そんなにしがみつかないでくれっ!! 無理なんだもう!てっ手がっ 上についたらロープを持ってまた来るっ ごめんまたオレ大騒ぎしてた? やっぱオレ羊小屋で寝るよ カルリなんか起きやしない 明日もやることいっぱいあるんだから トルフィンのにおいかいでると 登った先にヴィンランドがあることはわかってるんだ でも死者達が重くて... いつも力尽きて落ちてしまう 誰も助けてくれないの? オレと死者達だけ... なぜ幸せに暮らしている アイスランドからグリーンランドまで... グリーンランドのワシの農場で移民希望者を乗船させて 潮の流れに乗っとるから西への航行は少し楽だ そのあたりがヴィンランドだ 天候やら様々な条件で長くも短くもなるだろう 冬はグリーンランドの周囲の海が流氷に閉ざされる 麦を蒔くタイミングも大事だよ なるべく早く麦の生産を軌道に乗せたい それも計算に入れないといかん 移り住んだその年の秋には種蒔きをしとかなきゃ それより前にある程度開墾を済ませないといけないな... なによりまず家を建てないと うわー忙しいな最初の年は 流氷が消えるのを待ってアイスランドを出発 じゃあそういう予定で募集をかけよう レイフさんギョログリーンランドをお願いできますか すぐ行って人をまとめておこう ギョロ君にはもう一つ頼みたい この夏の間に予定の航路を前もって確かめてきてほしいんだ できる範囲でかまわないいいかな? いや...ギョロはグリーンランドの人だし そうだけどそういうのはヴィンランドに行く奴の中から頼まないとだろ オレがコースを把握してても意味ねェじゃん うォ!?えっ!?なんだよ オレ今まで行くって言ったことねェじゃん あっぶねマジかよオレ勘定に入ってた? 行かねーよ?最初っから行くつもりないかんね なにコレ行かないほうがおかしい感じなの? だってオレもうイッカクの角の分け前はもらってるし 「えっ?」じゃねーースよ!引退ですからね ヨムスボルグでケガして以来体がきかねーじゃねェですか! そもそももうとっくに隠居する歳なんですよ あっそーゆーのよくないな 確かに...ギョロが適任だけど 他の人に頼むことにするよ オイィなんだこれ!?オレが悪いんかい!? こようなこうギョロ.. やんなっちゃうなーー!だいたいさァお前ら... とにかくオレァ行かねェからな! オレ抜きで話し合いしてくれ ミクラガルド行きの時もあいつはレイフさんが心配でついてきていただけだったんだよ もともとそんなに冒険好きってわけじゃないんだろう だいたいうまくいきっこねーよ わかってねンだよなーやってることのスケール感が 海の果てに国を作る?正気じゃねーよ あれだなミクラガルドみてーなデカい国に行ったせいで感覚くるってンだなアイツら せっかく稼いだ金海に捨てるよーなもんだぜ ギョロなにちてんのー? なんでなんもちてねーのー? いいか「なんもしない」とゆーのはな逆にハイセンスなライフスタイルなんだぞ ご紹介にあずかりましたトールズの子トルフィンです 民会の場をお借りしてお集まりの皆さんにお話がございます 不躾な質問をお許し下さい どうにも貧しくてこの先の暮らしに不安を抱えているという方はいらっしゃいますか そんなのみんなそうだぞォ 今現在奴隷身分...あるいは 迫害に苦しんでいる方はいらっしゃいますか? 争いや復讐の最中にいて 暴力の応酬に疲れ果てている...そういう方はいますか? いま切実にそう願っている人はいますか? 私達は今そういう人を求めています ヴィンランドという土地があります 私達は今そこを切り拓いて国を作る準備をしています この島にはない広大な森と 羊を養うのに充分な草原がヴィンランドにあります 麦畑を作ることも計画に入っています 戦争と奴隷のない国を目指しています 来年の春流氷が消えたらアイスランドを出発するつもりです この計画に参加したいという方は〝鯨の入り江〟の私の仮住まいを訪ねて下さい ご静聴ありがとうございます いけね大事なこと言い忘れてました なけりゃ薪を作ることもできないよ 小刀とかもなけりゃ暮らせない 武器ってたいてい暮らしの道具でもあるんだよなァ ヴィンランドにいるかな?クマが 遭わんかったがオオカミもクマもいると思ったほうがいいだろうな 私の弩ならクマを倒せる 弓は狩りの道具だ私は絶対に手放さない つまり純粋に人殺しのために作られた道具ってのは... 