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97.18.97840918年4月9日4日9月19日
10月11日開催11月19日、1929979年9月29日703574
C9979¥857E
ISBN4-09-185723-X
定価:「本体857円+税
3.小学館
雑誌45697-23
藤
スピリッツ性コミックス
「す、き、
ま
小学館
ピッグコミックスピリッツが増るスパイラルファンタジー完結編!!
西暦2000年2の月・映画うずまぎ1全国公開決定!!
いいよ。
小学館
BCS5728
小学館
呪われた町から脱出をせる。
2018年11月23日
...
2016年10月29日、美しい女子高生・五島開発はこっちゃったのですが、
「スピース」は、11時間からついに、バッチキーの秘密に遭遇する!!
スマートフォンはGoogleなどの新人工ボラーの旗子・伊藤君二次郎く
メルバッグはすっかり時間。ファンタステックな悪夢の世界。
...
...
伊藤潤二
でき
いつまでは、
...
うず:き○伊藤潤
...そうですね
「第85回
三
【第1話
【第6話
2015年12月
【第1話
おっ...
兄さんとん
こんとん
ちょう
る長屋
【交戦国際と一旦町ゆきおようにお
突然動画など上が動かされているので、
220
163.131.
..
...おっちは
鬼のいる長屋
先日、襲来した
台風1号に
よって、町は
大きな被害を
受けました。
特に
ひどかったのは
町の中心部に
あるトンボ池の
周辺の家々で、
私の家を
含めて
ほとんどが
崩壊
しました
原因は、あの巨大な
台風1号が
トンボ池に吸い
込まれたためで:
周辺の家々が
そのあおりを
受けたためでした。
私の家族は
奇跡的に
全員無事
でしたが
私達は住む家を
探さなくては
なりませんでした。
まったく
このたびは
大変でした
ね。
でも
よかった。
この町には
結構
空き家が
あるんです。
被災された世帯に
見合う分の空家が
あったのは、
不幸中の幸いですよ。
よかったね。
......
そうね
えっ...
ここ
です。
空家って
...
これの事
ですか!?
そう
です。
だってこれは、昔から
放置されてる長屋の
廃屋じゃないですか
こんな
あばら屋に
住めというん
ですか!?
それにこの長屋...
そうだよ、お母さん...
ここは...
あの噂のある家
じゃないか...!?
...以前にも
少し触れた事が
ありますが
私達がその日
連れてこられた
のも、そんな
廃屋のうちの
一軒だったの
です。
この町には昔から
あちこちに古い
長屋の廃墟が
点在しており
しかも
三丁目の
この廃屋
は、
毎夜、鬼が
出没するという
噂があって、
恐れられて
いるのです..
実際、この
近所では
度々飼犬が
何者かに
食い殺されて
います。
アハハ坊や、
鬼なんて
この世に
いるもん
か。
冗談じゃありません
鬼の事はともかく
こんな廃屋には
住めませんよ!!
...しかし、これが
被災者のために
町が用意した
ものなんです。
ここは
3世帯入れますが、
両側2世帯は
入居済みですよ。
建物の補修も
済んでますし、
電気もひき
ました。
簡易トイレも
設置しましたし、
不自由は
ないですよ。
他の空家にも
どんどん被災者が
入ってますし、
早く決めないと、
もっと条件の悪い所に
入らなきゃならなく
なりますよ。
有無を言わせぬ...
といった感じでした。
ネズミだわ
やになっちゃう
わね。
補修って
いったって、壁の穴を
塞いであるだけだし
電気をひいたって
いうけど、水道が
ないからやっぱり
不便だわ。
ねえお父さん
電気も水道も
トイレもないなんて
この長屋、一体
いつ建てられた
ものなの?
さあな...
聞いた話では
明治以前から
立ってるって事
だが..
えーっ、
そんな
昔から?
オレやだよー、
こんな所に
住みたくないよ。
ぜいたく言うな!!
雨風しのげるだけ
ありがたいと思えば
...鬼が
住んでても
不思議は
ないかもね。
...さてと
俺は家へ
行ってくる...
残骸の後始末が
残ってる
からな。
私もあとから
行くわ。
その前に
両隣に挨拶
しとかないと、
桐絵達も
ついてらっしゃい。
こんにちは
今度隣に
越してきた
五島と
申します。
ああどうも、
私は若林と
申します
今度の台風は
大変でしたよね。
あ:向こうの人は
多分呼んでも
出てきませんよ。
どうやら被災者じゃなく、
以前からここに勝手に
佳みついてた人のようです。
......
お母さん...
隣に住んでるの、
鬼なんじゃ
ないのか!?
バカな事
言うんじゃないの!!
だって怪しい
じゃんか!!
やめなさい
!!
お隣に
聞こえる
でしょ!!
痛っ...
こりゃ
うおの目
だ..
いつの間に
できたん
だろう..
え..
どれ
どれ?
これだ。
な?
ゥウウゥ
ウゥウ
ウ、ウ
オオオ
ウウゥ
ウウ?
アウゥウ
オォオォォ
お母さん...
何の声?
オオォオ
えっ..
何か...
獣が
吠えてる
みたいな
声...
鬼だ...
鬼
だよ!
だって、
あっちの壁から
聞こえてくる
じゃないか!!
怪しい奴の住んでる
部屋のほうから...!!!
*
翌朝
縁側の
お掃除
ですか?
ええ...
若林さん。
ところで
桐絵
さん。
えっ?
でも、
ちっとも
きれいに
ならなく
て..
あれはどうも
右端の住人の
うめき声の
ようですね
無理もない
ですね。
ゆうべの声
聞きましたか?
...いえね、この間
役場の人に
聞いたんですよ。
あそこには老婆と、
その息子が生活保護を
受けて住んでるってね。
息子はかなり重い
病気にかかっている
ようで、
ゆうべのうめき声は
その苦しむ声に
違いないですね。
ただ
何の病気なのか
わからない...
婆さんが息子を、
他人に絶対
見せないそう
なんですよ。
どうやら息子は
かなり異様な
風貌をしている
らしいですよ。
もちろん
病気のせい
でしょうが...
それが
鬼の噂に
なったんでは
ないですかね。
噂を
すれば...
あれがその
婆さんですよ。
よろっ
あっ!
お婆
さん、
大丈夫
ですか!?
立てます
か?
あっ!?
何だい、
い...いえ
どうかしたの
かい?
何でも
ありません...
そしてそれは、
その日の午後の
事でした...
ウォー
また鬼が
吠えてる!!
...違う!
ゆうべの声と
違うもの...あれは
お婆さんの声だわ
...それに...
あの叫びは
普通じゃない!!
お婆さんに
何かあったのかも
しれない。
桐絵っ!!
ウォオオオン
お婆さん!
ウオオオ...
ウォオオオン
息子があ~~
息子があ〜〜
お婆さん、
どうしたん
ですか!?
死んで
しまったあ~~~
死んでしまった
くく
ウオオオ...
きゃあっ
息子さんの
亡骸を
長屋から
運び出すのは
大変苦労
したそうです。
山田病院
整形外科・皮フ科
お婆さんは病院で
原因不明の皮膚病と
診断され、
親子で同じ病気に
冒されていた事が
わかりました。
いやあ
残念だった
なあ!
僕もその場に
居合わせ
たかった。
:で桐絵さん
その息子の姿は
一体どんなふう
だったんです
か?
教えて
くださいよ、
気になる
なあ。
いえね...
その息子が
寝ていたという
床に、小さな
丸い穴が沢山
開いていたん
ですよ...
実はさっき、
無断で部屋を
のぞいてきたん
ですけどね...
ありゃー体
何です?
...私、何も
話す事
ありません。
でも普通じゃ
なかったんでしょ?
いいじゃないですか、
誰にも言いませんから、
すみません、
話したくないんです。
ふん...
