AmTERZOONKの

ホテルの

マイUKIMUR

見える!

大丈夫だ

よく見てけば

かわせる

当たらなきゃ

どんな武器も

ないのと同じだ

第36話

第36話、戦場のふたり

幸村誠

昨日、

やるのゥ

あのチビ!!

大将に

一撃

入れたぞ!!

ああいう

はしっこいのは

しぶといぜ

こりゃ久々に

いい勝負が

見られるか?

クソ!

斬れねェ

下に

鎖かたびらを

着てやがる

お気に入りの

服が!

ウム!

オレの斧を

恐れないか

度胸は

まずまず

そのへんは

トールズの

ゆずりだな

デカブツ

てめェ...

父上の

なんなんだ?

何を

知ってる?

トールズから

なんも

聞いてないの

お前?

あいつも

薄情だなァ

......元は

高貴の出だと

聞いてる

貴族なのは

嫁のヘルガの

血筋だ

トールズは

剣の腕で

成り上がった

のさ

もっと

聞きたい?

聞きた

かったら

聞き

たい?

........

なァ

トルフィン

もう少し

オレを

楽しませる

ことだぜ

...フン

楽しませて

やっても

いいけどな

口が利ける

程度に

手加減すンのは

難しいぜ

ちゃははは

マジ

スかー

!?

大将に

手加減するとさ

あのチビ!!

ハラいてェよ

いやーーン

まいった!!

お手やわらかに

よろしくーー!!

まはは

マホやアホ

なんか

おかしいか?

ハぶ

トルフィンは

俺の認めた

戦士だ

わらうな

トールズは

オレより

強かった!

自分がまさしく

トールズの子で

あると

証明してみせろ

トルフィン!

バカガキめ

死にに戻って

きやがって...

マズいぜ...

トルフィンが

ここにいるって

のは...

今王子の護衛には

ビョルンひとりしか

いねェってことだ

ヤツだけで

10人の追っ手を

相手にするのは

荷が重いぜ...

...近くで戦の

声がする...

ああもう

いい加減にしてくれ

他にすることは

ないのか?

ああ

もう

静かに

してくれ

目を開けたく

ないんだ

このまま

寝ていたい

このまま

すっと...

...下

......殿下

クヌート

殿下...

ラグナル...

......

お前

生き.....

......!

これは...

夢なのだな?

ラグナル...

...はい

お別れを

申し上げに

参りました

逝くのか

僕を

残して...

僕ひとりで...

こんな世界で

生きてゆけと

いうのか

生きて

ゆけると

思うのか

.....

......!

...私めは...

あなた様の

教育係として

失格でした

あなた様を

王者として

ではなく

ごく

普通の...

それこそ

農民が我が子を

育てるがごとくに

して参りました

それが

スヴェン王陛下の

お望みではないと

知りつつ...

お赦し

下さい...

僕は!

何がいけないのだ!!

お前は父王陛下より

僕自身の望みを

汲んでくれた!

王家になど

生まれたくは

なかったんだ!

僕はっ

お前の子に

生まれて

いたら

どんなに...

よかったかと

......

殿下.....

うれしゅう

ございます

いかないで

お前が

好きなんだ

失って

識ることが

ございます

あなた様は

すでに

お気づきでしょう

私めのことは

夢で

ございます

もはや

目覚める

時が

来たのです

お健やかに

殿下...

ラグナル.....

ビビるなァ

相手は

ひとりだ!!

一斉に

かかれ!!

......

お体

痛みは

ございません

か?

あの者達は

殿下を争って

戦っているのです

あなたは

勝者のものに

なります

......神父で

あろう

そなた

止めようが

ありますか?

争いを

止めぬのか?

ゴッキュ

死にたい者は

死なせてやれば

よいのです

.....夢を

見た

ラグナルの

夢だ

別れを

告げられた

死んでまで

律義な

男だ

もう

この地上に

私を

愛してくれる

者は

いなくなった

それは

大いなる

悟りです

だが

惜しい

ラグナル殿の

あなたへの思いは

愛ですか?

彼はあなたの

安全のために

62人の

善良な村人を

見殺しにした

殿下

愛とは

なんですか?

第3話終わり

競技術論議、愛の定義

へーイ

バッチこーい!

いくわよー

!!

がい

しゃー

ーす

そー

ーれ

おお!

2本も

当たってる!

デュレと

エリック

決勝進出

誰の

矢だ!?

っしゃー

ーッ!!

