺島先...
交代の時間
ですよー
...なっ...
何やってるんですか
寺島先生!
困ります!
いくら暑くても
園児が
風邪でもひいたら
どうするんです!?
...すみません
ろくに準備もせず、
水浴びなんて...
あなた責任
取れるんですか!?
申し訳
ありませ...
大体あなた
ただでさえ
うせもの宿3
........
......つ....
......
まま
鈴木先生
それ
くらいで
園長先生...
...まぁ
今の時代
昔は大丈夫
だったことも
...すみません
園長先生
保護者は
厳しいですからね
今はすぐに
クレームが
来ますし...
はい!!いち
軽率でした
鈴木先生の
言う通りです
反省してます
ーでも...
今年の夏は
本当に
暑いわねぇ...
私も
水浴び
ちょっと
したいわ
よう君
せんせー
ごめんね
よう君のせい
じゃないよ
けっこん
してあげる!
え?
ぼくが
ぷーる
はいりたいって
いったから...
せきにんとってぼくが
さっちゃんせんせーと
けっこんしてあげる!
んー
でもそうだなぁ...
ありがとう
さっちゃん先生
他に好きな人が
いるんだよなぁ...
え?
すきなひと?
だれ?
どんなひと?
すごーく昔に
会った人でね?
.....今は...
どこで
何してるのか...
分からないん
だけど......
あごめーん!
もー
いいよ私が
取って来る
あー
さっちゃんせんせー
ノーコーン!
だったった。
あすみません
うせもの宿。
ボール...
...何アレ
え
不親切な人
はーい!
なっ...
あっちゃん
だよね?
松浦篤志
だよね?
私紗季!
覚えてない?
........
保母の知り合い
なんかいねぇよ
あ!
私まだ
仕事中だから
えっと...
駅前のファミレスで
待ってて!
5時過ぎに
行くから!
紗季...?
絶対
待っててね!
...誰だ?
どこで
会った?
っちゃ
.....ああ
まさか
また会えるとは
思ってなかったから
...さっきは
いきなりごめんなさい
ちょっと
驚いて...
改めて私
寺島紗季です
あの...
小さい頃...
富士見ヶ丘
児童養護施設で
一緒だった
もしかしたら
覚えてないかも
しれないけど...
―座れば?
え?
あっ
はい!
覚えてるよ
久しぶりだな
正直
何年振りだ?
いいかもになると思った
一ポン・おすすめ情像
元気だったか
うせもの宿。
......紗季
...あっちゃん...
それは運命の
再会だった
なぁ、紗季
あの時
お前は俺を覚えていたけれど、
俺はお前のことなんか
ろくに覚えちゃいなかった
おかしいよな
今でも思う
今とは
逆の状況だったんだ
あの日俺と
出逢わなければ
お前は
死なずに済んだ
あっちゃんは
私の恩人なの
[各人14]
金木犀
恩人?
ほらあの頃
あっちゃん人気者
だったでしょう?
バツマンガ
会員規製や
あっちゃん
あっちゃん
やんちゃで
面倒見よくてみんなの
お兄ちゃんみたいで
私も
分かったって
お前ら
順番な
私は
うまく周りに
溶け込めなくて
隅でずっと
泣いているような
子供だった
でも一度だけ
たまたま通りかかった
あっちゃんが
声をかけてくれた
ことがあるの
私あの時
あっちゃんに
言われた言葉で
なんつったっけ?
今までの人生
やって来れたんだと思う..
お前..
お前さ
自分の不幸に
飲まれるな
........
...言ったか.....
私あの言葉が
あったおかげで
そんなこと...
あっちゃんが私に
してくれたみたいに
...うん
子供たちに
私もことも
今の保育士に
就いたんだー
何か
してあげられること
ないかなと思って
バイトしながら
奨学金で短大行って、大変だったけど
資格取ったの
ちょっと
でも辛い時は
いつも
あっちゃんの言葉を
思い出してー
...
