ヴィンランドサガロの

幸村誠職

１０

それでは

ああ

外に出されて

．．．

ＡＦＴＥＲＮＯＯＮＫＣ

フランド・サガ

幸村誠

第６５話は大旦那の家で

んー．．．

ひと雨

くるな

コリヤ

トルフィーン

この列やったら

今日はもう

上がろうやァ

ん

わかった

ストップ

ストーップ！！

止まって！！

また

根っこだ

切り株は抜いても

深いトコの根は

残ってるからなァ

どうしても

ひっかかる

しょうがない

今年は浅く

掘り返そう

無理して

借り物の犂を

こわしちゃったら

大変だもんな

１年もすりや

腐って

なくなっちゃうん

だけど

．．．．．．？

すごいな

あの荒れ地が

たった１日で

こんなに．．．

ほら

あそこも

あっちも

あそこ

ホラ

２台だ

今年４台

買い足して

重量率は

全部で

１０台だとさ

ハンパな

金持ちじゃ

ねェぞ

旦那は

「頼もしい味方」って

言ってたよ

なるほど

１０台も持ってりや

どんな大農場でも

経営できらァ

．．．．．．そんなに

高価なのか

これ

高価い

さー

オレの村じゃ

８家族で１台を

共同所有してた

大旦那のトコに

１台あって

よかったよ

１０台あったって

奉公人たちは

絶～～っ対

貸してくんない

もんな

人の手とクワで

同じように耕すのは

大変なんだろうな

そりゃもォ！

コイツと馬が

あるとないとじゃ

大違いだよ

．．．

すごい

発明だ

これを

作ったのは

農夫に

違いない

農夫の大変さを

よく知ってる人

じゃないと

こうは作れないよ

ホントに

野良仕事を

知らないんだな

トルフィン

なんでも新鮮か

まるでお前

でっかい赤ン坊

みたいだぞ

．．．．．．

お

わーっ！

降ってきた

降ってきた！

急ごう

トルフィン！

降って

きたな

お前

雨の用意は

あるのか

話を

逸らさんでくれ

父さん

ワシは

父さんの体を

心配して

言っとるんだ

もう無理のきく

齢じゃないんだ

いいかげん

野良仕事は

やめてくれ

この前

畑で倒れた時には

たまたま“蛇”が

見つけてくれたから

よかったものの．．．

畑で死ぬなら

本望じゃ

お前は

お前の畑の

心配をせェ

大体その齢で

独り暮らしを

すること自体

無茶なんだ

力仕事も

できんだろ

いらん

世話じゃ

なんとか

なっとる

ケティルよ

お前とワシは

考え方が

大分ちがう

このほうがエエ

父さん！

意地を

張らんで

くれ！

一緒におれば

また

ケンカになる

それは！

違いじゃない

父さんが

頑固なんだ

ここまで農場を

大きくした

ワシの努力を

認めては

くれないのか！？

．．．．．．？

なんか

知んないけど

ちょっと

入りづらい

フンイキだな．．．

ん．．．

父子ゲンカ

．．．．．か．．．

また

来る

今の話

考えておいて

くれよ！

ん？

なんだ

お前たち

こんな所で

こんにちは

父さん！

あまり

勝手なことは

せんでくれ

これらは

私の

奴隷だ

これらの管理は

パテールに

任せてある

濡れたな

ついでじゃ

その服

洗ってしまえ

洗濯ナベは

向こうの

部屋じゃ

．．．．．．

．．．．．．仲

悪いんだな

あの２人．．．

さて

洗濯ナベ

は．．．．．．と

ん．．．．．

うおっ

わっ！？

．．．

どうした

？

蛇だ！

蛇がいる！

へビ？

あー

ビックリ

したー

．．．．．．なんで

こんな所で．．

いや

ていうか

さっきの

フンイキの中で

グーグー寝てたんか

この人

どーゆー

神経

してんだ

．．．．．．寝相

悪いな

んー

んン？

ジジィ！

飯作ってる

だろ！

起きよった

か

ひとりで

食おうったって

そーは

いかねェぞ！

ん？

なんだ

お前ら？

オレに

夜這いか？

悪いが

そっちの

シュミは

ねェぞ

おはよう

ございます

まったく

しょうもない

ヤツじゃ

飯時にだけ

起きてきよる

恥ずかしいとは

思わんのか

昼間から大の男が

働きもせずに

ぬかせ

ジジイ

オレ達や

夜に

働いてンだよ

よくも堂々と

飯が食える

もんじゃな

泥棒ってのァ

夜に来る

もんだろォ？

だから

食うもんね

フン

オレ達〝客人〟が

すすんで夜に

巡回警備を

やってっから

農場の富と平和が

保たれてンだよ

小言の

減らん

ジジィだ

若い女のいる家に

入りびたって

なにが警備か

若い女が

盗まれないように

警備してンじゃ

ねェかよ

口の減らん

奴じゃ

なんだ？

なにしてンだ

こっち来て

食えよ

メシ

まだだろ

ん

．．．いいん

ですか．．．？

食え食え

遠慮するような

メシじゃねェ

座れ

働いた者は

その分

食うてもよい

お前が

言うな！

あのゥ

泥棒が

来るって

ホントですか？

来るさ

しょっちゅう

だぜ

刈り入れ直前の

麦だの

放し飼いの豚だのが

狙われンだ

へー

武装して来る

ヤツらもいる

そういうのを

ブッとばして

縛り上げるのも

オレらの仕事だ

働いてン

だぜェ

ちゃんとよォ

フン

泥棒に

盗まれる分と

お前ら「客人」の

食い扶持

どっこい

どっこい

じゃろが

．．．．．こーの

オイボレは

カチンと

来るね

いちいち

泥棒なんぞ

お前らの手を

借りんでも

追い払える

ワシらも

ノルドの男じゃ

剣や槍の