デュレに

賭ける奴は

こっちだー

早くしろー

しっかし

よォ

手応え

なかったなァ

こいつら

こっち側

ほとんど死んで

ねーんじゃ

ねェか?

ちょい

ちぃこいな

コレ

まったく

なァ

強ェ奴らに

お目にかかるのは

難しいよ

ヤリィ

金の指輪だ

いつまでたっても

ヴァルハラに

行けやしねェ...

おーー!

こりゃ上等な

手袋だな

いいな

もう片方が

ねェな

コレの左手

そのへんに

落ちてねェか?

さっきから

盛り上がってンな

あっち

このクツと

かえて

くんねェ?

ギスチリロロロ

そっちのけで...

まだ

大将の決闘

続いてンのか?

まさか

秒殺だろ

いつもみてェに

なら何で

あんなに

大コーフン

してンだよ

おオレ

見てくるワ

......

あ!

オレも

オイオイ

どーなってン

だよ!?

にげんな

マジかよ...

あの大将が...

やられっ

ばなしじゃ

ねーか!!

あんな

小僧に!!

いいぞ

トルフィン

お前に敵う奴ァ

オレの手下にも

5人といない

だろう

やっぱり

前に見たのと同じ

鎖かたびらか

手足の腱を

狙うのは

有効だ

焦るな

ロンドンでは

急所狙いで

踏み込んで

痛い目を見た

とどめは

ヤツの動きを

止めてからだ

......

だがなァ

トルフィンよ

確かに強いが

お前の剣は

なにか...

なんかこー...

フツ~~~

ってカンジ?

戦士として

完成するには

何かが足りない

自分でそう

感じたことは

ないか?

トルフィンよ

.....へっ

ならその

未熟な戦士相手に

コテンパンのてめェは

なんなんだよ

トルケル

そうさ

オレにも

足りない

トールズの子の

お前からなら

それを学べると

思ってたんだが

見込み違い

だったかな

なァ

トルフィンよ

お前は

どう思う

本当の

戦士って

なんだ?

!!

クソッ

考えるな!!

野郎の

作戦だ!!

オレの心を

かき乱して

スキを誘う

つもりか!!

......

...わからんか

まァ

気にすンなよ

そんなには

期待して

なかった

姑息な

手を...!!

ムン!!

っと...

アレ?

だー

もー

ーっ!!

なんの!!

見切られ

てるぞ!!

アヂ!!

ぬう

イチチ

クソ!!

まだ浅い!!

肘かヒザを

壊さねェと

だーから

見切られてるっ

てばよー!!

戦法

かえろ

よー!!

大将ー

ーッ!!

!?

ぬん!!

!!

プアッ

あれ?

どこ

行った?

...!!

足のバネで

オレの蹴りの

衝撃を

殺したか!

やるね!

え!?

...

あグ

あそこ

だ!!

うはー!!

あーれは

死んだろー!?

さすが

大将!!

すげー

ーっ!!

......

...クソ...

オレの

最後の

手駒が...

いよいよ

万策

尽きたか...

......

......愛とは

なにかだと?

ラグナルは

私を愛して

いなかったと

いうのか?

........

.....はい...

......ならば

問うのは

私のほうだ

ラグナルに

愛が

ないのなら

正しく愛を

体現できる者は

どこにいるのだ

そこに

居ますよ

ホラ

彼は死んで

どんな生者よりも

美しくなった

彼は

もはや

そのものと

いっていい

憎むことも

殺すことも

奪うことも

しません

彼はこのまま

ここに

打ち捨てられ

彼はこのままここに打ち捨てられ

その肉を

獣や虫に

惜しみなく

与えるでしょう

すばらしいと

思いませんか

風には

さらされる

まま

雨には

打たれる

まま

それで

一言半句の

文句も

言いません

死は

人間を

完成させるの

です

...

.....愛の

本質が..

死だと

いうのか

はい

.....ならば親が子を..

.....ならば

親が子を...

夫婦が

互いを

ラグナルが

私を

大切に思う

気持ちは

一体

なんだ?

差別です

王にへつらい

奴隷に鞭打つことと

たいして

かわりません

ラグナル殿に

とって

王子殿下は

おそらく

彼自身の

命よりも...

他の誰よりも

大切な人

だったのです

彼は

あなたひとりの

安全のために

62人の

村人を

見殺しに

した

差別です

...

そうか...

わかって

きた...

まるで

霧が

晴れていく

ようだ.....

この

雪が...

なのだな

そうです

あの空が

あの

太陽が

吹きゆく

風が

木々が

山々が..

......

...なのに...

なんという

ことだ...