うせもの宿3
皮肉なことに
施設を出てから
俺はあっという間に
身を落とした
元々物心つく前に
親はいなかった
世間知らずの
子供だった俺に
就ける職は皆無に等しく
初めて
犯罪に手を染めたのは
18の時だった
人生など
生まれた瞬間に
決まっている
生きる為には
仕方ない
罪悪感も
いつしか消え去り
そんな自分にも
慣れきった頃
俺はとうとう
詐欺の罪でー
?
どうしたの?
あっちゃん?
俺はお前の
思っているような
人間じゃない
俺は今の今まで
忘れてー
紗季への
言葉だって
それで?
あっちゃんは?
今どんな
仕事してるの?
ああ...
外に
出てなかった...?
:そうだ
金を
引き出そうと...
長い間
外に出てなかったから
仕事はまだ:・
え?
だから今日
ここに来たんだ...
お前から
それって
つまり
あっちゃんは..
店舗業務など...
いいでいけ
ずっと
引きこもりの
ニートだったって
こと...?
ーいや...
あー.....
でもそうだよね
あっちゃんにも
あごめん
ぶしつけに!
うーん...
私の知らない間に
色々あったんだよね...
まあ...
...ああ...
だったらさ
あっちゃん
そうだな...
は?
そっかぁ...
これから1週間
私と毎日
デートしてみない?
ほら外に出るリハビリ?
お店とかもこうやって誰かと
結の方が入りやすいっしょ?
私ずっと
あっちゃんに
恩返ししたいと
思ってたんだ
だから
役に立てるなら
うれしーし
仕事
終わってからだから
今くらいの時間
からになるけど
休みの日だったら
朝からー
ー...って
いや......
ちょっと
毒気抜かれた
あれ
どうかした?
え?
毒気?
何聞こえなかっ..
いいよ
...お前
少しは
俺を疑えよ..
するか
デート
メルマガ
今更新製PPI
...最初の
デートは
紗季
どこがいい
...
あ
紗季と過ごすのは
心地よかった
つかの間
今の自分を
忘れることができた
なんだったら
私が
そういえば
デート代
大丈夫?
いや
...金なら
少しあるから
その時点で
俺は最初の目的を
忘れていた
...いい
そ?
彼女の信頼が
心地よかった
約束の
1週間を過ぎても
俺達は逢瀬を続けたー
...寝るんすか
ああ...昨日
夜寝てなくて
どうせ夜通し
ゲームでも
してたんでしょう...
紗季は
私...今日...
...まぁ
そんなとこ
楽しみにしてたん
だけどな...
俺に対する
ほのかな思慕を
隠そうとはしなかった
俺も
彼女との時間が
大切なものになって
いたが
...じゃあ
起きてるよ
彼女の気持ちに
応えることは
なかった
うそじゃん!?
めっちゃ
寝てたじゃん!?
...もー
いーよ
爆睡じゃん!?
...いや
思った以上に
あの映画
つまんなくて
素性を
偽ったままでいる
罪悪感は増していく。
あっちゃんの
バ~カ!
日に日に
ー俺なんでお前に
あんなこと言ったんだろうな...
え...
いや
あの頃の俺は
泣いている子供
なんて
なのになんで
「自分の不幸に
飲まれるな」なんて
言うタイプじゃなかった
当時
めずらしく
なかったし...
俺はお前にだけ
あんなことー
...あっちゃんはさ
私以外にもたぶん
優しい言葉
自分で
思ってるよりも
優しい人だよ
え?
かけてたんだと
思うよ
あっちゃんは
私の恩人
世界を
変えてくれた
たとえ今が
どうであれ
たとえ、犯罪者でもか?
それは
なんて、訊けない
そろそろ
秋が終わるな...
...あっちゃん
髪伸びたね
......
.....ああ
いつか
彼女の前から
姿を消そう
そう
思っていた
だが、あの日、
鍵が
開いてる...?
紗季?
...あああっちゃん?
それは
初めて聞く
彼女の声だった
:どうした
......
や...
今日あたん
花壇のそばで...
転び方が
悪くて...
私が目を離してた隙に
園児が転んで...
...骨を...
骨を折っちゃって
後遺症が残るかも
しれないって...
...なんで
や...
ごめん
あっちゃん
悪いけど...
今日は帰って
もらえるかな
私
あっちゃんに...