案外
生意気なとこが
あるじゃないか
なお今回も
台風1号と同様
うずまき状の「目」が
地上からはっきりと
確認できると
いう事です...
台風2号は現在
九州に上陸しており、
いやだ...私にも
うおの目が
できた...
このあと日本列島を
縦断するものと
思われます。
それも
ひとつじゃなく
いくつも...
オレもだよ、
ねえちゃん
痛えよ。
手にも
できた。
あなた達も?
お母さんもよ。
ただい
まァ。
いてて
ててて...
うおの目が
痛くてかなわん。
やあね...
体の
あちこちに
出てきやがった。
フフフ
お前が
越してきてから、
ずっとこうして
のぞいてる事を
お前は知るまい。
...桐絵...
美しく..
そして
生意気な
女...
もうお前から
目が離せない!
しかしこの穴
だけでは
限界がある
...もっと
新しい穴を
開けよう。
...それに
しても
うおの目が
痛むな...
!?
もの凄い
嵐よ..
痛いよー
イタタ
タタ...
痛いよー
痛いよー
いたたた...
困ったわね、
この嵐じゃ
病院にも
行けない..
私の足の
うおの目が
...?
ああっ...
これは
どうした
事だ!?
お父さん
これは
これは
あの親子の
症状と
同じよ!!
これは
うおの目じゃ
なかったのよ!!
私達:あの皮膚病に
罹ってるのよ!!
まあ...
何て事..
伝染したのかしら!?
じゃあオレ達も、
あんなふうになって
死ぬのか!?
...助けを呼ぼうにも
この嵐では...
ああ...どうすれば
いいの...!?
...そうだわ、
お隣の若林さんに
すみませーーん!!
若林さーーん!!
聞こえますかー
若林さーーん!!
それから
数日...
若林
さーーん!!
台風2号が
去る様子は
ありません。
...
ふっ...い
イタイヨ・
あなた
しっかり!!
お母さん...
えっ
!?
原因は、この家に
あるんじゃないかしら?
このまま
では、
この人...
この家の床や壁に
病原菌のような...
だから、ここにいる限り
ひどくなるばかりでは
...!?
私...やっぱり
助けを
呼んでくる!!
外へ出るのは
危険だ!!
嵐が去るのを
待つんだ!!
あっ!!
まっ...
待て、
桐絵っ!!
あれは何だ!?
きのうまで
壁に
あんなもの
生えて
なかったぞ!!
あ...あの
角のような
ものは
...?
うわあ!!
わ...
若林
さん!?
ウウウ...
チュー
ギェッ
ひいっ!!
ムシャミネ
ゴクッ
桐絵〜〜〜
ひっ!!
桐絵~~~
桐絵~~
桐絵っ...
逃げるんだ
!!
逃げ
てっ!!
ひい!!
いやああ
うぐ
っ...
間もなく
台風2号は
紙音と共に
トンボ池に
吸いこまれ
私達は長屋から
脱出しました
...現在家族の
皮膚病は快方に
向かっています。
...(第1話
黒渦町って
どんな町
なの?
緑山市の西に
位置する
人ロ六千人の
町で、
海と山に
取り囲まれた
町だよ、
丸山君。
とにかく
情報が
乏しい。
この間の
台風1号や
2号の時は、
その被害の
情報が
入ってきた
けれど、
一体、
その町は
どうなって
いるのか...
マスコミが
入ってるはず
なのに、
どうしたん
ですかね?
その後、たて続けに
3、4、5、6号と台風に
襲われたあとは、
情報が入ってこないんだ。
だからそれを
知るべく、
我々東洋テレビの
取材班が
現地入りしようと
してるんじゃないか。
このトンネルを
抜けると、
いよいよ、
その
黒渦町だ。
あーっ、
ぅしろうしろ!!
?
早く
逃げてっ!!
竜巻
だっ!!
えっ?
何!?
うう...
ううう...
遠藤
さん!!
...
坂上さん!!
た...
大変だわ
助けを
呼ばなきゃ
...
おお...
携帯は...
...変だわ
通じない
どう
しよう...
誰か助けを
呼んでこなきゃ:
はあ...
...
変だわ
......
はあ
はあ
何だか
空気が重い...
...あっ!
ここにも横転
した車か.....
はあ...
それに...気のせい
かしら...
吐く息が渦を
巻いてるような...
それにしても
静かだわ。
そろそろ
町が見えても
いい頃だけど...
あっ!?
...一面の瓦礫...
あっ!!
これが...台風の
被害なの?
きっと
マスコミの
リだわ。
きっと湖に
落ちたんだわ。
...墜落した
助けを
呼ばなきゃ...
水飛沫が
上がったわ...
助けを
呼ばなきゃ...
大変だわ
大変だわ。
あっ!!
...よく見ると
あちこちに
犠牲者の
道体か.....
...生存者は?
...生存者は
いないの?
...何の音?
例の湖のほう
からだわ...
な...何なの、
この湖!?
...どうしたの
坊や達?
そんな所に
くくりつけられて...
今、助けて
あげる
からね。
大丈夫?
いつから
縛られてたの?
誰に
やられたの?
あっ...
どこへ
行くの?
ねえ...
...
誰か
大人の人
いないの?
ちょっと
待って...
キャキャ
キャ!!
キャキャ
キャキャ
一体
これは..
?
あっ...
さっきの
ねえちゃんが
見てるぞ
あーーっ、
許せねえ。
どっかへ
飛ばし
ちゃおう
ぜ。
おう!
あんなの
これで
十分だ。
...
あっ、
逃げ
たぞ。
追えー
ゆっくり
追えよー...
走るなよ、
走ると
オレ達の
うしろに
竜巻が
起きて、
危ない
からな。
わかって
らー
何なの、
あの子達!?
また
かわした
ぞ、
あの
ねーちゃん。
ケガしてて
動きがのろい
はずなのに、
すばしっこいな。
き...君達
何なの!?
やめなさい!
あっちへ
行きなさい!!
今度こそ
とどめだ!
やめ
て!!
......
キャー
いったい
ぜんたい
どうなっ
てるの
...?
どうしたん
ですか?
ケガして
ますね...
歩けます
か?
ゲガしてますね...歩けますか?
満男!
もっと
ゆっくり
歩きなさい。
私:東洋テレビで
リポーターをやってる
丸山千恵という者
なんですけど...
東洋テレビ?やっぱり...どこかで
見た事あるなって思ったんです。
私は五島桐絵
といいます。
これは
弟の満男...
今2人で
食料探し
してたんです。
私...今とても
頭が混乱してるん
だけど...
この町は
一体
やっぱり...
竜巻の被害に
遭ったんですね?
...今この町では
人間のちょっとした
素早い動作が、
大きな竜巻を
引き起こす状態に
あるんです。
多分、あの池が
呑み込んでしまった
台風のもの凄い
エネルギーが、
町全体にそんな
現象を引き起こさせ
てるんじゃないか...
という事です。
なにしろ6つの
台風を呑み込んだん
ですからね
あの池...
あの池って
いうのは、
今、大渦を
巻いてる
「トンボ池」の
事です。
そういうことだったのですが、
これまではなぜなので、
だから私達は、
風を起こさないように
ゆっくり動かなくては
ならなくなったんです。
いつまでこんな状態が
続くのか、わかりません。
えっ...ちょっと待って...
じゃあ私でも、あの
大竜巻を起こせるの!?
...誰でも...です。
だから、あまり
大声出さないで
ください。
吐く息でも
発生しますから。
...まさか...
じゃあ、さっきの
子供達は...
私の大声の
せいで!?
...何て事
カしら...私
とんでもない事
してしまったわ
...あの子達
今頃.....
私
どうしたら
いいの...?
どうしたん
ですか?
ああ...