心得はある

ほ〜〜〜

その

曲がった腰で

チャンバラ

やるってかい

自惚れるな

蛇よ

お前以上の

使い手なんぞ

いくらでも

おるわ

年寄りの体を

心配して

やってんじゃ

ねェかよ

お前なんぞに

心配されるほど

もうろくは

しとらん

カッカすんなよ

また倒れるぞ

おじいちゃん

実際

アンタが

なんと

言おうとな

この農場の

防衛戦力は

規模に

つり合って

ねェんだよ

オレの手下は

たった１３人

コソ泥の相手で

手一杯だ

まとまった

武装集団．．．：

そうだな

５０〜６０人も

兵隊がいりや

こんな農場

イチコロだぜ

なァ

トルフィン

お前も

そう

思うだろ？

えっ．．．．．？

．．．．．．

はァ．．．

いえ．．．

どうでしょう．．

わかりません．．．

．．．．．

そんなことを

こやつらに

聞いてどうする

泥棒より

手強いものなんぞ

ケティルの土地には

来んわい

わっかんねェ

じゃんよ

そんなん

その時

慌てても

遅ェんだぜ

安心せェ

どうなろうと

お前らに

泣きついたりは

せんわ

．．．．．なぜ

ここには泥棒より

手強いものが

来ないんですか？

こんないい農場

みんな欲しがると

思うんですが．．．

ジロ．．．

す

すみません

ハラルド王の

威光の

ためじゃ

ケティルの奴は

年に２回

バカにならん額の

貢納品を

王に送っておる

ハラルド

愚かな

ことだ

貢紙品を

受け取る以上

王にはケティルを

保護する義務が

あるのだ

平和を金で

買うような

まねを．．．．．

クヌートの

兄貴か．．．

一介の農民に

独立自治

できぬほどの

土地を持つ必要が

どこにある

ヘン！

事が起こってから

王の軍団が来たって

遅いんだぜ

王の館からここまで

何日かかると

思ってンだ？

実際に農場を

守ってンのは

オレらだっつーの

大き過ぎる

富は

災いを呼ぶ

無視かよ！？

富を増しては

失うことを

恐れ

その空しさに

あのバカ息子は

気づかん

恐れを

やわらげるために

金を使い

また稼ぐ

はー

ヤダヤダ

．．．．．．

おお！

ジジィは

説教くせェ

ったら．．．

お？

晴れたな

さァーて！

今日も警備に

行ってくっかなァ！

もう

来るなよ！

オレが

来なきゃ来ないで

寂しがるクセに

とっとと

失せろ！！

大丈夫です

着てればすぐ

がわきますから

今日は本当に

ごちそう様

でした

ヘンなふたり

だったなァ

実の親子より

馬が合ってる

みたいだ

．．．．．．今日は

なんだか．．．

うん

色々なことを

学んだような

気がする

よかったな

でかい

赤ちゃん

それ

やめてくれ

大き過ぎる

富．．．．．．か

１０月

もう少し

多めに

蒔いていいよ

まんべん

なくな

わかった

第６話終わり

第６６話・発芽

２人組

だな

なんだよ

またかい

例のやつ

だろ？

．．．．．．そうだな

足跡の特徴は

似てる

ヤレヤレ

旦那の

留守中に．．．

被害は？

麦の粉が

ひと袋と

干し肉だ

そうです

だめだァ

兄貴

道で

他の足跡と

混ざっちまって

追跡できません

おう

まァいい

暗いしな

１回に盗る量は

かわいいもんだが

味を占めて

いやがるなァ

バレてないとでも

思ってンですかね

ナメられた

もんだぜ

しゃアねェ

そろそろ

お仕置きが

必要だな

デンマーク南部

テンマーク南部ケティルの農場．．．

１０１５年１１月

ん．．．．．

朝か．．．

すごいじゃ

ないですか

それって

大旦那様に

気に入られて

いるんですよ

．．．

そうで

しょうか？

そうです

よ

道具や馬を

貸してくれる上に

同じ卓で

ごはんを食べる

なんて！

やァ

でも

労働の対価

ですよ？

私達は

奴隷ですよ

？

そうかァ

そうですね

言われて

みれば

大旦那様の

家の

カ仕事は

全部やるし

労働の対価

なんて

ないのが普通

でしょ

そうです

よ

じゃ

なーんで

気に入られ

たんだろ？

エイナルさん

いい人

ですもの

ご自覚

ないん

ですね

フフッ

（？

！？

えー

いやっだって

え？

エイナル

先行ってる

ぞ

え？

あ

あァ．．．

．．．に気を

つかった？

．．．あいつも

いいやつ

ですよ？

そんな

ニヘヘッ

無口

だけど

ええ

アルネイズ

あ！

いけない！

奥様が

あ

すいません

引きとめ

ちゃって

いえ

そんな

お話し相手が

できて

毎朝が楽しみ

なんですよ

私

じゃあ

また

．．．ハイ！

また

明日の

朝に

朝餉の仕度も

まだだというのに

油を売って

いい

ご身分ね

すみません

奥様

酔狂でお前を

置いているんじゃ

ないよ

食べるぶん

働きなさい

今日は旦那様が

民会から

お帰りになります

お客様を

連れてこられる

かもしれないから

昼からの仕度は

そのつもりで

はい

奥様

．．．．．フン

ま本来

奴隷女には

奴隷の男が

お似合いの

相手って

もんさね

いつまで

つっ立って

いるんだね

早く

朝の仕度を

しな

はい

奥様

おお！

出たな

これが

麦の芽だぜ

トルフィン

なんか．．．

弱々しいな

うん

こんなもん

普通か？

こんなもん

なのか？

よしよし

蒔いたうちの

８割は

芽吹いてる

カンジだな