あの時
目を離したり
したんだろう...
こんなとこ
見られたくない...
引き返すなら
最後のタイミング
だった
...やめろ
近寄るな
俺
こいつに
触っちゃいけない
今、紗季に触れたら俺はもう
きっとこいつを
手放せない
...あっちゃんには
元気なとこしか
見せたく
なかったのに..
あっちゃんのおかげで
幸せになれたって...
知って欲しかっ...
もういい
黙れ
...やっと分かった
昔俺が
紗季に
あんなことを言った
本当の理由...
簡単なことだ
俺はただ、泣いている紗季を
放っておけなかった
いーよ
ハァ...
:今日は
ごめんね
あっちゃんに恩返し
しようと思ったのに
......
私
駄目だね...
逆にお世話に
なっちゃった..
ニートだった俺を
外に連れ出して
くれたろ
.....いや
チュッ
!?
でもそれは...
じゃあな
何かあったら
連絡しろ
あっちゃん!
すぐ飛んできて
やる
正直この時
俺は浮かれていた
俺はもう一度
まともな
人生を
昼間の仕事を
見つけ
紗季と
居れば...
歩めるかも
しれない...
頃合いを見て
紗季に本当のことを
話そう...
紗季だったら
きっとーー...
え?
だから
忘れていたんだ
出所してたん
だな?
教えてくれよー
水臭い
松浦
......柴崎?
自分の人生は
いつだって
久しぶり
俺が先に
出所して以来だから
半年振りか?
どうした?
そんな怖い顔して
松浦ぁ
落とし穴が
用意されていると
いうことを
たとえ
気まぐれでも
よかったの
...
待雪草
「客人15」
なぁ松浦
お前に頼みたい
仕事があるんだ
お前との縁を
塀の中だけで終わらす
このは惜しいと思ってさ
なんせ
気が合う
即答だな
他を当たれ
断る
俺はもう
お前と関わる気はない。
可愛い
保母さんだな
寺島紗季
...意外だったよ
あんな女が
好みなんだなぁ
...お前
なあまっさら
松浦
俺はお願いしに
来たわけじゃないんだ
もう一度
言う
頼みたい仕事が
あるんだ
リハビリ
さえすれば
元通りになるかも
しれないって!
ーそれでね?
この前怪我した子
手術がうまくいってね
...紗季
......
ん?
お前今
幸せか?
...うん
そうか...
幸せ!
あ
忘れてたお醤油
切れてたんだ
ふぃーー寒いっ
家で待ってても
よかったのに
ああ...
でもまぁ...
やっぱ
目が落ちてくると
冷えるねぇ
あっちゃんて
意外と過保護
だよねぇ
いつものコートも
洗濯中だし
危ないし
...なぁ
紗季
俺昼間の仕事
探そうと思う
なにーー?
え...
それでしこと
仕事が見つかったら
もう少し広い部屋を
見つけて二人で越そう
ずっといっしょ
一緒に居よう
これからも
ずっと
...あっちゃん...
!
...返事は
...うん
手...
あったかいね...
切るなよ
松浦
今日の20時
浦賀大橋で待ってる
......
仕事の内容は
会ってから話す
:俺は行かない
そんなこと
言うなよ
そういうこと
言われると、俺も
...じゃまた
あとでな
若いカップルを
地獄の果てまで
追っかけたく
なっちゃうからさ
ただいまー
あれ?
めずらしいね
そんな格好
...ああ...
そんなとこ..
...面接?
...そっか
なんか
かっこいいね...
気をつけてね
行って
らっしゃい
........
...あっちゃん?
あ
うん!
行って
らっしゃい!
行ってくる
......
私ね
...あっちゃん
ずっと
独りだったの
お母さんは私を
嫌いだったみたい
お父さんも私が
いらなかったみたい
私がそのことに
気がついたのは
自分が施設に
入れられた時だった
何が起きてるのか
分からなかった
混乱して
泣くばかりの
私には
施設の中にも
居場所はなかった
初めて
見つけてくれたのが
そんな
誰からも見向きも
されなかった私を
あっちゃんだったの
あっちゃんにとっては
ほんの気まぐれ
だったのかもしれない
忘れてしまう程の
ことだったのかも
しれない
...でもね
私はたとえ
気まぐれでも
よかったの
あっちゃんには
分からないかも
しれないけど
気まぐれの優しさで、
救われる人間も
世の中には
いるんだよ
...いるんだよ...