それに
車の中には
私の同僚が...
それに
ヘリコプター
も.....
...しっかり
してください。とにかく
私達の住んでる所へ
行きましょう。
外にいるのは
危険ですから
もうすぐ
ですからね
...まるで
”バタフライ
効果”
だわ...
「小さな蝶の
羽ばたきが
地球の裏側に
大嵐を
引き起こす」
...この町は
バタフライ
効果の
町だわ。
え?
私達が
住んでる
長屋です。
さあ、
入って
ください。
これは、ここに
昔から建ってる
廃屋で...
この町には、他に
いくつも同じような
建物が残ってるん
ですけど..
不思議な事に、
あれだけの台風でも
びくともしなかったん
です。
他の同じ建物も
全部無事でした。
...こんなボロ屋なのに
なぜかしら?
ただいま。
...さあ
どうぞ。
この長屋は
安全ですよ。
前の所とは違って
病原菌とかも
いないみたいです。
?
桐絵、
お帰り
...
お客さん
かい?
大勢いるでしょ?
なにしろ家をなくした
人が多くて...
...あの...私、
東洋テレビの
丸山と申します
が...
先ほど
私共の車が
事故を
起こしまして、
ケガ人が...
どなたか、
救助に
手を貸して
いただけ
ませんか?
...
...それは
いかんな...
私が行こう
私も
行くわ
...無駄
だよ..
そうだ、
無駄だ。
マスコミの
連中だって、
生きてこの町から
出られるものが
実際、
今度の台風で
多くのマスコミや
救助隊、
ボランティアが
やって来たが...
.....
誰ひとりとして
この町から無事には
抜け出せない
らしいぜ...
抜け出せない...!?
この町には
恐ろしい力が
働いているんだよ...
我々はその渦に
呑み込まれて
しまったんだ。
そうだ...
携帯電話の
電波すら、
外には届かない
ようだし...
さ..
いいから
行こう。
あっ!!
あ...
あなた
達...
.....
よかった、
無事
だったのね
...もう
ひとりの
子は?
死んだよ。
お前が
殺したん
だ!!
ああ、許して
...私...
何も
知らなかったの。
ふっ!!
みんな、
長屋に
戻れ!!
さあ
早く!!
ふん。
あっ、
あのガキ共、
きのうオレ達が
苦労して
縛りあげた
はずだが
縄を
ほどきやがった
な!!
あのガキ共
手がつけられ
ないんだ。
今度の台風で
孤児に
なったやつら
だが、
やたらと暴れ回って、
台風の被害を免れた
家を片っ端から
壊して歩いてるんだ。
現在のこの町の
惨状の半分は
ああいうガキ共の
しわざなんだ!
こんな
ボロい家、
ちょろい
よな。
ああ。
ふっ。
うわっ。
あれっ、
変だな...
壊れない
ぞ。
あんなに
ボロっちいのに。
ちくしょう、
ばかに
すんなよ!
それじゃあ
今度はこれだ!!
...
あれっ、
全然
ダメだ。
ちくしょう、
あいつら
好き勝手
しやがって。
おかしい
なあ。
こうなりゃ、
こっちも
やり返せ!!
いいか、
いっせいに
吹けよ!
いくぞ!
せーの!!
ぶーーーっ!!
あははーっ、
見ろ
あのガキ共!
宙を
きりきり舞い
してやがる!!
ざまあ
みろ!!
ハハん
狂ってる...
狂ってる...
狂ってる...
狂ってる
この町は...
狂ったうずまきだ...
この町も
いよいよ
おしまい
だ...
この町は
うずまきに
なろうと
している...
...秀一君...
そうだ...
うずまきに
なるんだ...
あーっ、
何て事
だっ!!
まるで
蝶のように
舞ってやがる!!
あいつら
いつの間に
あんな術を
身につけ
やがった!?
あれを
見ろ!!
あれを見ろ!!
キャチャキャキヤ
...この町は
確かに...
狂い始めて
います...
・【第5話
「こんとん
イ!!
マスターネットでは
前方に
黒渦小学校
校舎を発見!!
ただちに
攻撃態勢に
入れ!!
ラジャー
合体せよ!!
好き放題
やってるわね、
蝶族の連中。
最近、蝶族になる
若い人が増えてる
みたいよ。
彼らのせいで、
コンクリートの建物も
どんどん壊れていくわ。
でも、
面白そう
だなあ...
オレも蝶族に
なろうかなあ...
バカね、
満男...
絶対
やっちゃ
だめよ。
真似をして、
死んだ人が
たくさんいるん
だから...
竜巻に乗るなんて、
よほどの
運動神経が
なきゃムリよ。
あ~~
腹減ったよ
...だんだん食料が
手に入らなくなって
きたわね...
蝶族の人達、
どうして
あんなに
元気なのかな?
彼らは
この町に入って
くる救助隊や、
ボランティアが
持ってくる食料を
奪ってる
らしいわよ。
いいなあ...
オレも蝶族に
なろうかなあ。
そうすれば、
腹いっぱい
食べられるのに。
今も外部から
どんどん人が入って
きてるんでしょう?
出られなくなる事も
知らずに...
バカね、
だめよ。
だって、このままじゃ
飢え死にじゃんか!
それに竜巻を
起こさないように、
こんなふうに..
ノロノロと
カタツムリ
みたいに
生きていく
なんてやだよ!
大きな声
出さないで!!
風を起こすと
竜巻が
起きるでしょ。
キャ、
ち、
千恵さん
...!?
どうしたん
ですか!?
大声出して
...
危ないじゃ
ないですか。
ご...ご免なさい
...でも...
あれを
見てよ!
あっ...
これは
...
何なの?
これ...
さっき、確かに
動いてた...
これは
......
ヒトマイマイ
だわ...
あっ、
見てっ!!
あれは...
元は人間
なんです
.....
この町は呪われてるから、
人がカタツムリに変身
したりするんです...
でも...
久しぶりに
見たわ。
どうして
また
現れたの
かしら...
...何ですって?
押すなよ!
押して
ねーよ!
おい、また
人が入って
きたぞ。
これ以上入れないっ
ちゅーの、出てけ!!
...でも私達
前からここに
住んでるんです!
桐絵......
こっちよ、
ここへ
いらっしゃい。
お母さん。
あ~あ
まったく..
どんどん
人間が
入って
きやがる。
このボロ屋だけは
竜巻の被害を
受けないし..
この中では外と違って、
普通に動いても
竜巻が起こりにくくて
安全だからだ。
他のボロ屋も
同じ
だろうな。
おや?
...これは
何だ?
しかし、こんなに人が
入ってきちゃあな。
そのうち人間が積み
重なるんじゃないのか?
昔、そんな喜劇映画が
あっただろう。
土壁の中に
こんな物が
入ってたぞ。
塗り込められ
てたみたいだ。
巻物の
ようだな
随分
古そうだな。
中を見て
みろよ。
ああ。
あっ...
痛えなてめえ、
このヤロー
降りてこい!!
何だと、
このヤロー
殺すぞ!!
殺せるもん
なら殺して
みろっつーの!!
いて!!
うるせー、
てめーが
上がって
こい!!
何かしら
これ?
...地図...
のようね...
ねえ
お父さん...
これ、
何だと
思う?
でも墨が
滲んでて、よく
わからないわ。
あ...
ああ...
この...渦巻模様は
何なのかしら?
お母さん...
この頃、お父さん
元気ないわね。
そうなの
おいこら!!
それ返せ、
オレが見つけ
たんだぞ!!
オレの
お宝を返せ、
ドロボー!!
もう...やんなっ
ちゃう...
......
みんな、イラ立って
るのよ。
あ~腹減った
...おい!!
新入りの
ボランティア、
もう食い物は
ないのか?
ないですよ。
きのう
配ったのが
最後です。
何だとっ!?