うーし！

ヤル気

出てきた！

バリッバリ

開墾して

来年の作付けは

倍にするぜ！

不思議

だなァ

おそれ

いったか

こんなのから

パンが

できるのか．．

ちょっと

感動

するだろ

うん．．．うん

すごい

な

自由への

第一歩だ

こいつを

育てて売って

育てて売って

オレ達の

自由身分を

買い戻すんだ

何年

かかったって

きっと．．．

．．．．．なァ

トルフィン

オレ達は

こーやって

作物やってれば

いつか自由になる

目もあるけどさァ

あの娘

アルネイズさんは

そのへん

どーなってるん

だろ？

んー．．．

さァなァ

明日の朝

本人に聞いて

みれば？

．．．

聞いて

いいのかな

そういうの．．．

それより

今日はコレ

どうするんだ？

ん？

ああァ

麦な

いや

しばらくは

やること

ないよ

そうか

じゃア

伐採の

続きを．．．

なので

祈る

おォオ

オオッ！！

っっ神よー

っっ神よー

「つつ！！

育てたまえェ

実らせたまえ

エエッ！！

虫カビ

退散ン～～ッ！！

雨降らせェ

．．．〜〜〜ッ！！

ご一緒

に！

えェ！？

い祈るって

何に？

何でもいいよ

ヤハウェの神でも

フレイヤ神でも

すがれるものには

みんなすがる

供物が

ないんだ

そのぶん

一所懸命

やるぞ！

．．．．．．そ．．．

畑仕事の

出来不出来は

かなりの部分

神様次第なんだよ

育て

たまえ．．．

．．．．．．．．

声が

小さァい！！

は

ハイ

照れを

フッ切る！！

中途半端が

いちばん

恥ずかしい

んだぞ！

育て

たまえー！

虫カビ

退散～

雨降って

降らせ

はハイ

おオ

かわっとらん

のー

この農場は

！

あァ

お袋や

オルマルは

元気に

してるかい

親父殿

オルマルなどは

元気すぎて

困るくらいだ

お前のように

戦場へ行きたくて

ウズウズしとる

ダッハッハ

アイツも

チビの頃から

かわっとらんな

度胸なしの

クセに

人には

得手不得手が

あるのだ

トールギル

オルマルに

戦場は

合わん

人間

身に合った

場所におるのが

一番よい

いやァ

案外

わからんぜ

クヌート陛下の

ように

戦場が男を

変える例もある

軍中みんな

もうクヌート様を

殿下とは

呼ばないんだよ

今や

堂々たる

大将ぶりだよ

陛下？

気優しい方

だったけど

この戦争で

ずいぶん

お変わりに

なられた

試しにオルマルも

戦場に出してみちゃ

どうだい？親父

冗談じゃ

ないワ！

みすみす

跡継ぎに

死なれるのが

オチだ！

ちったァ

男前になって

帰ってくるかも

しれんぜ？

あいつの

腕前で

戦なんぞ．．．

蛇！

ん？

お！

旦那

ちょうど

よかった

あれ？

トールギル

帰国したのか

５〜６日前に

戻ってきた

民会で

親父殿と会ってな

ついでに里帰りだ

しぶといな

まァだ

死なねェか

あんたに

稽古つけて

もらった

おかげだよ

蛇

．．．蛇

その

引いてるのは

何だ？

あァ

そうだ

いやいや

イングランド人が

弱ェんだろ？

コソ泥の

容疑者です

旦那に

引き渡そうと

思って

ここ最近

手口の似た盗みが

続いてましてね

オレの勘じゃ

まァ全部

コイツの仕業

かなと

ガキでも

盗みは

盗みです

いっちょう

仕置きを

お願いします

旦那

第６６話終わり

第６７話・鉄拳ケ

兄ちゃん

手がいたい

．．．．．．．私たち

どうなるの？

死んじゃう

の．．．．．．？

．．．．．．

．．．．．大丈夫だよ

兄ちゃんが

ついてる

要するに

だ

軍団なんて

言っちゃあ

いるが

戦士にゃ

ホントのところ

敵味方なんざ

どーでもいいのよ

部族ごとの

まとまりはあるが

それ以上の

もんじゃねェ

一度戦闘が

おっ始まりや

それぞれの部族が

てんで勝手に

目標を攻撃すンだ

互いに勇猛さを

競い合うんだよ

北海一の命知らずは

オレだ」ってな

戦闘の後は

楽しい略奪大会

こいつは

早いもん勝ちだ

売れそうな女を

争って

味方同士で

斬り合ったり

なんてのは

しょっちゅうさ

力が

正義だ

どうだオルマル

行ってみたいか

戦場に

もっももも

もちろんヨ

兄ちゃん！

実力主義

上等だぜ！

そんなお前に

戦場士産を

やろうかな

おい

「首かざり」

だ

そーか

そーか

？

カサ．．．

何コレ

干し肉？

食って

いいの？

構わねェが

飾りもんだぞ

それは

イングランド人の

耳だ

ひっ．．．

ホンット

ビビリだな

お前は

そんなことで

どうする

オレ達や

“鉄拳〟ケティルの

息子なんだぞ

しっかりせェや

．．．．．てっ

鉄拳？

知らねェのか？

親父の若い頃の

伝説だぞ

戦闘が始まると

あっという間に

自分の得物が

怪力でこわれちまう

もんだからよ

その後ずっと

素手で戦う

らしいんだ

それでいて

誰よりも

手柄をあげる

えェ～～～

く～～～っ

．．．？

この親父

がァ～～

～～～．．．？

．．．．．

古株の戦士と

話をすると

けっこう〝鉄拳〟の

名前が出るぜ

お前もっと

親父を

尊敬しろ

トール

ギル

旅の疲れも

あるだろう

そろそろ奥で

休みなさい

あ食事会

おひらき

ですか？

じゃあ旦那

すんませんが

お休みの前に

アレを片づけて

もらっても

