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藤田和日山郎

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うん...

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承者っ正義感が強い

今に五百年間封印

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...

妖今音物語ー

挑影抄〜符咒師・鐸

里に降る雨

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プレゼント

水夜黎明

蒼月紫暮

日崎須磨子・

潮の父で芙玄院住職

光覇明宗の法力僧

...はいやれる

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符咒師鏢鏢

白面の者を手にそる使命

を討つ三代目お役目

妻と娘を失い、

燃える闇の刺客

「日本の妖怪たち」より

列部正路査

ある

にもかかわらず、その上からさえ

この世に立ちかえってくるもの

それが

上に死ねばこの世に呼び

かえってはこない

土に死ぬ。

石はしばしば俺とおし降き続けて

やがて下となった。

人間は、主に生まれて

人はしばしば愛しみのあまりに

うん

おやか

グッ

うおおお

今は昔ー

信行の中納部に

美しい姫があった。

吹雪と名づけられて

いたが、

誰もそう呼ぶ者は

なかった。

生まれてよりこのかた

喜秘芸楽をその顔に

浮かべたことのない姫を

人々は石姫と呼んだ。

父の中納言は

それを心配し、

報奨金を出して

まで、医師や

宿曜師(占い師)を

集めたが

効果はなし。

それどころか

姫の美しさに

邪な心を抱く

陰陽師も現れた。

姫!

表情を

持たぬゆえに

美しい石姫よ!

時は平安!

夜の闇が

今の夜よりも

紫色に深かった時代。

その一片の

花びらのような

唇で、歌を詠む

のか。

その弱やかな

指で、琴を

弾くのか...

表情のないまま。

おまえを

私のものに

してやるぞ

この大陰陽師

斯波朽目の

ものに!!

お、おまえは

誰だっ!?

ぬうう、

怪しの...

邪法師かっ!

ぎゃふっ

くくく、姫...

私とともに

参ろうぞ...

私はそなたが

欲しいものは

すべてもって

おる故。

さあ...!

この斯波朽目の

ものになられよ。

わたくしは

誰のものでも

ありません。

それに...

わたくしの欲しい

ものが、おまえに

わかるはずも

ない。

ふむ、さすがは

石姫といわれる

だけはある。

私の「式神」を

見て、全く

取り乱さぬわ。

ますます

気にいり

ましたぞ!

水機関節の限力が形を

下がれ

外道!

随身...

井上無明が

お相手いたす。

ふん。

雑色あがりの

えらく腕のたつ

侍がいるとはきいて

いたが、おのれか。

愚か者が

死んでから

悔いろ!

今結局、下働きの

この無明

姫のためなら

命など要らぬわ!

...はほお

面白い...

やりよるわ。

面白いのは

大好きよ

姫を賭けた

遊びよ!

いずれにせよ、

石姫は私の

ものだがな。

まあままよいくらいに...!

戯遊びをしようぞ!

戯遊びを

しようぞ!

四日後

私はまた来る!

その時は、少しは

抵抗してみせい。

特に無明とやら、

期待しているぞ。

姫は

御無事か!?

大丈夫

ですか!?

はあ

はあ

ご...

御無事で..

なにより..

さあ、

無明飲め!

中納言様から

ふるまわれた

酒だぞ!

邪法師から

姫を護った

とてな!

おぬしが

一番手柄

だからな!

四日後まだ来る!

しかしよ、朽目とか

いう邪法師も

もの好きだぜ。

あの姫をもらい

てえだってよ。

ああ

あの「石姫」

だぞ!

笑っちまうな。

よく宮中でも笑われ

てるんだと。いくら歌や

琵琶が上手くても、

感情のない者に本当の心が

わかるわけはないってよ。

そりゃそうだ!

いくらいい女でも

泣きも笑いもじねえ

「石姫」を抱いたって、

まーだ石を相手に

した方がマシって

もんよなあ。

「吹雪」様......が

我ら随身のお護り

する方の名だ。

それ以外の

名で呼ぶな。

オレが、

殺すぞ。

蔵人

様...

しかし困ったコトだな。

あの朽目に対抗できる

唯一の陰陽師様が

ここしばらく、京を

離れておいでとは...

ああ、中納言殿も

姫をあきらめるしか

なさそうだのう。

あの朽目とかいう

陰陽師に、勝てる

術者など、この京に

いないからなあ:

ふん、随身か

昼間の働きが

あったからとて

つけあがんなよ。

は...

姫の

琵琶だ...

姫の寝所に

泥棒が入った

そー

ーーー!

あっちだ

あっちに

逃げたぞ!

賊は

姫に白刃を

つきつけて、

着物を奪って

いきました

...申し上げ

ます。

賊は捕えました。

うむ!

下がれ。

は...

もし..

おぬし

名は...?

ははっひょっ

無明です。

井上無明と

いつぞや大路で

子供らと

遊んでおるのを

見ました...

大きな声で

叫んで、

笑って

楽しそう

でした...

ははっ。

全くもう

お恥ずかしく

無明.....

うらやま

しいぞ...

私の顔は..

何の感情も

表にあらわしては

くれません...

さ、姫...

あまり下の者と

話されますな

賊に刃を

向けられても

...涙すら

流れぬ...

...!!

絶対に護って

みせるぞ!

はぐれだろじ

陰陽師などの

好きにさせて

たまるか!!

お願いします!

平安京一の陰陽師

賀茂様にお願い

します!!

中納言様の姫が

邪な陰陽師に

狙われています!!

賀茂様のお力が

必要なのです!

なにとぞ

なにとぞ!

おお!

賀茂様は

おられるか!?

火急の用

なのだ!

所用で

遠方に出かけて

しばらく戻らぬ

とのことです..

そ、そうか

...

やっぱり...

......吹雪姫様を

斯波朽目と

いう術師が

式神を使って

狙うのですね。

ああ...

さすがは

賀茂様の童だな。

耳が早い。

それでお侍様は

姫をお助け

したいのですね。

あたり

まえだ!

姫が...!姫が

何をされたと

いうのだ!?

なぜ、こんな目に

違ういわれがある!?

人はうれしい時に

笑い、悲しい時に泣く。

それで普通に生きてゆけるのだ。

姫にはそれがない...

生きているから生ずる

すべての感情を

己の内に封じて生きておるの

七姫

感情のない女に

歌など詠めるか。

北琶など弾

資格もないわ

などとそしられても、

姫は気丈に

胸を張って

いらっしゃるのだ...

それがどれほど

苦しいか、

私ごときには

わかりもせぬが、私は

見てしまったのだ!

一人で

何の表情をも

つくらない

自分の顔を、

笑い

さぎめく

女房たちの

折っている

姫の姿を

その時から!!

私は姫のために

何でもしてやろうと

思ったのだ!

だが!

だが現実には

どうだ!?

私には

あの邪法師を

倒すはおろか、式神を

殺すこともできぬ!

私は!

表情無き者に

表情を戻す法

強い感情の

刺激を与う

し...!

賀茂様の口伝

です...

ーーその者が経験した

ことなき強い恐怖、

哀しみを与えたなら、

本人の

心の堤防が壊れ、

感情があふれたす

であろうとのことです。

恐怖の経験なら恐ろし

さの顔が、悲しみなら

悲しみの顔が...

つまり心の場防を

壊す...

感情の

先導者が

必要という

ことなのです。

心の...

先導者...

ですが、

それは恐ろしい

方法ですよ。

それと

もうひとつ。

吹雪姫を朽目から

救う方法が

あるのですが

なにっ!?

ここか...

この破れ寺を

様み家とする物の怪に

頼みがあって参った!!

美しく気高い娘を

喰いたくはないか?

私はその女に恨みある者。

妖怪に喰らわせたくて

ならぬー

どうだ、よい香り

のする髪を!

凝脂の肌を!

むきぼりたくは

ないか!

近頃、京を

恐怖に陥れている

妖を御存じですか?

ああ...

噂には聞いて

いるが。

その...

妖に

頼んで

みるのです。

なんでも

雷をまどい

嵐にのって

人々を喰らう

恐ろしの鬼

たとか

明日の晩

喰わしてやる

出てこい!

へへ...

本気かよ?

明日、

その姫の屋敷を

陰陽師が襲う..

私が頼んだのさ。

姫を喰いたくぱ

早い者勝ち...

もっとも

私にはどちらでも

...よいかな。

ですか

それは

恐ろしい

方法ですよ

あれ

千代どの。

どうなさ

オナ!?

千代どの!

きゃああ!!

ひいい

いい!

フフフ...

姫、

約束どおり

連れに参った。

当日の夜、

姫の屋敷。

皆の者聞けい!

邪法師・斯波

朽目がくる!

我らは

命にかえても

姫をお護り

するのだ!

そんなコト

いったって、

石姫のために

あんなバケモノ

となあ...

オレ、

逃げよう

かなァ...

あら

灯りが...

来たな!

はぐれ陰陽師が!

我ら正当な

陰陽寮の者の

力を見せて

くれるわっ!

外法の技

など、我ら

侍の敵では

ないわっ!

ははは

アホウ!

ひいいっ!

さあ、石姫、

朽目とともに

参りましょうぞ。

きゃっ!

