おーい急いじゃってどしたん? 女子供はその辺の家ン中隠れてろ! 先住民のやつらが来たぞ! トルフィン!!ちっくしょあいつら... バカうかつに近づくな! 見ろあのバカ言わんこっちゃねぇ!! ストルク!!よこせ!! 使うのかい?イーヴァル 状況は一目瞭然だろうが! いつ使うんだ今使わずに早くよこせ! もうちょっと様子を見てからでも... そうですか槍先にしたんですねこのナイフ 気に入ってもらえてよかった お互い助け合いましょうね あいさつに握手はしないと なんか...大丈夫そう? なんだァアセったよオレ 仕事してたら「先住民が攻めてきた!!」って聞いたからさ 誰だよ攻めてきたとか言ったやつ だから言ったじゃん様子を見ようって 剣は皮膚披露する時を見極めないと よかったみんな先住民を見ててコレに気づかなかったみたいだよ バレたらちょっとめんど...めんど... なんか...話し込んでるみたいだね とーちゃんはせんじゅーみんのいってることわかるの? カルリとカルリママはいつも仲良しだよね 言葉がわかんない同士でも仲良くなれるんだよ みんなー!ちょっと来てくれますかァ えーとねどうっえーとねどうやら彼らは 以前私達が彼らにあげた贈り物のお返しをしにきたようです みんな小さいなトルフィンくらいだ 男だよな?ひげを剃る習慣があるのか トルフィンこの人らのことはなんて呼べばいいんだ? 部族の名前とかそういう... そうですねそれは知っておきたいな そう!私達はノルドランド人ノルド人 みんな!彼らはどうやらウーヌゥ人という部族名みたいです レイフのおっちゃんの言ってた「ニカマク」とは違う部族なのかな... いや...あれはたしか「友達」っていう意味に過ぎないのか ウーヌゥは彼らの言語で「言葉を話す者達」を意味する テルイシプレムプルムク エーェテルイシプルムクプルムク たぶん目当て自己紹介だよ トルフィンがウーヌゥ人の言葉をしゃべった! 彼はプルムクという名前らしい きっと私達はいい友達になれるよ ド真ん中に穴が開い開いてるけど? この袋はオレ達のによく似てる この干し肉なんの肉だろう? ああウン袋は私がウースゥ人にあげたものが返ってきたんです しまったなァウースゥ人の人達が帰る前に贈り物の袋を開けるんだった 初めて見る作物だ... これどう思う?食べ物かな?食べ物かな? どうだろう...塩のようにも見えるけど 豆みたいな粒々がびっしり...面白いなァ 塩がこんなべチョベチョってことある? えっあホントすごく甘い! マジで?ちょっとなめさせて これハチミツかなァ?かなァ? こっちのハチミツはこうなんじゃない? あっちょっとそんなメレみんなでなめたら! カエデ糖〈メープルシロップ〉である カエデの樹液を煮詰めてよくかきまぜ顆粒状にしたもので長期間保存できる よしさっそく贈り物のお退しのお返しをしよう いやいやこれからはウーヌゥ人とはちゃんと商取引をしましょう ウーヌゥのハチミツが欲しいなら私達も彼らに彼らの欲しいものをあげる 両者が得をする正しい取引で正しく付き合っていきましょう 贈り物だと互いに欲しいものをちゃんと提供できるかわかりませんからね ウーヌゥ人と開拓団の交流が始まった 遊びの道具だったんだあの石の皿は 「チャンキー」という主に大陸南東部の部族に親しまれた 転がした石の円盤が倒れる場所を予想しそこへ槍を投げ槍と石との近さを競う ウーヌゥ人とノルド人開拓団 両部族の関係は良好に始まった トルフィン達はヴィンランドで生きていくための様々な知恵をウーヌゥ人から学ぶ必要があった ウーヌゥ人はノルド人の持つあらゆるものに興味を示したが特に鉄製の道具を欲しがった そうそう指の隙間からふるい出すように 均等にお急に蒔いて下さい なんだろ?なんで隠れているんだろ... 種蒔きが見たいなら出てくればいいのに 旦那!ただ今戻りやした 人員も追加物資も予定通りで ありがとう!お疲れ様です これで冬越しが楽になります いやいや間に合ってよかった 旦那もお変わりないようで しかしこりゃてェしたもんだ ええ今は麦の種蒔きの最中なんですよ ...