あ...ああそういうことで、 じいちゃんが言ってたのってあれだろ? ブラッタリー(レイフの農場 ヴィンランドに初めて上陸した男はヴィンランドに最も近い場所に暮らしていた よぉ来たなあトルフィン さっそくでわるいけど第一次参加者を集めてくれるかな ?いやゆっくりは出来ない それとちょっと物資の一部を預かってくれませんか そうしないと第一次を乗せるスペースを作れないんだ 夏ごろには第二次参加者を乗せる船をここに向かわせるからその物資も一緒に載せてください おっちゃんのほうで何か予定変更はありますか? え?いやゆっくりは出来ないんだ 船を降りたら急に老け込んできちまってさ じいちゃんちょっとモウロクしてきてんだ 耳も遠いんだはっきり何回も言わんと伝わんねえよ ...お年の夏はあんなに元気だったのに... 段取りについて相談したいんだけど... じゃあ..ギョロはいるかな 相談ならモルズさんとするといいよ ギョロ!?ほっとけあんな奴! 金持った途端調子に乗りやがってノルウェーに置いてきたよ えぇ!?そりゃひどい... ひどかァねェよノルウェー娘はべらせてギャンブル三昧してんだから すっごーいギョロちゃんまた勝ったァ!! ギョロちゃんこのまま王様になっちゃうのォ? んン~~?なっちゃうかァ? ギョロ!いいかげんにしろ ボク王様になっちゃうのかなー!? あれ?言ってませんでしたっけ? ギョロちゃんアタシ白いお馬さん欲しいなー オレこの子とこっちで所帯持つんだァ オスロ近郊に農場買うことになってンの ー?んー何頭欲しいの? いやいや...ワシャあホッとしとるんよ ギョロもようやく親離れできた ワシャ体の利かん老いぼれだ 若いもんの邪魔にはなりたくない ...おっちゃんからはまだまだ 教わりたいことがたくさんあるよ 聞こえとる聞こえとるよ ひとつ教えとかにゃいかんことがあったわ あー!覚えてるよ!なつかしいな 煙を吸う筒だ!おっちゃんがヴィンランドの先住民からもらったやつ 煙の葉はとうになくなったが持っていればきっと役に立つ ニカマク達が煙を勧めてきたら必ず吸いなさい 彼らにとって大事なことらしい 彼らはワシをそう呼びワシも彼らをそう呼んだ たぶん「友達」という意味だろう 羽根飾りもあったよねそういえば すまんなァどこへやったもんだがちぃとも思い出せんのだ よっ...こいせ... ...!トールズが今のお前を見たら... どんなにか喜んだことだろう 思いのままにゆくがいい 他の船より微妙~~~に沈んでるのがわかりやすか なるほど言われてみれば... 了解です積み直しましょう こいつ!潜り込んでやがったな! まァえんぎものなら... 「ネズミのいる船は沈没しない」なんて昔から言いますでしょう よかったわァホントに...こんなに伸びて あの時はもう...「どうしてやろうかこの子!」って思ったわよ すいませんお義姉さんにはご心配ばかり 東の果てを見てきたよ! 東の果てを見てきたよ! あのねェミクラガルドはねなんでも石で出来てるの! 家も!道も!城壁も!なんでも! すっごい石像があったよ!もう人間そっくりそのままなの! アタシ最初人が魔法で石にされたんだって思ったよ 今度は西の果てに行くんだ! なにがあるんだろうねお義姉さん! きっと想像もしなかったようなものがあるに違いないよ あれ!オッドなにアンタ来たん? 様子見てこいって父ちゃんが ごめんなァオッド実家まで行けないンさ したっけ出港遅れちゃうから トルフィンさんはどこだべか え!?あれがリーダー? そう!アタシのダンナさん なンまらイケメンでしょ? なにアンタ!!はんかくせェ人を見かけで判断すンのか!? イケメンだって見かけの話だべさ ああ!そうでしたかはじめまして! 腰のわりィばあちゃんと腹のでかい嫁さんがいるからね 行ってみてェけどもなァ 自分で麦を作ってみてェな ここじゃめったにゃ食えねェもん 第一オラァ麦畑ってのを見たこともねェんだァ グリーンランドとヴィンランドの間には頻繁に船を行き来させるつもりです 機会があればいつでも来て下さい一緒に麦を作りましょう ダンナはやめてくださいってば ヤクザもんみてェのがぞろぞろと じじィ...