世界が

神の御技が

こんなにも

美しいと

いうのに...

人間の

心には

愛が

ないのか

.....私達が...

このような

生き物に

なってしまった

のは...

遠い祖先が

神に背き

罪を犯したせいだと

いわれています

私達は

楽園から

追放されたの

です

ぐ..

第3話終わり

む...

む?

え!?

!?

あれ!?

多数お前は、ゆりかこの外

ハフ...

ズズ...

決着が

ついた

ようですね

だが...

いかんな

あの者は

正気を

失っている

正気の人間が

この世のどこに

いるのだ

殿下

お逃げに

なったほうが

よいでしょう

......正気?

みな

同じ

みな

同じだ

誰もが等しく

愛することを

知らぬので

あろうが

生の

意味を

知らず

死の

意味を

知らず

己の戦う

意味さえも

知らぬ

.....殿下

もういい

もう

うんざりだ

第3話終わり

第34話。王の目覚め

智を得て

かわりに

失った

もの

最も

大切な

もの

そして

それは

生ある限り

私達の手には

入らぬもの

手には

入らぬ

それでも

それでも

追い求めよと

いうのか!

天の

父よ!

あわれな

戦士

最も

愛より

遠き者

楽園を

追われし

者よ

そなた達の

罰の苦しみは

死より他に

終わらせる術が

ないのか!?

我々の生は!

試され耐え続ける

ためにのみ

あるというのか!

天の

父よ!

あなたの与える

試練では

この者の魂は

救えぬ!!

ガ...

ウ...

グァウ..

父よ

もはや

あなたの救いは

求めぬ

あなたが

与えて

くれぬなら

我々の

手で

この地上に

再び

楽園を.....

あれ?

王子?

!!

王子!!

無事か!?

やめんか

馬鹿者!

むっ

無益!?

深手

だな

これ以上

無益な争いを

するな!

大丈夫

か?

くそっ...

ぬかったぜ

動くな

腹をやられて

いる

ヴィリバルド

!!

ビョルン様とも

あろう者が

この者の

手当てを

しておけ

私は

散った馬を

捕まえる

そなた

手伝え

殿下..

私は;

奇跡を

見ました

黙って

手当てに

かかれ

おい!!

ちょっ...

王子!!

行かせねェぞ!

あんたの身柄は

トルケル軍に

引き渡す!

馬に乗って

どこ行く

気だよ!?

もとより

トルケルの所へ

行くつもりだ

でないと

オレの仲間

が.....

連中に

ソリを借りねば

そのケガ人は

運べぬ

なっ

ばっ

.....!!

寝言

ぬかすんじゃ

ねーぞ

このガキ!!

このオレ様が

何のために

ズタボロんなったと

思ってんだボケ!!

テメェがトルケルに

捕まっちまったら

意味ねーん

だよーーッ!!

......

.....意味?

こんな戦いに

意味などない

意味

だと?

そなた達の

戦いのか?

だからもう

死ぬな

戦士達よ

私の家臣に

なれ

戦わねばならぬ

時と相手を

教えてやろう

そなた達の

戦いに

生と

死に

意味を

与えてやろう

それが

王の務めだ

...?

...

...へいい

誰だ.....?

テカいな...

ああ

そうか

決闘の

最中

だったっけ

何?

なんだって?

決闘?

決闘.....

くそっ!!

くそっ!!

寝てる場合か!!

寝てる

場合か!!

立ったぜ

オイ!?

てゆーか

生きてるよ

まだ

やれそー

だな

手当ての

時間を

やるよ

体を

調べな

なめんな!!

テメェの情け

なんざ要らねェ!!

いや

情けって

いうか

さすがに

それじゃー

戦えない

だろ?

っせんだよ

自分の心配:

ブラン

ねー?

ホラ

ちょ

ちょ

ちょ

おい

おっさん!

コラ!

クッソ!!

ヤベェ!!

いーよ

やらせて

やれ

誰か

オレのイス

もってこい

ケリー発で

状況が

ひっくり返った!!

どうする!?

どう勝つ!?

腕一本で!?

あの怪物に!?

いいや

その前に

折れたほうを

なんとか...

みせて

みろ

戦れる

ように

してやる

いいから

みせろ

トルフィン

ひっこめ

ハゲ!!

触んな!!

いらねェ

世話だ

テメェの

傷の

手当てでも

してろや

これでも

骨つぎは

慣れてる

熱くなるな

お前の

悪いクセだ

冷静に

冷静に

勝つ方法を

考えてみろ

トルフィン

勝つ為に

何をしたら

いいと思う

トルフィン!

