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Instructions:
井上雄さ
っYTuayRLanout
>SpuogeBel
...いいでNGK
原催者川英治宮本武蔵より
その島は
海に浮かぶ小舟に
似て見えることから
舟島と
名づけられた
そういえば、
...
...
そういうことで、
そういうことで、
そういえば、
そういうことで、
...
それは...
...
...
気に留める者は
まだいない
人の棲まない
この島を
今はまだ
この島は後の世に
厳流島」と呼ばれることに
なる
小倉藩領
舟島
慶長十年
まだ知る者もな
又八
お前がよく
働いてくれるので
助かるよ
いや
母子で
さんざん
お世話に
なりましたし
働いている間は
悲しみがいくらか
まぎれるし
それに
そうだな
これから
どうする
この俺が
!?
何なら
剃髪して
このまま
仏門に入るか
まさか
はは!
嘘ばかりついて
人をダマして
きたんですぜ?
過去は
過去
今日のお前は
今日つくるんだよ
本当すか
?
いくつもの
別れ道
そのことごとくで
間違えた
幼友達を
失い
...
嘘
じゃない
嘘ついた
その結果
許婚を
失い
母を
失った
ひとつだけ
まだ戻れる
道があると
すれば
今日のお前は
今日つくるんだよ
ベイナーがねー
それが
本当なら
本当で
あってくれ
どんなに
良いか
京中を
探し回って
京中を探し回って
やっとこさつかんだ
やっとこさ
つかんだ
小次郎は
小倉にいる!
小倉藩細川家に
剣術指南役として
迎えられていると
!!
!!
今日のお前は
今日つくるんだよ
武蔵が
この頃どこで何を
していたか
「江戸へ
行った」
「下総で
畑を耕してた」
「どこかの城に
籠って書物を
読み耽っていた」
等
様々な噂を
聞いたかどれか
本当かは
知らない
脚の怪我は
どうやら完全に
治ることはなかった
ようだ
ただひとつ
幼なじみとして
俺に言えることは
それでも
奴は
剣を振る
ブツブツ
言いながら
時々
笑っては
気味悪
がられ
嫌かられ
それでも
剣を振って
いる....!!
あーでもない
こーでもない
そうに
違いない
俺が話せるのは
それからしばらく
たった後
「武蔵
小倉へ来る」
そこから
だ
舟島
小次郎のいる
小倉へと
舟島の
決闘の為か
...!
いよっ
待って
ました
又八さん
......
.....
.....!
ちっ
毎度
小倉
小次郎
佐々木巌流の名は
ここ小倉で
瞬く間に
広まっていた
男も女も
男も女も
小次郎の
噂をし
小次郎の姿を
ひと目
見たがった
なぜならば
さてと
今日も
時間と
あいなりました
えっ!?
!?
続きは
明日の
お楽しみ
〜〜〜
えー
ーっ!?
オイ!?
オイ!?
そこで
終わるなよ
又八さん!!
...何だか
人が増え
すぎちゃって
通行の
ジャマだし
明日も
来るかい?
そりゃあ
来るさ
しかた
ねえ!
どんどん
人増えてる
ね
こんなに
増える
とはな
ここからは
もう
逃げちまおう
かな
そんなに
楽しく話せる
話でもないしな
みんな
待ってるよ
そうだな
**28914期の音楽
この頃の武蔵が
どこで何を
していたかは
知らない
でも
どこで何を
していようと
奴は
どこかで
剣を
振っている
ブツブツ
言いながら
ときどき
ニヤリッと
しながら
知らないのに
まるで見て
きたように
話すね
ふっふ
見なくても
わかるさ
無音では
ないのだな
内側は
賑やかだ
骨が擦れ
軋む音
息を吸う音
吐き出す
音
剣の
重みに
ギギと鳴る
ケヘ
剣の
重みを無くす
やった
枯葉の重み
疲れ果てるまで
繰り返そう
違う
上手くやろうと
なぞるんじゃない
百回でも
百回でも
千回でも
千回でも
初めてのように
何も持たない
赤ん坊のように
手が
ジンジン
する
あ~~
胸が
波打つ
音がする
...
さらさらと
流れる
この
微かな音は
何だろう?
途絶えること
なくずっと
聴こえているんだろう
きっとお前には
これは何だ
小次郎?
ああ
消えた
何だ?
めんどくせえ
逃げよう
武蔵!!
宮本武蔵
!!殿!
よかった
豊前小倉藩にて
武蔵を指南役に
迎える用意が
あると
武蔵は
その後
行方知れず
とのことですが、
江戸にいる
細川忠利殿
から
必ず探し出し
小倉へ連れ帰る故
御心配なく...