だから一緒に
幸せになろう...
一緒に
生きよう
あっちゃん...
最後の一回だ
ああ
はいはい
最後になれば
いいな
これで犯罪は
最後だよ柴崎
なんでいまさら
今更現れた
最後な
お前さえ
現れなければ
俺は..
行こう
橋の向こうで仲間が...
馬鹿だな
松浦
お前
まさか
自分が本当に
幸せになれると
思ってたのか?
ドラマや映画じゃ
あるまいし
そんな簡単に
抜け出せるわけ
ないだろ
俺は...
安心しろよ
俺が一生
付きまとって
やるから
お前にも
あの保母さん
にもさ?
だから最後の
一回なんだよ
は?
俺の最後の
犯罪はさ
柴崎
お前を
殺すことだよ
俺たちの幸せを
お前...っ
離...!
お前なんかに
邪魔される
わけには
いかない
:駄目...
あっちゃん...
紗......
季.....?
.....痛い...
紗季!
チッ!
紗季!
なんで...
なんで
こんなとこに...
救急車...っ
...ごめん...なさい..
私...
本当は知ってたの:
あなたが..
え?
刑務所に
入ってたこと..
...養護施設と
ずっと連絡を取ってて...
再会する前から
あっちゃんが詐欺の罪で
捕まったことも...
出所したことも
訊いてたの...
あの日会えたのは
偶然だったけど...
あのまま別れたら...
あっちゃん元の生活に
戻っちゃうと思ったから...
だからわざと
誤解したふりをして...
私の生活に
巻き込んで...
紗季...っ
...今日...
あなたに人殺しに
なって欲しくないと
思ったら...
様子が変だったから
跡をつけてきて...
とっさに
体が動いてた..
紗季...
けれど...
...どうしよう
私...
あなたにもっと
重い罪を背負わせて
しまった
...紗季...?
こんな筈じゃ
なかったのに...
私...
あっちゃんと
二人で...
:あっちゃん...
嘘だろ...
紗季
幸せに...
紗季!!
ごめん...
...好き...
...嘘だろ
紗季.....
...紗季...?
目を!
開けろよ...
目を...
一人で
行かないでくれよ
紗季
303号室の患者さん
少し手が動いたって
[客人16
ホントですか?
何か夢でも
見てるのかな
あの患者さんも
運び込まれてから随分
経つわよね
もう8年に
なるかな
そうねえ
...首のキズは
とっくに治ってる
筈なんだけど
まだ目を
覚まさないわね...
まだなのか
おい!
........
聞いてんのか!!
...ああ
失礼...
ここが
うせもの宿です
どうしました
マツウラさん
ボーっとされて
......
いや
ちょっと
俺が
初めてここに
来た時のことを
...ああ
思い出してたん
ですよ
なつかしい
ですねぇ...
あの頃の
あなたを
私もよく
覚えていますよ
紗季を刺し
自らにも刃を向けた後、
俺はー
気がつくと
山の中を
歩いていた
どこだ..
ここは...
...俺はあの時
あの橋で
死んだんじゃ
ないのか
紗季に会いたい...
もう何か月も
こうして彷徨ってる
気がする
紗季......
紗季は...?
いらっしゃいませ
ここは...?
うせもの...
宿...?
うせもの宿へ
ようこそ
おや?
あなた
まだ―...
ひと目見て分かった
子供の
姿をしているが...
間違いない
あれは紗季だ...!
な...
紗季...
紗季...
門を
越えてはいけない
ここは死者が
訪れる宿
そして..
ここへ
たどり着いたのは
何かの間違いでしょう。
あなたは
まだ生きている
来た道を
お帰りなさい
...生きてる...?
紗季を
殺して...
俺が...?
じゃあ...
俺は...
自分だけ...
.....なんで
俺達はただ
幸せになりたかった
だけだ......