剣はヴィンランドには要らない 開拓団に参加を希望する方はお持ちの剣を あらかじめ処分してきて下さい それだけよろしくお願いします んン~~~...どーかな〜〜あの言い方 エイナルの言う通りだよ 今さらなんださんざん話し合っただろ 主旨を正しく理解してもらうことが大事だ これで人が集まらないならそれはそれでいいことさ ここではないどこかへ逃げたいと願ってる人が この島にはあまりいないってことだろう それは喜ばしいことだよ あァ!?剣を捨てろだァ!? フザけんじゃねーぜならその話はなしだ なんなんだそのトルフィンってヤローは さァ...けっこう金持ってる商人らしいよ オレがこのウルフバートを手放すなんざありえねェ いつかコイツでハーフダンをブッタ斬ってやっからよォ わかっとるワそんなこたァ ヴィンランドは広くて豊かな土地らしいよ兄ちゃん 開拓団に加わればオレ達の農場をヴィンランドに持てるかもだよ 他人の羊の世話で食いつなぐのはイヤなんでしょ? うるせェ!くどい!剣は手放さねェ! キエフまでは言葉が通じたんだよ でもそれより南に行くともうさっぱりで でも商売は不思議となんとかなるんだよ そうなまず品物を指さして あとは身振りと気合だな でさイッカクの角も身振りと気合で売ろうとしたんだけど なんでか知らんが急に相手が怒り出してさ なんとかなってねェじゃんか うんなぜだか牢屋に入れられて うなった...やさしそうだ... こんな夜更けにどちら様? トルフィンという人のおうちを探してて... あら丁度よかったトルフィンなら今この家にいるわ いらっしゃい晩ごはん食べる? トルフィンさんとお話...できますか...? はい私がトルフィンですが もしかして開拓団への参加希望者かな? ハルヴァルと申します... トルフィンさんの民会でのお話を聴きました 逃亡奴隷でも...ヴィンランドに行けますか? 行きたいと願う人は誰でもです ハルヴァルさんあなたの所有者と話をつけないといけません あなたはどこから来たんですか なんだよ姉上大声出して ハーフダンがらみのイザコザは金輪際ゴメンだぜお引き取り願おう! オレの客だよ姉上には迷惑かけないよ ハーフダンに何かひどいことされたの? 一族は連帯責任じゃい! 仕事は大変だったけど私は力だけはありますし... いえそういうわけでは... 逃亡でもしないかぎりお仕置きはなかったです 男の人と相部屋なのが... 恥ずかしいんです... あなた...女の子なのね? よかったらあなたのことをもっと教えてくれる? 特にその...あなたのお父さんのこととか... 父の...?なぜ... 私は...アイルランドの生まれです 父のことは...よく知りませんが強い将軍なのだそうです 嵐のような人です... らしいじゃねェエエかァアアア キャー殿様が来たわー! も~~~いつも突然なんだから ほぎゃあああお、ふぎゃあああ 殿様もっと優しく... 父の名前が思い出せないわ... この子の名はハルヴァル! どうだ強そうな名だろ! みんな『殿様』とか『お父様』とか呼んでたから... ハルヴァルは今日から戦場で育てよう なんたってオレの子だ強い戦士になるぞォ! 『息子を戦場へ連れて行かれて ですから女の子の名をつけてやって下さいな なんだよも~~オレァてっきり男だと... 女名前なんか考えてきてね〜〜よ〜〜 父は私に興味を失いました オレ次の戦争があるから その日から私は女の子として育てられました いつやってくるのかわからない父に嘘をつき通すため お料理お行儀お裁縫... 母は私に女の子の作法を 私も自分を女の子だと思い込んで育ちました その後何度か父にも会いましたが 嘘がばれることはありませんでした 私はどんどん父に似てきてしまったんです 泣かないでコーデリア... ごめんなさい...私の嘘があなたを苦しめてしまったのね... コーデリアは母が私につけてくれた名前です こんな姿でコーデリアだなんて... みんな変に思うでしょう? 母は本当に優しい人でした あなたはいつまでも私の小さなコーデリアよ... 父が来てしまったんです ハルヴァア...それ!! いい話を持ってきたぜェエ!! お前のムコさんだァアア オレの見込んだ男だお前に強い子を授けてくれるぞォオオ!! 孫が産まれたら今度こそ戦場で育てるぞォオオ こんな姿では男だということがバレてしまいます 私と母は父から逃げました 一船に乗ってあてもなく... コーデリア...