いいですかね？

．．．

ふ～～～．．．

あー

では

まず

名前を

聞こうか

オラ

名前

言え！

旦那様が

お尋ね

だろうが！

コラ！

やめんか

おびえて

いるから

喋れんのだぞ

．．．．．．スッ

スチュル

妹は

トーラ．．

うむうむ

そうか

スチュルに

トーラ

お前達を

弁護する者は

いるかね？

身内はほかに

母親と赤ン坊が

います

母親は病気で

伏せってたんで

ここには連れて

きませんでした

父親は

未確認です

父親の

名前は？

健在

なのかね？

父ちゃんは

スノッリ．．．

去年の秋

野菜を売りに

いったまま

帰ってこない

．．．．．です

．．．お前達の

祖父の名前は

「ボー」では

ないかね？

ボーの子

スノッリ

です

旦那様に

地代の借金を

しています

おお！

あの

スノッリか

最近顔を

見せないと

思ったら．．．

死んでンな

そりゃ

．．．．．はい

１年帰って

こねェんだ

もう帰らねェよ

おおかた

物盗りにでも

遭って

殺され

ちがう！

父ちゃんは！

ちょっと

出かけてる

だけだ！

働き手を失った家族は

周囲の家に奉公人として

引き取られるのが習わしだ．．．

しかし

この子らはまだしも

病の母親と赤子．．．

引き取る者はおるまい．．．

ジワ．．．

あー

うむ！

ちっちと

目にゴミが

入ってな！

どうなさい

ました

あなた

尋問の

続きを

え

この２人は

何を

盗んだのだ

余罪は多数ですが

とりあえず

麦の粉ひと袋の盗みは

白状しました

オレと

オレの部下が

証人です

おどして

言わせたのでは

ないだろうな

あれま

しませんやそんなこと

しませんや

そんなこと

カマは

かけました

けどね

コイツらの家に

麦粉の袋が

隠してあったん

でね

旦那のトコの袋は

底に旦那の名が

書いてあるんだ

って言ってね

この袋が

空になるまでの

間だけ

待ってやるよ

正直に言やァ

仕置きも

軽く済むと

思うぜ？

お前達の

ためだ

ほとんど

おどしだ

それは！

え？

いわいやいや

身に覚えが

ないなら

これで自白は

しないでしょ？

犯人には

違いねェんだな

なら話は早ェ

腕１本

だな

いっ妹は！

まだ小さいんだ

かんべんして！

ほー

盗みの罰は

それが

相場だろ

なら

妹の分の罰も

お前が受けろ

両腕

切断だ

うワ．．．

兄ちゃん

いや

ああ言った手前

オレとしちゃ

軽めでお願い

したいんだけど

ってな

トコで

決まり

だろ？

親父

恐ろしい．．．

ワシの息子とは

とうてい思えん．．．

何故

ワシの所に

盗みに入ったり

したのだ！？

ワシは

どうあっても

お前達のことを

仕置きせねば

ならんのだぞ！！

私は

反対です

死刑にも等しい

仕置きです

盗みの罰には

重すぎる

！

パテール．．．

おお．．．

意見を

申し上げても

よろしいで

しょうか

旦那様

うむ！

うむうむ

言うがいい

パテール！

当農場の

経理を務める身と

いたしましても

少年に重罰を

与えるのは

どうかと考えます

腕を２本も

斬り落としては

使いものに

なりません

スチュル

年齢は

いくつだ？

．．．！？

よし

大人と同じ

仕事を始める

年齢だな

盗みの損害と

父親の借金を

回収すべきです

この子達と

その母親を

奉公人として

当農場に

雇い入れることを

提案いたします

この子達に

働いて返して

もらいましょう

住居は

今までどおり

彼らの自宅

うむ！

うむうむ

なるほど

仕事は旦那様が

父親に貸し与えた

土地の耕作を

奉公人として

引き継がせます

私がスチュルに

技術指導を

しましょう

今後盗みを

働く必要も

なくなる

スチュルが

一人前の

働き手に育てば

今回の損害は

回収できます

問題の

解決です

損害は

回収せねば

ならん

うむ！

うむうむ

まったくだ

では．．．．．

以上の

理由から．．．

仕置きは

棒打ちなどが

妥当と思われます

え．．．

フン

まァ

理屈は

わかった

いや！

いやいや

盗んだ分は

奉公で返済

させるのだし．．．

さすがに全く

折檻なしと

いうわけにゃ

いきませんよ

旦那

借金という

形での罰に

なっとらんか

すでに

シメるとこ

シメてかないと

警備のオレらが

周りにナメられる

しつけて

やるのも

コイツらの

ためです

それに

手クセの悪いのは

どこへ行っても

嫌われる

さて

何回

ですか？

．．．．．．．．？？

じゅっ

１０回：．．．！

１０回

ずつね

小僧からだ

歯を

喰いしばってろ

兄ちゃん

にっ

２０回！

オレを

２０回

殴ってくれ

離れて

ろ！

だから

妹は！

妹は

かんべん

して！

．．．．．．！

ほー！

面白ェ

いい

度胸だ

親父！

オレに

やらせてくれ

軽く

だぞ

じゃ

かる～～～

な

え～～～っ

お前加減を

知らねェから

なァ

殺すな

よ？

はいはい

頭とかは

やめとけよ

マジで

へいへい

オッケー

オッケー

いくぜ

ガキ

ひと～～～

～～～っ

まっ

待て！！

やめろ！！

トールギル

ワシが！！

ワシがやる！！

兄ちゃー

ん！！

「ニいちゃアア、

ウワァァ

親父

は？

寝たみたい

だぜ

ヤレ

ヤレヤレ

“鉄拳”