このオレ様にガンくれるたァいい度胸だぜ あァ?どこの誰様か知らねえがここァ堅気さんの土地だぜ若造 仕事で来てんだこっちもよ 堅気さんはオメェにゃお会いにならねェよ いいからレイフってのここ呼べや 話はこのヴァルガル一家が聞いてやらァな ...!?ヴァルガル!? 初対面でケンカ腰じゃダメですってばもう... いやこの手の面がまえを見るとつい... トールズの子トルフィンと申します こいつの博打の負けを回収に来た こいつの博打の負けを回収に来た ここに金があることはわかってる出してもらうぜ えェ〜〜...負けたっていくら? 大農場が買える額だぞ!? いや違うイカサマなんだよ ハメられたんだ~~オレは~~~ どうすんだよ払えんのか!?払えなくても知らねーぞオレ達は!! ダーイジョブダイジョブ半分は親父に預けてあるんだ あァもうもったいねェバカ!!大バカ.!! オレの金をどう使おうがオレの勝手だろ! いいから親父呼んでくれよ しょうがねェそいつ売るか とっトルフィントルフィーン!!頼むっ立て替えてくれー!! 必ず返す...すぐ返す!! 必ず返す!!すぐ返す!! アテはあるんだマジで!! ヴィンランドにイカサマ賭博のない国を 正直者がバカを見る!! 正直者がバカを見る!! はたらいてかえすってことか? こんな世の中でいいはずがない!!そうだろう!? 居候してたフレイヤちゃんの家のベッドの下に隠しておいたんだ ある日フレイヤちゃんとカネが同時にいなくなった... 賭場にはそういう奴が出入りしてるもんですよ そういう奴ってなんだ!? フレイヤちゃんを泥棒みたいにいうなァ!! フレイヤちゃんはオレ達のカネを借金取りから守ってくれてんだ!二人の将来のために!! あの子はそういうイイ子だ!! じゃないと...ココロが保たねェよ... ギョロヴィンランド開拓団に参加決定 トルフィン達の船団は北大西洋を西へ進む グリーンランドを出発して以来陸地を見ない日が何日も続いた 天体と水平線との角度(高度角)から船の現在の緯度を測定することができる 古くから使われているこの二天測航法」により、緯度線と平行に航行することが可能になる ブラッタリー(レイフの農場 片側に集まるなよ船が傾く! クジラミ...だ... エイナール大丈夫かァ!? ワシらみんなヨルムンガンドに食われちまう!! やっぱり無理じゃァ!!引き返してくれェ!! 大丈夫ですよォ今のはクジラです大ウミヘビじゃありません 今のはクジラかもしれんが! 次はきっと大ウミへビじゃア!! あああ恐ろしい...こうしてる今も... 海底には名状し難い恐怖の怪物どもが! ワシらの船を丸呑みにしようと待ち構えているに違いない!! レイフさんはヴィンランドまで行って帰って来たよ? そりゃあの人が幸運だからじゃい! “幸運のレイフ”じゃ!例外なんじゃ! ほんとに海が怖いんだなァウッゲさん ヴィンランドまでがんばってもらうしかないなァ... 別の意味でアタシも少し怖い... もしも...もしもだよトルフィン もしかして今アタシ達航路を間違ってて... とっくにヴィンランドを通り過ぎてたら...どうする? とっくにヴィンランドを通り過ぎてたら...どうする? ヒラド!ぽよっとおちちゃうかも! たぶん世界に端なんてない 水平線が少しだけ曲がって見えるだろう 海面が巨大な球の表面だからだと考えれば色々説明がつく 丸いものに端っこはないだろう まういののーまういののー まういののまんなかがしたなの? こっちーきてもおっこちないでしょ? カルリ...お前今いくつだ? たまけたな...この仮説を理解したのか 並の大人よりよっぽど賢いじゃないか... 私もお前も世界中を旅してきたが物が斜めに落下するような場所はどこにもなかった球体仮説が正しいなら、下は球体中心方向になる どんだけ進んでも水平線ってやつはちっとも近くに寄って来ないのな 水平線はそのままで陸地だけが近づいて来るんだよな 山のてっぺんからにょっきり見えだすのもイミわからんオレ達が来る前は沈んでたのか?