ヴォンランドオガワーキ お喜び申し上げます陛下 ししかしフローキ様ダービーからの報告では... あのクヌート殿下が!! トルケルを従えて生還するなど決してあり得ぬ!! 戦る気か?相手になるぜ 私が帰還する旨数日前に使者を送ったはずだぞフローキ 槍を以て出迎えるのが貴様の礼か? ピーーヒョロリー... どういうことだなぜ貴様が殿下と... 貴様はデンマーク王家に対し弓を引く気かと訊いているのだ わわがヨーム戦士団はあの... 情報を確かめもせずに用兵するな 王陛下の館へ私が夕刻までに参じるとの報告をしておけ ゲインズ/バラ城市内デンマーク軍団本営 慌てるなゆっくりでいい 王子殿下から特別に部屋をいただいた 今はゆっくり休めビョルン 命懸けの報酬にしちゃせまい部屋だ 傷の場所が場所だからな... 下女が来るまでに死んでるかもしれねェぜ ...そういやアトリの奴がな ...そういやアトリの奴がな お前に詫びいれたいって言ってたぜビョルン バカ言え戦場での斬った斬られたは恨みっこなしだぜ グジグジ根に持つのはトルフィンだけだ スヴェン王のツラを拝んでくるぜ お前の足の傷の具合はどうだ? しこたま矢をくらったからな完治はまだ先だ ちっとぐれェ剣を使うのには障りはねェ 今はまだ仕掛けてはならぬ 根回しのための時間が要る 私の味方はこの軍中に少ないスヴェン王にただ手向かえば反逆者となろう オイオイそーゆー話を道の真ン中ですンのかよ? 部屋でするより間者に聞かれにくい トルケルそなたは一度デンマーク軍を裏切ったとはいえ今も戦士達には人気がある ...うまりあれかい? アンタのおごりでジャンジャカ酒飲めってこと? 幕下各部族の首領達と親しく交わり関係を修復しておけ 他の首領を誘ってだぞ忘れるな 素っ晴らしい命令だ!! アンタについてきて正解だったぜ アシェラッド今から私とともに王に会え そなたの人物評を聞きたい アシェラッドそなたなら今後の計画をどう立てる は戦略は短期的には暗殺がよろしいかと 兄王子ハラルド殿下は遠く国元にいらっしゃいますこれは好機です 地位の順列上今王陛下が崩御されればこのイングランド方面事最高指揮官はあなた様ということに ...この場合我々の他に暗殺の犯人をでっち上げる必要があります。 なるべく有力な武将がよいでしょう 今後は私の護衛以外にも働いてもらうことに、頼むぞなるだろう このバカへは私から指図をしておきます オレァお前の手下になった覚えはねぇぜ こうしている今も我々のことを見ていらっしゃるのだろうな... そんな様の全てを天空の高みから見下ろしておられるのだろう 私はこの地上に楽土を作るぞ 生き苦しむ者達のための理想郷を... 私の代では成し得ぬかもしれぬ 最初の一歩を私が踏み出すのだ 神はきっと私を愛で御許へ召そうとするだろう その時私は神にこう言うのだ 「もはや天の国も試練も要らぬ 我々の楽園は地上にあるとな そのためには鬼にもなろう お手伝いいたします殿下 クヌート王子殿下のお越しでございます! おかげさまったくなっていたのかわかりませんが...!! よくぞ戻ったなクヌート 陛下よりお預かりした兵を全て失ってしまった不肖の身に余ります。 どうやら王陛下はこちらの腹をお察しのようですな 何があっても剣を抜いてはならぬぞ 先に抜いたほうの負けだ これはそういうケンカだ 暗さに目が慣れてきたな もう少し近づけば王の顔がわかる はぁ、はぁ...さすがに ...あのねえとここにいいのかわからないのですから...はあああ あれは誠の忠臣であった 今日は酒肴を以てそなたを迎え帰還を祝うべきところであるが... そうした形式は抜きで話をしたいとかねがね思うておった ほんのわずかの間にな... されば我が心の内もおわかりでございましょう そのようなところまで余に似るとは... 