きっとどこかに... あなたがあなたのまま暮らせる地があるわ 一緒に探しましょうコーデリア でも...その望みは叶いませんでした 気がつくと私はひとりで浜辺に打ち上げられていました 母が無事なのか...知るすべはありません お母様は私を大切に育てて下さった... そのことまで嘘にしないためにも 私はあきらめたらいけないんだわ... 私は私のままで暮らせる地を見つけるわ その後私は奴隷商人に捕まって... 売られ売られてアイスランドへやってきました コーデリアを必ずヴィンランドに連れてけ! 絶対ハーフダンに渡すなよ!! 言ってること真逆になった... オレも彼女のような人を待っていた オレのほうから頼みます コーデリアさんオレ達と一緒に「あなたがあなたのまま暮らせる国」を作ろう この家で同じようなことが... あの頃ァトールスカいたが... こんばんはハーフダンさん 今コーデ...ハルヴァルさんの話を聴いて 余計なことを言うなトルフィン 「取り決め」に支障をきたす ヴィンランド開拓事業の準備を手伝ってもらってるんだ 物資の調達とか人手集めとか ウチの奴隷が面倒かけたなすぐ連れ帰る この件はそれで終わりだ いいんですかコーデリアさん!? 決意があってここへ来たんでしょう? がんばってハーフダンさんと交渉しましょうコーデリアさん オレとモメてェのかトルフィン ハルヴァルを妙な名前で呼ぶな そのマユそってンのかー? こいつにこれ以上かまうな なんなんだその鎖中二病かァ? ハーフダンさんコーデリアさんの値段を教えて下さい 解放するのにいくらかかりますか フッかけてなんかいねェぞ そいつは奴隷としちゃ最高級の品質だ 従順でいいつけに逆らわない お前が民会でつまらんことを吹き込んだせいだろうが いいんですトルフィンさん 自分の値段は知っていました そのことでご迷惑をかけたくありません 一緒に行こうって言って下さってうれしかったです... お騒がせしました... 主な仕事は農地の開墾でした 働いて稼ぎ自分自身を買い取ることで 拓いた農地を運用して得た収益が私の稼ぎになったんです このエイナルも同じ所で一緒に働いてて あれはうまい仕組みだったよなァ そうだなァあれはいい制度だったよ 人の使い方がうまいよなァあの主人は 奴隷のやる気を引き出せるかどうかは主人次第なんだよなー 私達の元主人はユトランドでは 名士なんて呼ばれてましたっけ あおるじゃねェかガキどもいい度胸だな だがここじゃ通用しねェ話だ このアイスランドにゃ切り拓いて畑にできるような肥えた土地はどこにもねェ 他所の土地ならそれでいいかも知れねェがここでは... なに笑ってンだ腹の立つ... ヴィンランドに農場を持ってみませんか? ヴィンランドへハルヴァルを派遣するとは限らんぞ お前の口車に乗るのはシャクに障るがな 大丈夫ですよコーデリアさん 春が来たら私達と一緒にヴィンランドへ行きましょう コーデリアさんが新しく仲間になった これから一層ヴィンランドの持つ可能性をハーフダンさんにアピールしていこう まァハーフダンさんは話のわかる人だし 利にさとい農場経営者だからね なにより同じ文化圏の人だ交渉相手としちゃやりやすいほうだよ でもちょっとハーフダンさんプライド傷ついた感じだったな 言葉が通じるだけでありがたいよね うんそのへんていねいにケアしよう あんた達ちゃんと商人なんだねェ そりゃそーだよなんだと思ったの イチかバチかの一発屋的なヤマ師的な ロハ丁でしのいできたもんな いい舵だ壊れる前より上等になったな さっそく取りつけてみるべェ カルリこっちにこなかった? 親分はやめて下さいな奥方様 アッシらァもう海賊じゃねェんですから いやいやトルフィンの旦那とご結婚なすったんですから ヒルドさんと一緒にいましたよ そこはアッシらのけじめです奥方様 あコレすごい!新しい舵? いい品だねよく手に入ったねェ ヒルドさんが手作りして下すったんで あの人ァてェした大工だよまだお若ェのに木を知ってる いい大工が仲間にいりゃアヴィンランドでも心強いってもんでさァね 最近ヒルドさん変わってきたのかなァ あんな風な手助けしてくれたことなんか今までなかったのに... いいかげんそろそろトルフィンのことゆるしてくれる気持ちになったのかな だってェトルフィンあんなにカッコイイしィ 女だったらそりゃもう好きになっちゃうに決まっ... 