ケティルも

もうトシカね

嘘なのだ

ノルドの男は

意気地なしでは

生きていけん

のだ．．．

“鉄拳”

なんぞ．．．

はは．．

皆がワシに

当然のように

勇猛さを

求めてくる

名士と呼ばれる

このワシがまさか

そんな嘘をつくとは

皆思ってもいない

ようだ．．．．．．

ワシは

恐ろしい．．．

息子の

トールギルカ

戦争が．．．

暴力が

恐ろしいのだ

お優しいことが

悪いことである

はずは

ありませんわ

お苦しみは

アルネイズが

知っております

．．．．．お前

だけだ

そう言って

くれるのは

お前だけ

なのだ．．．

何もかも

全て

話せるのは．．．

そばに

いてくれ

お前が

いなかったら

この世は

闇だ．．．

第６話終わり

対応制限・カラッポな男・

ハァッ

ハァッ

ハァッ

ハァ

フゥ

もう少し

ハァッ

ハァッ

あと

少しだ

ハッ

ハァッ

くそっ．．．

なんで

こんなこと

してるんだ！？

でも

でも

これだけは

わかる

ハァッ

フゥッ

落ちたら

終わりだ

落ちたら

あそこへ．．．

ぐアッ

！？

はっ

放せっ

頼むっ

放して

くれ！

オレが

悪かっ．．．

うああ

あああっ

ああッ

あ．．．

！？

おはよう

トルフィン

今朝はまた

いつにも増して

うなされてたな

お前．．

．．．．．．崖から．．．

落ちる

夢だった．．．

お

今朝は

覚えてるのか

夢の中身

少し．．

なんかな

お前

アシェラッド！

とか

『父上！』とか

言ってたぞ

アシェラッド

って

人の名前？

．．．

え！？

どうして

夢の中身を

ほとんど

忘れてしまうん

だろう

恐ろしい夢って

ことだけは

わかる

それに

夢と一緒に

何か．．．

何か

とても大事なことを

忘れてしまっている

気がする

ノドに

ひっかかった

魚の小骨の

ようだ

恐ろしい

忘れたい

でも

忘れてはいけない

大事なこと．．．

なんだろう

．．

あぁぁっ

おいこの麦

もうこんな

でかい穂が

ついてるぞ

拓いた

ばかりで

地力が

いいのか．．

思ったより

マシな仕事やるな

あの奴隷ども

いや

エイナルか

あいつが来てから

急に開拓が

進んだ

どっ

せィ！！

ふ

冬のほうが

木が軽いな

ああ

水気が

切れてる

からな

．．．どうか

してるぜ

旦那はよ

畑仕事は

一人前の男が

やる仕事だぜ

それを

奴隷なんぞに

やらせるなんて．．

うーん．．．

まァそりゃ

そうだな．．．

そうだろ？

こんなことは

よくねェことだ

たとえ旦那の

指図でもな

なァ

お前ら

奴隷が奉公人と

同等に扱われちゃ

世の中の秩序が

保てねェぜ

．．．．．．

アシェラッド

は．．．．．

オレの父親を

殺した男だ

デーン人の

戦争屋でな

投げるぞ

あ

お

おう

強くて

残酷な

男だった

．．．．．そいつが

夢に

出てきたのか

さァ．．．

わからない

崖から

落ちたのは

覚えてる

アシェラッドを

追って

オレは戦場へ

出たんだ

奴が

憎かった

父親の仇を

討つために

１０：１１年

戦った

殺したい

ほど

．．．．．．．

それで？

仇は

討ったのか？

．．．．．いや

アシェラッドは

オレじゃない男に

殺された

．．．．．．

．．．そうか．．．

トルフィン

次のワラ束

放ってくれ

オレの

目の前で．．．．．

あ

あァ

まァ．．．

細かいことは

わかんない

けどよ

お前のその

今イチ元気がない

理由は

わかった気がするよ

仇討ちっていう

日標を

失ったから

なんだろ？

そう．．．そう．．．

．．．．．．．だな．．

でも．．．

夢にまで

見るってんだから

まだ心の中で

整理がついてないん

だろうぜ

そうかも

しれない

でも

何？

．．．．．．．

それだけじゃ

ない．．．

もっと

何か．．．

もっと．．．

大事な何かを

忘れている

気がする．．．

とても

大事な．．．

オレなんかに

ふっきれって

言われても

できるもんじゃ

ないんだろう

けどさ

お前の仇討ちは

もう終わったん

だろ？

死んだ人間を

憎んだって

始まらないぜ

早めに

忘れる

こった

本当の

戦士に

なれ．．．

トールズの

．．．．．．子．．．．

来るな！！

トルフィン！！

．．．．．もう．．．

憎んでは

いないさ．．．

だから

困るん

だ．．．

憎しみが

なくなったら

オレ．．．．．

カラッポ

だ

カラッポ

なんだ

戦以外に

何も知らないし

何もできない

意欲も

ない

屋根の雨もりの

直し方ひとつ

知らない

中身のない

人間なんだ

口を動かす

ヒマがあったら

．．．．．．

働け

大旦那

様

とっとと

屋根の修理を

済ませろ

今日の仕事は

それで終いでは

ないぞ

見とれ

おー！

やって

みィ

食いでの

あるのを

獲れよ

あっれー！

うまく

広がらない

年寄りに

麦がゆしか

食わせん気が

しっかり

せェ

今は

復活祭前じゃから

肉は食えんのだ

お

いい