みたいな そうそうそんな感じそんな感じ 真正面!!陸が見えるぞォ!! ヴィンランドが見えたって!? 違うよヘッルランドだよ 右舷斜め前方ォ!クジラだ! 聞いちゃいねェ...シロートどもめ 怖いんだぞクジラはよゥ! 遊び半分で船に体当たりかましてくるんだぞアイツら うおおおまおまお前らアレ見ろアレアレー!! よっヨルヨルムシガンガン見ろォーッ!! 後ろー!!後ろに行った見ろー!! 陸どころじゃねーんだよ後ろ見ろー!! おぉーわっ!!おわあァア!!ヘビヘビ!! ギョロはこの後救助され 大ウミヘビの夢見たわー トルフィン率いるヴィンランド開拓団 大西洋横断に成功し北米大陸に上陸する 平岩の地と森の地の中間くらいだとオレは思う そうだな平岩でもないし木も生えてないし しかしこれは...グリーンランドより険しい土地だな みんなにはよく説明したつもりだったけどやっぱりがっかりしてたな 海を越えたらすぐ豊かな土地があるって期待しちゃうよ とにかく...「ここではない」ことだけは確かだ 行こうここからは南下だ ヴィンランドは南にある 行けども行けども... おんなじような景色だべな もう春の盛りだろうあのへん雪が残っとるぞ? ずいぶん南に来ちまったなァ え?お前帰るつもりなのかよ だってよォ土地がこんな調子ならよォ クニにいるのと変わらんだろ えっちょっちょっと待ってよ ここはまだヴィンランドじゃないよ!? わかっとるよ森の地ってトコなんだろ? 森があるだけでグリーンランドよりだいぶマシだァ もうずいぶんグリーンランドから遠くへ来ちまった これ以上南下したら行き来が面倒になるぞ ここなら羊も飼えそうだしやってけるんでないかい? かまわねえさ牧草と木がありゃ暮らせるでよ そうじゃない!そうじゃなくて 人の数だってたくさん増えるいままでの暮らし方じゃ限界があるんだ 畑を作れるような広くて暖かい土地が必要なんだよ 国ちゅうのは農場何個分なのかね? アイスランドやグリーンランドで暮らしてきた独立自営農民... 畑ってやつを知らないんだ 黙ってないでなんか言ってやってくれよ! オランとこの女房とガキはあっちで寝てる オッドルさんフレズさん船の扱い方はご存じですね バカお前!説得しろよ! この森の地に本国との往来の中継基地ができるってことだよ 失うわけじゃないさエイナル そのぶんオレ達本隊は安心して南下できるだろ? それに分裂には他にも利点があるぞ たとえば開拓団に病気が流行ったりすることもあるかもしれん そういう時別れて活動していれば全滅を避けることができる ちょうどいい分かれ方だと思うよ こういう補給線に沿った中継基地がもっと欲しいくらいだよ やっぱりこいつは戦士だ こいつは...心の中で戦をしている どっちにつく?イーヴァル じゃあ南下する本隊だね でもあいつ...トルフィンはなかなか賢い奴だなァ おいそれとは失脚しなさそうだよ ちっとばかり小知恵が回るからどうだってんだ リーダーに一番必要なのは強さだ奴にはそれがねェ さっき帆柱の上から見えたんだ これはノルドの人間が建てた家だ じゃあっ!トルフィン! ーっ!!すー草っ原だァ!! やったなァトルフィン!! どどしたのトルフィン? これは...ノルド人のものじゃない いっぱい刺さってる... レイフさんの話を覚えてるか?エイナル なにそれはっっなにそれはつみみだ レイフさんの弟のトルヴァルドがヴィンランドで先住民と争いになったって話: もしオレ達がその部族と遭遇したらきっと戦闘になる 手早く食事をとってなるべく早くここを離れよう エイナルみんなに知らせてくれ でもトルフィンどっちへ行くんだ? どのくらい行けば安全になるのがわからないが 開拓船団は南下を続ける 開拓船団は南下を続ける 安全を確信するまでトルフィンは妥協しなかった 開拓に適した土地を探しましょう 船を安全に停めておける場所ですね砂浜があるとなおいい 池などのたまり水よりは川がいいですね 建材にも燃料にも木が必要です 放牧にも畑にも向いた平野であること 見つかったじゃねェかよ 