久しぶりに

楽しませて

もらったぞ

手当ての間

お前の親父の話を

聞かせてやろう

約束だからな

ヨーム戦士団を

知ってるだろう

バルト海の戦王

シグヴァルディの

軍団だ

......!

オレ様と

お前の父

トールズは

その軍団の

戦士だった

質問して

話を

長引かせろ

添え木を作る

ナイフ借りるぞ

2人とも

大隊長だった

大隊長は

4人しかいねェ

当然強くねェと

なれねェ

トールズは

強かった

並の戦士じゃ

入団さえ許されない

ヨーム戦士団にあって

「戦鬼」と

仇名される程にな

ヨームの首領は

奴を気に入って

娘の一人を与えた

それが

お前の母

ヘルガだ

...ヨームの

首領が...

オレの...

祖父なのか?

そうだ

そしてオレの

兄でもある

つまり

オレはお前の

大叔父って

ことだな

どうだ

痛みを忘れる

話だろう

へー

大将の

親戚?

うそォ

マジかよ

けっこう

お坊っちゃま

じゃねェか

あいつ...

最後の戦は

ノルウェーの

ヒョルンガバーグ

負け戦だった

海戦の最中

トールズは

重装備のまま

海に落ちて

そのまま

浮かんで

こなかった

死体の

ないまま

葬式をした

オレァ

泣いたよ

いつか奴を

倒すつもり

だったんだ

オレの

この手で

もちろん

お前にゃ

言うまでも

ないけどな

トールズは

死んでなんか

いなかった

オレが奴と

最後に

会ったのは

ヨムスボルグ

奴の葬式を

すませた

3ヵ月後だった

そん時の

トールズは

もう...

オレの知ってる

〝戦鬼〟とは

全くの別人に

なっちまってた

第39話終わり

第40話トールズ伝

ヨーム戦士団本拠地

ヨムスボルグ

987年

よし

見回りが

行った

出るぞ

...

小船を

盗む

濠から

港まで

走れるか?

!!

はい

おい

そこの

小汚え

ふたり

コソ泥か

テメェら

ここが

戦士団幹部

トールズの家だと

知っててか?

...

トルケル...

普段

なら

このトルケル様は

コソ泥なんざ

放っとく主義

なんだが...

友人を

亡くした

ばかりでな

近頃

機嫌が

悪い

フン!

!?

トールズ...

...?

おま...

え!?

お前っ

なんだよ

お前......!!

トールズ

!!

ッだこの

バカ野郎

生きてん

じゃん!!

まーて

まは

何ヵ月も

どこほっつき歩いて

いやがったんだよ!?

テメェの葬式

あげちまったじゃ

ねェかよー

!!

わわかった

わかった

落ちつけ

トルケル

心配かけて

すまなかったな

お?なんだ

よく見りゃお前

ヘルガじゃ

ねェか

はっはっ

どしたオイ

夫婦そろって

小汚えカッコ

してからに

あのゥ

巡礼帰り

みてェだぞ

トルケル

叔父さま...

すみません

叔父さま

私達.....

首領には

もう

会ったのか?

やっぱなァ!

海に落ちた

ぐらいのことで

お前が死ぬはず

ねェもんなァ!

なに?まだか

よっしゃ

叩きおこして

きてやる

ビックリすんぞ

トルケル

トルケル!

オレの

話を

聞いてくれ

おう!

つもる話は

館でしようや

オレン家

こいよ

いい蜂蜜酒が

あるんだ

なに?

どした

トールズ

首領には

会わない

オレ達は

ここを

出ていく

何しに?

今からか?

明日にしろよ

つーか

帰ってきた

ばっかだろ

この町.....

ヨーム戦士団を

抜ける

今夜

オレに会ったこと

忘れてくれないか

トルケル

......

え?

なに?

ギャグ?

......

戻ってきたのは

ユルヴァと

ヘルガを

連れ出すためだ

葬式を

したのなら

ちょうどいい

一緒に行くと

言ってくれた

このままオレは

死んだということに

しておいてくれ

頼む

トルケル

.......話が

見えねェよ

なに

言ってんだ

突然

ヘルガ

お前

戦が嫌い

だったな

叔父さま

お前が

トールズを

そそのかしてん

のか?

違う

オレ自身の

考えだ

もう

戦は

しない

だから!

話が

見えねェって

オイオイまさか

こないだの戦で

死にかけて

ビビったなんて

言わねェよな?

お前...