父忠興も
武蔵殿と会うのを
たいそう楽しみに
しております
ふう
長かったが
これで...
武蔵も
ようやく
人の世を
生きられる
武蔵のね
...
さてと...では
私は柳生へ
おつうの
ところへ
おつう
とは?
将来の
嫁ですよ
#2901人のiPh
慶長十年
それはそうだな。
この年
将軍職は
徳川家康から
一代ただ
秀忠へと
受け継がれた
誰も
来ぬように
いいな
はっ
おう
はー
肩が凝る
たまには
天下をその
両肩から
降ろされませんと
細川忠利
豊前小倉藩主
細川忠興の
三男
なんの...
十四歳より
江戸城に人質
として動める
これ
小倉より
ふわふわ
しとる...
天下は今も
大御所
父の肩に
あるよ
おっ
何だそれは?
南蛮より
渡来の
美味菓子を
うわ!
甘い
かすていら
というもの
だそうです
「宮本武蔵を
将軍家
剣術指南役に」
そう
本阿弥光悦殿に
書状を出したのは
ワシだぞ忠利
決まっていた
話ではないにせよ
会ってその
人物を確かめて
みようとな
おぬしの
細川家へ
豊前小倉へ
迎えてやって
くれと返事が
それが...
どうなっと
るんだ?
どういう
ことだ
一体?
...何で
でしょうね
フッ
まあいい
もともと
忠興が
親父殿
が
武蔵を強く
欲しがっとった
しな
......
名だたる
武功派大名の
中でも指折りの
戦上手
頼れる男だ
忠興は
武で鳴る細川家に
武蔵はふさわしい
のかも知れぬ
会ったこと
ないが...
それに
何より
忠利
お前も
いよいよ
一国の
小倉城の
主
忠興より
豊前小倉藩を
受け継ぐことに
なったんだから
これは
祝儀だ
武蔵は
小倉に
譲る!
会ったこと
ないが
さびしく
なるな
忠利いく
幾つに
なった?
江戸へ来て
五年か...
十九に
なりました
そばにいて
くれてよかった
と思っとる
ワシも
ニ十五
同年代の
お前が...
.....
武蔵も
同年代...
きっと助けに
なる
勿体のう
ございます
どうした?
言え
逃げた?
二条城より
脱獄し逃亡中
の身ゆえ
だろうが...
だが
所司代
板倉勝重殿
より
ちゃんと
説明
したのか?
武蔵側に非はなく
罪は不問とする
匕日
そのことを
知らずに
逃げているのに
違いない
ちゃんと
説明したか?
しました
......が
何を言っても
さっぱり
聞く耳持たず
.....ええ!
まさに
聞く耳持たず
とはあのこと!
しまいには
川に飛びこんで
逃げました
くっく
......
およそ
扱い易い人物
でないのは
わかったな
まあ...
柳生殿とて
...
小野殿も
しかり...
天才とは
とかく
そういったもの
では?
まあな
はは
武蔵!
待たれい
宮本武蔵
殿!!
おいっ
!!
ええい
逃がすな
!!
待て
あれは確かに
武蔵か!?
では
何故
逃げる!?
阿呆か
あいつは!?
それは
間違いない
人相も
右脚を
引きずっても
いたし
こんな
いい話を
水の音
水の流れに
間違いはない
身を空にして
委ねたらいい
そうか
小次郎お前のうち側にはいつも
いつも
川が流れてる
のか
っ.....
冷たすぎて
.....
脚痛え
無茶
しすぎた
サムイ
オーイ
力が.....
出ない...
だだ誰か
おらんかっ
かっかっ
.....
......
冷えきって
るわ
どうして
こんなに
さあ
あたためないと
人肌で
冷たい!
そうで
ショ?
温かい
こんなに...
もっと早く
こうしたら
よかった
コラ!
まさぐるんじゃ
ないよ!
.....
温まったなら
はい
おしまい!!
!?
......
一応
気が触れてる
わけじゃ
なさそうだね
この寒空に
川泳ぎしたなんて
いうから
てっきりあたしは
...
寒いよ
閉めな!
え?
身なり
からいって
職にあぶれた
浪人者か...
泊まるとこ
あんのかい?
行く
あては?
行くあては?
図星
だろう?
そうかい
じゃあ今日から
ウチに泊まりな
いや...
ないです
は?
ずっと
いても
いいよ
その
かわり...
たっぷり
働いて
おくれよ
えっ?
...
ウチの人の
ものでも
足りない
くらいだよ
ほらっ
コレ着て
大きい
ねぇ
やっぱり
宿なしの
浪人者
ですって
いいでしょう
しばらく
居候させ
ますよ
......