子は親の為し様を見て育つのです 私をお責めになりますまいな 余は余の父である先王を国外へ追い放ちこの王冠を奪った それが王国のためによき事と信じたからだ 先王は愚かで争いを好み 性残忍にして臆病者だった そのような者が王冠を戴いては世が乱れる 大勢護衛をつけてるテメェは臆病者じゃねェのかよ? ...腹芸を使う気はねェってかい殿下よ.. 敵の巣の中にいるってことを忘れなさんなよ... よき事を為せると思うておった かぶれば千の船万の兵を統率できる 遠国のあらゆる宝を取り寄せることができる 神々の如き力が身に宿る 力を使うのは王ではない 王冠が王に命じるはただふたつ 陛下に命じたというのですか 王冠はそなたを欲しておらぬ ケッウジャウジャと... そなたにコーンウォールの一部をやろう 暮らすには困らぬようにしてやる そこで聖書でも読みながら平安の日々を送るがよい 王冠が言わせているのですか陛下 もう止せ王子!言うな!!言うな! 陛下!畏れながら発言をお許し下さい クヌート様の従士ウォラフの子アシェラッドと申します この御沙汰王冠の意志に適いましょうや!? この御沙汰王冠の意志に適いましょうや!? 王子殿下はロンドンよりトルケルという戦力を奪い取ることに成功なさいました ロンドンの富は無傷のまま陛下のものとなります 来る春陛下がイングランド王にご即位されればもはや彼の町には降伏するより他に道はありませぬ まずこれは第一級の戦果といえましょう 多大な犠牲を払いこの大戦果をもたらした将軍は クヌート王子殿下に他なりません 功労ある者が罰せられる道理がありましょうか この御沙汰新領割譲を前に諸将に動揺を与えます ただアシェラッドと呼ばれております 父は私に名を与えませんでした 貴様の父が貴様に授けた名を申せ 奴隷に産ませた子かの? ...なんだ!?あのアシェラッドが よい従士を持っておるな よい従士を持っておるな そなた達には褒美をやらねばならんな 彼の地にて宴席を設ける出席せい 褒美はその際に授けよう 肝を冷やしましたぞ殿下 何を慌てることがあるアシェラッド 私を殺すだけの大義名分がない ならばなおのこと先程のような挑発はお控え下さい 万にひとつの王の気まぐれもあり得ますぞ そなたの察する通りだ王は威嚇以上のことは出来ぬ 賢王と呼ばれたいお方なのだこちらさえ軽挙に出ねば王の内懐はむしろ安全だろう。 警戒せねばならんな... スヴェン王は王冠の奴隷というわけだ 私が使いこなしてみせようぞ それはあなたがあるぞー、ときっと もう止せボズヴァル酒で死ぬ気か!? こんら若僧のキリスト坊主にナメられてたまっか! エギル神のエナに梓の生まれかわりじゃっ!!とーって スコーネの首領コズラン!よく来たな! トルケル殿!帰軍をお喜び申し上げる まったくあなたと敵味方に分かれることほど恐ろしいことはない よう帰ってきて下さった軍中みな喜んでおりますぞ とはいえもはやイングランドの国奪りも成り申した 当分は大きな戦などありますまい そいつァど〜〜かなァ~~~? ところでコズラン今日は倅はどうした? ホレいつも連れてるお気に入りの... あ奴めはロンドンにて戦死し申した 立派に戦った今はきっとヴァルハラにおりましょう ロンドン..ってことはー 殺っちゃった?オレが? お気になさいますな戦場の習いです 飲め飲め飲んで仲直り! 皆の衆!!ジヤンッジャンやってくれ!! 全部あちらのクヌート殿下のおごりだぜ!! トルケルおじちゃん左目ないねー? それについちゃ面白い話があるんだぜェ さっきからガブガブカブガプ飲みゃアがって誰だおめェは? 坊主なんざ招いた覚えねーぞ? 