赤い土だが大丈夫だと思うよいい匂いだ 雨もよく降る土地柄なんだろう アイスランドやグリーンランドとは比較にならない できる限り南へ来たのは正解だったよトルフィン 全員船に戻れェ積み荷を降ろすぞー なんだよ条件そろってるんだろうが 待って下さいイーヴァルさん ここが今誰の土地でもないこと 男はまず手分けしてこの周りを調べるぞ もし先住民に出くわしたらとりあえずなんもしねぇでここに戻れ 切り株や焚き火の跡そういった先客の痕跡を探すんだ よしじゃあ二人一組で班を作れ ねェなんであの人仕切ってんの? では我々は遠めにひと回りしてきますので タ方には帰ると思います ちがうのあのねェコーデリアはねェ... エッ?いや大丈夫じゃないでしょ いいんですグズリーズさん大丈夫です! はいあのそうなんですけど トルフィンも言ったじゃんコーデリアは女の子として そうなんですけど大丈夫です 私力がありますのでやっぱりそれを生かしてお役に立たないと いい森ですねヒルドさん そういえば森に入るの久しぶりだ そそうですねすみません... 私の目と耳には今のところ人の気配は感じられない まあ...馬でひと回りしただけでは正確なことはわからないがな 私達は先住民についてほとんど何も知らない レイフから聞いた話が全てだ そのレイフだって先住民と長く付き合ったわけじゃない 何がおこるかわからない今この瞬間あの木陰から石の矢が飛んでくるかもしれない カルリやグズリーズを守ってやれるのかトルフィン 私達は...ある程度の情報と覚悟をもってこの地へ来ました それでも先住民を恐れている おっしゃる通りだと思いますよくわからないから恐れている だったら...相手の恐れは私達よりずっと強いのではないでしょうか やっぱり慣れない森じゃ分が悪い... コレあのーお近づきのしるしにどうぞー はいこっちの袋には小麦を多めに使ったパンと干した豚肉 こっちは羊の毛織物の服とナイフとヤギのミルクそれと銀貨です。 知ってもらいましょう私達のことを 彼らが後をついてこれるようにゆっくりと 開拓予定地まで案内するのか 私達のことを知ってもらった上で彼らに判断を委ねましょう いやーうまくいった調査初日から大収穫だ! 西に人がいるとわかったし なによりうれしいのは彼らが 縄張りに踏み込んだ私達にむやみに攻撃してこなかったことですね これならきっと仲良くなれますよ 枝にヒモが結んであるが確認しろよー 結んである木は建材に使うからていねいになァ薪にするなよー アッシらグリーンランドへ出発しますんで 任せておくんなさい命に代えても 追加人員と追加物資の輸送よろしくお願いします それと手数ですが行き帰りにマルクランドへ寄って様子を見てきてくれますか 物資の一部を補給してあげてください トルフィーンちょっと来てくれぇ これをこうココに差し込んで 練習にちょっと耕してみましょうか 南側が麦畑の予定地なんであのへんを... トルフィーンちょっと見てもらいたいんだけどー 若いのにいろいろ知ってるよなァトルフィンは あちこち旅していろいろ見てきてるんだろ そういやギョロから聞いたんだけど トルフィンが商人になったのはわりと最近で もっと前は戦士だったらしいよ いやギョロの言うことだから でもあいつが言うにはー そりゃもう強いのなんのフェンリル狼のごとしで ナイフ一本でクマと互角にやりあったり 束になってかかってくるヨームの戦士をちぎっては投げちぎっては投げの そりゃすげェやおっかねェ まーギョロの言うことだから トルフィンちょっと来てくれー いやまァオレも本気にはしてないけどさ うん...いいんじゃないかな だろ?ここなら村を見渡せる 見守ってもらおう彼女に でも雨ざらしじゃかわいそうだ こう...全体に屋根をかぶせてさ簡単なのでいいから ただ置くだけじゃ落ちるぞ えええェ!?向それ!? 大丈夫これは石像ですよ 石なの!?人間なの!? ひとがひとかつくったの!? 魔法で女が石にされたんだ アタシもそう思った最初 ギリシアで見つけたんだ 一目見て...