なんでだ...
なのになんで
こんなことに..
......
「死生命有り
富貴天に在り」
生きることにも
死ぬことにも
さして意味など
ありませんよ...
この苦痛も...
なんの意味もないって
いうのか...
俺は
耐えられない
このまま紗季と
別れるなんて
ここに居たい...
俺は
耐えられない
紗季の
そばに...
一つだけ
ありますよ
生者が宿に来る
方法が
え..
あなた方の関係は
しかし
その道を選べば
別離よりもはるかに
残酷なものとなる
ご覚悟は?
彼女と
また逢えるなら...
構わ...ない...
姿が見れるなら
俺はそれだけで...
...ならば
後悔して死んだ者を
見つけ宿へ案内
なさるといい
うせもの宿題
死者を伴えば
あなたもまた
この宿に
たどり着くことが
できましょう...
ーあの頃の
あなたは、愚直な青年に
見えましたが
今では随分と
したたかな方に
なられた
そうです
かね?
もっとも
死者を導き続ける
などという所業は
普通の精神で
耐えられるものでは
ありませんし
...まぁ
あなたも
変わらざるを得なかったの
かもしれませんが...
そうですね...
......
だが私には
今のあなたの方が
数倍悲しい人間に
見える
ねぇ
マツウラさん
いつまで
こんなこと続ける
おつもりです?
...いつまでって
ーそれは
あなたの本心ですか?
いつまでも?
最初の頃なら
まだしも
今はもう違う一願望』が
芽生え始めていらっしゃるん
じゃないですか?
だから
せめて認識だけでも
されたいと
あなたは
女将さんに嫌われるような
ことばかり!
番頭さん
ーあんまり
いじめないで
くださいよ...
...あの時
言ったでしょう
二度と紗季を
失いたくないって
...俺はもう
御免なんですよ..
あんな想いは
変わらないものなんて
ありませんよ...
マツウラさん...
宜しかったん
ですか?
うせもの宿3
会われなくて
......
...ああ
...最近
あやつといると
不安になる
...気忙しくて
落ちつかない
........
だから
会いたくない
...けれど姿を
見なければ
それは
それでー
なんなんだ
この感情は
..っ...
......
おやおや
それは
まるでー
恋ですね
なっ...!
おっと呼ばれて
しまった
はいはーい
...何を
馬鹿な...!
........
え?
なんだ...
今の..
あの頃の紗季に会いたいと
願ったことがないいと言えば嘘になる
「できない
でも、それを望むことは
これで
いいんだ
たとえ
触れ合え
なくても
俺のことを
忘れてしまって
いても
ーただ、紗季が...
ご苦労様です
いえいえ
変わらず
ずっとこの場所に
会える
だけでいい...
留まって
いてくれれば
!!
え...?
紗...
おやこれは
珍しい
女将さんが子供の
お客さん相手に
笑ってらっしゃる
あの方子供が
この宿に来るの
あれほど嫌って
らしたのに
どういう心境の
変化でしょうねぇ...
「ああ本当に
変わらない
ものなんてない
あなたも
そう思われ
ません?
松浦〟さん
客人17」
有明の月
女将さん?
どうされ
ました?
......准が
出て行った...
野球のボールを
見つけて...
志半ばで死んで
夢を諦められ
なかったのだと...
泣きながら..
そう...ですか
...門の外に
マツウラさんが
お待ちですが
......
会わない
会われますか
私は最近:
自分が自分では
なくなっている
ような気がする
怖いんだ...
そう...ですか
俺には
会いたくないと:・
いえ
すみませんねぇ...
せっかくお待ち
いただいたのに...
いいんです
...正直俺も
今の女将さんに
どう接すればいいのか
わからないんです
うせもの宿3
あの頃の紗季と...
錯覚しそうで
「今までのように
気安く振る舞うことは
できそうにない...
そろそろ
お話しすべき時が
来たのかもしれません
ねぇ...
...何を...
そうですか:
ですか...?
女将さん...
いえ
紗季さんが
ここへ初めて
来た時の話ですよ
それは...