それには

応えたはずです。

下郎の分際を

わきまえよ。

あなたが...

承知せぬと、

あなたの周りの者が

どんどん

死にますぞ。

お...

おまえは

かまわぬ!

邪魔する者は

殺してしま

えい!

ふん!

たわいも

ねえ。

ああ...

私の...

式神が...

おめえにゃ

その女は

やらんぞ...

わしが喰うん

だからな。

くそォ

妖怪にまで...

助勢を頼んだ

のか.....

くそオオオ

こうなったら

こうなったら

...!!

ひひ...

姫ぇ、

おまえは私の

ものだァァ!

朽目

っ!

...おまえ...か

そうか...

おまえが謀ったな

いったはずだ、

この無明

だが...

姫のためなら

命などいらぬ

ひ..

くっ。

ひひひ

おまえも

地獄行き

だな...

大丈夫ですか、

無明...

これからも

ずっと、姫を

護る所存で

ございますゆえ

だ...

大丈夫に

ございます

こっ、この

無明...

この男に

...

私は

護られて

いたんだ!

そして..

これからも

は...

この吹雪を

...

護ってくれる

カ.....?

よろこん

で...!

ははは。

約束だぞ

女はもらった!

姫!

何だ?

さあて

喰おうと

するか。

姫が

物の怪に!

わたくしは

死ぬのか...

死んだら...

死んだら

姫のためなら

命などいらぬ!

無明ーっ

ここに...

なんだあ?

おめえ

こいつを喰って

ほしかったんじゃ

ねーのかァ。

申しわけないが

私がいったことは

陰陽師を退ける

ための方便...

その方を

あなたに食させる

わけには

まいりません。

私を

許せなければ

仕合って

もらいましょう

そうか...

わしも、どうも

ハナシがうまいと

思ってたんだ...

もしかし、このわしを

コケにした

報いは...

たっぷり

受けて

もらうぜえ

おお!

これを

お持ちください

なんだ?

あなたが最後に

なさろうとしてる事に

役立つかも

しれません。

わたくしは

遠くで事情を

知った先生より

これをとどけるように

おおせつかった

式神なのです。

南無!

くそオ

オ!

こっ、これは

...

賀茂のヤロウの

直筆の村!

無明!

無明!

何とか

申せ!

無明!!

無明!

おまえは

わたくしを

護ってくれると

いったではない

か!

のう?

無明!

もったいない

...

お着物が

汚れます..

ぞ.....

無明が...

無明が教えた

のだぞ.....!

血がとまらぬ

ああ...

どうしよう

姫...

ぷしつけながら

お願いが

あります!

なんじゃ...

申してみよ!

さあ!

よい!

姫様が...

泣いていらっしゃ

るのですか...

.....そんな!

そんな...

どうしてよいか

わからぬのじゃ

ほら、くちは

口の端を

ひいて...

...にっこりと

よかった

なあ..

さあ...

吹雪様の...

笑顔を...

見とう

ございます...

こう...

するのです...

無明...

ありが...とう。

もったい

...のう

ああ...!

やっぱりだ

やはり...

吹雪姫は...

美しい...

名も無き随身が

石姫を護った

今は昔ー

都の人々は

誠の武というものは

身分を超えて

あるものだと長く

いい伝えたという

...物語・完●

ハイフォン...

誰か...心に決めた人は...

いるのかい...

ううん

いないわ..

レイシャ...

さあ、おとうさんだよ

あなた

ほらほら

笑ったわよ...

ねえ、ねえ

お父ちゃん。

今日もおそく

なるの?

ああ...

うおああ

ああ!

どこだああ

バケモノォォ。

あああぁ...

あああ!!

殺して

やるううっ

くそおお。

どこだあ...

バケモ...ノめえ

たしは...

もおぼえて

微笑むことし

知らなかっ

わたしに

あの日

この地を訪れた

一人の男のこと

うむと...

感情を教え

いれた人...

重い哀しみに

あの時

わたしの中で

何かが変わったのだと思う。

ねえ

ミンシア。

え?

なんで

あなた、

李王の求愛を

受けないの?

そんな...

わたし、まだ早い

と思うし..

それに...

まだミンシア

には、わかってない

のよ!

あたしなら

受けるのになあ

ミンシア、

東の桃が今日は

特に色づいておる。

肩を並べて

歌でも歌おう。

君が舞ってもよいな..

ええい!

うるさい

鳥どもだっ!!

あら、

噂をすれば

わたし、

せんせいのところへ

行って、水汲んできて

あげなくちゃ..

また、あの

じーさん?

どうせ、あの

世捨て仙人なら

自分で水ガメ

とはせるわよ。

まさか

ミンシア!

その人間に

惚れているの

では...

まさか!

おじいさん

なのよ。

ミ...

ミンシア。

森のはずれで

何かあったの

かしら。

ミンシアー。

なーんだ

人間か!

たまに

あるのよねー

まちがって

迷いこんじゃう

コト...

行こう

ミンシア。

どうせ死体は

花が埋めて

くれる...

さあ行こう

ミンシア

まだ息がある

う...うう...

ハイフォン...

レイ...シャ...

うーむ。

右目が

えぐられとる...

まる一昼夜、

手当てもしないで

山の中を歩き回っ

たんだな...

アホが...

助かりますか...

せんせい

それだけん

どもよ...

ワケありのヤツは

助けんほうが

こいつのため

かもなァ。

そんな!

お願いです

助けてあげて

ください!

この人は倒れながら

誰かの名前を

呼んでたんです。

たとえ

死んでも、その

思いは残るわ!

往生できない

魂が生まれるのを

わたしは見たく

ありません

お願い

です!

ふーむ、

いつも

おとなしい

ミンシアに

そこまでいわれると

一肌ぬがんワケにゃ

いかんな...

す...

すいません。

ええと

確か

この辺に..

あったあっった!

百年霊士の中に

あった、青紫水晶を

磨いてできた

翠竜晶。

これを

この男の目の

かわりに

しようか...

せんせい

ありがとう

ミンシアは

どこか

知らぬか?

あれからずーっと

じいさんのトコに

通いづめよ。

あの人間が

気になるのねー。

どうする

李王?

ええよ。

きゃはは

ううむ...

あの人の

具合は

どうですか?

片目以外は

完璧だな、

うん。

そうですか

よかった...

しかし..

変わった

男よなあ

うわあああ

バケモノめ

ええ!

なーに

とちくるっ

とる?

禁!

あなた方

は...?

わしはただの

世捨て人よ。

道士と呼ぶ

ヤツもいる

けどよ。

おっと

夢じゃねえぞ、

ここも現のうち。

こっちは

ミンシア..

ちょっと前まで

人間界にいた。

おまえには

受け入れにくい

だろうが、

桃の精霊よ。

そうだ...たまに

おまえのような者が

迷いこむ...

信じられんだろうが

ま、帰るとしても

ゆっくりしていけや。

桃花源...

人呼んで

桃源郷さ...

仙人様

わたしに仙術を

教えてください!

妖を減する

術を!!

桃花源...

読んだことがある..

桃が咲き乱れ

時がその流れを

止めた楽園境...

今までのわたしなら

疑いもしたでしょう。

でも今は、この奇跡に

すがりたいのです!

なにとぞ、

なにとぞ

術を!

なんでそんなに

仙術をおぼえたい

のか、聞いても

何もいわん...

ま、いわれたことは

何でも一生懸命にやる

働き者だがな...

あんまり教えろと

しつこいんで、

湖の底の龍の

うろこを拾って

これたら教えて

やるといったんだ。

ま、ムリだろう

がな...

...

ミンシア..

あの男に

惚れるなよ。

あの男の

目には、絶望と

死の影がある。

いずれ

その淵に向かって

歩み去る男だよ...

やだなあ、せんせい...

わたしがそんな

コワイ人を好きに

なるなんて...

まさか...

あの男はいず

絶望に向かって

歩み上る男だ...

ミンシア

わーちゃん

ねえ

だっこ

して!

あそほう

よ!

ごめんねー、

おねえちゃん

湖に行って

みたいのよー。

じゃ、

わたしも

行くー。

ミンシア

李王...

話がある、

二人っきりに

なりたい。

話なら

このままでも

できるわ

いや、

やはりな...

さ、子供達

どいてくれ

どけと

いうんだ

わっ、

わたしは..

小鳥や子供らを

大きな声で

脅す人は

キライ...

ミンシア

くくく

いない..

まさか!

フツーの人間にゃ、あそこから

竜のうろこを拾うことはおろか

底まで行きつける。

カどうか......

キョロ

あっ、

大きな

おさかな!

えっ。

だっ

大丈夫

ですかっ。

レイシャ...

ハイフォン...

う...

よかった..

気がついた..

まったく

信じられん

わい。

ほっ、本当

ですかっ

その前に

ミンシアに礼を

いうんだな..

湖からおまえを

運んできてから

服も着ずに

おまえの看病を

してたんだから

な..

へっ!これで

仙術とやらを

教えなきゃ

ならんか

きゃっ。

人が血肉をそなえたまま

生死を超越し

天地と一体になる。

これが真の悟りだ。

いや、

わたしは

ただ...