どうやらまた新しくノウド人がやってきたみたいですね 海の向こうにはたくさんのノウド人がいるのでしょうか これからもノウド人が次々やってくるのかもしれん それは...この島にとってよいことなのでしょうか 部族の皆はノウド人達を受け入れるという決断をした 私は皆の考えを尊重したい でも...私は少し心配です。ミスグェゲブージュ いつかこの島から森がなくなってしまうのではないでしょうか あの人達はとてもたくさん木を切ってしまいます なにか「夢」を...見たのかね? 夢の中で私はどこまでも続く石と砂の大地を歩いているんです どこまでもどこまでも... 命あるものの何もいない乾いた大地です 太陽が...私の頭の上でどんどん大きくなっていって... さてもとても熱くなって私の体を焼き 私は灰になって風に飛ばされてしまいます ニスカワジージュお前には予言の才能がある 未来を暗示しているに違いない きっとその夢もただの夢ではないだろう お教え下さい私はどうしたらよいでしょう? プルムク達がノウド人の村を訪れる時お前もついて行きなさい その夢がノウド人に関わるなら、彼らを知ることでなにか気付きを得るだろう 私も未来を探ってこよう 儀式をなさるのですか!? あなたはもう若くはありませんお体が... 気になる夢だいずれにせよ吉兆とは思えない 無理をしても確かめる必要がある 彼ら...ノウド人との関わりが この島とわが部族にどんな未来をもたらすのか 見極めなければならない パーカバーカアーホちーびグズでのうなし穴あきおナベ!! うんこもらしっていうほーがうんこもらしだー!! うんこもらしっていうほーがうんこもらしっていうほーがうんこもらしー!! うんこもらしっていうほーがうんこもらしっていうほーがうんこもらしっていうほーが このブランコカルリのとーちゃんがつくったんだぞ!! だからこれカルリのだもん!みんなカルリのゆうこときくの! カルリのとーちゃんみんなでじゅんばんこであそべっていったじゃんか もういいよカルリきらい!!あっちいこ!! でもこれカルリのだもん!! じゅんばんもカルリがきめるんだもん!! うっうんこもらしっていうほーがうんこもらし!! なんじゃオラァこのウンコもらしがー ウンコもらしって言うほうがウンコもらしじゃボケー 種蒔きが終わりヴィンランドで初めての民会が開かれた 主な議題は開拓地の分配についてである よく聞けよウンコもらし! 西側の川から南の木を全部片付けたのはウチだろ! だからウチの取り分は当然こうだろが! ふざけんなウチだって切り株を抜いたんだ それに耕した労力が勘定に入ってねェ! ずるいよウチだって川沿いの土地がいい! 西側で川より北はほとんどオレが耕したんだぞ おめぇのトコは北側って決まっただろ あっコラオレの描いた線を消すな! ケンカすんな!今年拓いた土地は「共有」でいいだろ 働きに応じて土地を分配って考え方だと みんなで協力して開拓したんだからみんなで管理して分け前は平等!それでいいだろ 収穫を全員で平等に分けたら野良仕事をなまける奴が得するじゃねェか 土地は持ち主をキッチリ決めないとかえって争いの種になる! そんなことはオレもわかってるそれでもだ だいたい斧や重量犂や馬だってもすごい共有だろ? みんながこんなに土地の個人所有に執着するとは思ってなかった... 「ハーフダン様の代わりにヴィンランドに農場を作る」という名目でここに来ているわけですから ゆくゆくは土地を確保しなければいけないのですが あの中に!!割って入る勇気はっよっちょっと... いやすみません私のせいだ私のせいだ 私は土地を所有したことがないんです だからいまいちみんなの気持ちを理解できていなかった なんでもない...です トルフィンは考えが浅い!何もわかっちゃいねェんだ! そうだろうコーテリア!? トルフィンのやることを今まで土地を防衛見てきたが 一党の長としてありえねェだろそんなの! しようっつう意欲がまるでない! そりゃあいつがリーダーなのは認めるあいつのカネで始まった事業だからな だが!あいつが判断を間違えた時に道連れになるのはごめんだぜ トルフィンは甘い!世間知らずだ なんてもかんでも話し合いで解決できると思ったら大間違いだ 必要になる時が必ず来る わかるだろ?