今まできちんと
お話ししたことは
なかったでしょう
状況は変わり
始めてしまった
後戻りは
もうできない...
だったら
あなたは知って
おいた方がいい
彼女のためにも
あなた自身の
ためにもです
......
紗季さんは...
ーあの時
泣いていましたよ
それは
それは..
痛々しい
ほどにー
いらっしゃいませ
おやおや
どうぞ
中へ
ようこそ
うせもの宿へ
ご案内しましょう
...私.....
死んだんですよね...
ここは
後悔して死んだ人間が
さがし物を見つけにくる
宿ですよ
........
死んだ人間が来る宿:
あなたも何か
大切なものが
おありでしょう
...私の大切なもの
なんて...
『彼』しかない...
あっちゃんに
会いたい:
...ここで
見つけることが
できれば
......救われ..る?
あなたも少しは
救われましょう...
どうか
されました?
私...っ
...救われたく
ない...
救われたくなんか
ありません...!
さがし物を
見つけない方法は...
...これはこれほど
絶対に見つからない
方法はありませんか...!
お願いします...っ..
見つける方法を
問われたことは
ありますが
見つけない方法を
問われた方は
初めてだ...
どうか...
どうか...
「そうですねぇ...
...生前の
記憶をなくし
自分が誰かも
わからなくなれば
あるいは...
そんなこと
どうしたら
記憶を
なくせますか:
あなた
本当に...
教えてください
お願いします
よろしいんですか:
記憶をすべて
なくされても?
構いません:
記憶なんて
いりません...
だって私は
愛する人に
自分を殺させてしまった
人間なんです
それにここで
彼を見つけたら
もうそれは...
私に救われる
資格なんかない...
さがし物なんて
見つけたくありません
彼が
死んでしまったと
いうことでしょう?
[再会なんて
しなければよかった
最初から...
出逢わなければ
よかった...!
そしたら彼を
不幸にせず
済んだ...
ごめんなさい...っ
ごめんなさい...!
:そこまで
おっしゃるの
なら
今宵一晩
宿の
一番奥の部屋で
お眠りなさい
あなたの
その想いが強ければ
朝
目覚めた時に
あなたの願いも
叶っていることでしょう...
チュン...
うせもの宿。
ーその後は
あなたもご存じの通り
彼女は次第に
客の失せ物さがしに
手を貸すように
なりました
本人は
暇つぶしだなんて
言ってましたが
あれはまるで
自分が救われない
代わりに
人を救っているように
見えました...
......
...俺は馬鹿だ...
彼女はずっと
苦しんでいたのに;
忘れたがっている
彼女の前に
こんなこともう
終わらせるべきだ...
何度も姿を
現し続けた...
でも
マツウラさん
あなたは
俺も
とっくに
限界なんですよ
もうこれ以上
この距離に
耐えられない...
姿を見る
だけじゃなく..
紗季と
触れ合いたい
俺のことを
思い出して欲しい
...番頭さん
いや
あの時あなたが言っていた
「残酷」の意味が
今痛いほど分かりました...
本当は
ずっと前から分かって
いたのかもしれない
ただ俺は彼女と
二度と会えなくなるのが
恐ろしくて...
もう少し...もラ少しと
先送りにしていただけだ
でもそれで彼女が
苦しんでいるというなら、
うせもの宿3
話は別です
もう
終わりにするべき
なんだ
―それでも女将さんが
会いたくないと言っている以上、
今はどうしようも
ありません...
今日のところは
お帰りに...
...あと少し
少しくらいなら...
マツウラ
女将さ...
なんなんだ
この気持ちは
教えてくれ:・
お前になど
会いたくない...
それなのに...
自分が自分で
なくなるような気がして
怖い...
お前のことばかり
考えてー
涙が
止まらないんだ...っ
私は今まで
泣いたことなど
一度も...
一度も...
なんで
こんな...
ああ。目の前で、紗季が泣いてる
泣かないでくれ紗季
なんで...
お前に泣かれると
おれ
俺は昔からどうしても
放っとけないいんだよ
[最終話
【最終話
石もなき季節
え...
初めて
会った時のことを
覚えていますか
女将さん...
あの時俺は本当に
ボロボロでーー...