若いなオイ齢なんぼ!? 好き放題に生きながら周りの者に憎まれぬ 王陛下は頭の良いお方と見受けました 我々が脅しに届さぬと見るや即座に作戦を変更するあたりは戦上手とも申せましょう 人の心を読む洞察力と先手を打つ行動力がおありです さすがは一国の王というところでしょうか 相当に警戒しておいででしょう おそらく今暗殺に踏み切れば失敗します ま当分は王陛下のスキを窺いつつ恭順の体でいきましょう 諸将兵のこちらへの支持を集めるためにも時間は必要です。 ...というのが気にかかる 王は何をたくらんでいると思う 褒美にかこつけた無理難題でしょうか 心構えは必要でしょうな 無事のご帰還お喜び申し上げます ご入城にお出迎えもせず申し訳ございませんなにぶんたった今異国より帰って参ったものですから もちろんきっとのご生還信じており申したぞ !はー新しい従士殿でございますかご紹介をして頂けますかな? ラグナルの弟グンナルだ見知りおけ ウォラフの子アシェラッドと申します かねてよりの計画...メドが立ち申した ノルマンディー公園ですその件についてラグナル兄も交え後ほどお部屋でご相談を... そなたの兄ラグナルは死んだ 私の為にすまぬことをしたな そなたが私の亡命先を探して諸国を奔走してくれていたことは大儀であった どっちもとっうもバケモンだ!! スヴェン王には先程ケンカを売ってきた グンナルそなたの仕事は王の動向の監視と報告だ 使う兵は信用できる者をよく選べ 殿下そっそのような話をこんな所で.. むしろこの場は密談によい お変わりに..なられた... 全てを変えてゆかねばならぬ あのグンナルってのはいかんなァ 小物はイザって時に保身に走るからなァ 口ほどにゃ殿下への忠心があるとも思えんし... おーおー予習復習に余念のないことで 右腕痛くねェのかねェ? ...アンタは気にしねェと言ってくれたけど やっぱりオレ達や裏切り者だし... なんつーか...この先オレァどんなツラしてアンタやビョルンと... ...なんか知らんが兄貴も おめェそれでもノルド戦士かよ よくもこんな真人間がオレの手下になったもんだぜ ビョルンは助からねェよ 腹の傷が内臓まで達してる これでもう昔からの手下はトルフィンだけってことになるな 再出発にゃちょうどいい えぇ!?いっ要らねェよ悪りィよ! 路銀が多くて困るこたァねェだろが すまねェ...じゃあありがたく.. なんだよ!?くれんのかくれねェのかどっちだよ!? アトリおめェにゃ似合わねェ ガキをこさえてベッドで死ね これから先おめェを戦場で見かけた時は味方でも斬るぞ 私がやめろと言ったら決闘は終わりだ が少々お待ち下さい殿下 今日は先約がありまして ...アンタがオレを腹の底では嫌っていてもな... なァ...アシェラッド オレだけじゃねェ...アンタは 自分自身でさえも... 淋しく...ないのか? そんなに...何もかも拒んで... アンタと...友達になりたかったんだよ すまん!急所を外しちまった いつもとは違うな... どっちが勝つと思うね王子? どちらも死なぬうちに私が止める つまんねェこというなよ お前こんな手練同士の決闘そうそう拝めるもんじゃねンだぜ? ではそなたはどちらが強いと考える んー...そうね... トルフィンはそなたに勝ったのだろうトルケル アシェラッドはそれ以上ということか? てめェ王子このトルケル様をナメてんな? 強ェの弱ェのってのはなァそう単純な話じゃねェのよわかるゥ? 勝ったり負けたり簡単に順序をつけるこたできねェそこが面白ェんだ ん?てめェ本当はやっぱ女だろ? どうしたトルフィン?来いよ 降りが強くなる前に終わらせてェ ...しょうがねェなァ おめェ相手にゃ素手で充分だぜィ ...