優しいしィ誠実だしィ♡ そーゆー...それは違うわ そうゆう...そうゆうことではない かーちゃんなにちてんのーー? このゆみカラリのだよー? ヒラドがねーつくってねーみんなにくえた ヒルドさんが作ってくれたの? ほいでーれんしゅうちてんの うまくなったらーかりにいくのヒラドと 絵もうまいなァヒルドさん... そうあんた壊れて靴底がカパカパになってたでしょ なんでそのまま履いて遊びに行くかなこの子は ヒうドがねーなおしてくえたよ がーちゃんもれんしゅうする? ...かーちゃん帰るわ あんたソレ人に向けてやっちゃダメだよ 字の読み書きもできるし たしかに親分の言う通りだよね ヴィンランドで大活躍するよヒルドさんは 船乗りとしてはまァまァ経験あるし アタシあんな舵作れないもん なんかっなんかこういうのいやだ! アタシ自分とヒルドさんを比べてる!ヒクツになる! やばいなーアタシキャラ弱い! ヒルドさんウチ来てたんだ ヒルドさんウチ来てたんだ さっきアタシヒルドさんち なんか...カルリがすごくお世話になってるみたいで 別に...物を作るのは嫌いじゃない 迷惑だったら言ってくれ いや全然!遊んでくれてありがたいんだけど... むしろこっちがご迷惑かなと てゆうかこんなトコで何して... まァ...立ち話もなんですから中へどうぞ ここでいい長話する必要はねェ 唯一の参加条件なんですが... 何が困る何も困るこたァねェだろう 持ってかねェほうがいざって時に困るだろうが オレはヴィンランドにこの剣を持っていく こういう人が来るだろうとは思ってたけど 私の監視の邪魔をするな いいかトルフィンもう一度訊くぞ ヴィンランドにも人が住んでるんだよな? そいつらと言葉は通じるのか? 勉強しないといけません 勉強しないといけません 言葉の通じねェ部族がいるトコに行くならよ イザコザが起こるってことは充分あるよなァ だったら必要だろうがよ ヴィンランドに剣は持っていけませんイーヴァルさん 先住民どもは...どんな武装をしてやがんだ? 石の槍や弓を持ってるらしいです ...まぁいい武装はしてるんだな だったらこっちも武装すべきだろ じゃなきゃ相手にナメられるだろうが わかるだろ?バランスが大事って話だよ 世の中ァ必要なのはバランスだ 部族の間でこいつが釣り合ってねェと対等な取引なんざ出来ねェんだよ こっちの力が上回ってる分にゃかまわねえだが下回るのはダメだ たちまち相手にとって食われてお終いだ わかるだろ?平和を望むにしても わかるって言えコノヤロウ わかってもらえてうれしいぜトルフィン いやオレもなガキじゃねェんだ何もダンビラ振り回してハシャぎてェわけじゃねェのさ 剣を「持ってる」ってことが大事なんだ 剣を持つことで平和が保たれる 持ってくぞヴィンランドにこの剣を このクソチビに剣の力を思い知らせてやるぁあ!! 放せェガングラティ!!ストルク!! イーヴァル兄ちゃん短気はいけない おちっけーヴァルガルルル 剣にこだわる気持ちわかります 持っていたくなる魔力がある おっしゃることもよくわかります 大陸の部族はみんなそうでした 「剣によって平和が保たれる」そうかもしれません 剣によって平和が保たれる」そうかもしれません 剣には人を惑わす魔力もある 持つ者の耳に囁きかけてくるんです 「さあ今だオレを抜け!」 「オレを使うんだ!」と... ひとりが抜けばみんな次々に剣を抜く 死と悲惨...怒りが怒りを呼び復讐に対する復讐が繰り返される 一度始まれば誰にも止められない 剣がもたらす平和は...本当の平和じゃないと私は思います 剣の魔力が持つ者に見せる幻なのでしょう そのためのヴィンランドなんです ヴィンランドに剣を持ち込みたくないんだ わかってもらえますか? ヴィンランドの原住民と争いになった時ただやられるだけか!? 剣以外の手段でなんとかします 剣以外のどんな手段だ! わかりませんその時になってみなければ しかし剣を持っていれば使ってしまう ...上手くいくはずがねェ お前はバカだ世の中を知らん 試してみなければわかりません 試してみる価値はあると思っています お前は実験がしてェんだ お前を信じて従う仲間を使って 結果のわかり切った実験をしようってんだな ストルクガングラティ帰るぞ 開拓団に入るのやめるのかい?