うしおととら第08巻

そうしたのすんの？

おっかない化け物を描きたいとは思って

いろけど、また足りん描いても

日本の妖怪はこれぐらいじゃ済まないと

いう気持ちがたっぷり首をもたげてくる。

うしおやとらにゃ悪いが、もっともつと

妖気立ちのぼる妖をいつばい出したいね

え。ひょろっでもないし、ぬにゅるっでも

ないんだよなあ。日本のオバケ．．．。

う〜ん、難しいなあ。

ちょろっ．．．。すうん．．．。うう〜〜

亞祖目郎

しおｃとらい

藤田和日郎

小学館

藤田和日郎

せーっ

オレ、着月潮。ワケあって、おな

じみのこらと、母ちゃんのコトを知り

る旅をしている。

どうやら、母ちゃんは、妖怪たち

の恨みをかってまでも「白面の者」を

護っているらしいんだ。

その理由をききだす約束で、遠野

を離れたオレは、大学生のおかしな

二人組の車に便乗、めざすは北海道

ところが、乗りこんだ函館行きの

フェリーが、海峡のまっただ中で、

悲しい魂でできた沈没船と遭遇。や

っとのことで妖怪を倒し、魂を解放

夢に導かれてきた沈没船の元船目と

船長の孫娘・歩の危機を救う。

歩ねえちゃんが加わり、旅はます

まずにぎやか。でも、とらの様子が！？

★前巻までのあらすじ★

うしおととらぬ

キノッ

第

アノノノセノ

１０１８年１１月１１日東京都京都西東京区西東宮公園区南区東西山北山北北東北大井大井東大東北北大東大北北北九十北東東京東東東北

ノノ

「汝、歪んだ夜よりきたる」

三日月．．．

一方、夜に還れ．．．

東六章十六章

お客さんがおまえられることはありませんでしたが、あなたは１０００万円できないでしょうかもしれないと思いますが、この時間があるのですが．．．これです。それは、それだけですね。