貴様、それでも
ボランティア
か!!ボケ!!
何ですか!
そんな言い方
される筋合いは
ないぞっ!!
...狂ってる
...狂ってる
この町は
狂ってる...
おい、お前!
この間から
ブツブツと
うるさいん
だ!!
もう、
いやっ...
聞いてる
のか、
こら!?
狂ってる...
狂ってる..
お前、目障り
なんだよ
うせろ!!
何だとお?
秀一君!!
ねえ...
大丈夫?
秀一君、
大丈夫?
あいつら
もう中へ
入れるなよ。
やれやれ、少し
余裕ができたぞ。
ねー
別の長屋を
探すのよ...
空いてる所を...
皆さん...
こんな町にいつまでも
いられないわ..
これから
どうするん
だよ~~
脱出すべきです、
この町から...
...でも...
この町からは
脱出できないって
皆言ってるわ。
それに千恵さんだって、
一度脱出しようとしたん
でしょ?
でも、どこも
同じだって
言ってたじゃんか。
え...ええ...
確かに...
一度
試みたわ...
東洋テレビの
同僚の死や...
町の状況を外に
伝えるために
元来たトンネルを
通って...
でも結局、
無理
だったの。
やっぱり、
うずまきの呪いが
脱出の邪魔を
してるんだわ...
...でも...
脱出の
方法は
他にも..
...私は
いい..
ここに残る...
私は、この町で再び
陶芸をやりたい。
また窯を再建して、
私なりの芸術を極めたい
...うすまきの芸術を...
それには、この町の
トンボ池の土が
必要なんだ。
トンボ池の土って...
それは無理よ、あなた。
トンボ池は今...
大渦を巻いてるから
土を採るなんて...
...何だ、
この匂い?
うまそうな
匂いだ...
肉を焼くような
匂いだぞ...どこかで
焼いてるんだ...
満男!?
あっち
だ...
やっぱり、
何かを
焼いてるんだ。
オレ達も分けて
もらおうよ。
待ち
なさい
よ!
あれは
蝶族の
連中よ。
近づかない
ほうがいいわ。
大丈夫
だよ!!
満男っ、
...もう!!
もしもし...
僕達にも少し
お肉ください
...
...
あっ!?
もう
焼けたんじゃ
ないのか?
ああ...
たまんねえ
おねえちゃん、
食べようぜ。
ヒトマイマイを
食ってるぜ...
坊やも
食べたら
どうだい。
うまい
ぜ。
そこの綺麗な
お嬢さん方も
どうだい?
この
エスカルゴ、
最高だぜ。
精力
つくよ。
...エスカルゴって...
それ...もとは人間
なんですよ...
何だっていいさ。
なあ、ねえちゃん達
オレ達の仲間になれよ。
うまいもんいっぱい
食わせてやるぜ!!
...私達、蝶族の
仲間にはなれません。
蝶族?
オレ達は
蝶族はとっくに
卒業したぜ!
お花の蜜なんか
吸ってる場合
じゃないしな。
オレ達は
今や、
肉食の
トンボ族だ!
そうだ...しかも
オニヤンマだ。
赤とんぼ
じゃないぜ。
なあ、ねえちゃん達
仲間になれよ!!
おっさんは
ひっこんでな。
こら、
私の娘達に
近寄るな!
命が惜しかっ
たらな。
近寄るなと
言って
るんだ!
うわあ!?
あなたっ
!!
あ、あなた達
何て事を...
お父
さん!!
仲よくしょうぜ、
びっひっひ。
可愛いねえちゃん...
ははは、
飛んだ
な。
オレ達も
飛ぶか。
みんな、
逃げてっ!!
桐絵さん!
千恵
さん!
現在、女の獲物
2人が前方を
逃走中!!
合体して
追跡せよ!!
ラジャー
イエーイ!!
桐絵
さん!!
千恵さん、
あれ見てっ!!
トンボ
池よ!!
私達、
トンボ池の方向へ
進んでる!!
千恵
さん!!
私達、
トンボ池に
吸い寄せられ
てるのよ!!
トンボ池に
吸いこまれて
しまう!!
はっ
!?
誰だ
あいつ!?
汚いみ
うわあ
ああぁぁ...
ひき返せ!!
あっ!!
秀一君
...?
......
狂ってる...
...第6話
続...混じゃね
廃墟となった
この町に、
ゆっくり
今もどんどん
人が流入して
くるのです。
それと同時に、
発生する竜巻も
急増し、町はとても
危険な状態です。
来るぞ、
伏せろっ!!
ゆっくり
歩けよ。
うわああ!!
また、
何人か
やられた...
多分、
蝶族の
起こした
竜巻だ。
おい、
そこの
人達...
大丈夫か?
はい...
大丈夫
です。
俺は5日前に
緑山市経由で、
この町に入ったん
だ。
この黒渦町で
何かが起きたらしいと
聞いて、ボランティア
活動するためにね、
俺は4日前だ。
この町に親類が
いるんで、やって来たん
だけど..
こんな状態では
自分の身を守る
だけで精一杯だ。
僕達は
何度も、
この町から
脱出を
試みたん
だけど、
どう
しても
脱出
できない。
そう
なんだ。
どの道をたどっても
この町に舞い戻ってしまう。
方向感覚には
自信があるのに、
まるで道が空間ごと
ねじ曲がってる
みたいだ
そう...
...そう
なんです。
私はこの間、
トンネルからの脱出を
試みたけど...
全然、
出口が見えなくて...
そのうちトンネルが
異常にねじれてきて、
地下の間にくねくねと
伸びているように
見えたの
いくら何でも
そんな事
あるはずないと..
...気のせいだと
自分に言いきかせて
いたの...
私、危うく
すべり落ちそう
で、すぐに
ひき返したけど...
その後、
俺達は
海からの
脱出も
試みた。
しかし、この町の
小さな漁港には
台風のせいで
まともな船は
残ってなかった。
それで俺達は
筏を作って、
脱出する事に
したんだ。
ちょうど
その時、他の
グループが
ひと足先に、
よし、
俺達も
早く作ろう
手製の筏で
出発する
ところだった。
ところ
が.....
あっ、
見ろ。
!?みさ
とにかく脱出
できない...
俺達が
見ている前で、
筏は突然
海面に出現した
巨大な渦に
呑み込まれて
しまった。
...ところで
君達、今
どこに住んで
るんだ?
でも俺達なんか
またましなほう
力もな...
ああ...他の連中の
中には、もっと
恐ろしい目に遭って、
精神に異常を
きたした者もいる。
いえ...長屋は
どこも一杯で...
今は仕方なく
倒れた家の
下に住んで
ます...
今、帰るところ
だったんです。
長屋か?
もしそうなら
俺達も入れて
くれないか?
もう安全な所は
長屋しかない。
私の母が竜巻の
あおりを受けて、
ケガして今
動けないんです。
お母さん
大丈夫?
傷は痛む?
うん、
大丈夫...
それより
お父さん
は?
あちこち
捜した
けど...
見つから
ない...
...やっぱり
あんなふうに
竜巻に
巻き込まれ
たら...!!
大丈夫よ
お母さん...
絶対どこかで
無事でいるわよ
こんな所に
住んでるん
ですか?
これじゃ
危ないなあ。
竜巻の直撃を
受けたら、
ひとたまりもない
ですよ。
とにかく長屋が安全だ。
まだどこか空いてる所が
あるかもしれない。
これから探しに
行こう。
しかし、この町で
例の長屋だけが
どうして無事なのか
不思議だな。
コンクリートの
建物さえ崩壊しつつ
あるのに、なぜあんな
オンボロの家が...?
ええ...
それも大昔に
建てられた
家なんです
よ。
一体何軒
立ってるん
だい?