カンジ？

ダメだ

１匹も

入ってない

こうじゃ

回す

ように

同じところへ

続けて

投げるな

場所を

変えながら

やれ

はい

これから

覚えていけば

エエ

ひとつ

ひとつ．．．

カラッポなら

何でも入る

じゃろう

生まれかわる

つもりがあるなら

むしろカラッポの

ほうがエエ

聞いてたん

ですか？

聞こえ

たんじゃ

生まれ．．．

かわれるで

しょうか．．．

働け

手が

休んどるぞ

おおお

寒っ！

寒いな

も～～～

こりゃ

雪降るぞ

今日は

こう冷えると

今日の魚とりは

つらくなりそう

だなァ

おもしろいン

だけど

手がかじかむん

だよなーアレ

名誉挽回は

したいトコ

だけどなァ

なんせ昨日は

２人あわせても

小魚３匹と

貝ばっか！

なァ

トルフィン

え？

ああァ

悪い

聞いてなかった

．．．．．また

考えてた

のか

昨日

大旦那様に

言われたこと

．．．うん

．．．人間って

かわれる

もんかな？

どうしたら

かわるん

だろう．．．

トルフィン

お前昔は

戦士だったん

だよな？

ん？

うん

戦士ってのは

いわゆる．．

斧持って戦争やって

略奪して酒飲んで

なんぼのもんじゃい

ガハハのハー！！

ん．．．．．

まァ．．．

谷はもって

なかった

けど．．．

大体

あってる

かもな．．．

．．．．．ってゆう

アレだろ？

今のお前を

見てな

元戦士だなんて

思うやつァ

ひとりもいないぜ？

．．．．．．

そうかな？

「そうかな？

って．．．

自分の顔

水に映して

よく見てみろよ

オレは

戦士の頃のお前に

出会わなくて

よかったと思うよ

もし出会ってたら

まず友達にや

なれなかった

だろうな

いや．．．

それどころか

出会い方が

まずかったら

お前に

殺されてたかも

しれない

人間は

かわれるよ

お前は

たぶん

今いいほうへ

かわっていってる

途中なんだと

思うぜ

．．．．．．

そう．．．

かな．．．．．？

そうさ

たぶんな

自信

持てって

ありがとう

どうした？

エイナル

．．．．．．．．

麦が．．．．．

第６話終わり

第６９話

全部．．．．．

人の．．．

仕業か．．

．．．．．．

なんで．．．

．．．まってのは

強い作物でな

少しくらい

風に倒されても

また自分で

立ち上がる

ものなんだ

それをよく

わかってやがる

根こそぎ

掘り返しやがった

おい

どこに

奉公人

だ

待て！

エイナル

こんなことやるの

あいつら以外にゃ

いねェ

奴隷が自由民に

手を出したら

．．．．．．

知るか

落ち着け！

やつらが

やったっていう

証拠がないんだ

ブッ殺して

やる

きっと

シラを切るに

決まってる！

証拠があったって

ケンカになれば

罰を受けるのは

奴隷のほうだ！

止まれ

エイナル！

まず

パテールさんに

話を通して

から．．．

冷静だな

トルフィン

畑の地力は

使っちまったのに

収穫はなしだ

次に蒔くはずの

種麦さえ

とれなかった

状況が

わかってねェ

のか？

今年の種麦代は

丸ごと借金だ

次の種麦も

また借りなきゃ

ならねェ

でも．．．

それよりも

．．．

ヤツら．．．

ヤツらだって

農夫だろう！！

麦を育てる

苦労も喜びも

知っている

はずなのに！！

よくも．．．

こんな．．．！！

．．．．．．

怒れよ

トルフィン！！

オレ達の麦が

ダメにされたん

だぞ！！

オレは

今まで

ずっと．．．

奪ったり

壊したりする側の

人間だった．．．

お前みたいに

奉公人達に

腹を立てる資格が

オレにはないんだ．．．

お前が

奉公人達を

ブッ殺すって

いうんなら

オレもお前に

１００回は

ブッ殺されなきゃ

ならないはずだ

．．．まず

冷静に

なれ

復讐なんて

いいことないよ

なるほど．．．

これは

ひどいな．．．

２人とも

荒らされるところは

見てないんだな？

はい

ここは

調べが済むまで

このままにして

おきなさい

犯人の手がかりが

残されているかも

しれないからな

犯人に

心あたりは

あるか？

奉公人の

ヤツら．．．

そうか．．．

わかった

旦那様に

報告する

後は任せなさい

．．．．．私も

奴隷の時分には

色々ひどい目に

遭ったものだ

私をいじめる者達は

なぜこんな

「文にもならんことを

手間をかけて

やるのだろうと

よく思っていたよ

差別を好む者は

どこにでもいるが

そうでない者も

少しはいる

くじけるなよ

２人とも

．．．

．．．．．．

．．．アルネイズ

さんな．．．．．．

相当旦那に

気に入られてる

らしい

働き次第で

解放するっていう

オレ達みたいな約束が

彼女と旦那の間には

ないそうだ

もう

自由になるのを

あきらめてる

みたいだった

彼女を

手放す気が

ないんだろうな

旦那

気に入られりゃ

そんなことに

なるし

やって

らんねェよ

奴隷なんて

嫌われりゃ

こんな仕打ちを

受けるし

．．．．．．

別の道を

行こう

エイナル

エイナル！？

よせ！