神酒を飲む．．．．．．槍の封印．．

大地神様と和や骨盤を飲む時間が利用しているのはいつも最高ができると思うのだけど、

「霧がくる」霧の道．．．．．．霧からの脱出．．

霧の道．．．．．．！！．．．．霧からの脱出．．

霧からの脱出．．．．．．．．霧の追跡．．

．．．

次

第

美人参其其！

．．．．．１４９

暖藤田和日郎羅

．．．．．．．．

．．

橘医院

ウォー小児お

余談時間、そもそれへと

ふう

はあ。

に．．．人間にも

あんな力を

もったヤツが．．．

いっとこは

きいていた

が．．．

はあ。

！

はははっ、

どう

驚いたな、

ここまで

しっていたのか？

おまえに四十年前、

妻子を殺された

男が教えたのだよ．．．

そして、

わたしに

頼んだんだ。

おまえを

かっ！

殺して

くれとな！

ぐおお

おっ！

逃がさん

どこだ？

ふーん、

そこかあ。

ちっくしょう

土は通り抜けられる

けど、これはダメか。

みつけた

くるくらく！

てめえら、

そりゃ

わしの食い

もんだぞ

その

人間どもを

よこし

やがれっ！！

ああ．．．ああ、

あの男が

わたしを殺す：

ああ、わたしを

追ってくるう．．．

ああ、

助けて．．．

助けて

ください．．．

黒衣の人間が

わたしを殺そうと

するんです．．．

お母さん．．．

下度はこんばん

人間どもが

お母さんを

殺したように

．．．わたしも

お母さんの

ように、

殺されるん

だ．．．．．．

そうか

．．．．．．

わたしが

負けるはず

ないよね

お母さん。

きたな、

楽しい

殺し屋

観念しろ、

あらかじめこの家の

まわりに貼った符で、

おまえが霧や

こうもりに変身する

ことはできない

くくっ．．．

確かに

強いよ、

おまえ．．．

だがな．．．

そんなことで

このわたし．．

闇に生きる

無敵の吸血鬼を

葬れるとでも

思っているのか。

ぬ！

そしてして．．．

あなとるなよ、

わたしを。

人間め

ええ！

さささっ、

人間の分際で、この

わたしに勝てると

でも思ったか？

このまま、わたしの

手がおきえの

首を握りつぶす

音をきかせて

やろうか？

ふふん

やめよう．．．

おまえがわたしに

禁じた、あの親子の

血をすするところを

みせてやる！

自分の無力さを

呪いながら、

親子ともども

地獄にいたい！

ついて

くるが

いいしい！

あーっ

うぎってえなっ、

こいつらっ、

そいつはわしが

食うんだっての！

シャア

アア！

そのガキ

よこせっ！

うるせえん

だよっ！

うしおととら困る

くっそう、

らちが

あかねえ。

よ～～し！

へっ、大昔、

大陸の方で吸血鬼と

やったことが

あるのよ。

火を怖がったっけ

なあ。

ついでだ、

その女も

もらうぞ！

いっぱい

食いてえん

でなあ。

もらったあ。

はーははほは、

返してもらった

ぜえっ！

きっさまあ、

よくも

わたしの

下僕をーっ！！

うっ！

はっ

へへへ、縁！

でかいコト

いってたワリにゃ、

情けねえなあ？

おのれえ、

ゲス妖怪

！

がっ。

ぐ．．．ぐお．．

鏢．．．そいつは、

おめえが殺すん

だろが．．．

なんとかしろよぉ。

腕が折れ

たな．．．

ヤツの

動きを

止めなければ．．．

けっ、だ

動きを止めりゃ、

おめえがなんとか

できんだな？

わしもこいつにゃ

さんざんやられ

てんだ。

くっ．．．

わかっ

てる。

おもしろい

わたしと闘うと

でもいうのか！？

でえい！

売られた

ケンカだ、

かってやらあっ。

銀！

こいつの動きは

止めてやらあ！

あとはてめえが

なんとか

しろいっ。

下等な怪物の

分際で、

このわたしの前に

立つというのがあっ

へっ、

血を飲まねえと

生きていけねえ

半端な妖の分際で

わしに説教かよ。

効かんなあ！

おまえにわたしは

何せぬわ

くっ。

おおっと、

火など

吐かせるか！

バカめ

ぐわっ。

みたか、

これが人間の

血の力よ。

人間の血を

飲むことによって

わたしは

こんなに偉大な

カを手にし

永遠にゃん

闇の世界を

歩き続ける

のだ。

四十年前の

あいつは、

わたしの．．．

妻と子供の血を

吸って、殺しました．．．

うまいのだぞう。

わたしをみて動けなく

なっている人間の喉に

ぶつっと歯をたてて、

甘い液体を味わう

のは．．．

えもいわれぬ

芳香と美味、

その至福が喉を

下り降りる感覚は、

映血鬼として生まれた

ＨＯＯ年間変わらぬ

わたしの腕の中で、

体温を失ってゆく．．．

妻と子の．．．

体．．．

うしおととら夏

五〇〇年間

だと．．．？

なーんだ、

おめえまた

ガキじゃねえか。

それが

こともあろうに

このわしの

食いもんを

様どりかよ

な．．．なにい

くくくすく。

うるせえ

！

よくも

わたしに

そんな

口をおお！

おらよ

！！

甘いな！

きっさま

ああ！

愚か者め、わたしは

こんなことで．．

そうだなあ

逃げられたら

困るなあ

なに？

さっきわかったんだ。

霧になって逃げる

ことができるのは、

おめえの体

だけで．．．

なにをするっ。

変身した動物の

体の方は、

そう簡単に

いかねえってなあ。

うわああっ

！

お．．．

おお．．．

こんな．．．

こんなはずが

ない．．．

負けるはず

ないんだ．．．

わたしが負ける

はずないんだ。

こんなヤツらに

負ける

はずない．．．

せ．．．咳を

する．．．

母さん．．．

風を

抜いて

へばりついた

犬の遠吠えが

．．．

ぼくの外套に

べったりと．．．

こすっても

三日月の形に

落ちこんでゆく

真直ぐな

深淵は．．．

ななめに

歪む夜に．．．

虚しく咳こんで

．．．．．．

ぼくをうつす．．．

その詩を

最後に、

母の死んだ後

姿をくらました

詩人が、大昔

外国にいたっけな。

お茶、

そこを

どけ！

どけぇ

え！

なん世紀も生きて、

教会の地下に

根城をもつおまえも、

やはり十字架に

面と向かうと

タメか．．．

ぐわあ

ああ！

しっかしてしまし

おまえも

ボロボロの