数えた事ないけど
...町の中心部にも
あるし、周辺にも
たくさんあります。
じゃあ郊外に、
どこか空いてる長屋が
きっとあるはずだ。
しかし、こんなに
ノロノロと移動
してたら、郊外に
たどりつく前に
日が暮れるな。
フフ。
あ...自己紹介が
遅れたけど俺
谷崎という者だ。
僕は
竹本。
よろしく。
うしろの
連中も、
この町で
知り合っ
たんだ
みんな
疲れてる。
ヨロ
ゴロ
大丈夫か?
岡本...
気分が
悪いのか?
いや...
ただ背中が
変なんだ...
ちょっと
見てくれ
ないか?
背中が?
あっ!?
でも...どうして
最近急に
ヒトマイマイに
なる人が
増えたの?
秀一君...
カタツムリ化が
始まってるんだ。
知らないよ..
ノロノロ動いてる
からじゃないのか?
動きがノロいから
うずまきの呪いに
つけこまれるんだ。
近いうちに彼は
ヒトマイマイに
なるだろう...
な...
何だって
オレ達も
他人事じゃ
ないぜ。
お...おい
俺の背中も
見てくれ..
お...俺も!
...何ともないよ。
ふう。
俺も見てくれ
戸川...お前
うずまき模様
が.....
何だって!?
うそだろ!?
じゃあ、俺も
カタツムリに
なるというのか!?
いやだ、
冗談じゃない!!
大声を
出すな!
竜巻が
起きるだ
ろう。
うそだと
言ってくれ!!
とにかく..
早く
空いてる長屋を
探すんだ
長屋の中
なら、
ノロノロ
動かずに
すむ。
...でも...
長屋の中なら
本当に安全と
いえるのかな?
だってカタツムリに
変身する本当のところの
原因なんて、まだ
わからないじゃないか。
ああ。
だが、長屋がこの町の
中で、一番安全な所には
違いないだろ?
な...なあ...
長屋に入れば
俺のこの
うずまき模様
消えるかな?
...なあ、
谷崎...
いやだ...
いやだっ!!
...
わからん
よ、戸川。
おい...
落ち着け!
...ああ...いやだ..
カタツムリなんかに
なりたくない...
誰か助けてくれ!!
静かに
歩けっ。
もう少し
行くと、
確か一軒
ほら。
頼む、
中に
入れて
くれ!
もう
先客が
たくさん
いるわ
もう
どこへ行っても
いっぱいなんだ
...外にいると
カタツムリに
なるという
噂があるんだ、
助けてくれ
だめだ!
もういっぱい
だ!よそへ
行ってくれ
そんな事
知った事か、
早く
うせろ!!
お...お願いだ。
あっ...
戸川...
頼む...中に
入れてくれ
俺、
カタツムリに
なりかかって
るんだ!
だめだ!!
帰れ。
カタツムリに
でも何でも
なるがいい!!
ちっ...
あっ、
開けろ!
畜生!!
こうなりゃ、
意地でも
入ってやる!!
よ、
よくし、
私達も
手伝う
ぞ。
それっ!!
こん
畜生!!
よーし、
少し開いた。
やめろ!!
とっとと
うせろ!!
力を合わせて、
せーの!!
!!
な、
何だ、
ガキ共...
文句
あるのか!?
ふっ!!
わあ...
畜生!!
何て事
しやがるん
だ!!
きさまら、
それでも
人間かっ!?
つべこべ
言うと、
お前達も
吹き飛ば
すぞ!
おのれ
こう
なりゃ
突撃
だっ!!
おお!!
ふっ
わあっ
くそっ
...
食らえっ、
ふっ!!
今だっ、
突撃!!
よーし、
戸を破ったぞ、
中へ入れっ!!
あっ!?
ど...
どうなっ
てるん
だ...!?
...だから、
もう
いっぱいだ
と言った
だろう..
いくら見張ってても、
夜中のうちに侵入
してくる奴もいる。
その結果
が、
これだ...
俺達の体は
押し合い
へしあいして
いるうちに、
ねじり絡まり、
もうときほぐす
事もできない
ウォオオオ
な、
何やってるの
かしら?
はみだした
自分達の体を、
廃材で覆い
隠そうと
しているように
見える...
多分、そうだ...
増築しようと
してるんだ
そうか...
その手が
あったかな...
まさか、
他の長屋も
あんなふうに
...?
なあ...俺さっき
考えたんだが..
あの長屋を
増築したら
どうだろう...
あの長屋、古いのに
竜巻に対して頑丈だ
...それに横付けする
ように建て増しして
いけば...
おい...待ってくれ、
谷崎さん...あんた、
ずっとこの町に
いるつもりか?
どのみち
地獄じゃ
ないか。
まったくだ。
長屋を増築
するなんて...
それより脱出の
方法を考える
のが先だろう...
それにもし、長屋に
入れたとしても、
あんなバケモノみたいに
なってしまったら...
はっ!?
わああ!!
そうだ...
どのみち地獄
だ。
伏せろ!!
だったら
どちらを
選ぶかだ...
竜巻で死ぬか。
長屋で
生き延びるか。
俺は脱出の
道を探る。
あ、
あれを
見ろ。
そうだ、まだ
脱出方法が
あるはずだ
どう
した!?
海を見ろ
...船だ、
船が来た!
救助の
船だ!
海上保安庁か、
自衛隊の船だろう。
それにしても
随分、遅かった
じゃないか!!
我々を
救助しに
来たんだ!!
しかし、
これで
助かるぞ。
よかった
よかった。
大きな船だ。
よかったわね
桐絵ちゃん。
今まで
何やって
たんだ!!
お母様達に
知らせなきゃ。
うん...でも、
お父さんが
見つからないと...
あっ!?
そんな...
パカな...
とうとう
日が暮れた
な...
なんだ...
食料はもう
これだけか...
これじゃ、
とても空腹は
満たせない
...
ああ
腹減った...
どこかに
食料は
ないのか?
おい、
みんな
...
こんな
所に、
肉が
あるぞ。
何だって、
本当か!?
ヒト
マイマイの
肉だ。
きっと
蝶族が
食い残して
いったもの
だろう。
な...
何だ..
肉って
これの
事か..
...
だが
...
し......
仕方ない
よな...
こ...
これは
結構
いける
ぞ。
この際..
君達も
食べて
みたまえ。
もう綺麗事を
言ってる場合じゃ
ないぞ。
それにこれは、もう
人間じゃないんだ
こんなに
うまいなら、
もっと早く
食っときゃ
よかったな。
ああ。
おい、岡本のやつが
完全にカタツムリに
なったらさ、
食料にしようぜ。
......
さあ、
君達も
食えよ。
さあ!!
食わなきゃ
生き残れない
ぞ。
秀一
君.....
その夜
私は..
ヒトマイマイを
食べました...
翌朝、私達は
谷崎さんの
グループを離れ
母と満男のいる
バラックへと向かいました。
あの肉の残りを持って...
あれっ
...変ね...
このあたり
だと思った
けど...
...
おねえ
ちゃ~ん
おねえ
ちゃ~ん
...
バラックが
ないわ
今出して
あげる
...
ま..
まさか
竜巻に
やられた
のね!?
満男!
ねえ...
お母さんは
どこ!?
な...
何ですっ
て!?
あっ、
桐絵ちゃん
.....
満男君の
背中......
どっかへ飛んでっ
ちゃったよ~~
その時
私は、
あ
この町からの脱出を
決意しました。
ダイエット
脱出
とにかく..
満男が完全な
ヒトマイマイになって
しまう前に...
早く満男を、この町から
出さなければならないの。
町から出せば
きっと元に
戻ると思うの。
私はそのあとで
また、この町に
戻るわ。
トンネルも海も
だめとなると...
...戻って、
お父さんとお母さんを
捜さなきゃ。
...でも、どうやって
この町を脱出するかが
問題よ。
...山を越える
というのは?