さっきのちょい訂正 勝負になってねェやこりゃ 相性が悪いってだけじゃねェな トルフィンの奴クセから何からアシェラッドに見抜かれてら このふたり相当回数戦ってんな 理由はなんだ?この決闘 いいかげんうんざりするぜ トルケルに勝って調子に乗ったか小僧 そこまでだアシェラッド 片手でこのオレに勝てると思ったか まったく今日はクソ気分の良い日だぜ もう止せ!気絶している わかるか?決闘はもう終わったぞ なんっ...!?てめェ...ッ すでにとどめを刺されている ケガのせいじゃねェそのバカはバカだから負ける 初手をオレに読まれた時点でお前は負けた 普段はちったァ考えて戦うようになってきちゃいるが... いっぺん頭に血が上ったら全部台なしだ 首筋を狙ってるのが目線で丸わかりなんだよ すぐにブチ切れてでけェ声だして得物振り回すのァバカの戦だ まったくどいつもこいつも 美しさのかけらもありゃしねェ オレァ戦士ってのが大嫌いだ 初めて殺した相手もノルド戦士だった 小僧後学のために教えてやろう 憎い相手の殺し方をな... オレは奴隷の母親から産まれた 物心つく頃にゃ鍛冶場や厩の下働きだった 物心つく前からお袋は病気で働けなかったからだ 体はいつも灰やら煤やら馬のクソやらで白かったり黒かったりでな ウォラフ様が帰っていらしたそー 親父はユトランドの豪族だ 酒と女と殺しが好きなまァどこにでもいるノルド戦士だ オレみたいなガキをあちこちの女に産ませてたらしいが 名を与えたのは本妻の産んだ年長の子供達だけだった それ以外のガキなんざ顔も覚えちゃいなかっただろうぜ お袋は若い頃親父の気に入りの奴隷だったそうだが 病を得てからは犬と同じ扱いだった 生きることが辛いのはオレにとっちゃあたり前のことだったが どうやらお袋は違ったようだ お袋はよく先祖の英雄アルトリウスの話をした お袋は英雄復活の伝説を信じていた 自分を病や奴隷身分から解き放ってくれる者の再来をな... あんまり繰り返すもんだからよ オレも信じるようになった はるか西の大海の彼方... 常人にはたどりつくことのできない彼岸の地に 英雄アルトリウスの住む楽士があるという 不死不老が約束された理想郷だ 英雄はそこで今も戦の傷を癒しているらしい いつの日か彼は万軍を従え来て蛮族どもを誅しこの世を平定してくれる お袋の一族はそれを待ち続けた もし本当にご先祖様がそんないい所に暮らしてるならよ 好き好んでこんな世界に帰ってくるわきゃアねェ たまたま通りかかった親父のことを英雄アルトリウスと勘違いしたらしい 今この時アルトリウスがお袋を助けに来ないのなら そんな者は永遠に来ないのだと だれかがやらねばならん 英雄でも神でもねェだれかがな どう振ればいいのかわかっていた 初めて使ったのに剣はオレの手によく馴染んだ オレの体に目の前のクソ野郎の血が流れている証拠だと思った 情けねェ話さ涙が出るぜ 今日からワシの館に住め まずは親父の目にとまること 館では行儀よくしていたよ 武術や馬術の鍛錬を怠らなかった 腹違いの兄貴達ともうまくやってた いつも親父を立てるように気を遣ってな 奴隷暮らしから救ってくれた恩を決して忘れない忠実な息子だった じきに周りも身内もすっかりオレを親父の子として受け入れるようになった お前らにも見せてやりてェよ 親父と仲の悪い奴から選んで盗んだ 他の兄貴達は犯人と思い込んでそいつを私刑にかけちまいやんの 自分の欲望以外にゃ何もねェクソどもさ ああいう美しくねェ奴らがそこら中からわいて出てきて幅利かせやがる いくらプチ殺してもキリがねェ 最終戦争でも最後の審判でも何でもいいからよ 本当に来るなら急いでもらいてェもんだぜまったく そん時やアオレも生きちゃいられねェだろうがな やれやれすっかり固くなっちまったなビョルン 英雄の未裔はそなたであろうアシェラッド 己自身が王となり世を変えようとは思わぬのが? 