その時まではゴタゴタしたくねェんだよ 黙っててほしいんだオレが剣を隠し持ってることを ととりあえずトルフィンさんに相談しないと... すんなっつってンだろが!! 話聞いてたのかこのデカブツ!同じこと何度説明すりゃア... イーヴァル感情的になったらダメだよ はっきり言ってこの開拓団の誰よりも有能だ それはみんなが認めてることさ 料理でも裁縫でも何やらせてもとても上手だけど 君は何よりずば抜けて体が大きく力が強い 戦いの場でもきっと君がいちばん活躍するだろうね トルフィンてさ並よりだいぶ体が小さいね たぶん彼は戦いが苦手なんだと思う だから戦争嫌いなんだよなんだよ トルフィンとオレ達は仲間だ トルフィンの苦手なことはオレ達が助けて補ってやらなくちゃ トルフィンの助けになりたいと思うかい?コーデリア この開拓地を守りたいと ウン!じゃあオレ達と気持ちは同じだ ででも...私にできるでしょうか... 私は...とても臆病で... 不安かい?オレ達も同じさ だからオレ達には剣が必要なんだ わかってくれるねコーデリア たとえトルフィンに理解されなくてもね... 君とオレ達は同じ気持ちを持った仲間だ 一緒にオレ達の土地を守ろう みんなあっちでかくれんぼやってるけど やっちゃったなーってカルリもいまおもってるから! ひとりでブランコたのしくないから! でもときがかいけつしてくれるから! ときがかいけつしてくれるから おとなもうんかおとなけんかする? 悪口も悪いっぱい言うしね 君はそういう言葉どこでおぼえてくるの? 時間が解決する時もあるし とーちゃんはけんかしたことある? いや...時間は解決してくれなかった でも...父ちゃんその人達にとてもひどいことしたから どんなにたくさん謝っても赦してもらえないかもしれない カルリブランコひとりじめした ごめんなさいってみんなに言えばすぐ仲直りできるさ とーちゃんはいっぱいあやまりなー! しゃべり方が舌足らずじゃなくなってるなあいつ そのままでも飲めなくはない味だな すこーし塩味っぽい気がしないか? まァでもこれがこの土地の水の味なんだろ 味はいいいいとして問題は毒気だ 毒の有無は何日も続けて飲んでみないとわからないな どうする?誰が毒見を... 具合が悪くなったらすぐ飲むのをやめろよ もし井戸水に毒気があったらどうすんだ? こういう仕事絶対人にやらせないもんなお前 その時は用水路を引くんだよ川から 開拓地全体で水の不便がなくなればこの前みたいに川に近い土地を争ってケンカすることもなくなる ...それ作るの重労働でしょゼッタイ... アワマのけいかく... がんばれよトルフィン! オレのがんばりは結果に関係ないと思うよ? 踏んでる踏んでる麦を! 芽が出たばっかのトコ!! 日本の麦作で行う「麦踏み」はヨーロッパでは行われない ギョロ!「止まって」ってなんて言うんだっけ!? エンハースクじゃん?たしか プルムク!!エンハースクエンハースク!! ギョロお前ウースゥ語がわかるのか それかウースゥ語の通訳 やーめてやめて荷が重い荷が重い オレをアテに「海以外のことでするな」ってさ キシアポハスムイティス ほれ外交官話しかけられてるぞ いや...全然わからんし え?てかコレオレに話しかけてんの?なんで? あれだろ?たぶんさっきの「止まって」のやりとりが聞こえてたんだろ 知ったかぶりするんじゃなかった オレ超しゃべれるやつって思われてる? あーあションボリして行っちゃった ひどい奴だなぁギョロは いや今のはオレだけが悪いんじゃないだろ!? ズルいわーお前らも努力しろよ! ノウド人の事知りたいと思っても でもやっぱりこの景色はこの景色は 夢で見たあの大地に似ている.. いつかノウド人達はすべての森を畑にしてしまうのかしら あの夢はそのお告げだったのかしら そのことをノウド人の誰かに直接訊いてみたいけど... 言葉ってどうやって学んだらいいんだろう? ノウド達は季節で住む場所を変えたりしないんだわ ずっと同じところに住むのね 初めてこんなに近くで見た.. こんな船なら何人でも乗れるしどこへでも行ける おいコラァそこのウーヌゥ人! あっ!