帰って

くるなり...

マジでさァ

笑えねェよ

それ

首領はお前を

後継者にって

考えてンだぞ

わかってンの?

......すまん

......

疲れてん

だろ?

とりあえず

今日はもう

食って寝ろ

トールズ

オレは...

わかったんだ

本当の

戦士とは

何かが

だから

もう

軍団には

いられない

その時..

やっと

気づいた

トールズは

マジだと

あの眼...

遠くを

見ている

ような

オレを

哀れむ

ような

今でも

忘れられねェ

掟は

知ってるな

首領の

許しもなく

抜ける奴は

死刑だ

ホーギー

トルケル様

何事ですか

!?

...

なんでもねェ

物乞いを

からかってる

だけだ

行けよ

物乞い?

こんな

夜中に...

はッ

!!???

貴様!

フードを

とれ

顔を

改める

失礼

致しました

!!?

行けって

言ってんだろが

殺すぞ!!

お〜〜〜おっかねェ

トールズ様が

亡くなってから

ずっとああだぜ

ツイてねェな

あの物乞い夫婦

ブッ殺されるぞ

ここは

戦士の都だ

戦しか

能のねェお前が

ここを去って

どこに行く

...

......

おギャァ

ここでは

ない...

どこかだ

トールズ...

いいじゃないですか

大丈夫

下がって

なさい

元気でな

トルクル

お前

剣は?

要らん

......!衛兵に

揺り起こされて

気がついたら

もう

トールズ達は

とっくに

消えていた

ヘルガが

消えたことで

ひと騒ぎあったが

オレは

しらばっくれた

それが

仁義だと

思ったからだ

それから

15年経って

トールズが

今度こそ

本当に死んだと

知った

あの有名な船乗り

〝幸運者〟レイフが

死体を届けにきた

ヤツの

親友だった

そうだな

くそ.....

情けねェ

父上を殺した

その張本人に

傷の手当てを

されるとは...

あの中に

レイフ・

エイリクソンが

いたのか

ふゥん

そん時

オレはもう

泣きは

しなかった

知らな

かったな

奴のことを

15年間

考えて

肉体の

生き死には

問題じゃねェと

気がついていた

戦士に

大切なのは

その

ありかだ

奴の魂は

遠くへ

行った

オレにはまだ

理解できない

オレにはまだ

届かない

ここでは

ない

どこかへ

きっと

そこで

「本当の戦士」

ってやつに...

なったんだろう

トルフィン

お前は

その後の

トールズを

知っている

アイスランドで

奴はどんな風に

過ごしていた?

教えてくれ

やなこった

なんでオレが

テメェなんかに

父上のことを

話してやらにゃ

ならねンだ

.....フン...

えェ!?

オイ!!

オレは話して

やったじゃねーか

ここはお前

ギブアンドテイクって

やつだろーがよ!!

ヘン!!

けちんぼ!!

つーか

どうせお前

アレだろ

話さないんじゃ

なくて

話せないだけ

なんだろォ!?

眼を見りや

わかるぜ

ヤツとは

似てねェ

あの不思議な

輝きがねェ

お前は

トールズから

なにも

学ばなかった

それが

バレるのが

恥ずかしいンだ

そうだろォ?

...っだと

この..

貴重な

ヤツとの日々を

無駄にした

よせ

トルフィン

アバラも折ってる

お前が考える以上に

お前はボロボロだ

放せ

テメェから

殺すぞ

普通に戦れば

間違いなく

負けるぞ

か.....っ

ホレ

見ろ

クゥ......

......!オ

お前の勝敗は

今やオレの

生死だ

だから

教えてやる

あの

バケモンの

倒し方をな

......

...デタラメ

言うなハゲ!

戦は

将棋とは

違うんだよ

坊主

だが

今は違う

倒し方を

知ってンなら

なんで今まで

トルケルと勝負

しなかった!?

自分に勝てば

逃がしてやると

あのバケモンは

言った

大将を倒して

ハイ終わりって

そーゆー単純な

もんじゃねェ

野郎は

戦士の誇りを

重んじる

だから

決闘の誓いは

きっと守る

......

お前の

戦う目的を

思い出せ

決闘でオレを

倒すこと

そうだろう?

今だけでいい

オレを参謀と

認めろ

オレ達ふたりが

この場を

生きのびる

ためだ!

第10話終わり

第41話、共闘

まっすぐ

東だな

東って

なにがある?