話聞いてなかったんですか? あなたのほうが王に相応しい オレやスヴェン王よりもな なんかオレ...忘れられてる... 父っつァん毛皮は全部売ってもいいのかァ? 買い手がついたんだが... あきらめ悪いなァ父っつァんも さァどうだご覧の通りの逸品だァ! もっと若い女出せよ若い女ァ! そしてヴァイキングはー ヨーロッパ全土に商品を供給する奴隷商人という側面を持っていた はるばる本国から来た甲斐があったイングランド人の奴隷が激安大漁大セールだ こんなに仕入れてさばけるのかハッルドール なァにこいつらみんなキリスト教徒だ この国の教会が買い戻したがってるボッタクれるぞ 質のいいのは本国行きだイングランド人は人気がある レイフさんアンタも奴隷を扱ったらどうだいもうかるぜ いや...ワシは奴隷は商わん それにワシもキリスト教徒だ 同じ神の子がこんな目にあってる様は正直いって見たくない ほォ?じゃアレかその...あーなんだっけ?名前 トールズの子トルフィン いや友達の子供なんだ捜しとる 奴隷になってるという確証はないんだが... そりゃアレかいお気に入りに逃げられたとかそういうことがい そりゃア...生きちゃいるまいよ親元離れちゃ まァ...もし見つけたら買っとくけど こいつァダメだ処分しろ やせっぽちは買うなって言ったろ運ぶ途中で死んじまう 父っつァんの気持ちもわかるけどよ オレ達やキリスト坊主じゃないしお情けで奴隷を解放できる程金持ちでもないんだ トルフィンと間違えて買っちまった奴隷が今まで何人いた? ...海賊に襲われたあの時... トールズがいなければワシらは無事じゃ済まなかった 現場一帯どこを捜してもトルフィンはいなかった 父親の仇を討とうとして海賊どもの船にもぐり込んだとしたら... 父っつァんがそういう人だからこそオレも皆もついてくんだけどね そこの汚い貨物船どかんか!! はよせんか先頭の船がもう... はよどけェ!!下民ども!! この桟橋にゃ貴い方々のご座乗船がこうズラーッと並ぶんじゃ!! 万にひとつ粗相があってみろお前ら縛り首じゃぞ!! お船が全部通るまでこの橋は通行禁止だ ローマの時代から栄えている旧い町です 北欧イングランド双方の人と物がここに集まります 王陛下はここに新王朝の拠点を構えるおつもりなのでしょう よい選択です私でもそうします スヴェン王は明日の宴席で仕掛けてくるぞ 準備は出来ているのか? それなんですがね... 明日の御前会議我々がどうしても後手に回るのは明白でしょう 何といっても相手は王です殿下に命令する権利をお持ちでいらっしゃる 新領分配と称し殿下とトルケル殿にそれぞれ別の離れた領地を与え孤立させる それは褒美であり、命令でもある拒否する口実はありません ご下命に逆らえば「クヌート王子に叛意あり」という方向に持ってかれます 実際煮るも焼くも王陛下しだいなんですよ どうする気なのだアシェラッド いかがでしょうこの辺で... クヌート殿下...今あなたがこの場で 世間様に何もかもバラしてみるというのは? 船着き場より王陛下の館まで我らヨーム戦士団が警護にあたる 殿下に対し決して礼を失するでないぞ 抜け目のない奴だとは思っていたが まさかクヌート王子に取り入るとはな... だがどうするというのだ 貴様が何をたくらもうと切り札はこちらが強いのだ 貴様の命運は王子とともに尽きる しょーがねーだろ場所がないんだよ ったく何が「貴い方々」だ迷惑な連中だぜ 父っつァん船尾のほうをもやってくれ 父っつァん聞いてんのかよゥ そうだ...