山?...でも当然
誰かがもう
試したのでは?
...誰も試してない
山道はないがしら?
どうせ無駄だ...
オレ達はうずまきに
呪われているんだ...
私達にはもう、
議論している
時間はありません
でした。
いくわよ。
...また、
よりによって
険しい山の
方向ね。
仕方ないわ。
とにかく北へ北へと
行きましょう。
無駄だ
おねえちゃん、
背中がむずむず
するよ~~
掻いてよ~~
これから町を
出るんだからね
そしたら
治るからね。
...こうして見ると
長屋だけが壊れず
残ってることが
よくわかるわね。
おねえちゃん...
長屋って...
みんなトンボ池のほうを
向いてるんだね...
えっ?
トンボ池のほうを
向いてる?
あ...
あれ見て!
誰かが竜巻を
まき散らしながら、
長屋を増築してる
わ...
あ...あれは...
谷崎さんじゃ
ないの!
おーい
君達ー
脱出する
のかー
!?
君達が
戻る頃には
増築を済ませ
とくからな
!!
よくよく
見てみると、
長屋の
あちこちで
別の人達に
よって、
同じような
増築が
始まって
いました
は、早く
行きま
しょ。
いやな
音!
耳の中で
渦を巻く!
町が崩壊しても
不定期に鳴る
サイレンは、
まるで囚人の
脱走を知らせる
刑務所の
サイレンのよう
でした。
早く
行きましょ。
見て...
杉の木が
微妙な
らせんに...
いつから
こんなふうに?
無理もない
...
この町は、
うずまきの
町だからな。
ねえ...ずっと
こんな道が
続くの?
桐絵ちゃん...
いいえ...
しばらくすると
山の車道に
出るはずです。
はあ
...なかなか
車道に
出ないわね、
変だわ...
はあ
はあ
また誰かが
この町に
入ってきた
みたい..
おねえちゃん
疲れたよ
あっ!?
竹本さん達
じゃ
ないですか。
どうしたん
ですか?
えっ?
私達、今町から
脱出しようと
してるんです。
もう少し行けば、
隣町に続く山道に
出るはずなんです。
何を言ってる...?
隣町への山道は
そっちだろう...
...どうした
って...
君達こそ
どうしたんだ?
俺達も今、町を
出てきたところだぜ。
えっ...どの道から
山に入ったんですか
?
私達は黒渦高校の
脇を通る道を、
登ってきたんですけど。
同じだよ...
君達が登っていくのが
見えたから...
だから俺達も、
そのあとを追って
来たんじゃないか。
...どうやら
君達は知らない間に
逆戻りして
しまったようだな。
...どうする?
このまま進んでも
俺達も結局、
逆戻りしてしまう
わけだろ?
そういう
事だな。
くそっ...またしても
脱出は無理なのかっ...
きっとこの町のすべての道は、
完全に閉じられて
しまっているんだ!!
もう俺達は
この町から永久に
出られないんだ...
落ち着け!!
諦めるのは
まだ早い!
とにかく...
このまま
進んでみよう。
あの、その人を
なぜ縛ってるの?
ん?
これは大切な
食料だからな。
ああ...この
岡本の事
かい?
逃げないように
してるんだ。
ほら...
殻もだいぶ
大きくなった
ろう?
こいつは
もうすぐ完全に
カタツムリに
なる...
そしたら
食うんだ。
はあ
はあ
それにしても
この風景...
めまいが
する。
おねえちゃ~ん、
背中がむずむず
する~~~
掻いて
よ~~!!
ちょっと
あ...はは
はは..
くそっ...
あー、
同じ所を
ぐるぐる回って
いるみたいだ。
腹減った
な...
...見ろよ...
岡本君を。
完全に
カタツムリに
なったぞ。
そろそろ
食おうぜ
...
焼くか?
いや...
...一度、
生で
食って
みたいな...
...なるほど、
そうだな...
生で?
あっ、
隠れや
がった。
面倒だ、殻を
割っちゃえ。
待て、
石なんか
投げて、
竜巻が起きたら
危ないだろう。
それより..
いいか?
もっと豪快な食い方を
見せてやる!
こうやって
カタツムリを
食べる
昆虫がいるが
知ってるか?
竹本..
どうだ?
ムシャ
うまいか?
ムシャ
お...お前、
ずるいぞ!
全部
食っちまう
気か?
出てこい!!
お、おい、
もういい
だろう?
...桐絵ちゃん、
もう行きましょ。
え...ええ...
...満男...
...行くわよ...
呪われてる
もう、
かかわら
ないほうが
いいわ...
...私達...今、
どのあたりに
いるの
かしら...?
だから無理って
言ったろう..
オレ達は呪われて
るんだから...
方向が全然
わからない。
そうだ!
切株で
方向が
わかるって
いうじゃない
秀一~~
戻って
こい~~
ひいっ、
親父だ
親父だ
..!!
どうした
の?
秀一君。
しっかりして、
そんなの
気のせいよ!!
ひいっ!!
親父が
いる!!
なんか...
時間がどんどん
過ぎていくような
気がする...
はあ
それにしても
この時計...
はあ
スローな私達を
置き去りにして...
ムシャ
満男...
そんな葉っぱ
食べちゃ
だめよ。
疲れたのなら、
おふってあげるから。
...また
会ったね...
しかし、さっきは
なぜ、僕達から
逃げたんだい?
えっ...
いえ、別に...
逃げたわけでは
そうかい、おや?
坊やはとうとう
お姉さんの背中で
おねんねかい?
無理もない...
可哀相に...
......?
......おや?
...坊やの
その背中
...
どうして
こんなに
膨れているん
だい?
えっ?
あ...ああ、
これは
リュックを
背負って
るんです。
......何だ
...そうか...
とにかく:これからも
力を合わせていこうな。
君は疲れてる。
坊やをかして
ごらん。
俺達が
おぶって
いくよ。
いえ、
大丈夫
です。
大丈夫
って...
これから
先、
長いんだぜ。
さあ!
オレが
おぶる。
え...
ええ...
ああ...
また腹が
減ってきた。
あ~どこかに
カタツムリは
いないかな~
贅沢言うなよ。
ヒトマイマイなんて
こんな山中で簡単に
見つからないぜ。
ところで
君の弟の
リュック、
食料が
入ってるん
だろ?
い...いえ、
衣料品
しか入って
ません。
何だ
残念
だな...
!
まあ、しかし
何だな...
どうしたん
だい?
な、
何でもないです。
わっ
!!
や...
やめてくれ
満男君
...
背中で
うごめく
のは...
うわあ!!
...やっぱり
そうだったか
待てっ!!
今度は
どうやって食う?
逃げるのよ!!
走るなよ、
竜巻を
起こさない
ように、
ゆっくり
追え。
はあ
はあ
いつの間にか
海に..
黒渦町の
西側だ。
あんな
所に
いるぞ。
どう
しよう...
あいつらが
来る前に
満男君を
逃がすんだ。
逃がすって
どうやって?
あなた、岸壁を
はう事ができる?
...
できる
わね?
早く
行くのよ!!
満男、
満男、
早く行く
のよ!!
早く!!
だめよ
満男、
行きな
さい!!
行かないと
ぷつわよ!!
行き
なさい!!
早く!!
必ず
むかえに
来るからね...
さあ、満男君を
かかえたふり
して行くのよ。
フフフ、
まだ
逃げる
のか?
おとなしく
カタツムリを
わたせ!!
待てよ、そっちは
黒渦町だぜ。
また
舞い戻る
気か?
フフフ...
仕方ないわ、
いったん
町へ
戻りましょ。
満男君は
そのあとで
なあ、今度も
生で食べる
か?
あたりまえだ。
岡本を
食べた時の
感覚を
思い出せ!!