くせに！

わからんなあ。

なぜそうまでして、

わたしに

殺されたいのだ！？

ハイフォン・

あけとくれ

今帰った．．．

ハイ．．．フォン

うおおおぉー

ぐおぉ

おお！

レイシャ．．．

ハイフォン！！

おまえは．．．

子供を

殺した．．

理由は、

それで

十分だ．．．

わけの

わからぬ

ことを！

死ねえっ！

おおお

おお！

げ．．．

えんえええーっ

うおお

おお！

わざわざ

くくっ．．．

ありがとう

よ．．．．．

いい夜だ．．．

死ぬには．．．

いい夜だ．．．

もっとも

わたしの魂は

．．．

もうすでに

死んでいるが

だ．．．

ぼくはあさましく

ない．．．

もう一人の

家にいこう．．．

母さん．．．

ぼくは

病んでいるんだ

ね．．．

吸血鬼よ．．．

わたしの魂も

最も大切だった

者たちが死んだ、

あの夜．．

死んだのさ．．．

ちっく

しょ〜〜。

鏢！てめえ、

こいつらの周りに

結界はったろ！？

ああ．．．

汚えぞぉ、

こいつらはわしが

食うために、

苦労して手に

入れたのによ。

おめえとはここで

やっぱり、決着を

つけねえとなあ

そう思う．．．

化け者になったといえ、

あの吸血鬼の手下に

なった看護婦たちを

やすやすと殺す！

やはりおまえは

危険だから

な．．．

けっ、だから人間て、

モノしらねえから

いやなんだよ。

ああなっちまったら、

もうあの女たちは

もとに戻らねえ。

火葬してやるのが、

おまえらのいう

親切なのよ。

それにおめえ、

そんな様で

わしに勝てる

かよ？

いうな！

いくぞ。

よーし。

とらーっ。

げーっ、

うしお！！

なーに

やってん

だよーっ。

ダメか

ーっ。

こいつが

いると、

食えねーなあ。

はは．．．

よし．．．．．．？

今日は、

わたしは

おまえに

借りが

あるしな．．．

うしおに

いっておいて

くれ！

あーっ、もう、

やっぱり迷い子に

なってたんだ

なーっ。

ふん、

もうくるん

じゃねえよ。

何と言いまし

わかったわよ

．．．

近いうちに

あおう

とな．．

誰か

いないか！？

第十六章「極の記の中」

このままでは

ここはヤツの

思うままだ。

誰か、

譲り神を

まわオー．．．

ひでー

嵐だぜ。

ったく、

たまんねえ

な！

よーし。

そっち

引っぱれ。

ありゃ．．．

なんだ

ヤツを

押さえねば！

お．．．．．

おお．．．

言っても知っておりません

どうした

オヤジィ！

なんだよ、電話、

なん回かけても

つながらなかった

じゃねえかよ。

バカモノー！

十日もかけて

また旭川に着いと

らんのかーっ！！

うしおの場合

学校もずっと

休んでるワケに

いかんのだぞ。

麻子ちゃんや

真由子ちゃんも．．．

あのなーっ、

オレだって

いろいろ大変

だったんだ

ぜーっ！

いいか、おまえは

母の秘密をしりに、

旭川までいかにゃ

ならんのだろが。

いつまで遊んどる！？

うるさいなあ

父さんも

どれほど心配

していたか．．．

オレだって

オヤジのこと

心配してたん

たせー

なーんか

セットクカ

ねえなあ。

歩の場合

あのさあ、

二、三目

こっちの方で

遊んでくから

なにやってんの

この不良娘か！

突然遊びにいって

音さたないなんて。

すぐ帰って

きなさいっ！！

嫁入り前の

娘のくせにっ。

いやあのね．．．

わかったから．．．

明日帰るよ．．

あんた

もしや、

変な男と一緒じゃ

ないたろね

ぺゅううっ

いや、それだけじゃないですよ

おい片山さっきいい女いたぞ。

ねえねえ

きみたち、

二人！？

これから

どーすんのー。

オレたちと

さあ．．．

ひとめほれを

信じますか？

遊びじゃ

ないんだ！

香上と片山の場合

やめた、

やめたーっ

！！

．．．．．．

ここは場所が

ワリーや！

うしお、

なにボサッと

してる！？

次いくぞ、

次んトコーっ

そして．．．と

あれーっ、

オレのハンバーガー

はーっ？

まあまあ！！

だな！

あたしの

チーズバーガーも

なーい！

ん．．．．．．

あの女に

もらった方のが

うまい気が

するが

いやー、

北海道の道は

すいてて

気持ち

いいねえ

ホント

ホント。

そろそろ

電車使おうと

思ってたのに

迫力に負けち

まった．．．

今日は

洞爺湖に

泊まろう！

立派なホテル

に！！

りっぱな．．．って、

ずいぶん

強気ねー。

なんのなん♡

歩ちゃん、明日

帰るんだろー？

しりあえたッた

記念にさあ。

カックイー

ホテルなら、

歩ちゃんも

感激して、

片山さん♡

なんてよー

しかも

観光地だから

女の子も

たくさん！

えぇ

文上

ま、近づいて

るんだから

ししか．．．

でもまた

やっかいな妖怪

とかかよ．．．

はは、

まさか

なー

えっと．．．

ここかあ

はった！

ふー、

着いたぞー。

わあ、

でっかい

ホテルー。

にいちゃんたち

ありがとう。

こんないいトコ

はじめてさ！

おめえの

宿泊料は、

おめえで

払うの！！

いや、それねぇ

．．．

で、うしおー、

あとこれなー。

そう

私ぅわよ

下に見える！！

どうしたの

香上

にいちゃん！？

いや、誰かに

みられてた

ような感じ

かよ．．．

よう、香上．．．

ここって観光地

だろ？

それにしちゃ

人少ねえな。

誰か．．．！！

誰か、この湖に

火要

なのだ！

どっ

どうしたん

だよ、

片山っ！？

大浴場

ウンターバッグホテル

用意湖一の宿泊

なっ、なんでも

ない！

気のせいさ

誰かが

ここを

謎らねば！

誰かが．．．

いらっしゃい

ませ。

いえいえ

お名前

なんてーん

です？

に、仁礼と

いいますっ。

あのさあ

この辺、なんか

イジョーに

人少なくない？

本当はこんな

こといったら、

ダメなんでしょう

けど．．．

最近ここ、

地震が多いん

ですよ。

不気味な

山鳴り

も．．．．．

有珠山が

爆発してから

あまりなかったん

ですけど．．．

でも、湖のまわりだけに

そういうことが起きてて、