よろしく

お願い

します!!

めんど

くせーなァ。

本来なら、それを

もって仙道とする

のだが、おまえには

必要なさそうだ。

よって

おまえが必要とする

コトだけ、教えてやる。

これは仙界の

抱やぶりだからな...

ま、年寄りの

ヒマつぶしだ...

腰をおとせ、力を

いれるな、頭上から

光の王が上がる

ところを想像しろ。

もっとも、

おまえが

できたらの

ハナシたかな

体をめぐる「気」を

感じとれ。

そして練るのだ。

天地膝陽の理は

人間ごときに

自在になるなどと

思うな。

そして

末甲卵戌巳

«符はそこから

力を借りるための

小さな

きっかけと

通路に

過ぎない...

鍛えよ。

妖と対し、

未熟な符術のみで、

調伏できるものか

すべての能力を、

力を使って

敵にそなえるのだ。

鍛えよ!

ほらなァ...

辛いだろ?

やめろ

やめろ!

そんなコトして

何になる?

その傷は

奴の傷か?

仇討ちか?

やめとけ

やめとけ

忘れるんだな。

楽しくおかしく

残りの人生を

送れば

いいたろか

だいたい

死んだ者は

よろこばん

よ...

ほら、

桃を見てみろ、

こんなに

キレイだ

やらせて

ください!

これをやめて

しまったら、

何もない。

もう...

何もないん

ですよう!

フン、じゃ

カッテに

しろ。

死んだ者の

ためだか

わからない!

...でも!

...

わたしは

これだけの

ために

生きてるん

です!

ふふっ。

ふん、

わからんなあ。

その程度の修行で

音を上げてて..

よくもまあ

奴を俺そう

などと思うな。

何もしない

よりは

ましかと...

はん、やるだけ

ムダだと思うよ。

行こう

ミンシア。

その時の彼の

笑みがあまりに

頼りなかった

からか.....

ほかに理由があったのか

わからないが、

わたしは

この変わった男に、

どんどん風味を

持っていった。

その気持ち

はー

あるいは

わたしの知らない、

感情だったのかも

しれない...

ねえねえ

ミンシア

ねーちゃん

あそんでーっ。

びっくり

した!

ごっ、

ごめんなさい

ジャマして...!

あれえ、

ほかのみんなは

どうしたの?

南の山に

ハチミツとりに

行ったの。

あっ、あのー

片方の目は...

まだ開きま

せんか?

せんせいの話では、

わたしの心が

曲がってるから

開かないのだ

そうです

開けば

魔を見破る目、

「浄眼」になってくれる

らしいですが。

早く

開くと

いいですね。

ああ...

ホントに

...

あの...

うわごとで

前に

おっしゃってた。

ハイフォンさん

って...?

その名を...

二度と口にするな。

わたしは

恐怖した..

この桃花源で

ここまで

むき出しの怒りを

ぶつけられた

ことは

なかったから

あ、あの

...

あ...ああ...

ごめんなさい...

すまない

そういって

背を向けた男の

背中が、なんだか

小さく見えた。

本当に

ごめんなさい。

あっ、

おねーちゃん

どこ行くのっ。

恥ずかしかった...

悔しかった...

あの人には

わたしは一歩も

踏みこめない...

何もして

あげられは

しないのだ..

李王...

ここに来て、もう

15年か。人間界じゃ

二年くらいしか

たっとらんだろう

がな...術もどうやら

形になってきたな..

心地の方はまだまあだけんども

っそっ

ありがとう

ございます

じいさん!

大変よっ。

なんだあ

そうぞう

しい!

ミンシアが

李王に

さらわれた

のよっ。

へっ、強引さは

男と女の間には

必要なモンなのよ。

わかるか乙女ども。

な...

なんだとォ!?

邽山ー桃花源の北の森より

先にある人間界の山。

草木深く、

間には魔性が蠢く。

でも李王が

向かったのは、

北の森のはずれ、

邽山の方

なのよう。

桃花源に

いわれのない恨みを持ち

そこの者を喰おうと

狙う妖が多い。

中でも

鈴香は特に

獰猛だ。

実の状、虎の如くして

端の毛あり。

人を喰うに首より蛤む。

せんせい

お願い

ミンシアを。

うむ。

待ってください。

おまえ...

帰らん

つもりだな..

わたしか

行きます。

きっと

わたしのせい

ですから..

なあ..

お主...

ここで

暮らさぬか?

復讐心だけを持って

つらい人間界に

戻る必要が

どこにある..

ここで畑を耕して

楽しく生きるが

よいではないか

そうそう

そうしなよ。

ミンシアだって

よろこぶしさ。

あたし達だって

あんたのこと

仲間ハズレにしたり

しないから...

...!!

あわれな...

幸王、とめて!

もうすぐ桃花源の

はずれよ。

外に出ちゃうわっ。

男よの...

オレをここまで

させたのは

ミンシア、おまえだ。

おまえがオレの心を

わかってくれぬ

からたそ!!

あんな男のいない

外の世界で

一緒に

なろうぞ!

この子は...

この子だけは

ゆるして!

関係ない

じゃない!

桃花源から

出たら

帰してやる

そんな!

桃花源の

終わりだ!

きゅ、

窮奇!

飛べない...!?

桃花源を

出たから...

おねえ

ちゃん...

きゃっ。

うわ!

ああ

くん。

あぶないっ!

ぐっ...!

おねー

ちゃんっ。

ミンシア

あ...ああ

ダメだ~

誰か!!

誰か!!

助けてくれ。

ふふ...

目を...

つぶって

なさい。

お兄ちゃんな時に見せん

あの人を思い出すなんて

わたしは..

妻と子供を

妖に殺された...

だから...

もう...

たくさんだ!

しまった

行か...

ばかっ、

符がないと

人間には妖は

見えないんだ!!

げ!

妖が

...見えん...

やめなさい

窮奇!

その人を

食べる前に

わたしをお食べ!

おねえ

ちゃん!

ダメよ

逃げて!

レイシャ...

あけとくれ

今帰ったよ

ハイ...フォン・

あ...

邪怪駆逐

天地方物の

正義をもちて

変化微塵とせむ。

禁!

きっさま

あああ!!

女を殺す

だとお!

子供を殺す

だとお!

バカヤロウ!!

バカヤロオオオ!!

十五

雷正法!

四爆!!

妻はねえ...

幼なじみ

だったんだ

笑うとエクボの

できる...

いい女だった!!

娘は...

やっと一人で...

遊べるようになって...

それなのに...

それなのに

わたしは...

人間の男は

ただ、わたしの

腕の中で

泣いていました。

ミンシアは

おまえのことを

好きなんだぞ。

ありがとう。

わたしは

何もできな

かった...

ただ、だまって

男を抱いて

いただけ...

なあ...

どうしても

行くのか?

オレがきらいなら

消えるから

ここでミンシアと

一緒になって

やってくれよ。

バカだよ

...

おまえ..

御武運を...

あなたが...

この桃花源に

咲きはこる

桃なら...

わたしは

その桃が、地に

おとした影です。

桃のある限り

寄り添って

参りましょう..

桃の木めは

影の名を知りとう

ございます..

わたしの

名はー

その名は

ここに置いて

ゆこう。

受け取って

くれ...

ミンシア..

はい...

わたしは

今もおぼえている

若い片目に

鉛のような哀しみを

たたえた男を...

彼が、あれから

どういう生を

歩んだとしても...

わたしの影の内に

あの寂しい微笑みは

いつまでも"

生きている。

行九師・お

しかし、すまんなァ

麻子ちゃん。

わざわざ雨の中、

こんなボロな様を

返しに来てくれる

とは...

いいえー

おじさん。

私がずっと

Gジャンに

入れっぱなし

だったから..

里に降る雨

うしおは

使いに出とるが

もう帰るころ

だよ..

しかしあのバカ

麻子ちゃんに

預けっぱなしか。

母の形見を

何と心得とる

のか...

うしおのお母さん

...奥さん...

どういう方だったん

ですか。

あっ、麻子ちゃん。

何をいきなり..

あの..

ごめんなさい

でも...ぜひ

聞きたくって!

さと

里に降る雨

呼んだか?

愛して

おります。

けっこん

して下さい

おじさん

私はマジメに

聞いてるのにィ!!

だってな~~

そんなもん

大人に聞くモン

じゃないよ~~

聞きたいわ

聞きたいわ

聞きたいわ。

麻子ちゃん

うしおに

似てきてない?

そう

ですか?

おねがい

おじさん!!

でもなァ

こんなハナシ

聞いても

面白くないよー。

それは今から

16年も前...

はァた

場所は九州の

伊方里ー焼き物で

有名な所でな。

九月の終わり

だったなァ...

呼んだか?

はい、

...あの

卒爾ながら

おたずね

いたしますが

この傘は

どうやって

開けば良いの

でしょうか?

......

あら..

まァ!

ばね仕掛けで

開くなんて

便利な傘

ですねえ...

.....

ぬれますよ、

御一緒

しましょう..

抱いて

ください。

でも、

おじさん。

話の中で

何か冷たぁい

カンジするん

だけど...