この野郎逃げるな! さてはスパイ偵察だなてめェ! キミ...あれじゃんさっきの子でしょ どしたんそんなヒーハーして ごめんごめーんなんかコイツ誰にでも頭突きしてくンだよな コッツコホウィーネト!? なんかそれ井戸でも言ってたよな わかった!コホウィーネト そうそう!コホウィーネトは「なにこれ」 「なにこれ」はコホウィーネト リピートアフターミーなにこれ? なんだかこの人からノウドの言葉ふたつも教わっちゃった! テルイシギョロよろしくどーぞ テルイシニスカワジージュ 女達が水仕事でここに来て出くわしたんだと 女達は無事だ無事だったのかのか ころんで足をくじいたくらいだって しかしこんな季節にクマとはなァ こっちのクマは冬ごもりをしないのか? さァなァ...なんにしろ開拓地の中に入ってきたんだ ほっとくわけにはいかんだろ被害が出る前に退治せにゃアな ビビるな!総出でやりゃあなんとかなる 一度戻って男衆全員を集めてから... 大勢で森に入ってもクマに気付かれて逃げられる いや...いやいやヒルドクマだよ? わかりましたお願いします おい!?トルフィン!? 大丈夫ですクマはヒルドさんのご専門です 言われた通りにしましょう 雪に腹を引きずっている 食べ物を探しているのか だいぶ腹を空かせてるな たしかに放っておくと危険かもしれん こうしてクマを追うのは よくないな近頃の私は人里で暮らすことに慣れ過ぎている いつの間にか子供らの教育係みたいになってしまってるしな... ヒルドはとーちゃんとずーっとケンカしてる ...誰がそんなこと言った ほんでー「ときがかいけつするからほっとけ」って ときはまだかいけつしない? とーちゃんがわるいね?ヒルドおこってるもんね とーちゃんごめんなさいいった? ときがきたらとーちゃんのことゆるしてね? とーちゃんすっごいはんせいしてるから ここはこのカルリにめんじて まだ新しい埋めてくる半日も経ってない シカで満足して冬ごもりに入ったな ...風上にオオカミ数頭 遠いな...大丈夫だろう フクロウが何かを捕った... 不思議だ...手に取るようにわかる この森にはまだ馴染んでないはずなのに カルリが大きくなったら狩りに連れてきてやろう なぜあのクマを殺さないのだね 私達のほうに非があるからです 私達は...あのクマのナワバリの北半分を奪ってしまいました それであいつはこの季節になるまで腹一杯食べることができなかった 人がいるとわかっていたけど魚を食べに川まで来て... 女達に女遅く見つかって逃げた ひもじくても人や家畜は襲わないクマです 冬ごもりができたならそれでいい 眠りを妨げないよう気をつけます お前はクマを憎んでいたはずだ 昔お前の大切な人がクマに殺されたからだ それでもクマの気持ちを思いやるというのかね? 常にあなたとともに在ります この地に生きるすべての命のために... 宇宙の理のひとかけらを 私にお示し下さるよう... ミスグェゲブージュの様子はどうだね 今朝薪を持っていった時はだいぶ疲れておられるようでした 彼もトシだ無理をしなければいいのだが しかし弟子の君にも秘術を行う様子を見せないとは... 「未来を見る術」はとても危険な術なのだそうです 師匠の師匠は術の最中に亡くなったと聞いています 私には継がせず今回の試みを最後の一回にするとミスグェゲブージュは言っていました それほど...と彼は考えているのか ノウド人がこの地に移住してきたことを ノウド人達はいったいこの地に何をもたらすのが... 「つながる」兆候がない::: これ以上術を続ければ命を失うかもしれん 先代より受け継いだ秘薬も底をついた やはりこの秘術は私の代で終わりにするのが正解だ... っっ「つながった」か!! かつて見て見たことのない未来だ... 夢と同じだ...見たい時代の見たいものを見られるわけではないが... 目に見えぬ矢を放っている ノウド人同士の戦争か戦争か! わが部族はどこだ!?この戦いに加わっているのか!? この...地を引き裂く技もノウド人の武器か!! トウモロコシの畑だ!! 地の果てまでトウモロコシで埋め尽くされている! 信じられん規模だ... あまりにも...