仏師
仏様を彫る
お仕事
だけど
それだけじゃ
食べて
いかれないから
土も
耕さないと
いけない
家族を
食べさせる
ためにね
コラーッ
やめんか
そうだ
そういえば
まだ名前を
聞いて
なかったね
宮...
ところっ
......
......
たけぞう
武蔵だ
うん...
それは...
おい
押すな
おい
人が通れる
だけはちゃんと
空けてくれよ
そこ
頼むよ
役人に
しょっぴかれ
たくはねえしな
こっちだって
ここでやめられちゃ
毎日通った
甲斐がねえよ
なあ?
.....
まったく
だ!
さて.....
さて
あんた方
お目当ての
舟島の
聞い
武蔵と
小次郎の
聞い
あれは
俺たちが
武蔵が
二十九歳の
ときのこと
ニ十二歳の
吉岡七十人斬り
からそこまでの
約七年間
その間の
武蔵のことは
俺も知らん
小次郎と
小倉にいた
からな
でも
人づてに
聞いた話の
どれが嘘で
どれが
本当かは
分かる
見て
なくても?
見てなく
てもさ
「あいつなら
きっとこう
したろう」
「そうは
しなかった
だろう」
あんた
兄弟
いる?
何年
会わずとも
兄弟は兄弟
だろう?
見てなくとも
分かるさ
さて
では少し
だけ...
小倉へ現れる
までの武蔵の
七年間の話に
お付き合いを...
こういった
#292|横顔
.....
強いの
だろう?
騒ぐなら
外行け!
コラー
お父が
お仕事中
だろう!
お仕事
言ったって
全然売れない
仏さんやんか
お父の
場合
!!
!
......
ふ.....
ぶえええ
あああ
ハア
ハア
ハア
ハア
ホラ
水
いっぺんに
ごくんて
飲まんのよ
ロの中に
ちょっと
ずつ
早くよく
なろうな
ただ今
お帰り
お疲れ様
売れ
ましたか
そう
ですか
いや
いただき
まーす
オイ三郎
もういらねえだろ
俺にくれ
イヤだよ
兄ちゃん
やめろよ
二郎
あっ
残すなら
ちょうだいよ
ちょっとでも
食べろよ
小五郎
カ
つけないと
治らんぞ
うん...
ありがと
お兄ちゃん
ハア
ハア
ハア
えっ
俺にくれるの
たけぞう?
やった
許せ
わー
たけぞうが
兎しとめて
きたよっ!!
これ
どうすんの?
食うん
だよっ!
やったあ
やあ
やあ
とう
とりゃ
ーっ
うおー
ちえっ
.....
......
やりたい
のか?
.....
...!!
この硬い木が
人の柔肌の
ように斬れる
...
刀よりも
斬れる
だろう
おぬしは
誰なんだ?
凄まじい得物を
差しておるな
預かったときに
見せてもらった
その腰のもの
刃物を手先と
同化することを
目指している身だ
凄まじい...
わかる
ぞ
それは
そうだろう
返せ
その腰のものを
床の間の飾りに
するときが来たら
教えてやる
人を
殺め続ける
その手で御仏を
彫る?
一体
何を込める?
ますます
世の人を
惑わせる
なんで
なんでいちばん
小さい小五郎が
いちばん先に
死んじゃったんだ?
オイラの
余ってる
元気を分けて
あげられたら
オイラ
あんなに
怒られずに
すんだぞ
そしたら
オイラの年まで
生きられた
かも
売れたっ
売れたぞ!!
本当!?
泰正寺
さんが
買うてくれた
檀家さんに
お配りする
新年の千支彫りの
注文までいただいたよ
間に合うか
どうか心配な
ほどの数だ
ありがたや
お赤飯
炊かな
あいたた
いや必ず
間に合わ
せるぞ!
大丈夫
か?
#293
ここで
はあ
はあ
はあ
痛え...
はあ
はあ
......
かばい続けた
右脚が
左腰の鈍痛を
招いてる
無駄が
多すぎると
いうこと
話にならん
真綿でしめるように...
何かを失って
今や
分からなく
なってる......?
分からなくなってる
太刀の
進むべき筋が
もう少し
ぐっ...
んん
あああ
産まれた
仏サマの顔が
柔らかくなった
ような気が
ん.....
イヤ
生意気
言って
スンマセン
......