友達に似てると思ってさ そう思ったらほっとけなくて ミクラガルドまで運んでいって石工に頼んで直してもらった うんオレとトルフィンの ここに連れてきてあげたかった よく見たらこの石像... 本人に会いたかったなァ そうとてもきれいな人だった とてもやさしい人だった エイナラこのひとおなまえなんてーの? よろしくねーアルネイズ ギリシア人はすごいんだなー! 時間あったらもっといい庵を作ろうよ 誰が最初に始めたということもなく 開拓団は建設中のその拠点を 「アルネイズの村」と呼ぶようになった 「アルネイズの村」と呼ぶようになった トルフィン?アルネイズの所じゃない? 朝日祝福いちばん恐ろしい男 また、現在のサイトですが、 この石がアルネイズ村な? で東に向かって進んでー こーきてグイッと南でー ここまで海岸線を調査してきたわけだ 南にすぐ岸が見えてたじゃん? だからこの先はこんなかなーって思うじゃん?君らシロートは 違うんだなーこうなんだなー 満ち引きの動きとは違う海流が見えるんだよ もしこの先が湾で行き止まりならああいう流れは出来ねェ なんで言い切れるンだよ ああいう流れってなんだよわかんねェよ だからードーーッ!!てやつだよ 湾の流れだとグリンッてなって真ん中に潮目が見えるでしょうがなんでわからんが 海に関しちゃ頼ってくれ 海以外のことは何ひとつオレをアテにしないでくれ 海に関しちゃキョロは頼りになる つまり村へ帰るのに来た航路を引き返さなくてもいいってことか そうなるとなおのこと船の新造を急がにゃならねェな なぜです?イーヴァルさん あァ?なぜもなにもねェだろが 島で戦うならどうしたって船を多く持ってるほうが有利だ もちろん船は増やすつもりですが...しばらくは開墾で手一杯ですよ 防衛戦力の増強は後回しにしていいことじゃねェ! ちょちょっと待って下さいまず... 会ったこともない先住民を敵と想定するのをやめましょう あらゆる事態を想定して備えるのがリーダーの務めだろうが!! まーたはいまった... てめェのほうがおかしいんだよ 私の友達に私よりも戦争が嫌いな男がいます 若いころはいつも育ての親の後ろに隠れてて 今日もどこかで人を殺している そりゃよかったじゃねェか戦争嫌いが治ってよ あいかわらず誰よりも戦争嫌いなままです ヒント奴隷ではありません そいつは誰にも強制されていないのに大嫌いな戦争をしてるんです お前らと話してると疲れるぜ もいっこヒントくれトルフィン 「戦争が好き」っていうのは... 心にくすぶってなかなか消えない呪いの埋み火だ 男にかけられた呪いみたいなもんだな... ワタクシ戦争好きだったためしがありませんが? お前はそうだろうなギョロ この島にそういう戦士がいないことを祈るよ... 開拓を始めて以来森林の伐採は日も休まず続けられた エイナルなんで畑に灰を撒くんだ? あぁ土が赤いのがちょっと気になってさ 赤い土には灰を撒くと作物がよく育つんだ 赤くても悪くない土だとは思うんだが...試しに部分的に土壌改良をな 幸い燃やす枝葉には事欠かないし やれることはなんでもやってみようぜ はははトルフィンお前顔が灰だらけ 大丈夫少数だし攻撃的な気配もない みんなには内緒にしといてくれ騒ぎたくない ぢょくちょくのぞきに来てるよ 姿を見せてくれないってことは今はまだ会いたくないんだろう 気づかないフリしよう仕事仕事 ちょちょっと落ちつかないなァ... 気づかれたんじゃないか? まさかこっちは風下だし日なたから見れば真っ暗に見えるはずだ 臆病なシカにだって気づかれるはずはない 前にもあいつに見つかったあの小さいほうシカより勘がいいんだ あいつはたぶん優れた狩人だ しっかし...相変わらず何してるのかよくわかんないなあいつら 今日見たことはやくみんなに報告しないと 灰なんか撒き散らしてなんのまじないだろう あの斧は欲しいなァすごい切れ味だ 見るたびに森がどんどん切り開かれてて空き地になっていくんだ でもなんで木を切るんだろ?森がなくちゃ食べ物も手に入らないだろうに あととんでもないのがいたな!