逃げ込まれると

やっかいだな

ちっと急ぐか

ダービー

...かな

あーあ

貧乏クジ

ひいたぜ

スヴェン王の

支配下の

町だ

オレ達だけ

王子の追跡

なんてヨ

まァボヤくなよ

王子を捕まえたら

全員に銀1ポンドずつ

くれるって

アスゲートが言ってたぜ

いやカネも

欲しいけど

さー

ここしばらく

大将に一騎打ち

挑む奴なんて

いなかったもんな

大将の

決闘も

観たいよ

秒殺だって

どーせ

身の程知らずの

オロカ者だよ

若い時にゃ

ありがちさ

たいした

奴だよ

あの小僧

ンでもオレァ

死ぬ時は大将に

殺されてェな

あの世で

オーディン神に

胸を張れる

違ェねェ

オレもだ

あのトルケルと

決闘の末に

死にました」

ってな

あの人は

ケタが違う

神々がたまに

人の姿に化身して

この世に現れるって

いうじゃんか

大将が

トール神なら

クスート王子は

フレイヤ神か?

そりゃいーや

きっと大将は

雷神トールの

化身だぜ

女神

じゃん!!

まァ

男神じゃ

ねェわな

あらやだ

股の間に

ヘンなもの

ついてるわン」

ビっぽぃけど

生娘だなーオイ

なんでか

間違え

ちゃったん

だなー

ハイあたると

おい

おい!!

アレ?

フレイヤの

化身だ

こっち

来るぜ

??

なんだ

なんだ?

観念

したのか?

やったぜ

銀1ポンド

!!

まァいいや

手間が

はぶけた

よォー

王子!

久しぶり

今日も

美人だね

高貴な方が

お供ひとり

ってな

さびしいね

オレ達も

ご一緒

しちゃうぜ

おとなしく

ついてくりゃ

手荒なことは

言葉を

わきまえよ

下郎ども

王の前で

あるぞ

非礼は

許さん

トルケルに

会う

そなた達

先導せよ

......

あれェ

??

あんな...

だったっけ?

あの王子...

痛むか

トルフィン

動きに

キレがないぜ

アシェラッドは

あきらめて

降参すっか?

えェ?

〜っ

おわァ

っ!?

ざっけんな

チビー

てめー!!

逃げてんじゃ

ねーぞ

コラー

!!!

往生際が

悪りィん

だよー!!

最期まで

誇りをもって

戦え

トルフィン!!

なんだァ

そのザマァ!!

トールズの

名を

汚す気か!!

今は

耐えろ

トルフィン

挑発に

乗るなよ

勝機の

ないところに

勝機を

つくるんだ

辛抱が

要る

無傷の時でさえ

お前はトルケルの

急所の間合に

踏み込めなかった

満身創痍の

今なら

なおさらだ

奴のほうから

近づくように

仕向ける他はない

あれは

モールドンの

戦だったか

激しい戦い

だったな

あのトルケルでさえ

重傷を負った

くらいだからな

敵将

ブリトノートは

強かった

ほんの

一瞬だが

あの

無敵の

トルクルカ

確かに

見た

ヒザから

崩れ落ちる

瞬間を...

うまいぞ

短剣がお前の

手にある内は

トルケルは

油断しない

こちらは

万策尽きたと

奴に思わせるんだ

それで

いい

どうした

トルフィン

もう

逃げ疲れた

のか?

ガッカリ

だなー

も少し

根性みせるかと

思ってたのに

トールズも

あの世で

泣いてるぞ

いい

位置だ

よくやった

トルフィン

終わりは

あっけねェ

なァ

まァまァ

よくやった

ほうだよ

みっともねェ

逃げ回り

やがって

そうだ

トルケル

詰めて

こい

トルフィンは

もう

何もできない

とどめを

刺しにこい

あとは

瞬の隙

んっ

確かに

見た

奴の

弱点は...

ぐっ

...

お......

ぐ.....

おー...

大将!!

バッカ野郎

大詰めで

悪いクセが

出やがった!!

!!

トルフィン!!

右だ!!

得物も

なしで...

くっ

殺せ!!

あのガキを

全員で

かかれ!!

くそ!!

死ね

小僧

テメェら

...!!

よくもオレに

恥をかかせて

くれたな...!!

でっ

でも

大将

よくも

オレの決闘を

穢してくれた

なァッ!!

恨んで

くれていい

だが決闘は

これで終わりだ

アスゲート

てめェ...

戦士の

誇りとは

なんだ

言ってみろ

あのガキは

殺す

ガラッ

オレを

殺すなら

殺せばいい

だがアンタは

生きろ!!

アンタの

他に誰が

......