もともとは
ただの木ー
それが
命を持って
ちらを
見透かすようだ
そりゃそうだ
人をも
超えた存在
これから
売られた先では
この仏サンに毎日
人が拝むんだ
それはもう
それを
親父さんの鑿が
この世に顕す
剣で
命を奪い合う
人間
人を超えた
存在を産み出す
人間
正反対のようで
実はどっちも
同じ
狂ってる
そうでなきゃ
やれない
妻がいて
子がいて
それを全う
できるのは
何故だ?
.....
手を
はなせ
耳を削ぎ
落とすぞ...
明日には
お客さんに
納める御仏だ
ゴタッ
どうした
急になぞう
武蔵
.....
宮本武蔵
といいます
.....!!
武蔵
そうか
剣で命を
奪い合う...
お前もそう
なのか?
...狂ってるかは
知らん
だが
御仏を彫る
ときの心の
うちは
気がつけば
空高くなのか
地の深くなのか
遠くまで
行っとる
かもな
だが...
それが
どうした?
御仏を彫る
自分の
ありようも
妻と子の
ことも
近いところ
遠いところの
違いはあれど
同じ中心の
円だ
戻る
真ん中は
同じだ
...
つかが
ハア
ハア
聞こえねえ
体の声が
俺の周りに
霞のように
まとわりつく
何だこれは
俺の真ん中に
たどり着けない
ギュッ
たけ兄
ちょっと
これ
頼むよ
俺はまだ
強いのか?
あれ
どこ行った
たけぞう
ちょっと
お願い
オーイ
えっ?
うわ
ちょっと
...
あんたも
赤ん坊の頃が
あったんだよ
そんなふうに
抱かれてさ
えー
うそー
たけぞうが!?
ウソな
もんか
当たり前
だろ
知らない
母とは
早くに
別れたから
生まれた時から
ヒゲ生えてた
んじゃないの?
キシシ
もう
いいすか
うるせぁほう
阿呆
おっ母さんは
どうしてる?
泣かないね
あら
そうかい
.....
返す
懐いてる
じゃないか
?
たけぞう
所帯を持つ
つもりはない
かい?
私の姪が
ちょうど
年頃でね
別嬪よ
あたしに
似て!
イヤ
結構
あんたも
慣れりゃあ
見れる面
してるし
誰かいるの
いい人が?
そのような
ことは縁なき
ものと
そう
決めてる
なぜなら
俺はこの手で
百人以上を
斬り殺して
きたんだ
たけぞう
.....
武蔵
宮本武蔵
てのはもっと
傲慢で...
勝ち誇った
男かと
思っとったよ
それが
勝ち誇る
どころか
まるで......
何せ一人で
吉岡一門を
潰した男
罪人でも
あるかの
ようだ
あいつには
兄がいて
あいつには
弟がいて
あいつは
どうかな
親は
いるだろう
誰にだって
あいつは
誰かの親だった
かも知れない
あいつも
幼子なんか
いたかもな
どうしても
出ていくのかい
?
長いこと
お世話に
なりました
たけぞう
御恩は
忘れません
どうか
お元気
で
俺はまだ
強いのか?
狂ってなくては
やれないことを
この先
どうして
続けなきゃ
ならんのか
?
おぬしに
仏彫りを
教えよう
きっと
筋もいい
わし一人では
忙しくなって
きたこと
でもあるし
出ていく?
どうしてだ
もう一度
だけ...
本当に強い
人間と闘い
たい
見えかけて
見失った
こたえを
今度は
見つける
じいさん達に
見えていた
もの
そうで
なくては
父子二代
剣を振って
生きてきた
甲斐がない
父子...
二代...
親父殿は
どうだった
......
狂って
おられたのか
?
それでも
妻があり
...
おぬしという
子が生まれ
たのだ
嬉しくは
なかった
ろうか?
!
あきら
めろ
.......
は?
あきらめ
たら
そこで
闘いは
終わりだ
剣を
手放せる
何を始終
ムスッと
してるんだい
......
面倒見も
いい
自分を
責めてる
のかい?
知らないのは
あんただけた
あんたは
よく働いて
くれる
子供たちには
もう本当の兄貴
のようなものさ
そんなに
責めな
さんな
やさしいんだよ
あんたは
たけぞう
待って
ハアハア
行かない
でよう
たけ
兄ー
また
帰ってきたら
いいだろ
オイラに
剣を教えてよ
たけ兄っ
帰って
きて
たけ兄...
流浪の日々は
終わったはずだった
殺し合いの
螺旋を降りた
もう何かを
探して彷徨う
必要はない
そうか
いい人
いるんだね
まああんたも
見慣れりゃあ
いけてなくも
ないものね
どんな娘だい
話しておくれよ
ホラ
.....
もう
うるさいな
.....
ホラ
かんばり屋
...
え?
まっすぐで
.....