イーヴァル ああリーダーがあれじゃアな オレは入ったほうがいいと思うけどな ちゃんと話聴いてろお前 あいつの仕切りじゃしくじるに決まってる あのトルフィンがしくじった後には 次のリーダーが必要になるだろ お前のこれまでの悪行もみんな...剣がさせたことだと言いたいのか?トルフィン いいえそういうわけでは 言い回しひとつ間違えるだけでお前は死ぬ なっ何!?どうしたの!? なんで匂いかぐの!?やめて!? トルフィンがヒルドさんにころされる前に!! アタシがトルフィンをころすー!! とっとにかく匂いかぐのやめて恥ずかしい... 匂いかいでると落ち着くの! いーじゃんかがせろ減るもんじゃなし! あーー変態さ!!アンタの奥さん変態さーー!! いい馬ですね!ハーフダンさん エイナルも乗ってみなよ楽しいぞ おとなしくて力もあるこれならなんにでも使えます オレはいい乗るのは苦手だ ヴィンランドで増やす気ならメスも何頭か必要だろう用意できるぞ グリーンランドからの参加者がわりと多いみたいで すみません支払いが全部銀で 腐らねェし場所も取らねェ もっと銀があれば商取引が活発になる 手下どもにあちこち掘らせちゃいるが 手下どもにあちこち掘らせちゃいるが 今のところ金銀が出てくる気配はねェ この島はとことん儲からねェように出来てやがる ヴィンランドなら金銀が出るかもしれませんよ? コーデリアさんのこと前向きにご検討下さい 世の中を知ってお前もだいぶ知恵がついたようだな オレもヴィンランドに投資する オレの財産の保護のためにも武装は必要だ オレの財産の保護のためにも武装は必要だ 買っとけ必ず必要になる お前が戦嫌いでもそれで敵が手加減してくれるわけじゃねェだろ 大農場主のあなたにぜひご意見を伺いたいのですが 先日私のところへイーヴァルさんという方が訪ねていらして... 実際お前がやろうとしていることは実験だ お前が剣を捨てるだけで平和になるなら苦労はねェ 暴力は否定するものじゃねェ制御するものだ てめェのことは前々から気に入らなかった オレにお前が斬れると思うか? あなたは私を斬れません 民会と法律があるからだ この島に生きる者は皆私闘や復讐などの実力行使の権限を民会に預ける 民会は全島民の暴力を独占する制度と言っていい そして民会は法律に従ってその暴力を行使する 裁判によって決定される刑罰という形でな だが島民皆がオレのように民会と法律に従う奴らばかりじゃねェ 法をナメてる奴らもいる 法をナメてる奴らもいる 民会には法を執行する具体的な力がないからだ 独占した暴力を法に基づいて 民会にそれが備われば制度は完成する 軍団を仕切って違法な暴力を取り締まるには王が必要になるだろう だが個人が強権を預かれば暴走する可能性がある 王もまた法律に従いかつ島民全員の協議によって選出し罷免することも出来る新しい制度の確立が お話を聴いててなんだかひらめきそうで 私は法律と民会以外の理由を思い浮かべていたんです 我々の間には取引がある」 「斬ればお互いに損だ」と お互いに得をする... 羊は羊飼いが育て鍋は鍛冶屋が作る お互い仲良くしなければ羊の鍋料理にはありつけません 相手がいなければ暮らせないほどにどっぷりと! レイフさんの話だとヴィンランドの先住民達は麦や羊や鉄を知らないそうですきっと魅力的に感じてくれるはず それらの生産物を彼らにちゃんと安定的に提供するんです 彼らも私達が魅力的に感じるものをきっと生産しているそれを対価にもらう 「生産物」であることが大切です 単なる持ち物じゃダメだ殺して奪えばいいというような物じゃ依存関係には発展しない 「商品の力」でお互いの暮らし方が変わる 相手の生活の安定が自分達の生活の安定につながるようになる 「取引」と「依存」による平和! 剣に依らないヴィンランドの平和だ! いやいや...いや、いやいや...そんなわけじゃない 互いに魅力を感じる商品がなかったらどうする 商品じゃなくてもいいんです技術や知識でも同じです 要は相手と深く関わって依存することです やぁ!ありがとうございますハーフダンさん! 部族の間で結婚なんかするようになったら最高ですね やっぱり相談してよかった この次イーヴァルさんに会った時ちゃんと説明できそうです 「ただの実験じゃないちゃんと勝算があるんだ」って やぁ今日は本当にお話出来てよかった どうしたなんかいいことあったのか いい取引も出来ましたし やぁ元気そうですねコーデリアさん ごめんなさい仕事が終わらなくて トルフィンさん私!!