度を越している この地の森や生き物はすっかり滅ぼされてしまったのか これは...毛皮... ビーバーの毛皮と引き換えに そんなものを受け取ってはいかん!! ノウド人が栄えてゆくう...!! ノウド人達は...海の向こうに大勢いるのだろう。 あのトーフィ達はほんの先触れに過ぎないのだ この大地とわが未裔をノウド人達に滅ぼされる前に 私にできることは... これも...武器...ノウド人の ...ごめんでもいいんじゃん ミスグェゲブージュ!! よかった...死んじゃったかと... アッシらみたいなのは「はいそうですか」とはいかないもんでさァね とはいえそれが新団長とクヌート陛下の両人のご意思だってんだからしようがねェや 明日っからァヨーム戦士団の看板なしでやってかにゃならねェ いやはや参りましたねあん時は... なんたってねアッシも子分達もケンカしか知らねェんだから 看板があってもなくっても ケンカで飯を食ってく以外考えがねェ 先を考えたわけじゃねェ まぁ...死に場所探しでさね 「親分」だっつってんだろまだクセが抜けねェのか 親分酒場でいいネタ仕入れてきましたよ ウソかほんとかそのネタってのが なんの変哲もねェ貨物船が腹に黄金をたんまり隠し持ってるって話なんですよ そんなら船ごといただいちまうかってんでアッシら跡を尾けた 気付いた時にゃ四方八方をデンマーク王の軍船に取り囲まれてて どうやら向こうのほうが一枚二枚上手だったらしい いや...本当のところアッシはホッとしてたんですけどね 「ああこれでヴァルハラに行ける」ってね クヌートオレは護衛を頼んだんだ 追っ手を殺してくれとは言っていない アッシらが的にかけた貨物船てのがね 東で商売した帰りのヨーム戦士団最後の団長の船だったんだとそこで知ったのさ 調べは言っているこの賊めらはヨーム戦士団の残党だ 生かし置けばわが領海の安全を脅かすのみならずそなたにとっても後の災いとなろう ヴァルガルさん...でしたか 私を覚えていらっしゃいますか? あの時...私は皆さんに言いましたよね 軍団解散後帰るあてのない人はクヌート王の世話になれと なぜそうしなかったんですか? そこのクヌート王はヨーム戦士団が邪魔になった あの手この手でオレ達を潰しにかかったんだろ そんな黒幕の下になんぞつけるかィ あんたもそのお先棒担ぎだろ あんたに命を助けてもらおうたァさらさら思っちゃいねェよ ぼちぼち生き飽きてたところだここらでヴァルハラへ送ってくれ なぜヴァルハラへ行きたいと願うのですか? 神々の国にあるオーディン神の館ヴァルハラへ行き神々の軍団の一員となる 来たるべき「最終戦争」に備えるためだろうがよ そこなんですよ私が日頃疑問に思うのは みんなそうですなぜ未来に一最終戦争」が来ると信じて疑わないんでしょう それは...だってよゥ そう!予言の三女神がそう言ったから じゃあその予言の女神ってなんなんです? 不吉な終末の予言以外これといってエピソードないですよね? なんだかよくわからない人が全知全能のオーディン神さえ知らなかった世界の破滅の様子を予言したわけです どの神がどの怪物と刺し違えるとか事細かァ〜に それって信じていいんですか?信憑性低くないですか? 神様ってわりとウソつくじゃないですか 終末の予言なんて終末になるまでわからないでしょ?そんなの言ったもん勝ちじゃないですか 神々の力ってのァお前なんぞの浅知恵がおよぶもんじゃアねェんだよ! 予言は当たる!最終戦争は来る!そういうもんだ! ではそういうものとしましょう 女神の予言どおりの未来が訪れ 予言どおりあなた達はそれに備える みんな女神の決めた予定どおり 自分ではなにも決断しないわけだ 実は私は今腕のいい船乗りを十数人ほど必要としています 遠い海の果ての新天地に新しい国を作るんです どうです?ヴァルガルさん一緒にやりませんか 国だァ?