ほかの町とかには

まったくないんです。

この前は

嵐の夜に、

変な蛇をみた

人がいるって騒ぎに

なったし．．．

こわくて．．．

心配ないよ、

ボクが横に

寝てあげる。

変な蛇？

ええ、大きい

蛇ですって。

のどもとから

人の腕

みたいのが

はえてたって．．．

ま．．．まさか

ね．．．．．

え．．

ええ。

ああ、

大浴場のブールは

いつでも

入れますから

水着でおいで

くださいね。

ええっ、

フール！？

いこーよ、

いこーよ

！

バーカ

うしお、

かったりー

よ．．．

うーん

．．．．．．

よし、

いっちゃおー

か！

もう！

ぴったり

ついて

こないでよっ。

人間ってのは、

なんで．．．

水に入ると

うるさくなんの

かねえ。

よーし、

いっくよ

ーっ。

どうしたの

歩ちゃん！

なーに、

歩サン？

ううん

なんでも

ない．．

今、確かに

誰かにみられ

てるような

気がした．．．

よーし

歩ちゃんと

であえたコトを

祝ってーっ．．．

はは、

うしおくんにゃ

ピールは

早いよ。

ふふ、

酒に酔わせて、

今日こそ

歩ちゃんと．．．

ひひ．．．ひひひ。

ふふ．．．．．．

同右！

ひひ．．．ひひひ。

カンパーイ

ほーら、

歩ちゃん

飲んで

飲んで。

馬そー四門

ほっけぬい

とくとく

そー

とくとく

．．．．．．あんた

方ねえ．．．

お酒

よわいよ。

保えはまだ２０１

脳の指定を

バカーいそうね

横橋

親前隊橋

来店舗の中国社で３０分で

野生のえぞ！！

早くーっ

！？

たたっ

船、船、

乗ろーぜ。

あたたた

どなるなよ～

二日酔い

なんだから～

ちくしょ～

寝ちまった。

ぐす．．．

とうとう

歩ちゃんと

仲よくなれ

なかったな〜。

早く早く、

船がでるよー。

昨日、あんなに

中島にいこう

っていってた

ろーっ。

うしおととら図

あたしも、

昼の電車で

帰るんだから

さー。

楽しかったなー、

全部かたづいたら

青森にも

遊びにきてね。

うん、

歩サンも

元気でね。

う～～え

洞爺湖は

その昔、羊蹄山が

噴火した時に

できたカルデラ

湖で．．．

ふー、

いい気持ち

ちょっと

さむいけど

ね。

あっ

そうだ

とらだ、

あいつ、どこ

いった！？

たはた

今度

紹介

してね！

頭いてえ

うえに、

吐き気が

よ〜〜〜。

しょーが

ないわねー

おーい、

香上〜、

酒の飲み

すぎだ

とっくりが

みえるー

なにバカな

コト

いってんの．．．

きゃ

うわ。

おまえは

おまつぎね！な！

オレにとりついてんですね

バレの

おい．．．

うしお、

なにか変だぞ。

あっ！

きゃ、

なに？

うわっ

．．．！

いや、なんだよ

ちなみにさまの

ショエ地神様と戦神

おお、

なんだあっ！？

う、

うわ！！

きゃあ！！

あっ、

ありゃあ！！

ごみんさま

はぁ．．．

其ノ

へビだああっ！！

げえ！

襲って

くるっ！

うしお

逃げるぞっ！

うるせえ！

てめえ一人

だけで！

逃げられる

かよっ！！

獣の槍」が

欠けた！？

ほら

ダメだろ！？

こいつは

手強そうだぜ。

３人を

かえせええ

きっと

とっくりに３人を

吸いこんだのも

こいつさ。

本当に

そうかね～

う．．．

う～～ん

わっ、

なんだよ

ここ！？

片山、ただでさ

片山っ

おきろよっ。

おい、

しっかりしろ

よっ。

いていて、いて！

どこだ？

ここはどこ

なんだよっ？

ああ．．．

湖にとっくりか

あらわれ

て．．．

その中に

オレたち３人

吸いこまれた

んだよなあ

あ！

歩ちゃん！

歩ちゃーん

歩ちゃーん！

いないよ～

片山どーすん

だよ～

ばか～

おまえ

そんなコト

オレにきく

なよ～～

うわっ。

おうっ。

うしお

！？

なんだよ

あのでかい

へビはっ！？

オヤウカムイ！

危なかった

もう少しで．．

おまたちを

オヤウカムイに殺

されるところだ。

あの少年の

もつ霊槍は

ものすごいかだ。

だが今はあの

怪物に勝てない。

おまたちが必要だ

あ、

ああ。

さあ

早くねし

おまたちよ、

この湖を

あの恐ろしい

蛇神ーオヤウ

カムイから誕る

のだ！

だっ、誰なん

だよ～？

わたしは

サンビタラ州にすみ

この辺り一帯を

束ねる神。

サンビタラ

カムイ

おまたちをこの

湖の譲り神に任

ずる！

さええ

ええ！

しかしよォ

おまえは

本当に

頭悪いな！

ぃつもいつも槍さえ

ありゃ、なんとかなると

思ってんのかよ！

だって３人が

とっくりに吸い

こまれたから．．．

それだって

こいつの仕業か

どうかわからん

だろが！

ふ．．．

「獣の槍」が

欠けちまった

そうだよ！

こいつは並の

妖じゃねえ。

逃げるんだな。

船が！

とらああ！

ひいいっ！

いけえ

え！

わかったよっ。

でもわしは

闘わねーぞ！

あやつは

オヤウカムイ。

十八の刃状の翼を

もつ蛇神だ。

この湖の

前の守護神に

退治されて、湖底に

眠っておったのだが、

守護神がいなくなった

とたんにでてきおった。

あの．．．どういう

コトすか？

守護神って？

わたしは湖づくりの

神、トーカラカムイ

からこの湖のことを

任されたのだが．．．

よく

きはよ．．．

お主らのしらぬ

ことではあろうが

土地には神が有り

その地に災害や外敵が

入らぬように譲っておる

この湖

洞爺湖には

昔、譲り神が

いなかった。

かのオヤウカムイが

入り込み

好き放題に

あらじまわった。

草木は枯れ

人々は苦しんだ。

わたしは

人間の中から

二人の若者を選び

この湖の譲り神とし、

彼らはオヤウカムイを」

倒して

この地を長く

平らかにした。

彼らに

力を投げるために

与えた神酒の

とっくりが

湖の中央で

島に変わり

彼らはそこで

妻をゆとり長く暮らしたのだ。

なんだい

これ？

飲むが

よいよい

神酒だ。

バッ、バカいわ

ないでくれよーっ

オレたちにできる

こわきゃねーだろ！？

前の護り神は

どーしたんだよっ！？

あんた神さん