あの殻の中に
体を突っ込んで
生肉を
貪り食った
時の感覚...
まるで
自分の体
までが、
うずまきに
なった
ような
気分に
なった!!
あの、
ねじれた
神秘の空間を
突き進む
自分の体...
今、思い出しても
まるで自分の
体が本当に
おおお!!
呪われ
てる...
早く、
町へ戻り
ましょ!!
はあ...
うおおお!!
はあ...
はあ
はあ
はあ
はあ
もうすぐ町が
見えるはずよ。
はあ
......?
えっ!?
...第1話
迷路
ここ..
どこ?
黒渦町
じゃ
ないわ。
私達、また
変な所に
来てしまった
わ。
...
いや、
ここは
黒渦町だ。
よく見ろ。
あの
建物に、
見覚え
ないか?
えっ?
あれは
長屋!?
そうだ...
長屋が
恐ろしく
長くなって
いる...
ど...
どう
して!?
とにかく
...
行って
みよう。
はあ
はあ
どうして
町が、
あんな
ふうに...?
頭が変になり
なりそう。
...
たぶん、
長屋を
増築
したんだ!!
えっ!?
この町を
出る時、
町のあちこちで
長屋を増築
してただろう?
それぞれの
長屋の両端を
どんどん延ばして
いったら、
ああなった。
そ...
そんな...
...だって、
私達が町を
出る時は
まだ増築が
始まったばかり
だったわ。
これだけのものを
建てるには、相当な
日数がかかるはずよ。
私達が山を彷徨って
いたのは、ほんの...
オレ達が山を
彷徨っている
うちに、ひどく
時間が過ぎたの
かもしれない。
...そういえば
私達、どれだけの
時間を
彷徨っていたの?
これも
呪いか?
すっかり時間の
感覚が...
見わたす
限り
長屋...
...やはり
そうだ。
間違い
ない。
見ろ!
あそこから
あそこまでが
元々あった
古い長屋だ。
その両端を
増築
したんだ。
でも不思議ね...
あちこちの長屋が
それぞれ勝手に
増築したのに...
どうして
こんなに
ぴったり
つながった
のかしら
?
まるで、
うずまき形に
増築される事を
予想してた
みたい...
...逆に、
こうは
考えられ
ないか?
例の長屋の廃屋
自体が、そもそも
昔は渦を巻いて
いたと。
...昔...
この町は
渦を巻いて
いて...
それが長い
年月の間に、
徐々に朽ちて
いき、わずかな
名残りが
あちこちに
残っていたの
だと...
したがって、
むしろ今の
この町の姿は
えっ!?
昔の時代の再現に
すぎないのでは
ないかと...
.....
何が何だか
わからない
私達、
これから
どうすれば
いいの?
...私...
この町の中へ
入ってみる...
お父さんと
お母さんを
捜さなきゃ。
だから2人共、
私にかまわず
脱出の道を
探して!
私は
あとから
行くわ
何を言うのよ、
桐絵ちゃん。
私達も一緒に
捜すわよ!
行けども
行けども
だが、どこかに
長屋の露地に入る
入口があるはずだ。
その露地も、
長屋に沿って
うずまき状に
なっているん
だからな
しばらく
歩き
続けると
ようやく
露地の入口が、ほっかり
口を開けているのが
見つかりました。
...禍々しい...
不思議だわ
...
なんて
禍々しいんだ。
ほら...
竜巻が
起きにくく
なってる...
本当だ。
露地に
入った
とたん...
なぜかしら?
おそらく...
この露地が、
長屋に
とり囲まれた
空間だから
じゃないのか?
安全?
じゃあ、この中のほうが
安全なのね?
ば、ばかな...
めちゃくちゃ
不気味じゃ
ないか...
ヒソヒツヒソ
フッフ、
ヒソヒソ
やっぱり誰か
住んでるのね...
...すみません...
どなたかいらっしゃるん
ですか?
私の
両親を
捜してるん
です。
ちょっと、お聞きしたい
事があるんですが...
父は五島泰雄
という陶芸家
なんですが...
あんたの親なんか
知らないよ!
それより、こっちの
頼みを
きいてくれないか?
え?
今、外に出すものを
どこかに捨ててきて
ほしいんだよ。
そいつは
今朝
死んだんだ。
まったく
死体を、
我々から
ときほぐす
のには
苦労した
よ...
ひいっ...
先へ行きましょ!
それを
どこかへ
持ってって
くれ...
腐ると
かなわん...
どっかで
焼いてしまっ
てくれ..
ひそひそ
フッフッ
ひそひそ
ひそひそ
何か臭うわね。
何かが腐った
ような臭い...
こんな所にも
死体力...?
死んでやがる
......みんな
うずまきに
なって
死んでやがる。
ねえ...
腐乱してる...
あなた達
.....
その腐った死体
どこかへ運んで
くれない?
臭くて
がなわないのよ。
あの...私、人を
捜してるんです。
私の両親
なんですけど..
知らないわよ、
あなたの両親なんて。
......
や、
また屍を
見つけた
ぞ!
やれやれ...
これも一緒に
運ぶか...
あっ、
谷崎
さん
...!!
谷崎
さん
でしょ!?
ああ...何だ...
あんたらか...
覚えてるよ...
何年ぶりだ?ちっとも
変わってないな。
...もう何年も
経ったんですか?
ああ...増築も
かなり進んでる。
だが、まだ所々
つながってないがね。
その上、露地には
コンクリートだの
土手の名残りだの
障害物が残ってる
から、まるで迷路だ。
...だから俺は今、
露地の整備で
大変だ
しかし、近いうちに
増築は終わるだろう
...今では、
長屋の中にいる
連中が内側から
増築してるんだよ。
まったく器用な
連中だ。
あの..
父は陶芸家
なんです。
私、両親を
捜してるんです...2人共、
竜巻に巻き込まれたん
ですけど..
...陶芸家?
ああ...陶芸
といえば...
トンボ池のほとりで、
今も夫婦でやってる
という話を聞いた
事があるな。
えっ!?
本当
ですか!?
ああ。
俺が見た
わけじゃ
ないが...
何でも
「陶芸はうずまきの
芸術だ」と言って
やってるそうだ。
そ...そうです!!
その人です!!
...やっぱり
生きてたん
だわ!!
よかった
ね、
桐絵
ちゃん!
谷崎さん、
ありがとう
ございます!
私、今から
行ってみます。
そうかい。
しかし、
トンボ池に
たどり着くのは
大変だと思う
ぜ...なにしろ
迷路みたい
だからな
俺でさえ、
まだ一度も
行った事
ないぜ。
奥に進むにつれ、
増築途中の部分を
たくさん見かけるように
なりました
しかも
露地には
いたる所に
切り立った
ような
障害物が
あって、
疲れきった
私達には
これを
乗り越える
気力がなく
谷崎さんの
言った通り...
私達は、
迷路のような
露地を
進む事に
なりました。
また行き止まり
だわ...
私達、今
どこに
いるの
かしら?
あそこを
通り抜け
ましょ。
ねえ...この町の
建物の中
全部に...
あんなふうに
人が詰まってる
のかしらね?
...でも秀一君の
言った通り
この町が昔の
再現だと
すると...
昔の人はなぜ
こんな町を
作ったの
かしら?
それを
言うなら、
なぜ今、また
こんな町が
作られている
のカ.....
もしか
したら...
それだって
わからない
じゃないか
これは
大昔から
繰り返されて
いる事力も
しれないな。
百年...あるいは
何百年かの周期で、
この町に
うずまきの呪いが
ふりかかり...
そのたびに、
人々は
うずまきの町を
築く...
えっ?
でも、そうだったら
この町の言い伝え
とか残ってても
よさそうなのに。
よほど昔の事
だからかしら?
いや...