なんだそりゃヤブから棒に できるかどうかまったくわかりません 女神の予言にはなかったので そなたはあいかわらず余を笑わせるのがうまいなトルフィン そなたに委ねようヴァルガル 余の手にかかりヴァルハラへ赴くか トルフィンと共に未知の未来へ進みゆくか アッシの顛末はだいたいこんな感じでさね じゃ旦那とろそろそろそろ アッシらグリーンランドアイスランドへ行ってまいりやす まだ航路に流氷が残ってると思いますのでお気をつけて レイフさんやハーフダンさんによろしく こっちの麦は順調に育ってると伝えてください てェしたもんですよ旦那は あの予言問答の時からただのお人じゃねェと思ってましたよ いやあの時は若造のくせに偉そうなことを言いまして いやいや蒙を啓いていただきやした 見たところどうでしょうねヴァルガルさん 次の定期便にはどのくらいの麦を積めそうだと思いますか? まったくわかりませんな なんせ女神の予言にゃなかったもんで あっ、はーはっはー...アハハ 黄金色の実りをつける初夏 トルフィン・カルルセヴニ・トールズスソンに 右側の歯車に気をつけろ服を巻き込まれるな では...回します... コーデリアもう少しだけゆっくりで うおォ...こ怖い... 回転櫛でふるい落とされた麦の穂は... すぐ下の籾摺り器でほぐされて実と殻に分離される そして送風機で!!籾殻や葉を吹き飛ばす グズリーズそこにいると籾殻をかぶるぞ 麦の実だけがそこから出てくる どうなってる!?どうなってるトルフィン!! 出てきた!!脱穀籾摺り籾殻飛ばしがあっという間だ!!しかもきれい!! これってやっぱりすごいこと? 全部手作業でここまでやるのはもっとずっとたいへんなんだ!! うん想像はつくよつくよ いやいやとんでもないもの出来たな オレも!オレも見たい! そこ空気穴に近づくな髪の毛を吸い込まれるぞ わからない知らないノウド語 まほうじゃないよきかいだよ みんなで作ったじゃんはぐるまとか はぐるまの大きさのちがいで回るはやさが うるさいうるさーい!最終的にはっなんかっ魔法! ヒルドがまじないを使ったんじゃ どーなっても知らんからなワシは――!! 相変わらずだなァウッゲさんは いやいやぃやアンタはほんとにすごいよヒルド!! 狩りも上手けりゃ頭もいい! 今度私にも字を教えてよヒルド! みんながみんなで...協力したから作れたんだ 私だけのカじゃないよ... よーしこのままパンの試作もやっちゃおー! 男衆はパンが焼けるまで麦刈りの続きなー イエチガウメスキーグウィーシス あァウィーシスあれは馬 ギョロ~~麦刈りサボってニスカちゃんとデートかよ〜 やかましいサボってねーわ! 通訳兼トミ宮外交官の仕事中だ! たしかになかなかの奴だよトルフィンは ごめんイーヴァルオレトルフィンが好きになってきてるよ よく働くしいばらないし なァガングラティお前もそう思うだろ? だが奴とはウマが合わねぇ トルフィンは暴力を嫌い過ぎている 平和なやり方だけで平和になるなら世の中苦労はねェ いやでもなんでも剣は持ってなくちゃならねェんだそれがリーダーだ それがわからねェなら奴とは一生気が合わねェ 大丈夫だよプルムクこいつはおとなしい がんばれカバはオシブカーラトル プナジョートウァトゥクプルムク あぶみにかける足が逆なんだよハハハ ユエエエ!?すげェじゃんなに今の!? だって彼らはまだほとんど言葉が通じない者同士なんだぜ あァ素晴らしいな... おお!待ってたよ!もう楽しみで楽しみで だろうと思って持ってきた ちょっと早いけどこれで晩ご飯にしようよ ヒルドさんも焼いたんだよすごく上手 あとねもうひとつよい報せがあるよ 今日言おうと思ってだまってた えェえもう畳みかけちゃいますよォ 今年の暮れごろ産まれるって! ウソ言ってどうすんのこんなこと あかちゃんはどこからくるの? カルリー!弟か妹が産まれるんだぞー 怒りに...怒りに縋りつくのは お前の償いをたしかに見届けた お前はもう充分に償った 私を復讐の呪いから解き放つためにがんばってくれた よく戦った見事だ... とーちゃんとヒルドなかなおり フィンランド・サガが終わり、 ☆この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは一切関係ありません。 ☆収録されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮しコミックス発売当時のまま掲載しています