間違いない あの顔を忘れるものか!! トールズを殺したあの海賊だ!! 一体こりゃア誰様のお船行列だ? 知らんのか?王子のクヌート様だよ 盾壁だァお守りしろォ!! ちきしょうどっから射ちやがったァ 北岸からだ!!捜せーーっ!! あとはこいつを始末して... ヤバいことになってんぞ父っつァん おォい!?父っつァんどこへ.. こりゃアかかわりあいにならねェ... あいつだ!!あいつがいた!! トルフィンを捜す手がかりになるかもしれん!! どこをやられた!?クヌート様は 何でもいい包帯になるものもってこい!! とにかく血止めだ!湯をもってこい! 殿下!お召し物を切りますぞ そこの貴様らァッツツ!! 何の騒ぎだこれはァア!! さては貴様ら王子殿下狙撃の犯人だな!? 者どもあやつらを召し捕れい!! 凶器もある他の目撃者に確認させろ ハッ!そうはいかんぞ!! 決めつけてんじゃねーよタコ いーや目を見りゃわかる! 仲間に全部罪を被せて自分は助かろうって肘なんだろう! 一つってんだろオレじゃねェっ も~~~っなんつー澱んだ目だ! どっから見ても悪党のツラだ!! まてまてまてまてまて!! あの...もしかしてアンタ... 〝侠気〟のトルフィン...? 誰だって?トルフィン? バッカ知らないのか!? このチビが今素手でブーイ様を倒したろうが! だとしたらこいつ殿下の家来だぜ? 犯人扱いしたことクヌート様に内緒にしといてくれるかな? やっぱり王子殿下は女だったんだァーーッ!! なんかもういろいろえらいこっちゃ そーじゃないかな?とは思ってたけど... 男の奴隷ではお姿に似た者が手に入りませんでしたので 申し訳ございません失礼は承知の上で: いいえ場所が場所ですし もし矢に毒が塗ってあるならおそらくはもう... その者をいたわってつかわせ できる限りのことを施すのだぞ しかしまァ日頃の用心が奏効しましたな殿下! 影武者がいなかったらどうなっていたことが どうやらこのヨークには あなた様に仇なさんとする者が潜みおるようですぞ... やっぱり仇討ちを... 一族の名誉を取り戻すまでは... 幼い子供が今日まで戦場を生きのびて... 地獄を見てきたに違いない... ヴィンランドは今...どうなってる? 父上が行きたがっていた オレも時々夢に見るんだ もう村のひとつも作ったかい? お前達がいなくなってからヘルガの具合は一層悪くなった 寝込んだり起きたりを繰り返す毎日だ 顔を見せてやれトルフィン ユルヴァはなもう母親になったぞ 聞いてねェことをベラベラと おいコラどこへ行くトルフィン どういう訳かそれがオレの仕事でな 故郷へ帰ろうトルフィン もう充分だろう!一緒に帰ろう! オレの何を知ってるっていうんだ 野郎が生きてメシを食いクソたれてるあいだは!! う...こここは... なんということか... あの陽気な幼子が... お前の気が変わるまでワシはこの町にいるぞ! アイスランドへ帰ろう! 王子様が殺されたって!? ちがうよ影武者がやられたんだ はーー...エラい人はたいへんだァ 夜もおちおち眠れないやなこれじゃア イングランド人の仕業かな? 犯人はもう殺されたらしいよ いやいや本当の犯人のことだよ だし抜かれたようだなフローキよ この町に呪いをかけおったわ デンマーク軍の支配下にある交通の要衝で、北部の商業の中心地 ウェールスウエデンマークで幼少期を過ごしたアシェラッドは青年時代をこの地で暮らした。の地で暮らした期ラこ ンズバラ・クヌートの父であるスヴェン王がイングラド制圧の拠点として軍を駐留させている 添取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、 コミックス発売当時のまま掲載しています。