なんだろ！？

あんたがなんとか

しろよっ！

飲めって

おい

まさか．．．

オレたちに．．．

そうだ

それを飲み

この湖の

譲り神となって

オヤウカムイを

退治するのだ！

前の者たちは

神の次なる段階に進む

ために天に昇った。

次なる譲り神が

火要なのだ。

それに

わたしが

動くわけに

いかぬ理由

もあるのだ。

うしおととら夏

だからわたしの

かわりにやるのだ。

この地にお主たちが

きた時から日を

つけていた。

あの

オヤウカムイも

そのことをしって、

わたしがおまらを

神にする前に

殺してしまおうと

したが、

わたしがおまらを

引き寄せる力が

早かったわけだ

さあ、その

神酒を飲んで

力を得て

あの悪神を

退治する

のだ。

そして中島に

譲り神として

佳むのだ。

だから

みられてる

カンジがしたの

カよ～～～

武器も

嫁もちゃんと

用意してある。

歩ちゃん！

仁礼さん！！

どうなってるの？

急に吸いこま

れて！

いつのまにかこの服

溜せられて！？

わたしもまたが

湖近くを歩いて

たら、急に

意識がなくなって

気づいた時には．．．

さあ

闘うのだ！

おまらが湖の

譲り神に

なるのだ！

やだってよー

そんなのに

なるのは

～～！！

はあ

なんてこった！

動きが早いし

あの翼があるから

近寄れない。

この手をはなせよ。

もう充分やったろ。

早いトコずらか

ろうぜ！

うるせえっ！

オレは空が

とべねーん

だよ。

手伝えよっ。

わしは

手伝わねーって

いってん

だろっ！

とら

キサマーッ

よし、

とら

いくぞっ！

ふん。

はーっはははっは

ざまー

みろっ！

つーことだ！

わしは

やらねえから

あっちを

やれよ！

おまえも

同じことよ。

人間などに味方

しおって。

おまえから

ぶった切って

くれる！

なにィ

！？

とら！！

き．．．

きっさまあ！

とらーっ！

とらあーっ！

とらーっ

！！

ああ．．．

変身した

うしおも歯が

たたねーじゃん

かよ〜。

あ、あの黄色いの、

青森でオレたちを

助けてくれた．．．

うしおのいってた

とら．．．．．って、

いってたわ．．．

真っぷたつに．．．

あ．．．

ああ。

あれがこの前

町の人たちが

いってた

へビ．．．．．

オヤウカムイ

！

強力な

む中ご！！おネッ！！

早くあれを

倒して、この湖の

譲り神に

なってくれい！

このままでは

この湖と町は

あやつの毒気と

刃の翼によって

完全に滅びる。

．．．．．．

そのための

武器．．．

譲り神として

ここに住むための

嫁も用意した。

さあ！

早くその

神酒を飲んで

神通力を

つけるのだ！

な．．．

なんでだよ〜。

なんでオレたち

なんだよ～～

？

あいつをやっつけるん

なら、うしおに最初に

頼むのがスジだろォ？

やだ！！

確かにうしおと

いう名の少年は

娘とともに

すさまじいかを

もつ．．．

だが．．．

彼には

別の大きな

使命があるのだ。

ここを譲り

佳みつくわけには

いかないのだ。

それに今の

あの娘には

封印がされて

おって、蛇神には

勝てぬ！

封印？

だから

なんでオレたち

なんだよ！？

人間にはわからぬ

神の基準があるので

一言ではいえないが、

ありていにいえば

おまらが

一途イキが

よかったんでな。

んじゃ

なにか．．．．？

オレたちが

たまたま元気

よかったから

これだけ

手間ヒマかけて

オレたちを

この湖の護り神に

しようってか？

うむ

じょーだん

じゃねーっ！

それじゃ、オレたち

悪いクジに当たった

だけじゃねーか

よーっ！？

まあ、そう

いうでない。

キレイな嫁と

静かに蒸ら

せるのだ。

う！

そんなあ！

あたしたちだって

イヤよ！

女だから

って、

ナメないでよ

ね！

．．．．．．

どんなに

イイ暮らし

だって、

人から強制

されたもんは

イヤよっ！

そこまでいわんでも

う〜む

こまったのう

時間がない

のだが．．．

どうだ、

もう一度考え

なおせめか！？

その

神酒を飲んで

オヤウカムイと

闘ってくれぬか？

本当だよ、

本当にでかい

へビがよっ！！

私たちも

みたんですよっ。

おまわりさん

なんとかして

くださいよっ！

なんとかして

くださいって

いわれても

なあ．．．．．

湖は静かじゃ

ないか．．．

とらが．．．

死んだなんてよ

！！

はは．．．

まさか．．．．．．

ぐ．．．

まいっ．．．

たな．．．

岩に

はさまって．．

くっ、抜けねえ。

わしは

こんなコトで

くたばりゃ

しねーが、

このまま

こんなトコで

沈んだままなんて

冗談じゃねえ

な．．．．．

でもさすがに

こんなになっち

まったら、

もとに戻るにも

体力が足りん。

わしの半分は

岩で動けん．．．

残った半分でなんとか

体力をつけて

もとに戻らなきゃよ。

栄養をとって

体力を．．．

栄養をよ．．．！

ん！

栄養の

においだ．．．

きゃっ。

うわっ

なんだ！

ヤツよ

感づき

おったか！

どういう

コトだよ？

譲り神になる

おまらが、

ここにおすることを」

オヤウカムイが

しったのよ！

わたしが

目をつけた

おまらを

殺そうと

ここにやって

きたのだ。

ここって？

人間には

みえない中島の

位置にある

とっくりの中よ。

どんどん

強くなって

くるわっ！

おっ、おい

どーすんだよ

～～～？

ここが

もつのは

時間の問題じゃ

さあ、

神酒を飲み

武器を

どれい！

うしおととら困る

だ．．

だってよ〜

ああっ。

むう。

きゃああ

あっ！！

はは！

ははは

ははは！

とうとう

みつけたあ！

サンピタラカムイ、

どうやらおまえの

思いどおりに

ならなかった

ようだなあ！

ここでこの者どもを

殺して、昔のように

好きにやらせて

もらうぞ！

オヤウカムイ！

おまえはまだそんな

ことをいっておるのか！？

また昔のように湖底に

沈められたいらしいわ。

いうたわ！

サンピタラ

オレは昔の

オレじゃない。

負けるかあ！

うわあ