その頃の私は

今よりちょっぴり

荒っぽくてなァ。

麻子ちゃんに

今さらかくすワケ

にもいかないが、

私は法力僧

だろ...

法力償ってのは

妖怪を退治する使命を

持った僧なんだ。

紫華にも

困ったものだ。

あやつは

強い法力を

頼んで、

まるで妖を

滅するのを

楽しんでいる

ようではないか。

悟りの道を

極めようとも

せず...

ただ、妖を

殺し続ける。

あれで

光覇明宗の僧と

いえるのか。

凶覇のように

破門となる日も

近かろう。

あの...

何でそんなに

荒っぽかった

......の?

さァてね、

何か面白く

ないコトでも

あったかね。

これだから

いくら自分の

寺にあっても

なァ...

そうだ。

選ばれぬ

わけだ...

獣の槍に...

獣の槍!!

妖を消し飛ばす

史上最強と

いわれる

退魔の霊槍!

なぜだ!!

なぜ槍は

己を

選ばない!!

光糊明宗の裏の使命は

この槍を使う者を

選び育てること...

槍はその者の前に

自然に現れるだろう。

己の寺の蔵に

あるのだぞ!

なんで

その扉は己に

開かないのだ!

己の法力は

最高のはず。

そのために血を吐く

修行もしてきた...

なぜ!

槍は己を認めない!!

それなら

法力僧など

やっていても

しかたがないではないか

紫幕...

どうしたのですか。

前は修行熱心な

良い僧でしたのに

......

おまえが

荒れるのは

わからぬでも

ない...

でも、人には

その人なりの

使命と役割が

あるのです。

だから

自分は妖を

里に降る雨

今のおまえは

妖に八つ当たり

しているだけ

です。

まだ...

おまえには

わかるまい...

今年もまた、

あの時季です

...お行き

なさい。

は...

私は、ある方の

御紹介で、

二か月程前から

この地に静養に

参りました。

この、伊万里の

大川内山という所は

本当に良い所で

ございますね。

私のような

世間に疎い者に

とっては、

この地はとても

安らぎます...

たまに土を

いじらせてもらって

るんですよ。

ただ、お家にやっかいに

なってるわけには

いかないので、

買い物でもと思ったの

ですが...

...

あの...

お坊様...

こちらには

妖を退治されに

いらっしゃった

のですか...

見慣れぬ物

ばかりで、何ひとつ

満足に買えません。

おまえ

何者だ!?

なんで

そんなことを

知ってる?

ようやく

しゃべって

くださいました

私の知己に

そういう方が

おりますので..

で...?

あそこに

別宅を持って

いて、娘がいる。

今年で二十

になる..

その娘が

ここ五年ばかり

決まって、この時季に

化猫に狙われて

いる。

だから毎年

己がここに

派遣されて

伊万里市に

陶磁器を全国的に

南っている

金持ちがいる。

へえ~

さすがの「紫幕」も

とうとう

しゃべっちゃっ

たんだ!

なーんでかなァ

なんでおとなしく

傘に入ったり

したのかなァ

トラキルキア

ホント...

おっ、おい

己は傘など

いらんぞ...

いいですから

お持ちください

まし。

雨は体に

喜ですよ...

私は、この先の

家元におります

ゆえ、お返しは

よしなに...

ああ、そうそう

小鳥!

小鳥?

お坊様が

私に近づいた時、

逃げてしまい

ました..

いつも

殺伐としている

己のせいだな...

いいえ...

小鳥も、

あなたの肩に

とまりたがって

いるのですよ。

ふんっ

おのれええ

今年もおまえ

かァア!

でも、もう

おまえも娘も

おしまいだァア

えへへへヘへ。

ありがとう

ございました...

里に降る雨

礼はいらん

仕事だからな

毎年毎年

なぜ

うちの娘が...

お母様...

ここ五年、

理由が全く

わからないのです。

元はといえば

市内の自宅の

改築の時

車に埋もれていた

小さな雨を壊したのが

原因でしょうが...

それはもう

立派に建て直し、

おはらいも

しました..

中にあった

壺も

もとどおりに

したのに...

妖には、人間に

わからない

理屈もある...

あんた方の

先祖が、あの猫に

恨まれているの

かもしれんな...

油断するなよ...

いつもどおり、

己の張った

結界から

一歩も出ん

ことだ。

あ...

血が...!

大した

傷じゃない。

いいえ、私のために

けがをされたの

ですから...

犬太郎ちゃんが

ほしい

はーないち

もーんめ

都ちゃんが

ほしい

はーないち

もんめ。

ちっ。

あっ、

お坊様!

これを

返す。

あっ

待ってください

まし。

ああ!?

冗談では

ない!

ちょっとだけ

ちょっとだけ

ですから..

なんだ?

子供達と

遊んでゆかれ

ませんか?

さあ、

お坊さんも

仲間に入れて

あげてね

カキどもも

小鳥と同じさ、

敏感なもんだ。

千宝輪を

お持ちですか

な...なんで

法力僧の

武法具を知って

いる?

いいから

子供達に飛ばして

みせてあげて

くださいな

ねえ!?

お坊さん

上手だねえ。

う...

あの子が

ほしい。

あの子じゃ

わからん

ほー。

よく、その当時の

おじさんが

「花いちもんめ」

なんて

ほー。

やりましたね~

あっ、あれは

ホントーに

ニコニコ笑って

押しの強いヤツ

なんだよっ。

生命保険の方法

誰かさん

やってみろと

すすめたフトもあった

あっ

もしかして

...おじさん、

おばさんに

頭が上がら

なかったの

では..

ありがとうござい

ました...

子供達もあんなに

よろこんで...

ちっ、

こういうのは

苦手だ...

ガキも含めて:

おのれらが

いかに運良く生きのびて

いるかも知らず、

妖の存在も信じようとせん

平和ポケした

ヤツらもな...

ただ日々を

あくせく働き

小さな幸せに

目の色を変える、

目的も

使命も持たん

ヤツらかな...

全く

反吐が出る。

自惚れるのは

おやめなさい

人は最初から

使命や目標を持って

生まれて来たわけ

ではありません。

生きてゆく上で

各々が心に持つ

ようになるものだし。

その形も

人それぞれです。

楽しく健康に

暮らす...一生懸命

家族を幸せにする

...そういうことが

本当の人間の使命

であり、目標かも

しれません

おのれのような

使命や目標が

ほかの方にない

からといって、

他者を

おとしめることは、

あなたには

できませんよ。

ふん...

口では何とでも

里に降る雨

失礼します。

だが

明日の晩!

明日の晩は

楽しみに

しとれよオオ。

ウォンサーー

やるなア

坊主ウ...

すみません、

おひきとめして

しまって...

用件は?

五年もの間、

あなたは娘を

あの化猫から護って

くださいました...

紫喜さん

...

あなたは

うちの娘を..

どう思われ

ますかな

どう..

とは?

五年前、十五で

あった娘も、

もう二十を

迎えました...

いつしか娘は

あなたを

素っておった

ようです..

それで

もし...よろし

ければ...

娘を嫁に

もらってやって

いただけないか

.....と...

もう...

終わりに

したいのです。

常にそばにいて、

化猫のたたりを破って

いただけるのは......

紫穂さんしかいない。

はばかりながら

私は陶器を扱う

全国チェーン店の

社長をやってます

ゆくゆくは、跡を

継いでくだされぱと

思っております

そうすれば

失礼ですが

法力僧という

今の危険なお仕事を

続ける必要も

なくなるのでは

ないかと...

新婚旅行は

整海にしような!!

で..

おじさんは

どう答えたの

...??

おおもういいよう

その女の人、

きれいだったん

でしょ?

ああ!

惜しいコト

したよ。

第一、おじさんが

イヤだった法力僧

やらなくていい

じゃない

いいよねえ...

ほんとに

なァ。

...考えさせて

もらえる

だろうか...

それに、お金持ちなら

最高だよねえ。

よろしく

お願いします。

おはよう

ございます。

おかみさんが

楽な服を買って来なさ

もう少しゃるのでこれにしたんですが、

おかしいと笑われたんですよ。

あ私たちは

楽しい

思ったん

私は..

もうその時、

あれに

惚れていたの

カもなァ...

はい、ここまで!

私とおばさんは

結婚しました!

だめ

だめぇ!

しァーないな!

麻子ちゃん、

化猫は明日の晩を

楽しみにしろと

いったんだ

気になった私は、

市内にある

金持ちの自宅の

祠に行ってみた。

改築の時

壊したっていう

トコね...

祠から少し

離れた所で、

私はとんでもない

物を見つけた

草に埋もれてたが

それは祠の中の

壺と同じ物

だった。

...じゃ...

壺は二つ

あったんだ。

早く

行かねば!

二体もの妖を

防ぐ力は、私の

結界にはない。

がっ!

くそ...

そういうこと

力...!

けけ...

オレらは二匹

いたのさ...

一匹は女を

むさぼり喰い

もう一匹は...

おまえを

引き裂いて

くれるぞォ。

くそ...!

先手をとられた

...負け...

けーっ

だ...なにも

何者だっ

ア!?