木造の建物が
残ってたくらい
だから、
忘れ去られるほど
昔の事でも
ないはずだよな
.....
それなのに、
なぜ言い伝え
られなかったのか
どこかの時点で、
伝承の断絶が
起きたのかも
しれない。
...たとえば...
記憶を後世に
伝えるべき人々が、
一度に消えて
しまうとか...
伝承の断絶?
その後も私達は
迷路をさまよい
続けました。
一体、私達
今どこに
いるの!?
もうだめ
...
歩けない...
おい、
あれを
見ろ...
あれは
たぶん、どこかで
死体を火葬してるんだ。
あの煙の
降りていく
所が、
トンボ池だっ
あの真下に
トンボ池が
ある!
あれを
目印にして
行くんだ!
早く...
あの煙が
消えない
うちに!!
はあ
はあ
ちくしょう、
また
行き止まり
だ。
あ...でも
見て!
あそこが
少し
開いてる!!
急いで
.....
早くしないと
つながって
しまいそう!!
ええ!!
あっ!?
千恵
さん!!
千恵
さん!!
桐絵
ちゃん...
千恵
さん!?
つながった
そー
こっちも
つながった
そー
全部
つながった
そー
こっちも
だー
それは町中に
ひびきわたる
音でした。
何かが
移動する
音...
その音が
おさまると
今度は
死んだような
静寂が
訪れました。
ぐるぐると
円を描きながら、
中心へと移動
する音でした...
...
千恵さん...
千恵さんが
中に...
桐絵...
諦めろ
たぶん
長屋の中は
カラッポだ。
そして
長屋の
中は、
おそらく
トンボ池に
つながってるはずだ。
仕切りのない、
まるで
トンネルのような
長屋の中を
歩き続けると、
やがて..
こ...ここは
一体!?
...
どうやら
ここが今の
トンボ池
らしい...
水もひいて
しまったん
だな...
お父さんと
お母さんは
?
ここで
陶芸やって
暮らして
るって...
桐絵...
どうやらそれは、
単なる噂
だったようだ
それより
見ろ...
トンボ池の
底に
こんな穴が
存在して
いたとは
長屋の
連中は..
これは明らかに
人口の石段:それも
大古の遺跡のようだ。
この穴へいっせいに
なだれこんでいったのに
違いない...
ぃっ
誰の手で..
何の目的で
作られ
また一体、
どこまで
続いて
いるのか...
もしかしたら、この中に...
この町を襲った
うずまきの呪いの原因が
隠されているのがもしれない。
私..
この中に
降りて
みる..
もしか
したら
この中にお父さんや
お母さん達がいる
がもしれないから...
一緒に
行こう。
ええ..
行くぞ。
最終話
一体...
どこまで
続いてるの
かしら?
まるで..
無限に
続いてる
みたい..
!
危ない、
桐絵っ、
ふらっ
気を
つけろ!!
それから..
どのくらい
下ったでしょうか。
行くぞ、桐絵。
さっき、いっせいに
なだれこんだ人達の
うちのひとりね...
とり残された
のね...
ま...
待ってくれ
...
待ってくれ
...
私を下へ
連れていって
くれ...
この下には、
すばらしい
存在が
あるはず
だから...
...無理だ...
オレ達には、
あんたを運ぶ体力は
残っていない。
行くぞ、
桐絵。
え...
ええ。
は...
離して
ください!
オレを
連れてけ!!
痛いっ!!
離してっ
たら!!
やめろ、
離せ!!
!?
秀一君!?
キャア!!
はあ
秀一君
〜〜〜~!!
はあ
はあ
はあ
下のほう
から
光が...
一体...
何の光
かしら...?
こ...!!
それは
禍々しい
光でした。
ゴクン
...もう
だめ...
...みみ
私の体は、なぜか
ゆっくりと落下
していきました。
はっ!?
もしかしたら、それは
この時発生した竜巻の
浮力のせいかもしれません.
それは、今まで
見た事もない
巨大な建造物
でした。
私のまわりの..
長屋から
なだれこんで
きたと
思われる
おびただしい
数の人達が
みんな
あの禍々しい光は、
この遺跡の
うずまきから
発せられて
いたのです。
秀一君
あの
うずまきを、
ぼんやり
見つめている
のです。
秀一君
は?
秀一君
~~~...
秀一君
~~!!
...変ね...
進むに
つれて...
遺跡に同化
してしまってる
みたい...
あっ!?
人が
石みたいに
お父さん...
...
やっぱり
ここに
いたんだね...
桐絵...
お母さん...
桐絵
桐絵...
秀一君、
生きてた
のね!?
ああ...
だがもう
歩けそうに
ない...
まるで
生きてる
みたいだ
...
桐絵...
生きていて!
意志を持ってる
みたいだ...
見ろよ...
あの遺跡を...
オレには、
あのうずまきが
強烈に自己を
アピールしている
ように見える。
まるでこんな、
人の目の届かない
地下に造られた事を
呪うかのよう
に...
うずまき模様は、
その中心へと
人の目を誘う
...
これを造った
太古の人々の意図は
どうあれ...
この遺跡は、
自らの本能で
地上の人々を
誘惑して
いるのだ!!
ある一定の
周期で
....!!
秀一君...
私達、
これから
どうなるの?
......
...オレはもう
うずまきから
逃れる事は
できない...
桐絵:お前は
何とかここから
出るがいい...
たぶん...この呪いは
もうすぐ収束する
はずだから...
...私も、
もう力は
残ってない
わ...
あなたと
ここに残る...
...
...
...
こうして...
私達の町を
襲った、
うずまきの
呪いは
終わったのです。
この奇妙な
町並みは、やがて
時の流れと共に
朽ちていき
新しい町へと
生まれ変わり、
そして
人々が幸せに
暮らす事で
しょう...
うずまきおわ
そう...
また再び
あの道跡が
目覚めるまでは...
初山掲載
第12話で、週刊ビッグスピリック
第14話・週刊ビッグスピリップ
第15話..2016年に
第17話・巡刊は
第18話・週刊ビッ
最終話...週刊ヒックス
ツ99年年第
ああ、
リッツ9科年第39号
今年第26
ゾ99年-第30
あ、あ、でもいいですよ。
...
お兄ちゃんは、お
恐ろしい...
なんて
恐ろしいんだ...
トゥルルル...
トゥルルル...
...はい...
スピリッツ中熊
です。
あ...ああ中熊さん
...困った事に
なりましたよ..
カッカッ
えっ?どうしたん
ですか、伊藤さん。
...実は...
うずまき仙人が
私の家に来てしまったん
ですよ!
うずまき仙人?
なんてすかそりゃ?
ほら...この間G県の
山奥へ2人で行ったで
しょう!?そこで仙人に
会ったじゃないすか!!
ガチャン!!
何言ってるんですか...あれは
夢でしょう?夢オチだった
じゃないですか!!
夢じゃなかったんだ...
現実だったんだ、
現実オチだったんだよお!!!
もー伊藤さん、
からかわないでよ。
...ついに担当にも
見放されて
しまった...
うずまきの謎を
知りたいと
いうのじゃな!?
お安いご用じゃ。
その前に
腹ごしらえじゃ!!
もっと美味なうずまきを
持ってまいれ!!
...
今回は、とくに
オチはございません...
【印刷所】..
●本書の一部または全部を無断の複数転載上演が必要をすることは
法律で認められた場合を除き、著作者及び出版者の権利の侵害となります。
す。あらかじめ小社会で時間をお求めください。
●過去には十分注意しておりますが、万一流丁・乱丁などの不良品がある
りましたら、制作部」(*0120)336.082一あでにお送りくださ
い、透料小社負担にお取り替えいたします。
●R:日本狼写権センター英託出版物
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の例外を除き禁じられています。本書から複写を希望される場合は、日
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