ああっ！！

ひいっ。

なんだっ

！？

さわくなよ．．．

わしがもらう

栄養が

こぼれるだろ。

おはようございますが、

げええっ

生きてる

ううっ．．．

こっこれ

．．．？

おまえ．．．

オレが

切った化生か

．．．．．．よくも

生きてたわ

けっ、この

酒を飲んだら

おまえなんぞ

すぐぶち殺して

やらあ！

．．．．．

半切れしかない

くせに笑わせるわ。

死ねいっ！

やだよっ！

くそオ．．．

やっぱり体力が

足りねえ。

神酒さえ飲めのやあ

仁礼さん！

仁礼さん

なにを！？

これを

あげれば．．．

あのヘビを

やっつけてくれる？

もう一杯は

わたしが

飲むわ．．．

ええっ

なんでだよっ

？

わたし

この湖が

好きよ．．．

今までみあきたと

思ってたけど

やっぱり好き．．．

遠くで暮らしたい

と思ったことも

あったけど．．．

小さい頃から

ずーっとみて

育ってきたんだ

もの．．．

そこを

あんなひどい

怪物にメチャ

クチャになんて

されたくない

！

だから．．．

わたしが

やる！

お願い．．．

助けて．．．

ああ．．．

それをくれたら

ぶっ殺して

やるわ！

．．．．．わたしに

だって

神通力は

つきますよね。

あっ、

コラー！

．．．

おっと、

飲むんなら

半分コだよ

もう怒った。

ふがいない男たちに

かわって、

あたしたちが

やっつけてやろうよ。

歩さん！

香上〜。

片山く。

さあ

飲むよ！

けっ。同じことよ

ことよっ！

ちくしょ～～

やってやらあ

このように

オレたちだって

やりたかねえけど、

おっ、女に

やらせるわけにゃ

いかねーもん

よ～～っ！

オッ、オレたちが

闘ってやらあっ

ふん！

こぎかしい！！

たとえ神酒を

飲んだからとて

同じことよ！

わわっ。

半身とあわさる

ために戻り

おったか．．．

ええ．．．あんなに効き目が

いのかよ、神酒って

そしたちも．．．

馬鹿奴！

うわっ！

なんだよ、

ぜんぜん変わん

ねーじゃない

がよくっ！？

闘うのだ！

もうお主たちには

神通力が宿って

お？３！

たっ、

したすけてっ。

だってよ～

そんな気持ち

しないぜ～～

まず

武器を

ところのだ！

まず女たち

から殺して

くれるわーっ

きゃあああっ

やめろ

よおっ

歩ちゃん、

仁礼さんっ

！

逃げるんだよォ

歩ちゃん、

仁礼さーんっ！

うわ！

そんな．．．

ただオレは矢を

ほおり投げた

だけだぞ．．．

そうだ、カは

もうおまたち

のものだ。

空を飛び、武器も

自在よ！

さあ早く

武器を

もって

闘うのだ！

歩ちゃん

仁礼さん！

オレも

ただちょっと

走っただけで

はいっ。

ぬうう、生意気な！

それではそれなりに

本気で相手をして

やろう！！

オッ、オレたち

だって、

こーなったら

いっ、一生懸命

やるぞォ！

たっ、

たああ

ーっ！

うわああ

あっ！！

おっ、

おまわりさん

あれですっ！

あっ！！

片山、香上

にーちゃん？

どうしてっ

！？

くっ、

オレもっ

！！

だめだ！

オレは

あそこまで

いけない．．

とら～。

くそ～

飛べたらなあ、

とらがいれば

なあ．．．

くそボケナス

がっ！！本当に

死んじまった

のかよォ！？

よ～～～

やっ、

やあ～っ

！！

このっ！

しゃら

くさいわっ！

うわ～っ！

なっ．．．

なんともない。

なんかで

まもられてん

のか．．．？

でっ、でも

こんなことじゃ

やっつけられ

ねーぞ．．．

本当に

勝てんの

かよ〜。

オレに

きくなよ～。

やるっきゃ

ねーだろ～

いかんな．．．

彼らは二人で一杯の

神酒しか飲まなんだ。

二人で力をあわせる

しかない！

矢だ！

それぞれの

もつ矢に

ありったけの

力をこめて、

同時に

オヤウカムイを

射つのだ！

だが

その攻撃を

するには

なにかであいつ

の動きを

止めるば．．．

なんで止める

？

あ、

うしおくん

！

なにっ？

そうか．．．

その手が

あったか！

くるが

よい！

くそー

っ！

二人の

にーちゃんが

闘ってんのに、

オレはここで

みてるだけ

かよーっ！？

くやしい

なあ．．．

．．．敵も．．．

討てねーよ．．．

悪槍を

もつ少年よ！

力をかして

ほしい

力を

かしてほしい！

われはあの蛇神と

戯う持なり

歩さん！

ホテルの

おねーさん！

どうして！？

それから

にーちゃんたち！

なんで

あそこで．．．？

うしおくん

ワケはあとで話すわ。

この神サマの話を

きいて！

うん！

オレも闘う！！

どーしたら

いい？

今から

話すことを

よくきいて

ほしい。

ふ

すさまじいかが

おまらを

助ける！

そっ、

その力って

なによ．．．？

冷山殿、香上殿！

夫だ、矢を射つ

用意をしてくれい

お．．．おう。

潮殿の

もつ槍には

強力な封印が

されておる

封印！？

その事前を

切れば、槍は

さらに力を示す。

封印とは

その赤い布

だが、

その槍を

長時間操ると

お主の魂は．．．

あ．．．！

とら．．．

まて、

話はまだ

．．．

敵を

討ってやる！

うしおくん

！？

ああっ！！

今だ！

うしおくん

危ない！

近くに

寄って

矢を射つ

のだ！

片山ーっ！

死んだら

あの世で

ナンパだなーっ

ちっくしょーっ

やってやらあ！

おまえと

なんて

やだねーっ！

やったあ

！！

なんてスゴイカが

オレの中に

ながれこんで

くるんだ！

片一方の封印を

むしっただけで

槍がこんなコトに

なるなんて！

ぐおお！

きさまらァァ

よくもォォ！

死ねえいっ！！

うわああっ

神さまーっ

だ．．．だめだ．．．

二人が危ねえのに

意識か．．遠くなるっ．．．

くそった

れええ！

キサマも

味わって

みやがれっ！

オヤウ

カムイーっ！

真っぷたつに

される気持ち

をなーっ！！

げえええ！！

そんなァ、こんなアメ

アアア！

さすがに

「獣の槍」だ。

これほどの

力を示すとは

！

わたしがあやつを

倒すのに手を下す