お坊様にも

問われました

...

私は...

深い海の底で

眠る大妖を

結界で封じ、

見張る者...

...ま、まさか

...三代目の...

お役目...

しゃら

くせえ!

私がそのために

もらった「時」は

二年

私は、

獣の槍を使う者を

産むため、

この世に帰った

130年も前の

女です。

!?

ちィ~

女ア

やるなァ。

でも、お坊様...

私は思いました。

私がまた、海の底の

役目に戻ったら...

残された夫と子供は

どうなる

のでしょう。

行く

ぞオォ。

それは、あまりに

身勝手なのでは

ないかと...

ずうっと考えて...

私は一人のまま、

この二年間を

大切に暮らそうと

決めました。

大切な方と

温かい言葉を交わし、

己が子をこの手で

抱いてもみたい

ですが...

しかたが

ないですね。

女ァア

手出し

なりません!

あなたには

護るべき方が

いらっしゃる

でしょう!

己は、おまえを

見捨てては

行けん。

お坊様...

だ...

だめだ...

人間とは...

哀しいもの

ですねえ。

いつも、使命と

自分の心の間で...

...ゆくことが...

ゆれている

あなたの..

使命ですよ。

じり...

己は...

今まで

何を

求めて

いたのだろう..

子供が人のおもちゃ

欲しがるように...

自分が優れていた

そが思いどおりに

まるとでも思っていたの

...

それを...

それをあの女は..

自分を殺して

すべてをあきらめて...

使命は

人それぞれ

です..

しかたが

ないですよ..

そうさ..

己は己以外のものには

なれない。

それは

「しかたない」!!

なら...

己は己の使命を

つらぬくだけだ。

妖を

封じるという

使命をな!!

紫暮様!

来たのか

坊主ゥウ!

はっ、なぜ

ええ!

そ...

そうも

いかねえんだ。

五年間も

おまえを逃して

きたのは

己のせいだからな。

五年分の

借りを返すせ!

し...

もう一体の

方も......

ありがとう

ございます。

ありがとう

もう...

大丈夫だ..

市内の壺に

帰ってゆく...

でも..

紫春さん、

...私は

あの話を

引っこめる

つもりは

ないですよ。

自分なりに

考えてみたん

だが...

どうも

自分には..

この務めが...

私も...

そう

思います。

向いている

ようで..

どうも

ありがとう。

そして...

お幸せに...

気を

落とすんじゃ

ないよ..

きっと...

素敵な方...

あの方には

もう、想う人が...

あったのじゃ

ないかしら..

お父様。

それで...

どうなったん

ですか?

別にィ...

後でお役目様に

会わせてもらって

私達は祝言を

挙げたんだ。

ふ~

あっけなかった

ろう?

がっかりしたん

じゃないかね

たっだい

まー。

おっ、うしお。

帰ってきたな。

おっ、このクッは

中村だな!

カッテに入って

やがる~

何よ

失礼ねえ!

おじさんも

おばさんも

とっても好き。

コラー

うしお、

あんたねー。

とっても

ステキ!

なっ、何だよ

やるかァ。

とらくんの後ろ

から、出なさいよ

うしおっ

ステキ...か...

そんなんじゃ

ちっとも

なかったさ..

須磨子...

私は...

後悔など

里に降る雨

ぬれますよ。

御一緒

しましょう...

おっ...

己はっ...

私の二年

あずかって

いただけますか

.....?

あ..

うふふ..

だから

申しました

でしょ。

小鳥も

あなたの肩に

とまりたがって

いると...

くすくす。

まだなに

何か?

あの

...

お笑いに

ならないで..

随分と

気の早い話

なのですが、

...私、

子供の名前まで

決めてあるん

ですよ。

ゴホッ

ゴホッ。

なっ、何と

いう名...

...だ...

うふふ

それは...

5.あなたは、

ご迷惑

吸7年2月増刊号〉

残ったのは

この五騎のみが

この義仲も

そろそろ潮時

かの..

巴っ!!

よくぞ、

木曽から京

そしてここまで

ついて来た!

大将としての働きも

見事であった!

はっ。

義仲様

この巴に

もったいなき

御言葉!

いかずち

この義仲、八幡

大菩薩の加護の下、

ひとつ天下を

狙ってみたが...

ほっはっは。

信仰心が足らん

かったようじゃ。

雷の舞

義仲様...

巴、わしは

これより

討ち死にをする

おまえは

何処へなりとも

落ちのびるが

よい。

何を

申されます。

この巴、

命果てるまで

義仲様と!

黙れい

巴!!

確かにおまえは

一人当千の

女武者じゃ。

じゃが、この

源義仲が

最期の時まで...

女に後ろを護らせて

おったなど、世の

いいもの笑いになる

のがわからぬが!!

**千人もの力を持つぐらい強いと

なァ...

巴...

我らが、平氏を

追い払って、京に

上ってから..

我らは、

礼儀知らずの

乱暴者だ、

田舎猿だと、

公家や民どもに

馬鹿にされた

ものよのう..

おまえにしても

やれ、きれいなのに

不粋な武者振り、

白拍子の舞でも舞えば

よかろうなどの陰口。

さぞやロ惜しかった

であろう..

もう...

わしは...

笑われるのは

たくさん

なのじゃ。

舞か...

ふん!

巴は舞など

舞わんで

よいのじゃ。

義仲様...昔.

こういうことが

ございました..

何じゃ。

今より

13年も昔の

ことです

あの頃、我らが

木曽の地を、縦横に

荒らし回っていた、

物の怪の話を覚えて

おいででしょうか:

物の怪は仲間を

率いて、大変な暴れ

ようだったとか..

ああ、覚えている。

近隣でも村全部が

すべて喰いつくされたとか

大騒ぎであったな。

養い親で、そちの

父でもあった

中原殿も、防備に

忙しかったのを

覚えておるわ

しかし、

我らの屋敷には

ついに

現れなかった

のう...

私の話は

その物の怪について

なのでございます。

13年前

木曽ー

たわけ

め!

女が弓を引いて

何とする!

女が太刀を

持ちて何とする!

女は家を守り、

待っておればよい。

巴っ!

薙刀を持つ

尼、刀使う

女盗賊、

居らぬでは

ないが

おまえは

この中原の家の

女であるぞ。

即刻

武道などやめて

女らしくせい。

いや

じゃ!

私は

駒王と共に

いたいのじゃ、

父上..

なぜじゃ!

今までは兄上達や

駒王と一緒に

馬に乗ったり、

太刀の修行を

したではないか

あきらめよ、

遊びは終いじゃ。

そんなに義仲を

慕うておるならば、

時を待ちて

あやつの妻になれば

良いではないか...

駒王には...

許嫁が...

妹の山吹が...

おるではないか。

だから、わしは

妾になるのも、

別段変わった

あっ。

私は

駒下と共に

いたいのじゃ

あれあれ

ありゃ中原様ン

トコロの巴様で

ねえか...

まァた

やんちゃして

お守り役から

逃げてるの

かねえ...

中原の殿ントコは

男の兄弟が

頼もしいし

養子の義仲様も立派で、

まァええこったが...

長女の巴様が

それをマネて、

あんな男勝りに

なっちまって...

はっはア...

殿様は困って

なさるって

さァ...

形がどうあれ...

私が駒王の女に

なっても...

いずれ戦にゆく

駒玉を、

私は待たねば

ならぬ。

待つなんていやじゃね

私はついでゆく...

駒王のゆく処になら

何処へだって!!

ついてゆく...

でも...!

ならんなられ

何度いえば

わかるんじゃ!

我らは、樋口様より

この山に棲んで

悪行をなす、物の怪の

討伐の命を受けた

一団ぞ。

尼を

物の怪退治に

連れて行けるか。

そうおっしゃらずに

お願いいたします

...?

じゃ尼さんは、

どうやって

おっかねえ物の怪を

退治するんだよ。

心から仏の

慈悲を説いて

聞かせます。

そして

待つのです。

時がたてば

必ずや物の怪といえ

ども、発心して...

行いを

改めるで

ございましょう。

ははは

こりゃ

いいや。

物の怪に

説教か...

あ...

あの...

ごよ

尼様...

どうしても

この山に登るなら..

私が案内して

あげよう。

雷の舞

ほんにありがたいこと

です...見るところ、

立ち居振る舞いに品が

ありますれば...

いったい、

どちらの姫様で

ございましょう。

ははは、

田舎武士の娘じゃ、

巴という...

じゃが

尼様、この山に

妖が棲むという噂...

あまり当てにはならぬぞ。

私はよく来るから..

それがなぜに

この老尼を

案内して、ここまで

いらっしゃったの

でしょう。

尼様はさっき、

時がたてぱ...

待っておれば、物の怪

といえども行いを

改めるといった..

それはまこと

だろうか...?

待つことは...

時がたつことは

よいことなのか...?

そうですとも...

心静かにして祈り、

仏にすがって

待っておれば、

必ずや望みは

かないましょう。

そうか

巴様は、何か

愛さ事を

お持ちなの

ですか?

そうですか...

では、その殿方の

ために...

武の道を選ばうと

していらっしゃった

のに...