一体誰が

この500人の

ケダモノどもを

まとめられるって

いうんだ!!

こりゃ

おどろいた

トルケルの

手下にも

人物が

いるじゃねェか

...

くっ...

そこまでだ

しずまれ

戦士達

くそ...

オレが

せっかく..

これ以上

争っては

ならぬ

この戦で

死ぬ者は

犬死に

だぞ

第4話終わり

第42話、裁定

そんな...

バールズ...

ウルフ...

ハーコン...

耳...

ぜ...

全滅......

なのか...!?

あの

アシェラッドの

軍団が...

兄者!!

兄者か!?

生きてる

のか!?

トルグリム

ケガは!?

体は大丈夫

なのか!?

すまねェ

オレがもっと早く

王子を連れ帰って

いれば...

おじさん

だれ?

...

...

兄者?

飽きも

せず...

よくも

これほどに

殺し合う

ものだな

王族だろうと

神々だろうと

決闘に水を差す

権利はねェ

ひっこんでな

お嬢さん

もはや

決闘の

様相では

あるまい

トルケルよ

そなたも

一党の首領ならば

誇りと潔さとを

部下たちに示して

みせるがいい

うるっせんだよ

どぃつもこいつも

よォー

あー

ッ!!

!!

シなことテメェに

言われなくても

わかってンだよ

クソガキィイ!!

ピタッ

トルフィンを

放せ

この決闘は

オレの負けだ

大将は

負けてねェ!

オレ達が邪魔を

しただけだ!

だまれ

ボンクラども!!

作法を知れ!!

オレの

負けだ!!

ちったァオレにも

格好つけさせろ!!

......

アスゲート...

......大将の

命令どおりに

しろ

あああ

不愉快だ!!

50年生きてきて

今日ほど

不愉快な日は

ねェぜ!!

酒!

ハゲ

おい

奴の気が

かわらねェうちに

ズラかるぞ

...行きたきゃ

ひとりで行けよ

オレは

残る

グズグズ

すんな

ナメてんのか

テメェ

殺すぞ!?

オレが

何のために

ここまで...

ギャーギャ!

わめくんじゃねェ

黙って見てろ

いいトコ

なんだ

なんで

いたがらねェんだこの人...

で?

テメェは

なんなんだ

王子様

のこのこと

ケンカの仲裁に

来たわけか?

ソリと

食料を

所望する

代金は

あとで必ず

届けさせよう

それと

トルフィンと

アシェラッドは

私の従士だ

連れて

いくぞ

パーか

お前は

懐に飛びこんだ

エモノを

黙って逃がす

猟師がいるか?

おい

チンピラ

ども!

王子様を

丁重に

スマキにして

さしあげろ

王子は

あきらめろ!!

欲かくんじゃ

ねェッ!!

うるせェ!!

いいから見てろっ

父王の軍団と

まみえる際に

息子の私が

切り札になると

そう考えて

いるのだな

トルケル

はい

王子様

アンタは

エサであり

人質であり

金ヅルだ

それが

なにか?

私に

触れるな

下郎

下がれ

逃げは

せぬ

ほォ...

......短い間に

おクチが一丁前に

なったじゃねェか

何が

あった?

昨日オレ達が

寄った村に

ラグナルの死体が

あったぜ

王子様

...トルケルよ

私に人質の

価値はない

なぜなら

父王は...

......

...父は

私を

愛してなど

いないからだ

父は王位を

兄ハラルドに

継がせる

私は

兄の身に

もしものことが

あった時のための

備えに過ぎぬ

備えに

過ぎぬ

そのために

17年間

生かされてきた

だが

私にもデンマークの

王位継承権が

あり

父の財産を

分割相続する

権利がある

それは

臣下の者々の

野心を刺激し

王国の基を

危うくさせ始めた

私の生存は今や

父王と王国にとって

憂いの因だ

......そなた

果実の育て方を

知っているか?

大きな実を

実らせる

ためにはな

出来の

悪い実は

早いうちに

もいでおくのが

よいそうだ

つまり

スヴェン王は

オレがアンタを

殺すことを

期待している

...と

暗殺や幽閉に

比べれば

戦死は穏当だ

まあ...

要は

父王自身の手が

子殺しに汚れぬ

ことだな

王子の話が

本当だという

証拠はねェ

大将

どっちにしろ

捕えておくに

越したことは

ねェぜ

テメェは

黙ってろ

今王子と

話してンだ

......

王子は

ウソを

言ってねェ

仮に...