ヴィンランドに行けるんです!! ハーフダン様が許して下さったんです!! そうですか!!やったァ!! なんだァ教えて下さればいいのにィ お前オレの養子にならんか ハーフダンさんて真顔で冗談言う人なんだね やだビックリしちゃった そういうことで、それでも、そういうのは、 そういうことで、そういえば、 数多くの駐車両方航路の オレには今跡継ぎがいねェ それについちゃお前にもいくらか責任があるはずだトルフィン 私にはヴィンランド開拓事業が それをやめろとは言ってねェ 開拓事業は大いに進めればいい だがお前はこの農場に残って後方支援に努めるということだ 全農場の経営一切をお前に任せる 収益をヴィンランドに注ぎ込むのもいいだろう どうだヴィンランド開拓の強力な援護になるだろうが ちょっちょっとすみません相談します ややこしいことになるかもな あの...とてもいいお話なのではないかと... そこはもうそうですか確定なんですね オレがヴィンランドに行かないという選択肢は絶対にないよ いや理解した上でのゴリ押しだろう そんだけハーフダンさんはお前を買ってるってことだよ兄弟 ないか罠で相続権はくれないよな しかし困ったぞ...人も集まってきたし この話無下に断ればみんなの前でハーフダンさんに恥をかかせてしまう お前がそういう風に考えることも見越した上でおおっぴらにしてるんだろうな でしたらこの場はとりあえず お返事はまた今度にということでしょうか 交渉上手だぜハーフダンさん あれ?あの帆の印... シグやんアレほら船着き場の ご無沙汰しておりました父上、母上 シグルドその腕に抱えているのはー そうですお二人の孫です 抱いてやってくださいなお義母様 んまー小っちゃいお手々!! 男の子?女の子?お名前は? 男の子ですニャールと名付けました ほーらおじいちゃんよニャール しゃべるのはちょっとまだだと思いますが... オレを見てはっきりおじいちゃんと言った 百年にひとりの天才かもしれん オレはこのシグルドの子ニャールにオレの全財産の相続権を与える この場にいる全員が証人だ ...あのゥハーフダンさん... お...おつかれさまでした... 父上は言い出したら聞かない人だからなァ グズリーズはどうしてる 父親になったんだなおめでとう 行くのかヴィンランドに ヴィンランド開拓はきっと上手くいく 結果のわかり切った実験を ...そういうことで、そういうのは、そういうことで、... それは...そういえば、... アイスランドに長い冬が訪れ... 西方航路を長く閉ざしていた流氷が消える頃 エイナルさん女神」ですかいその中身は 面倒だけど壊れ物扱いでお願いします コーデリアこれ私達で作ってみたんだけど ちょっと着てみてくれない? さすが母上丈ぴったりじゃない そういうことで、...そういうことで、そういうことで、 それは...そういうことで、そういえば、 ...そういうことですが、 色はどうかしら?コーデリア ひょっとしてこういう服持ってないんじゃないかと思ってさ どうかな?気に入ってくれる... あっははは気に入った?よかったよしよし 体に気をつけてねコーデリア あっイーヴァルさん達が来た! 乗っちゃってすぐ出発するから こういうお人好し過ぎるトコがダメなんだこいつら 皆さん体調などはいかがですかー? 忘れ物とか大丈夫ですか?ないですか? はーいありがとうございまーす じゃあぼちぼち行きましょうかヴィンランド えっ!?すっごいカルい!! なんかないのトルフィン感動的なスピーチとか ヴィンランドグリーンランドアイスランド間はちょくちょ〈往復するつもりだし そんなカッコよく出発したらまた会う時気まずいじゃない 泣かせる別れの言葉とかさ 泣かせる別れの言葉とかさ 楽しくやりましょう皆さん ヴィンランドを楽しい国にしましょうね カルリ君号令をお願いします がんばれとおみやよろしく ヴィンランド・サガメ終わり、 ☆この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは、一切関係ありません。 コミックス発売当時のまま掲載しています。 ☆取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、