あなたは
一瞥して
すぐ
去っていった...
マツウラ...?
二度目に
会った時は少し
話してくれましたね
「生きている人間は」
それだけ
てしたけど
去れ」
あなたの声が
きけた時の喜びを
忘れない
3回目...
4回目:
5回目::
あの頃は会えるだけで
嬉しかった
あなたも
俺の名前を憶えて
くれてー
またお前か
マッウラ...
懲りない奴め!
女将さん...
俺には昔...
好きな人がいました
初めて出逢ったのは
幼い頃で
大人になって
再会して
彼女は
今のあなたのように
泣いていました
俺達は恋に
落ちました
初めてのデートは
海でした
夏祭りにも
行ったな
あと
映画にも...
寝てしまって
あいつに怒られたっけ...
俺たちは
幸せでした
ずっと一緒にいようと
約束していました
マツウラ...?
マツウラ...?
その約束を
今
果たします
やめて...
やめてあっちゃん:
紗季...
紗季...
紗禾
あっちゃん...!
やん!!
とうとう記憶を
戻されましたか...
やっと会えた...
...もう離れない
これからは
ずっと一緒だ...っ
私ね...
救われたくない
さがしものを
見つけたくないと
言いながら
本当はずっと:
あっちゃんのこと
待ってたんだと思う
最後に
会えてよかった::
紗季...?
だって...あの時
私達が約束したのは
一緒に不幸になる
ことなんかじゃ
なかった...
...一緒に...
幸せになること
だったでしょう...?
お願い...
あなたは
生きて
生きて
カッッ
紗季...
それが
お前の願いか
お前がそれを
望むなら
俺は...
俺はー
その後
長い眠りから
目を覚ました俺は
記憶を頼りに
宿があった場所へ
行ってみた
立入教止
けれど
その場所には
何もなく
俺は二度とあの宿に
たどり着けることは
なかった
ああ...
世界は
眩しいな...
番頭さーん
お客さんがおみえに
なりましたよー
番頭さーん
番頭さーん...
これは
これは
ようこそ
お越し
くださいました
ええ
ええ
ここが...
うせもの宿です
〈うせもの宿〉*完*
取材ノ妻納宿(長野県
謝辞
作画協力
拒当編集者「聯さん
デザイナー
フラワーズ編集部
この作品を描く上で沢山の方々に支えられお世話になりました。
家族、友人147、石黒数久くんひでさん、真阪菊子さん
森田さん
久米さん
黒木さん
藤田さん
雑誌上でこの作品を
読んで下さっていた皆様
この本を手にとって下さった方、
全ての皆様に
この作品を描かせて下さった
心より感謝申し上げます。
2015年12月一穂積
うせもの宿団
flowersフラワーコミックスa
著
者
発行者
2015年12月15日初版第1刷発行
穂
細
11月
祐
〈検印廃止〉
積
発行所
「fowers」2015年7月〜12月号掲載作品
連載・作品担当者/除俊之
単行本編集責任者ノ古川麻子
単行本編集者ノ除俊之、R[アール]
株式会社小学館
〒101-8001東京都千代田区一ツ橋2の3の1
TEL・販売OS5281)3556.編集いる(3230)5828
印刷所
◎HOZINI2015
ISBN978-400-137739
出版印刷株式会社
●遊本には「分注意しておりますが、印刷、製本など製造上の不備がございましたら「例作品コール」
ございます。インドはシャンプルセンター(ブリーダイヤル)のおそれではいや、やっぱり3500円以上ご連絡ください。「〈咄嗟〉《...》〈龍馬天子供は、土・日・祝休日を探す
く9:30〜17:31~30~~
◆本書の一部または全部を無断でで複製、転職、複写(コピー)、スキャン、デジタル化、上流、放送
一部をすることは、著作権法上にあ、あの例外を除き禁じられています。代行業者等の第三者による本書の
電子的変数も、初められておりません。
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穂積
書名うせもの宿3数多数無
う裁株〒名名行巻者発
...材・行
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電子書籍制作会社株式会社昭和ブライト
〒101-8001東京都千代田区一ツ橋2・3・1