オレが

このままアンタを

見逃したと

してだ

どこへ

行く気だ

その

状況で

ゲインズバラの

軍団本営へ

父王と

ケンカだ

勝てると

思ってンのか

おめでてェな

すべきことを

するだけだ

ラグナルは

もう

いねェんだぜ?

惜しむような

命ではない

どうせ

オレァ

「命は惜しくない」

なんてぬかす奴で

腐るほど見てきた

たいていは

どいつも

口先だけだ

大の男が

カル〜〜く一発

こづいただけで

泣いて命乞い

しやがる

テメェも

そのクチだろ?

あァ?

.....!!

ヒッロー

......チッ

いやな

眼だ

いやな眼だ

こういう眼には

見覚えがある

なんなんだ

お前らは

一体その目で

何を見てる?

......な

なんだよ

黙りこんで

何かまた

妙なこと

考えてるな

.....

野郎ども

こんな

オレでも

な...

たったひとつ

後悔してる

ことがある

「なぜ

あの時

オレは

トールズについて

いかなかった

のか』

ってな...

残念だ

あン時奴に

ついてって

いれば...

「本当の戦士」の

秘密を知ることが

できただろう

...まァ

スヴェン王と

戦ることに

変わりはねェしな

よし!

決めた!

そのケンカ

助太刀しよう

オレァ

アンタに

ついてくぜ

王子

あァ!?

アンタが

これから

何をして

何者に

なって

いくのか

この目で

見届けて

やるぜ

そのかわり

ヌルいことばっか

してやがったら

即ブッ殺して

やるかんな

...いいだろう

覚えとけ

そなたは

今日より

私の

従士だ

え......?

どっ......

じゃ

オレ達は

どーゆー...

...クック

そりゃあ...

大将が

ついてくって

ことなら

やっぱ...

くはっ!!

.....?

なんだ

あの野郎

まだいたのか

クヌート

殿下

ラグナル殿を

殺したのは

私です

お斬り捨て

下さい

ばっ...

ですが

もし

生かしおき

下さると

いうのであれば

お役に

立ちます

この一命に

かえても

ラグナルの

分も働け

それが

弔いだ

は!

必ず!

なんだオメェ

マネっこ

すんなよな

なにが

マネだ

家来に

なったのは

オレのほうが

先なんだよ

まともかく

仲良く

やろうぜ

おめェの手下は

あらかた

殺しちゃったけど

水に流せやナ

.....へっ

どうしたって

水に流すしか

ねェだろが

ついてきたい

者は

ついてこい

スヴェン王を

玉座から

引きずり下ろす!

フィンランド・サガ6終わり

いや...

航路

トリフィンの参航路

潜伏場所を発見されたアシェラッド軍が逃亡を図るも、クヌートとトルフ

『るも、クヌートとトルフ

を追うトルケル軍に

捉され戦闘に突入する

アイリッシュ海

アシェラッド兵団

子定進軍路

ヨムスボルク

ヨムスポルグ当代最強と言われ、かつてトールズも一員だったヨーム殿士団の本業をがある法罰。

当か一戦が

ってトー

われ

しズ小王国好き

イギリス海峡

ドーヴァー海味

インズバラ

クヌートの父であるスヴェン王が

イングランド制圧の拠点として

軍を駐留させている

メモリーその1

この熊谷村人...まだと

なに?

どうしたの

ユルヴァ?

うっ...ういんらんど、さが

くまがいはいと

剣が欲しいか

トルフィン

剣は人を

殺す

道具だ

お前の

敵は

誰なんだ

お前に

敵などいない

誰にも

敵など

...コレおこられないかしら?ナニ木さんに、

幸村誠による熊谷林人紹介一本作の最悪のコンスタントさんです。しかしまー器用な子。

いない

のだ

でも父上は

明日敵を

殺しに行くん

でしょ!

父上が

ウソを

言ってること

ぐらい

ボクにだって

わからい!

ヘルガ

あの子を

たのむ

はい

メモリーその1

かかって

こいよ

おまけ漫画

戦士なら

スカッと

気持ちよく

死んでみろ

あや

メモリーその2

だーめだ

コリヤ

中身が

抜けて

いっち

まった

まぁお

アシェラッドに

手を出すな!

トルフィン

そいつは

オレの

獲物だ!!

メモリーその2終わり

添取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。

ンランド・サガ(6)

発行者

発行所

2012年9月1日発行(01)

清水保雅

幸村誠

®MAKOTOYUKMURA2012

株式会社・講談社

〒112-8001

東京都文京区音羽21221