猫のように
真面目
曲がったことが
できない
かといって
堅物...という
わけではなく
いやむしろ
可笑しい
ところも
あって
可笑しい
ところばかり
かも
ふふ...
...
...
オーイ
...
照れてんの
かい?
でかい柄して
何
やってんの
おりて
こーい
......
それから...
人の幸せを
先に願うような
自分よりも
人の...
やさしい
性根の人
俺もお前の
ようであれたらと
何度も思ったよ
おつう
流浪の日々は
終わり
殺し合いの
螺旋を降り
それで何かの上がり
のような気がして
重荷を
下ろした
途端に
何故だ?
光も
見失った
いつの間に
切り離されて
今や
樹々すら
そっぽを向い
俺はまだ強い
誰か斬り
かかってこい
武蔵殿
武蔵殿
宮本武蔵殿
ではある
まいか
貴殿を長い間
探し回って
おりました
...!!
ふたたび
流浪の旅を
始めるかに見えた
武蔵の眼前に
現れたるは何者
か
敵か?
味方か?
それとも...!?
ゴタリ
待て次号
えっ?
おっ
おいーっ
何だよ
まあまあ
そうがっつき
なさんな
話には
順序って
もんがある
小倉の話が
途中だった
ろう
小次郎
小倉での
日々は
#295|純風船i
それは
波乱の幕開け
だったそうな
ふーーっ
やっと
着いたか
はじめは
それなりに
楽しいがすぐに
やることがなく
なるのが船の上
小川
戻ったら
稽古しよう
体が
なまった
そこへいくと
小次郎殿は
ずーっと
上機嫌でしたね
飽きもせず
海が好き
なんだろう
背筋の凍る
剣の冴えを
見せるくせに
普段は
五歳児の
ようですら
ある...
真っ白
すなわち
人に
愛されも
すれば
恐れられ
もする
...??
おや?
小次郎は?
あれっ
さっきまで
ここに
小次郎
......
といっても
聞こえん
のか
小次郎
殿
小次郎
殿ー
ーっ
すごい風
春にはまだ
早すぎる
けど
カサ
ありがとっ
あれっ
ちょうだい
よっ
ーっ
わー
高ー
い
返せー
誰かしら
あれ
良い風
...
他所から
来た
お侍ね...
うおっ!?
おいおい
人にぶつかっといて
アイサツってもんを
知らねえのか?
兄さん
他所モン
だな
.....
オッ
どうした?
待てや
コラァ!!
聞こえんとか
コラ!?
ああ
きっとあの人
本当に聞こえ
ないんだ
耳が!
さっきも
そんな感じ
だっだし
ナメとうとか
貴様!!
お?
るあ!!
!!
オウ
兄ちゃん
いて
あっ
あぶない
...!!!
何だ
フニゃフニャと
...
女みてえな
ツラして
...!!
この野郎ッ
!!
オッ?
何だ喧嘩か
がっ
見ねえツラだ
他所モン
か!
他所モンが
この小倉で
暴れてやがる
ってか!!
いい度胸
...といいてえ
ところだが...
生かして
出すな!!
げふっ!!
やっちまえ
!!
二本差しだが
かまうもんか
二度と小倉を
歩けねえように
してやれ!!
何だろう?
賑やかだな
お祭りには
早いし
うわっと
オイ
降りた方が
いいぞ
あ...
.....!
あれ?
ぐふっ
...!!
アー
おお
らァ
!!
この
!!
うおっ!?
この野郎
れ?
がっ
ぐっ
ええ?
ン?
何見てんだい
あっ
おい
子供が
落とせ
流されてる
マズい
引き潮
だ.....!!
どいて
くれ!
!!
うちの
待た.....!!
畜生
...
わあ
..
・
「っ!?
うおー
....!!
お.....
うおお
ヒクッ
ひっく
!!
アー
野郎....!!
他所モンに
先を越される
たあ...
男だ
あいつは
遅れを
とるな!!
うおー
!!
キャホ
きゃあ
ーっ
冷てー
ずおー
キャ
ハア
な...
俺も
行く
うおー
いいぞ
一体
何の騒ぎ
だ!?
あっ俺
泳げないん
だった
ギャー
じいちゃんは
やめて
阿呆か
あー
ーっ
わはは
冷てえ
寒いっ
死ぬ
ワッショイ
よかったなあ
坊!!
ワッショイ
何だ
これは
ワッショイ
.....
......
おや
先生
やあ
ちょっと
寄ってくかい
小次郎先生
がんりゅう
さま!!
巌流先生
ごきげん
よう
あっ
こじろう
先生だ
こんにちは
!!
豊前小倉は
一日で
小次郎の町に
なった