でかい奴! そうそうクマよりもでかい! あんな奴初めて見たおっかない... 大人の胴より太いでっかい丸太を一人で担いでた 間違いないあれがあいつらの中で、最強の戦士だろう うんあれは誰が戦ってもきっと敵わない そんなことないそれでもオレのほうが強い! いやいや...あれは無理だよ ただかりはイ太のそんなだけれど、なんだろォ!! いやいや...いやいや そろそろ決断しないといけないな... どう接するべきか... 人数はオレ達のほうが多いぞ わかったってばムキになるなよ 戦うなんてダメだよ!あの人たちは私たちと仲良くしたがっているよ 贈り物をもう三度もくれたじゃない 戦うべきだとは言ってない オレはあいつらを恐れていないって言いたかっただけでー... アンタのその槍先についてる光る石の小刀も白い肌の人がくれたものでしょ でもなァ...あいつらは森を壊すんだろう? 獲物がいなくなっちまう オレ達の縄張りで勝手なことをされると困るよ やっぱりあいつらは追い返したほうがいいんじゃ... 追い返すってそもそもあいつらどこから来たんだ? 贈り物をもらったらお返ししなくちゃ ボクもあの小刀欲しいな 無視するわけにはいかないのかな? 先ほど白い肌の者達の村を見てきた それについて知っていることを話そう 知恵ある者ブーウォイン: 畑を作っているのだろう 豆とかトウモロコシとかかぼちゃとか... 畑を作る者はこの島にはいないので知らんのも無理はない そうかァあれがはたけだったのか そうかァあれがはたけだったのか それはいいトウモロコシは美味いよな 島の外と取り引きしないと手に入らないもんな 白肌の連中が作るってんなら手に入りやすくなってありがたい いや違うぞあいつらの贈り物を思い出してみろよ ほら!あの「食べられる木」だよ! そうか!白い肌の連中は食べられない木を切って食べられる木に植えかえるつもりなんだ! カエデの蜜をつけるととても美味い 話はまだ終わっていない 私は昔畑を作る様子を実際に見たことがある 私は若い頃西の地を旅して... 大河の上流大きな湖のほとりで他族の者が森を焼くのを目にした そうやって森を畑に変えるのだ 彼らは焼け跡にトウモロコシを植えていた その光景を見て、私は気分が悪くなった 耳には森に宿る様々な精霊の嘆く声が聴こえた ...実際に見なければわからぬか では...ブーウォイン あなたは白い肌の者達をこの島から追い出すべきとお考えか? 知っていることを伝えに来た 森を滅ぼして沢山の食べ物を手に入れるか 今の暮らしのまま森から恵みを受け生きていくか... どちらが部族のためになるか私にはわからない みんなでよく話し合って決めなさい だいぶ涼しくなってきたな...もう秋になるのかもなこの土地も そろそろ伐採の班も切り株抜きと鋤き返しに専念してもらおう 種まきまでに出来るだけ畑として使える土地に仕上げないと... あァそうだ羊の冬越しのエサももっと集めとかなくちゃ ヴィンランド・サガぷ終わり、 レイフの農場グリーンランドのブラッタリーにある農場。ヨーロッパ世界の最西端の島でレイフやグズリーズは生まれ育った。コーデリアやイーヴァル達をアイスランドから連れて来たトルフィンは最後の補給を行う。 ブラッタリーからほぼ真西にある北アメリカ大陸の一帯をレイフは「平岩の地上といいう意味でヘッルランドと呼んだ。 現在のセントロー-レンス湾周辺をレイフは「草原の地」といルネイズ村は現在のプリンス・エドワ一ド島の北部沿岸ヴィンランド・ぅ意味でヴィンランドと呼んだ。トルフィンが拠点を定めたア 逃がすなよォトルフィン!! はやく消せ全部燃えちまうぞ マジで走らねぇとチギられる! あーあザマァねえな鼻血出して くそったれ作戦は中止だな 何者だったんだアイツ... ☆この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは、一切関係ありません。 コミックス発売当時のまま掲載しています。 ☆取録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、