父は、女が

武道をやるのを

心良く思わぬ...

それに

...

......

父上のおっしゃる

事にも一理あるように

思えるのじゃ...

どんなに力んで

みても、強弓は

引けなかった...

昨日、私は

駒王達と

家の強弓を

引いてみた。

兄達も

駒王も

引けるのに...

よいでは

ないか。

巴、おまえは馬を

巧みにつかう。

駒王に

そういわれた時

不覚にも涙が出た。

女は男には

なれぬ...

我が身を悔しさの

あまり、引き裂き

たくなった...

やはり、わたしは

騎王を待つしかないの

じゃろうか...

あるいは..

祈るか...

そうですとも

仏の慈悲に

おすかりして...

待っておれば

どうにか

なりましょうとも..

しかし、

物の怪は

でぬなァ...

先に行った

武者どもも

さぞや...

がっか...

な...

何ィくっ!?

ナナン...

娘をパパン

ごく~~~

ババアは

まずそう

娘は

うまそう

だよォ...

喰おうぜ。

...っ!

やはり

ここに...!!

喰むうぜ。

カスども...

その女はわしが

喰らうのよ!

この長飛丸様が

なァア...

おのれえ

物の怪!

かかか、

ええにおい

じゃなァア...

ちィイ!

な...

おっと

ふへへへ...

――!

えさま

巴様!

尼様...

に、逃げよ...

雷の舞

いいえ..

聞いてたぞ

聞いてたぞ

オレ達に

説教すんだって

なァア...

してみろよ

してみろよ

~~!!

みなさんの

ような物の怪も

仏はきっとお救い

くださいます。

そして

極楽を思うて

待つのです。

さあ心静かに

祈りましょう。

そうすれば

必ず良い

ことかー

なーんて

コト...

あるわきゃ

ねーだろ!!

とっ、頭領が

二匹!

バッカヤロウ!

こいつはほかのヤツが

化けてんだよっ。

ここらは

わしらの

縄張りだァ。

数で勝てる!

このわしの偽者を

ぶっつぶせえ。

あ...あ...

...ってこった、女。

なかなか人間の真似、

うまかったろ...

こいつら、わしが

直接来たんじゃ

逃げちまうんでな..

化けたってコトよ...

あの妖

は...?

そんなコトは

ない!

みんな

行けええ。

わしのまん

真似さ...

けっ、わしも

名が売れたモンだぜ。

わしのカッコしてると

手下を集めやすいん

だろ...

お、おまえは..

自分が本物だと示す

ために戦うのか...

無理じゃ...

多勢に無数、

勝てるわけがない。

へっ、

そうかもな。

なら、なんで

わざわざ来た!?

人間に化け、

ヤツらの

真っただ中に...

どこか別の国に

おとなしく

していれば!

そうすりゃ

どーなる?

時かただ

流れていって

どーなる?

乗りてえ風に

遅れたヤツは

間抜けってんだ。

人間に化けてる

間に覚えたコトバ...

「祈って待っとれば

今にいいコト

ありマスヨ」::

うおおお

くたばれええ

人間...

いいコト

教えてやらあ。

待ってたって

いいコトなんざ

ねえよ。

う...うしてし...

いくら長飛丸

でも...

今さら

これだけのヤツらに

勝てるかよ...

聞いておくぜ

よォ、偽者ォ。

会いたかった

せえ...

こ...こしい

いいじゃんしい

そうか...

巴...

そのような事が

あったとはな...

私も...今まで

夢の如くに思うて

おりました故...

はは..

よくも本物の

物の怪の方に

喰われなかった

ものよ..

は...ほかの化生を

減ほした後

山奥に消えゆき

ましたので..

ばけもの。

わしは...

その物の怪には

なれなかったな...

じゃか...

私もです、

義仲様...

人は誰も

物の怪には

なれませぬ...

私はまんぞく

満足して

いる...

はーっはっ

はっはつは。

巴は、

その巴が

一番美しい。

巴は舞など

舞わぬでよい。

義仲ァ、

覚悟ォ。

義仲様、

失礼つかまつる。

うむ!

やァやァ、これは

木曽殿の乳母子に

中三権守兼遠が娘...

巴という女!

木曽殿に

御目にかける

最期の巴の戦の

相手をせよや!

それでは

...

さらばじゃ

巴.....

あの世でまた

兄者とわしとで...

弓を...

引こうぞ...

御田八郎師重

お相手いたす。

ああ、私は...

あの物の怪のように

勝つことはできなんだ

だが...

あの物の怪と

会うでいなくば...

このように

満ち足りた

心で

いられた

ろうか...

あっぱれ!巴。

巴は舞など舞わぬでよい...

そう...

駒王は言うので

くれるのじゃな!!

この戦いのあと

木曽義仲は、

近江国・粟津で

討たれる。

巴御前の消息は

諸説あって

定かではないが...

力強く生きて

いったことは

確かである...

じゃがな

駒王...

お土の傍らで

お土の傍らで、

私の心は

ずっとー

舞っておったの

じゃよ...

いつも...

あの

物の怪と共にな...

いかずわ

〈掲載・週刊少年サンデーい平成7年6月増刊な〉

最寄の舞...完●

サンタクロースは

いるかい?

ああ!?

サンタだァ!?

いるわきゃ

ねーだろ!!

うしおがクリスマスや

サンタについて

知ったのは

小学5年生の時...

ンローか

それまで紫幕おじさん、

クリスマスに

仕事で家をあける

罪悪感からか、

うしおよ。

「苦理済ます」は、

己の心を

一人っきりで見つめる

修行の日なのだぞ。

世間の子は

みな、クリスマス

の日は修行だ

さむい

さむいよ

くくく~~

まちがった

クリスマスを

うしおに

教えてたのね。

それができぬ

子供のトコロに

来るのだ

ちくしょう

ちくしょう

オヤジめえ。

うしおくーん、今夜

クリスマス・イブ、

みんな呼んで

私の家でバーティー

するの、来てよ~

よーし

やって

やる!

とらちゃん

もくるのよ

タメダメ

ヤツは

今日だけは

寺を留守番

しねーとならん

のだと。

スの家のつい

今夜は、今まで

クリスマスらしいコト

やってねえ分、

一人だって超ゴージャスに

盛り上がって

やらあああ!

だから

あんなに

荒れてる

のねー。

なん

にああ

フまえはコイツスコイ好まねワケな...

セボンターも

それはあなた

サンタクロースは

いるかい?

恋人だちの

信太の場合

2.980

サンタ

なんて...

いるわけ

ないだろ...

ありがとう

ございます

よーし、

手当たり次第に

買ってやったぜ。

サンタ服とボーシだろ...

サンタ服と

ポーシだろ...

それに

ケーキに

ジュース。

あ!

ちょっと

恥ずかしいけど

欲しかったオモチャ。

でかい

チキン!!

あれが

なけりゃ

さびしーぞ。

クリスマスが

何だ。

でかいフクロ

持ってきて

よかった~

サンダカ...

何だよ...

ん??ARIS

さぁ

クリスマス

大時あたり

コッコラ~~っ

何がサンタだ、

バーカ。

そうさ

あったりまえだ。

サンタなん

空想だ

「おモチャ会社の

インポ止さ!!!

ホントにいたら、

ポントにいたら、

なんで妹のゆきは、

いつも遅くまで

託児所に

いなきゃなんないんだよ

なんで、みんな家族そろって

ケーキを食べる夜に...

ゆきはレトルトを

食わなきゃなんないんだよ...

なんで、かーさんは

今日みたいなクリスマスの夜も

遅くまで

帰ってこないんだよ..

ちくしょう

ゆきは...

誰よりも

クリスマス

楽しみに

してんだぞ。

クリスマスはねえ、

エライひとのたんじょうぴ

なんだって..

みんな、たのしく

おいわいするのよ...

ツリー、おうちにはないから

ゆきが、えをかいたのよ...

きれい?

はい、

おにいちゃん...

ゆきの

フレゼント

それでね

クリスマスの

よるにはねえ...

...そんなこと

サンタさんが

プレゼントもってきて

くれるんだって...

あはは、

ゆきのくつした

あなあきだあ!!

プレゼント

おっこっちゃうかなァ...

ちくしょう

ちくしょう!

大人の

バカヤロウ。

サンタの

パカヤロウ。

うかれやがって...

ちく

しょう。

毎年朝起きて、

カラッポの

くつ下を見てる

ゆきの

気持ちが

わかんのかよ!

サンタさん...

うちには

こないねえ...

だからオレは、

ゆきにプレゼント

したがったんだ。

昼メシ代を

貯めた

二千三百円。

そうすれば

はあ。

でも...

さっき...

はあ

あーあ...

クリスマスなんて

バッカみてー

サンタっつったって

オヤがー

マウンテンパイ

買ってくれる

だけじゃねーか

はあ。

だったら

初めっから

子供に

金をくれる日って

決めときゃ

いいのによォ..

サンタなんて

いねーもんに、

まだるこしい...

なんで

たくさん

持ってる

ヤツにしか...

サンタは

来ないんだよ...

オレも

バカだよなァ

......