ことができなかったのは、

昔、悪神を蹴り

飛ばした時、わたしの

その力で有珠山が

噴火してしまった

からだが、それ以上の

カやもしれぬ。

うしお殿

このように

その槍は

すさまじいか

を発する。

これから

強力な妖が

現われるにつれ、

その力は発揮されて

ゆくであろう。

危険と隣あわせ

し．．．！

あのよ．．

神サマよ、

オレたちやっぱ

護り神になら

なきゃいけねえ

のか？

オレたち

あんなに情けなか

ったんだぜ〜。

結局うしおや

．．．とらに

助けてもらっち

まったし．．．

いやいや、

女たちを助けたり

うしお殿のために

矢を射った

おまたちは

立派だったぞ．．．

自分たちでも

やんなるよ〜。

人選ミスさ～

あ～あ。

それに、

わたしは

わすれておった

わ．．．

その女子のように

この脚を好いて

譲りたいと思う心．．．

また、それを

わかってやれる

じ．．．

それが

真の．．．

湖の

譲り神だ。

この湖に対して

それをもたぬ

おまたちは、

ははは

残念だが資格

不足だな．．．

わたしのまちがい

神様．．．

うしお殿．．．

この封印の

布をゆずって

くれぬか．．．

え．．．いいけど

なんで．．．？

この旅は

妖怪によって

つくられた

妖力を封じる強力な

勝布なのだ。

．．．？

その疑問も

この妹の終わりに

明らかになる

だろうがな

これをこの地に

埋めれば、この湖に

おかしな気を起こす者も、

なくなるだろう。

では、さらばた

人間たちは．．．

．．．．．．でか～

ただ．．．．．．

．．．

さっ、オレ

歩サンの分も

切符買って

くるよ。

あ～あ

結局

歩ちゃんと

仲よくなれな

かった．．．

住所も

教えてくれな

いものな～～

あたしのバンド．．．

ギターはあたしだけ

なんだけど、

ツインギターでも

やってみたい

と思ってんだ．．．

そうか

あ．．．はは。

またね

ギターの方も

練習しといてよね。

これ、あたしの

よくいくスタジオの

ＴＥＬ。

あんた．．．

あの時かっこ

よかったよ

あ～あ、．．．

いい娘だよな〜。

あのとっくりの

中でみせた意地

とかよく

いきなり

つきあってくれって

いったって

ダメだよな〜。

せめて

一回でも

チャンスが

ありゃよ～

は～あ。

これ．．．

よろしかったら

食べて

ください．．．

．．．．．

あの時

わたしの手から

香上さんが

．．．

神酒を奪って

飲んだとき

とってもうれし

かった。

わたしどん

裕美って

いいます

わたし

あのホテルで

働いてますから、

香上さん．．．

きてくだ

さいね。

上り方面の

改札を

はしめます

あっ、

歩サンの

電車が

くるよ。

うん。

じゃね、

うしおくんも

元気で！

おかあさんの

コト．．．

早くわかると

いいね。

ありがとう

！

みえないけど

とらちゃんにも

よろしく

ねーっ。

つづきまして

下り方面

登別行き

あっ、

これ

オレのだ。

おい、うしおー

ホントに乗っけて

いってやろうかあ。

やーだよ！

香上、片山

にーちゃんと

いると、根性が

曲がっちゃうもん。

なにーっ！？

うしおー

ちょっと

こいよーっ！

へっへへへー。

自分が妖怪を

呼んで、オレたちが

危なくなるコト

心配してやがるな．．．

バカヤロオ．．．

ガキのくせに

気ィつかいやがって。

あっ、おい

うしお、

金！オレたちが

つかいこんだ金

返すよっ！

たた

いらん

いらん！

だって

楽しかったん

だもん。

た．．．あ

楽しかった

だって、おめえ

あんな死にそうな

目にあって．．．

それでも

楽しかったって

のかよ．．．

だって

片山に止ちゃん！！

香止にーちゃん．．．

＞シにさあ

おもしろかったんだぜ。

じゃあねー！

ありがと。

おはよーっ。

今日はまた

ずいぶんと

ひどい霧

ですねえ

本当にねえ。

慣れっこに

なってるって

いってもねえ．．．

いって

きまーす。

十七草「繋がくる」

第

ン

十七章「悪がくる」

共．．

．．．

おい、

きいたか

あの話？

話．．．

なにが？

ほら、町の

人間が一晩で

いなくなった

っていう

あれよ。

ああ、それが

そんな

はんかくさいコト

信じられる

かよ？

ふー。

なーんか調子

わりーなァ．．．

槍の封印

とったはいいけど

あれが終わった

あと．．．

うわあ

ああ！

あーあ、

なんか

調子わりーん

だよなー。

うしおととらの

体がすっげ

痛くなったんだよなあ。

まだよく

体がくっつい

とらんもんなー。

ちょっと

気ィ抜くと、

すぐはなれち

まうしよ～。

だから

気をつけて

押さえとかんと

いけねえ

おかげでたまに

姿が人間どもに

みえちまう

コトもある

だろうな。

ーことは

ひょっとして．．

おそる

うわああ

なんだありゃ

っ！？

なんだよ

なんだよ！

おめー消えるコト

できねーのかよっ！？

おめえみてー

なの連れて

電車に

乗れるかよっ！？

しゃあ

ねーだろっ。

くっつくまで

少しかかるん

だからっ！

なにーっ！！

じゃあ、

こうして

やらあっ！！

まっ、

まて！

うしお、なに

すんだよっ！？

うるせえ！！

うしおととらの

うしおー

うしおー。

なんだよ

こんなの

きゅーくっ

だー。

やかましい。

ちゃんと

消えてやがれっ！

さーてと

どうするかなあ。

こいつがこんなんで

いつ姿みえ

ちまうか

わからねえから

電車はダメ

だろうなあ．．．

また

車にでも

乗っけて

もらうかなあ。

ああっ！

ママー

ボクの

ふうせんが！

あらー、

しっかり

にぎってなさい

って

いったでしょ。

ぎゃはは。

バカだー

あの

ガキー！

よっと！

ほれ

ふーせん！

わあっ。

あらあ

ありがとね

いやー

あら？

う～ん。

あっ、

ママーっ

起きたよーっ！

あれえ

ここは．．．？

いやー

びっくりしたよ

ヒロちゃんの

風船とってくれて

ひっくりかえるん

たもんな

ホントこれで

死んだりしたら、