オレ達が

コソコソする

理由はねェよ

お？

ウワサを

すれば．．．

よゥ

どうした？

しょぼくれた

ツラして

おさえろ

エイナル

おい！

よせ！

ンだよ

どけよ

お前ら

だろ

畑を

荒らした

のは

さァ？

何の

ことかな？

エイナル！

お前達の

畑が

荒らされたか

まァそう

落ち込むことは

ねェさ

どうせ

奴隷のつくった

麦なんざァ

実ったところで

くさくて

食えやしねェん

だからよ

．．．．．．．

はたしく

あ

しまっ

．．．た．．．

．．．はは！

アゴ

折れてんじゃ

ないの？

アレ

すっげェ

パンチ

．．．．．．っの

ガキャあ！！

奴隷の

分際で！！

ブッ殺

オゲァ

奴隷奴隷

うるせン

だよ！！

！？

わめいて

ねェで

かかってこい

バカ！！

やめ．．．

お．．．ア

トルフィン！！

ぐっ

ぐ．．．

と

やや

え．．．

リヤナ

さき

あ

．．．．．．．

すごい

．．．

．．．いい

父上．．．？

ああ

父上が

何か言って！！

ダメだ

おち

る

第６話終わり

第７１話夢の中身

．．．．．あれ？

．．．．．．

なー

夢かァー

んだ

「ツ！

うゥわ～～

こわかったァ

くるくること！

お～～～

おっそろしい！

父上殺され

ちゃってたよ！

あっちこっち

戦場を

渡り歩いて

バケモン

みたいな

大男と

戦って！

しまいにゃ

奴隷と

きたね！

冗談じゃ

ないよ

まったく

は

ああ．．．

よかった

平和だ．．．

ハァ

クソ．．．．．

なんだ

コイツ．．．

＞

しつけェ

．．．．．

いいかげん

倒れろっ

テメェ！

．．．．．．

どうした

もっと

来いよ

あっ

くそ．．．

とことん

やるぞ

奴隷が奉公人に

劣ってるか

どうか

ハッキリ

させようじゃ

ねェか

．．．．．．

チッ．．．

つきあって

られっか

バーカ！

おい

立てるか？

おー

ったく

覚悟

しとけよ

やめだ

やめだ！

奴隷のクセに

こんだけ

ハシャいだら

半端な罰じゃ

すまされねェぞ

テメェら

．．．．．．

．．．．．へっ．．

勝った

父上！

聞いてよ

もー

今

スンゴい夢

みちゃってさァ

？

．．．．．．

血の匂いが

する

誰を．．．．．

殺した

その

剣で

え？

エッ

わ！？

なっ

なんだよ

コレ！？

．．．身を守る

ためにだけ

使えと

言ったはずだ

待って！

ちがう！

父

うえ！？

！？

！？

！？

うわっ

わっ！？

わァアア

アアアッ！！

父上っ！！

父上

助けて！！

父上ー

ーッ！！

すまなかった．．．

オレのせいで：・

お前には

教えなければ

いけないことが

たくさん

あったのに：：

今なら

お前にも

わかるだろう

トルフィン

お前に

敵など

いない

誰にも

敵など

いないんだ

傷つけて

よい者など

どこにも

いない

．．．

．．．いなかったんだ

うあ！！

がっ

ハアッ

ハッ

グゥッ

ハアッ

ということは、

ははは

なんだ．．．

ここ．．．

ヴァル．．．．．

ハラ．．．．．？

第７０話終わり

我々「熊本、誓い

ｖａｌｈｃｌ

ヴァルハラ

北欧神話における神々の国ア「スガルドに

あるという主神オ一ディンの館。

優れた戦士の魂は死後そこへ集められ

予言された神々と巨人との最後の戦争

（ラグナロク）においいて神々の尖兵と

なるべく戦闘測練の日々を送る。

ヴァルハラに入ることは

北欧戦士の名誉と考えられていた

ああ

ひひ

はぃハハハ

．．．

笑ってる．．．

！

ビョルン

！？

はは

まァだ

そんなトコに

引っかかってンのか

トルフィンよ

よゥ

ご無沙汰

アシェラッド．．．

こりねェ

ヤツだな

お前も

また戻って

きやがったのか

．．．．．．なんなんだ

ここは！？

アシェラッド

戦士の館．．．

なのか？

あァ？

戦士の館

だァ？

ここが

あの世だってのか

冗談じゃねェぜ

よく

見ろ

あの世ってのァ

もっといい所だ

現世

そのもの

だろうが

ここは

クソどもの

掃き溜めだ

戦士が最後に

行きつく所．．．

究極の

戦争状態だ

ここじゃ

自分以外は

全員敵なのさ

勝敗はない

終わりもない

．．．．．自分．．．

以外．．．

全員．．．．．．

敵．．．．．．

覚えてるか

トルフィン

お前もかつては

ここの住人だった

幸か

不幸か

お前は一度

自分が

虚ろになった

だからここを

抜け出すことが

できたんだ

ここに引き込んだ

張本人が言うのも

なんだかな

お前は

運がいい

ここから出られる

ヤツなんて

そうはいねェぜ

『戦士で一杯だった

お前の中の器は

一度カラッポに

なった

今はなにが

入ってる？

トルフィン

．．．．．．

まだ．．．．．

．．．『戦士』

だ．．．．．

怒りにまかせて

人を殴った

今だって

もう．．．

だから．．．

また

もどってきた

手が

限界なんだ

オレはまだ

ここの住人だ

情けない．．．

オレは．．．

つくづく

成長しない

人間だ