まっかな

おはなの

オレだって

サンタなんて

ウソだって

思ってるのに..

それでケンカ

終わったら..

金落としてた

だなんて...

ホント

...

ちくしょう

やーだ、

お金

ないのー

だーって

年末、コンパ

ばっかりでよー。

やーねえ、

それじゃ

「穴ボコさん」に

頼んでみればァ。

百倍にして

返してくれるん

だって。

あはは

笑える。

ああ、

アレだろ。

くだらねえ

ウワサの...

そうよ

市立公園の

使ってない噴水の

横の排水口に

小銭落として

「穴ボコさん」に

頼んだらァ...

こわくない

こわくない

おわかい

します

百倍にして

ください

穴ボコさん

ちぇ...

わかってた

...けどさ...

カテゴよ!

ちゃほ

イネやるよ~

だから...

吹らわせろォオ。

えええ

これは

バチなんだ...

当たったんだ!!

ラクじて

カンタンに

お金が

もらえる

ワケ

ないよな...

全体、このよ〜〜〜

ちくしょう

ちくしょう、

ちくしょう!

ちくしょう!!

バカヤローっ!!

サンタ...?

急に槍が

鳴るんでなァ...

来てみたら

こうだもんなァ。

大丈夫かよ?

うわあ!

おいしいね

おいしいね。

お兄ちゃん、

どうしたの

こんなにたくさん

ブレゼント?

プレゼント

サンタか...

ゆきにって

よ..

ん...

な...何...

やるよ。

い、いいよ...

だって兄ちゃんの

だろ...?

う・る・せ・え。

オレはハナシを

聞いて、おまえに

プレゼントしたく

なったの。

だって...

オレ..

オレのせいで

...あんなオバケ

呼び出したんだ

...ぜ...

おまえは

わかったんだろ。

なら

いいじゃねえか。

妖に

やられそうに

なった時、

本当に

大事なモン、

頭に浮かんだん

だよな。

それで

十分さ...

じゃあな。

ゆきちゃんトコ

早く帰って

やんな

あ...

兄ちゃん!

サンタ...

かい?

サンタって..

どんなヤツだと

思う?

子供が...

うれしい

プレゼントを

くれるヒト...

なーんだ

おまえには

サンタは

ちゃーんと

いるじゃねえか?

え?

あ...

ゆきちゃんさ。

オレもさァ、

サンタなんて

いねえと

思ってたよ...

でも...

ちがうよな...

プレゼントされて...

何がうれしいか

知ってるヤツが...

サンタクロース

なんだもんな。

わあ、

サンタさんの

ボーシた

ねえ、

お兄ちゃーん。

んっ

お兄ちゃんが

会った

サンタさんは、

フツーのカッコ

だったって

いったけど...

ゆきにはね、

ゆきには...

ゆきを

迎えにきた

お兄ちゃん...

サンタさんに

見えたよ

オレの

クリスマスグッズは

なし...

人気も

なし...か..

ま、今までも

そうだから

慣れっこだけどさ

それに...

今夜はいい気分

だしなァ...

これで;

雪でも

降ってくれたら...

文句なし

だよ。

だいたいか

アイツの栄養

かたよってるから

ワルイのよ。

だから母さんが

「サラダ持って行き

なさい」なんて

頼むんだわ!

このクリスマスの

夜に!!

とかいいながら

けっこー食いもん

持ってきたぞ、

あの女...

まーまー

とらちゃん。

あれが麻子流の

プレゼントなんだよ。

あ...

サンタクロースは

いるかい?

ちゃっ

うわあ。

ドルキサ、

平成7年12月婚刊女

あっちこっちで

大変な

ねえ、君。

君に...

●プレゼント・完●

うはあいら

闇だ...

暗黒の間を...

わしは

独り歩く...

でも、次の

足利のル代将

治世だとか

泉の部が、

まる焼けた

そんなことは!!

どうでもい

あしはただこの先で

人間どもの

肉をすする

そして独りで闇を歩く...

あだりまえだ...

当然と思っていたら、

この瓜で、

ケンカを売ってくる

ともをびき下切る。

こいつと

えーい

永夜黎明

いれ

じゃあ

出会っまでは!

わしは今まで

どんな妖と戦っても

そうだよ

三日前の晩

突然

向かってきた、

奇妙な槍を使う

というだけは

少し勝手か

出っていた...

うわああ

あああ。

怖いよう~~

早く終わらせ

たい~~~!

くっ...

ひ~~

その槍が放つ

でっけえ妖気と

いい、おまえの

斬撃といい

おまえは

わしが戦った

人間の中じゃ

最強だ!

それが何で

おめーはずっと

そーなんだよ!?

まったくやる気

なくなるぜ

儂だって

いやじゃあー。

お主は

べらぼーに

強いんじゃもの

本当ならば

儂は、こんな槍

放り出したい

わ!

じゃが、お主は

都まで聞こえた

天魔じゃ!!

人を喰うじゃろ、

悪さするじゃろ。

儂が、この

「獣の槍」で...

やっつけねば

ならんのじゃ

くくぐくぐっくー・

獣の槍!?

ぐっくっく

面白ェ!

わしは前から

そんな名のある

ヤツと

戦いたかったのよ!

よーし、本気で

いくぜ!!

妖の間で

有名なアレが...

人の魂を削って

力にし、邪を裂き、

鬼を突くという

霊槍...

ついてきな、

ぶっ殺して

やらァ!!

つ...ついて

きてねえ...

バカヤロウ!

わしとおめーは

戦ってんだろーが!

逃げようったって...

何見てん

だよ!?

何でえ、

赤い提灯が

山の上までよ。

山童の

人身御供

だ..

あ?

んなこた

どーでも

いいんだ

ケンカの

途中だろー

が!

あ...

あああ

くくくっく

な、何

だよ~

みさを

〜〜〜っ。

みさを

~~っ!

てめえ

わしをゴケに

しやがって!

コラァ。

儂なんて

どうなっても

良い!

じゃが

みさをだけは

くくぐらく

ああ

もう!!

だから、

みさをって誰だよ!?

あの行列は

何なんだよっ。

あの行列は、

十年に一度

娘を人身御供に出す、

山の宮への行列じゃ。

みさをは

村の名主の娘

だあ!

僕はこの近くの

村の出じゃ。

恩施村

という..

僕はそこの

小作のせがれ

として生まれた。

何につけても

とろいタチで...

おまけに

意気地がない

同年輩の

子供らからも

馬鹿にされ

いつも一人で

いじめられておった

草太郎

ほら、いつまでも

泣いてんな。

みさをは

名主の一人娘で

村一番の器量良じ...

そんなあいつは

どういうわけか...

彼のような

みそかすにも

優しゅうしてくれた...

僕は根性ナシ

じゃ...

みんながやっとる

岩飛びもできねえ

僕はもう

生きておっても..

しょーがねえのかも

なァ...

アホだなァ。

ちゃぷ

草太郎は

草笛かうまい。

おまえが

草笛を

吹いて...

おらが

それを聞いて

よろこんで..

それだけで

もう生きてて

ええって

ことだァ。

草笛が...

うまくたって...

戦で手柄は

たてられねえ。

草太郎は、

侍に

なりてえのか...

みんな、侍に

なりたがっとる...

僕も...侍に

なりゃァ...

...なりゃあ

おらは...

草笛を吹いとる

草太郎の方が...

好きじゃ。

けっ、

つまんねえ

ハナシだ。

みさを...

それでおめえは、

サムライに

なったんだろ。

ああ...

儂は...

村一番の

みさをに...

つり合う男に

なりたかったん

じゃ。

首級が飛び

耳や奥や

臓や薬便が

散らかる

それが戦

じゃが..

戦は

怖かった..

やっぱり僕は

意気地なしじゃ

またたく間に

味方とはぐれた...

おかしくなるかと思うだ

その時に..

獣の槍と、

うたかじゃ

心細くて..

怖くて...

それから..

僕は獣の槍で

妖を退治する

ようになった。

僕もそう

思うわ..

じゃがな!

槍に囁かれ

力を貸して

もらおうと...

けっ、情けねえ

おめえが、人助けで

妖退治だと!?

大それてるぜ!!

たとえ儂が

どんなに

怖かろうが!

それで儂の魂が

削られようと...

一人になるの

よりは、

へっ、

マシじゃ。

わからんね、

一匹になるのが

そんなに

イヤかね...

いやじゃあ、

さびしいのは

くそくそ

妖、

おまえには

わからんのか。

人は

ひとりぼっちじゃ

生きてゆけんのじゃ。

おまえが

草笛を吹いて...

おらがそれを聞いて

よろこんで...

それだけでもう

生きててええって

ことだァ...

その時、僕は

泣きとうなるほど

うれしかった。

みさをと

一緒なら

生きていける

と思った。

けっ!

で、なんで今

おめえはその村に

帰んねえんだよ...

サムライにゃ

なれたんだろ。

.....

...っ!

なっ、

何だよ、

おめえ...

け...獣の槍の

...使いすぎ...

じゃ...

魂がなくなった

使い手は..

獣になる...

らしい..

はん、

それでも女を

助けるってか。

くだら

ねえ!!

みさを...