ムスコが風船で

死なせたコトに

なるもんねえ。

医者は寝かせ

とけばなおるって

いったけど

ほっとくことも

できないでしょ。

落ちた切符

ひろったら、

登別までって

あったから

乗せてって

やれってね。

うめーっ。

カルピス

だな。

うんっ。

今日は町の

日帰り旅行でね。

ほら今、登別に

向かってるけど

洞爺湖

うちらの町は

登別の

ちょっとこっち

側にあるのさ。

しかしまあ、

旭川の

おじさんちまで

一人旅かあ

えらいなあ。

うしおちゃん、

ほら

お菓子

食べなよ。

あんたみたいな子

みてると

息子を思い

たすれえ

ムスコ？

ああ、

信二ってんだけどさ

あんたくらいの年に

家出しちまった。

ははは。徳野の

ばーさんの

また昔話か

うるさいね！

わたしゃ

この子に

話してんだよっ。

うひゃー、まったく

いくつになっても

気だけは

強いんだからなー。

あらー。

また今夜も

ずいぶん

霧がでてきた

わねえ．．．

わわわっ

なによっ！

もう！

きっと内地の

学生ね。

ひどい運転

すんだから！

へっへっヘー。

ちんたら走ってん

じゃねえよなあ！

こんなに広い

道が泣くぜー。

まーったく、

飛ばすために

あるよーな

道だぜー。

おっ、

今度は前から

きた！

また

からかって

やろうせ！

ひゃはは

ははは

ばーか！

ちっ。

へへ。

あの車

ざまー

なかったな。

おう、

今度は

ハイクでも

こけさせて

やるかあ。

お．．．おい、

この霧なんか

．．．？

なんか

粘りついて

くるような

はははっ。

なにバカなコト

いってん

だよ。

んっ。

手みてえ

だあっ！！

うわっ、

この霧っ！？

ひっ！！

！！？え？

うっ．．．

うえええ

え！

なんで

こんなトコに

止まってんのよ！

もうちょっとでね

！！

やめなよ

ヤーサンだよ。

！

うしおっ、

やべえっ

こいつは

やっかいなヤツだ

逃げろっ！

とら、

妖怪かっ？

ちっ

まにあわな

かったかっ。

なっ、

なんだあ！？

そうかじゅっと

からの脱出

なっ、なんだよ

今度のこれは

ア！？

ふふうふ

ふふふ。

う～れしい

の。

食いもんじゃ～

う～れしいのー。

ありゃ

シュムナとかいう

霧の妖よ！

生きてる者は

人間も妖も

なんでもとりこん

じまうぞ！

ちいっ！

めんどくせえヤツに

あっちまったぜ！

でもよっ、とら、

おまえがそんな

コトいってても、

やってみたら

なんとかなった

っていうコト

多かったぜ！

アホンだらっ

！！

ヤツは、

絶えず動いてる

霧なんだぜ！

打ったり

切ったりはもちろん、

雷も効かねえ！

わしゃ前に

エライ目にあってん

だからよっ！

じゃ、

そん時は

どうやって

切りぬけ

たんだよ．．．！

ふっ．．．

ヤツは火を

いやがる。

だからわしは

火を吐いて

逃げた！

うわあああ！

ひいいっ、

倉本さんっ

まずい！

外にでてたのかっ。

とにかく

みんなを逃がさ

なきゃ！

あ、

まてっ！

こいつだって

妖なら、

「獣の槍」で．．．！

なんとか

ならあっ！！

手ごたえが

ねえ！

うおおおっ

ああ．．．！

うしおちゃん。

な．．．なんだァ

こりゃあ．．．！？

ちっ、

冗談ゴト

じゃないぜ！

な．．．

いてーな！

あー、もう

ホントにうしお

のヤツは！

してしこし

だめだよーう。

おまえは～

食われるよ〜。

ほんっとに

おめーは

バカだなあ！

わし以外のヤツに

どーして食われ

たがんのよ！？

とら～あいつ、

切っても突いても

手ごたえが

ねえんだよ〜。

だから

いったろーが。

こいつを

追っぱらうにゃ

うう～

火だあ～

火～～

火しか

ねえんだよォ

．．．

でも、また．．．すぐ

戻っちまうな．．．

火にしたって

気休めにしか

ならねーんだよ！

いや、みんなを

逃がすには

それで十分さ！

みんなー、

早くバスに

乗るんだーっ！

オレが

ひきつけるから

そのスキに

逃げてよっ！

ママァ！

早く

早くっ！

ああっ！

きゃああっ

ヒロシーっ！

さっ、

早くっ！

うっ

うん。

みんな

乗った？

いくよっ！

おっ

おにいちゃん

は．．．．．．？

とらっ

．．．

よーし、

こっちだ

霧野郎っ

なんでえ、

めんどくせー

なあ！！

たのん

だぜっ

驚いた

バケモンか．．．

あんなヤツに

こんなピストル

一丁じゃ話にも

ならんな。

ちっ、

あれに

乗るか！

ああっ、

徳野の

ばーさんがっ！

なっ、

なにっ！？

あたしゃ

いいから、

いっとくれ

よ！

おいきったら

ほらァ！

ばーさん

走りな！

なんだよ

あんたは！

あたしゃ

ヤクザ者に助けて

ほしくなんて

ないよっ！

うるせえ！

こい

ババァ！！

ひゃっ！

こ〜〜

こ〜〜〜。

ぐあっ。

ちょっと、

あんた

大丈夫かい？

おばさん

スタート

させてっ！

う、うん。

ばあちゃん、

荒っぽくて

ごめんよっ！

いけえ

っ！

槍よ！

戻れっ！

逃がさぬ～～

逃がさぬぞ

くららく

とらっ

めんど

くせえなっ

ぬう～～

火～～。

やった！

おい！

あいつといい

おまえといい

なに者

だ！？

あのバケモンといい

そんな槍ふりまわず

おめえといい

一体なに者だっ、

ああ！？

ただの．．．

ワケありの

中学生だよ

．．．．．．

おちょくっ

てんのか

ボケッ！

ホントだよ、

ヘンなヤツじゃ

ねえよっ！

ちっ、

バケモン

が！

バカ

ヤロウッ！

おっさん

サイテーだなっ

そうやって

すぐ鉄砲

使うのかよっ

ゴホッ！

ゴホッ！！

痛．．．足が、

あの霧の

バケモンに．．．

けっ、

ガンたれで

このオレが．．．

気合い負け

しちまうとはな．．．

こんな

ガキに！

う！

あああ

ガキ．．．

その背中

．．．．．．！

う．．．ん。

おっさんの足も

なってんだろ？

．．．．．．！！

あの霧のヤツに

やられたからさ．．

くそお．．．．．．

槍を使った時の

傷は．．．いつもすぐ

治るんだけど．．．