オレは．．．

オレは．．．．．

「オレは～～～

オレは～～～

ってか？

ヤレヤレだな

あーあ

内省も結構だが

目は開けとけよ

すンげェのが

足許に

近づいてるぞ

え？

ォオヤ

ウワッ

ウワァア

アッ！？

オイオイ

蹴るのかよ

ヒデェな

恨みごとの

ひとつも

聞いてやるのが

筋じゃねェのか

うっ

恨み！？

そうだ

よく見ろ

知ってる顔

あンだろ

そいつら

みーんな

お前が

殺した

人間だぜ

うぁ

あ

．．．．．．

．．．．．オレが．．．

のお

あなたが．．

あなた達が

どこの誰なのか．．．

わからない．．．

いつ．．．．．．

どこで．．．

あなた達を

殺したのか．．

思い出せ

ない．．．

死にたく．．．

なかった

だろうね．．．

ごめんよ．．．

あーあー

ったく

ヤボな

連中だな

ほっ

オラ！

メソメソしてる

ヒマぁねェぞ！

またココに

堕ちたかァ

ねェんだろが！

登れ！！

なら

そいつらを

ぶら下げた

まま！

それが

お前の

戦いだ！

登れ！

行けェ！！

お前が殺した

そいつらを

連れて！！

本当の

戦いを

戦え！！

本当の戦士に

なれ！！

トルフィン！！

．．．．．．

夢．．．

本当の．．

本当の

戦士に

なれ！！

エイナル

！！

エイナル！！

おい！！

生きてる

かっ！？

ん．．．．．

おお．．

あチチ．．

お前頭ントコ

大丈夫なのか

トルフィン

勝ったぜ

いつの間にか

寝ちまってた

みたいだな．．．

ケンカ

あーあ．．．

ドン底だな

オレ達

麦はメチャクチャ

体はボロボロ

借金は

増えるし

おまけにこの後

ケンカのお仕置きが

待ってるときた

まァ

でも

お前が

あンニャロウを

ブン殴った時は

胸がスカッと

したぜ

テテテ

？

どうした？

痛むか？

エイナル．．．

オレは．．．

今まで

暴力の中で

生きてきた

なんの希望も

なく．．．．．

大勢の人達を

この手で殺して

しまった．．．

名前も

知らない

人達を

なんの

恨みもない

人達を．．．．．．

大勢．．．．．

今日

また

人を

殴った

殴ったって

何も解決

しないのに．．

もう

これっきりだ

オレはもう

二度と人を

傷つけない

もう

今日で

暴力と

決別

するんだ

生まれ

かわるんだ

生まれ

かわって

償いを

しなくちゃ

本当の

本当の

戦いを

戦うんだ

．．．．．！

そうか．．．

わかった

よく

わかんねェ

けど

よく

わかった

生まれ

かわろう

生まれ

かわるんだ

．．．．．！

お咎め

なしだって！？

そんな

バカな話が

ありますか

旦那！！

こっちゃア

アゴを割られて

スープしか飲めねェ

ヤツだって

いるんですよ！！

しめしを

つけなけりゃ

あの奴隷どもが

つけ上がる！！

．．．．．

旦那！

これは

農場の秩序に

かかわる

問題ですよ！

．．．多くの場合、

ケンカというものは

双方に非がある

ものだ

お前達

相手ばかり

責めるのではなく

我が身を省みることも

必要ではないか？

？

メノウの

ボタンだ

今朝パテールが

荒らされた畑から

見つけ出した

あっ

そっ．．．．．

畑荒らしの

犯人のものとみて

間違いなかろう

ところで

トリグベ

いつもの上着は

どうした

イヤッ

エ！？

その．．．

バカ！！

．．．どうやら

この件の調べを

すすめていけば

多くの者を罰さねば

ならなくなるようだ

それは

ワシの望むこと

ではない

畑は野ブタに

荒らされた

そういうことだ

わかったな

お前達

ケンカなど

なかった

テメェトリグペ

くっそゥ

パテール．．．

あの

奴隷上がり

め．．．．．！

ふゥ

なに

礼には

およばん

お前の

言うことは

もっともだ

ありがとう

ございます

旦那様

畑をダメにされ

奉公人に殴られ

罰まで受けては

さすがに奴隷とは

いえ．．．な

しかし

お前は強いな

パテール

仕事仲間から

孤立することを

ちっとも恐れんか

鍛えられて

おります

元奴隷

ですから

力を抜け

バテるぞ

クワの重さで

振るんじゃ

はい！

ヴィンランド・サガ１０終わり、

ルフィンの航路

航路

ＷｉｎｄｏｗｓＡＧＡＩＮＰ

トルフィンが父トールズ

たちと暮らしていた、戦

とは無縁の静かな村。

トルフィンの生まれ育った村

．．．

ルウェー

スランド

本来

トルフィンが奴隷として売られてきた、海に

近い穏やかな地。広大な土地を震場主ケ

ティルか経営している

ユトランドッ

半島南部

北インク

エイナルが畑を耕していた

地。彼はここから奴隷として

売られてきた

添取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、

コミックス発売当時のまま掲載しています。

ヴィンランド・サガ（１０）

者

著

発行者

発行所

２０１２年９月１日発行（０１）

清水保雅

幸村誠

®ＭＡＫＯＴＯＹＵＫＭＵＲＡ２０１２

株式会社・講談社

〒１１２－８００１

東京都文京区音羽２１２２１