......

......

つまれ

ふふ

そのみみわい

にくりゃさんを

ひいいい

いい!

うまくけな

あーをと〜

うまそけたよ

フできと

わいは

日ェ

くれええ

待てえ

みさをを

放せえ。

うあああ

なんだ

とかお

人間。

うあああ

怖いい~~!!

何やってんだ、

何で槍

使わねーんだよ!

だって

みさをが

みさをが

つかまって

いるんじゃ...

あんぼんたん!

この「ここのつ」に

何ができる!?

早く反撃

しろよ!

おめー

おっ死ぬぜ!!

いやじゃ

~~~

みさをか!!

みさをが

死んじまう

くくぐらくそく

今までどんなに

死んじまいたくても

生きてきたのは..

この世のどこかに

みさをが生きて

いると思ってた

からじゃ~~~

みさをか

死ぬなんて

いやじゃ~~~

儂はどい

一人ぼっちは

いやじゃあ~~

あのなァ

そこォ

うるさいん

だよォ、

どこの妖だァ、

このここのつ」の

山で...

わしが

しゃべってる

途中だろ。

な...

長飛丸かァアア。

みさを、

よかったあぁ。

あーもう

あいつにゃ

ハラ立つなァ

アア。

一人が

何でえ!!

わしはずっと

ずーっと

一匹

だったぞ。

だけど

それが...

なんだ!!

急に

頭に

胸が苦し...

おのれええ、

長飛丸ウウ~!!

しまった

くどいよーだが

わしはおめーを

助けるために

やったんじゃ

ねーぞ、

あいつがナマイキ

だったからだぞ。

わかってる

ってよう。

戦いの

続きを

やろう..

この女は

いいんだ...

行こう..

ああ!?

ちょっと待て、

おまえ、一人ぼっちは

イヤだって...

それは...わたし

彼が人間だった

ころの..

はなしじゃ。

獣は...

みさをと

一緒には...

住めない...

永夜黎明

いいのかよ、

それで..

...

よかない

よく~

一人は

さびしいよ~~

おーい、

みさをーッ。

助けに

きたぞーっ

獣なんて

いやだよう~~

誰も話しかけて

くれない

返事もしてくれない

なんていやだよう~~

いいなずけの

伍兵衛も

来とるぞォ。

...

草太郎。

草太郎だろ。

おら、

一日も忘れたこと

なかった!

顔見せて

くれ。

草太郎。

草太郎

ーっ。

うわああん

戦おう。

妖!

戦おう。

よーし、そう

こなくちゃよ。

な...

なぜじゃ...

最後の儂の

一撃...

おまえは避け

なかったろう

どじっちまった

のよ..

どーやらわしにも

おまえみてえな時が

あったみてえだ...

思い出し

ちまった...

おまえ

獣の槍を手放す

いい時だったん

だな...

獣にならずに

済みそうじゃ

ねえか...

すまん...

ははは、

あやまるこっちゃ

ねえ...

おまえと戦った

四日間...

退屈しなかったぜ。

それどころか

...

...

おまえの槍が

背後から

伸びた時...

なかなか

こういうのも

調子がいい

なって...

思った..

おぬしは...

ひょっとして

良い妖では

ないか...

けひひひ

ばーか

けっ、時がくれば

こんなちんけな

槍から...

すぐに逃げて

やるさ...

時が...くれば

か...

その時まで

十年...たとえ

百年たとうと...

わしは

待つ...

...ただ...

永夜黎明

退屈だけどよ

また

独り...か..

...やけに

静かだ...

何年たった?

「百年...三百年か・

あのサムライ・

去りぎわに

何かいってたな..

なんだっけか...

ああ

思い出した

あの男は!!

こういったんだ

おまえにも

いつか...

背後をする者が

現れるかもなァ...

バカ者が

いるかよ...

たわけ

そんな...

掲載・週刊

平成8年12月増刊号)

しおととら〈外伝

この槍を

ぬきな...

小僧!

永夜黎明・完●

かいてー

おしまい!!

本屋さんに入ってまんがのコーナーに参りますと、めまいを覚えるものであります。

こんなにたくさんのまんががある!いろいろな出版社からおびただしい数のまんが

家が、様々なジャンルのまんがを生みだしています。

いったいどれを読んだらいいのかわからない。手をのばせもせず、副腎からアドレナリ

シがただただ分泌し、おろおろとしてしまうのです。その中から、自分のまんがを手にし

てくださる方は、本当にありがたいことだと思います。あんなに多くのまんがの中から!!

外伝の最後にスペースをとって、さて『うしおととら』についてふり返ろうかと思ったの

ですが、元来が記憶力がないので「ふり返れない!」。それでは、解説でも!!と思えどの

半狂乱でやってきたから、よくわからない。ごくそれにちょっと、かっこ悪いですしね

結局ここで言えることは、先の「ありがたいいかあ」ということになってしまうのでした。

自分のまんがを買ってくださった方、立ち読み、回し読みでもいい、読んでくださった

方、そして感想へもちろん、きっついのもあり、ましたが一や、はげましのお子様なんだぞ

った方すべてが、自分が、この『うしおことらを描き切れた原動力でありました。

...

大好きな武者小路実篤先生の詩集に、長い廊下を力をいれて歩いてみたいというのがあ

ります。反響のあるとこころを「どしん、どん」と

自分にとって、長い廊下は読者の皆さんでありました。その廊下の中で自分は生かされ

皆さんからの「どしん」どしたこという反応をききながら、好き勝手に、うしおやとら達

を整れさせることができました。

確かに作者としては、反省点は無数にあります。〈全巻通して読みにくくてねえ...す

ませんでしかし、『うしおととらについて、親であるとこころの自分が、ほんの少しだけ胸

を張って言えるところがあるとすれば、「描き残したところはありません」ということで

ここでいます。自分は、第一条に書きました。おり、面白いと思ったものは残りず、本作に

ぶちこみました。それが、それだけが、長い間、皆さんという廊下を歩かせていただいた

まんが家が、誓って言うえることでございます。

ありがとうございました。

『うしおととら』は本会をもちまして完結でございます。その後のお話を、自分は持つ

おりません。ただひとつ、しかも断固として言えることは、「登場人物は全員幸せになり

ました。」それに沿って、皆さんんが各自、各登場人物のその後を想像していただけたら、

では...

とっぴんぱらりのぷう。

ま、面白かったら、それでいいや!!なのでございます。

うん。うーん。...

最後になりましたが、長い間、短気で、人間の小さく、魂がミクロマンという言い方は

図星だよ。片山くん一日分に付き合って、喜んで、きつい仕事の風を乗り切ってくれた

シスタントのみんなと、歴代この担当編集の方々に、厚く感謝の意を表したいと思います

彼らなしでは、うしおもとらは一歩も恥ずを歩くことなどできなかったのですから

本当に嬉しいのでございます。あ、いや、それは贅沢というものだぞ

手紙をくださった方に、本来ならばお返事を書きたいのでありますが、一部の方に出す

となるとほかの方への義理が欠けます。かといって、すべてのお返事を書くことはできます

せん。以上の理由で、本当に申し訳ありませんが、ほとんどの方に返信はしておりません。

まことに、あいすみません。

懐かねぇね

●妖今吉物語●

●挑影抄●

●里に降る雨●

●プレゼントの

●永夜黎明●

キャンパー●雷の舞●

●アシスタントの

鏡佳人片山ユキオ箱田裕司安西信行、ほか

鏡佳人片山ユキオ箱田裕司安西信行

鏡佳人...片山ユキオ零句誠井L和郞

月日までオープンの新しい方に対応

片山ユキオ雷句誠井上和郎赤井羽根人

片山ユキオ語句誠井上和郎赤井羽根人

●妖今昔物語●

●担当編集者●

●挑影抄●

●里に降る雨●

●酒の舞●

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●水夜黎明●

武者正解

細田正樹

林正人

●特別感謝の

谷口信行

村枝賢一

高橋留美子

あきりよしとお

青い鳥のお姉さん、おばあさん

そして「廊下」のみなさん!

〈敗不同敬森略

うしおととらく外伝〉

少年サンデーコミックス

発行者

60月17日

1997年6月15日初版第1刷発行

井亀

藤田和日藤

◎KazahioFuinta-197

中央精版印刷株式会社

検印廃止

発行所

-01)東京都千代田区ニッ橋二の三の

振替(20180-1-20)

今年小学館

休み会社の

2017年10月30日土・販売30(3220)5年4月編集03:323015480

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「TEDINJAPAN

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ISBN4-09-125124-2

9784091251244

それはそういうことですよ。

c9979¥390E

ISBM4-O9-125124-2

定価410円「本体30円

雑誌45101-24

小学館

19299790039

尾丸浦団

とどううちかけドアー

「そして」

その接続詞のあとに続く、みんなの人生が

楽しく健康でありますように。

元気!!

そして

そしてうしおは...ほかの登場人物達も...

10月11日水

カバーデザイン〈松山佳主

うしおことらの友人達へ

元気かな?

今日は、うしおととらと、紫葺と須唇子と鏢の

別のお話を見てもらいます

こんなコトもあったんだよ