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Instructions:
幸せぇ
結婚
【は・高坂りと】
キャラクター原発・月日...
【mer顎木あく今年は早速に支援が入れていたのですが、
ははは
辛せな
結婚
【作顎木ぁくみる
一番高坂りと
ラー製・月岡月穂・
第八話、旦那さまへ贈り物
第九話、嫌いなのは...
第十話、泣かない婚約者、
第十一話、本当のこと、
第十二話「お礼の愛」
第十三話「嫉妬と焦燥」
第十四話「それぞれの思惑」
書き下ろし小説
目の
第8話「旦那さまへ贈り物」
あの...
ゆり江さん
実は旦那さまに
何か贈りたいのです
考えていたのですが
見当がつかなくて...
何を贈ったら
喜んでいただける
でしょうか
櫛をいただいてから
ずっと考えていた
言葉で感謝を
伝えることも
もちろん重要だけれど
この家に
お世話になっている
日頃のお礼もまだだ
この気持ちを
形にしたい...
そうですねえ
坊ちゃんが
普段使い
できるものが
いいですわね
ここはやはり
美世さまの手作りが
よろしいと思いますよ
手作り..
目が肥えている
旦那さまに
わたしが
作ったものなど
渡しても
みすぼらしいと
思われない
でしょうか
いえ
思われたなら
仕方ないのですが
できれば喜んで
もらいたくて..
美世さまは本当に
お優しいですねえ
大丈夫、坊ちゃんは
そのようなことを
思ったりいたしませんよ
美世さまが
お作りになったものならば
何だって喜ばれるはずです
そうでしょうか
ええそうです
力強く音定されると
不思議と大丈夫な
気がしてくる
旦那さまを育てた
といっても過言ではない
ゆり江さんだからなおさら
わたしに
作れそうなもの...
それでしたら
良いものが
ございます
少々お待ち
くださいね
すごい..
こんな本が
あるんですね
こちらから
選んでみては
どうでしょう
...
きれい...
作り方が
わかりやすく
描かれているし
これなら
わたしにも
作れるかも
しれない
巾着は手軽ね
手巾もいいかも
しれないわ
あ
良いのが
見つかりましたか?
はい
これ..
まあ
組み紐ですね
とても美しくて
繊細な図案で...
旦那さまの髪に
似合うと思うのです
何本あっても困らないと
思いますし...
えええぇ
とても良いと
思いますよ
ゆり江も
大賛成です
旦那さま
近いうちに
少し出かけても
良いでしょうか
どうした
何か足りないもの
でもあるのか?
いえ...
自分で選んで
買いたいものが
できたのです
だめ
でしょうか
いや
そういうわけでは
ないが
ひとりで
行くのか?
危なくは
ないか
昼間にゆり江さんと
行こうと思っています
平気
だとおも
思います
あの...
はい
:私が一緒では
いけないのか
旦那さまに
知られてじまうのは
気恥ずかしい...
ですが
大丈夫です
それに
忙しい旦那さまを
付き合わせて
しまうわけにも
いかない
そうか
気をつけて
行ってこい
知らない人間には
ついて行くな
わかっています
旦那さまは
大袈裟です
今日買い物に
出かけるのだったな
はい
お守りだ
あ
ありがとう
ございます
いいか
絶対に肌身離さず
持っていろ
持っていけ
はい
も
もちろんです
本当に
わかって
いるのか?
心配してくれることが
うれしくて
つい頬が緩んで
いたかしら
まったく..
行ってくる
行って
らっしゃい
ませ
最近
辰石家の中の
空気が悪い
よくやるなあ
物事が進まず
苛立っている
らしい
我関せず
といった
態度の兄
辰石家の当主である
父の機嫌が悪いことが
ひとつの大きな原因だ。
母はすっかり
引きこもり
使用人も
父の機嫌を
損ねないよう
気を張って
いるため
余計に
屋敷の雰囲気が
悪化する
僕はよく
穏やかであると
人に言われる
実際
滅多に怒りを誰かに
向けることがない
けれど
激しい感情を
抱かない
わけではない
ねえ幸次さん
お買い物に
付き合って?
僕はこんな女と
結婚して
彼女を信じていたこの女と...
んな
この先何十年も
共に過ごさなければ
ならないのか
それでも
わかった
いいよ
行こうか
誰よりも近くで
斎森家を見張る
僕は好青年の
『辰石幸次』の
ままでいる
僕の大事なあの人へ
害が及ばないように
彼女を守れるのは
僕しかいないんだ
さあ美世さま
どれに
なさいます?
ええと
わあ...
こんなに
たくさんの色が
あるんですね...
そうですね
旦那さまの
あの薄い色の髪には
濃い髪剤が似合いそう...
派手な色は
きっと好まれないから
避けたほうがいいわね
紺や藍は
似合いそうだけど
逆に普通すぎるわ
普段使っている黒い髪紐と
似た雰囲気になってしまうし
どうしよう
ははい
迷ってしまうわ
時間は十分に
ありますからね、
焦らなくても
大丈夫ですよ
けれど
悩んでいる時間も
ちっとも昔に感じない
特別で
特別で
幸せだ
幸せだ
自分から
誰かのために
何かをするなんて
これまでは
考えもしなかった
命じられたことを
淡々とこなし
理不尽に耐える
それだけが
わたしの生き方だった
誰かの喜ぶ顔を
想像して
何かをすることが
知らなかった
これほど楽しいとは
たとえ長くは
続かないとしても
こんな幸せな時間を
味わわせてくださった
旦那さまには
感謝しかない
良い色が見つかって
本当に良かったですねえ
はいいまい
今から編むのが
楽しみです
わたしでも買える
安い糸で
素人が初めて作る
贈り物だから
それでも
もらっても
うれしいものでは
ないかもしれない
ついつい
期待してしまう
いったいどんな顔で
受け取ってくれるのが
ああそういえば
お塩を買って
こなくては
いえいえこれは
ゆり江の仕事で
ございますから
譲りませんよ
美世さま
ここで少し
お待ちくださいなすぐに戻り
ますから
わたしが行って
きましょうか?
......
なんだか
心細いわ
行き交う人々を
眺めていると
やはり
ゆり江さんに
ついて行けば
よかった..
立ち止まっている自分が
取り残されているような
心地になってしまう...
あら
おねえさま
じゃない
この声
聞き間違える
はずがない
か
香耶:・
その声が、そのまなるしが恐怖を嗅び起こす。
か
だなぁ
香耶...
旦那様へのプレゼント運びで出掛けた街、そこで出会ったのは...
おねえさまと
まさか
こんなところで
会うなんて
「嫌いなのは・
【漫画高坂りと】
げんあんつきあが
【キャラクター原葉・月岡月穂】
!!
【原作・顎木あくみ(富土見L文庫/KADOKAWA刊】
こうさか
意外だわ
どこぞで
野垂れ死んでいると
売っていたのに
ああでも
変わらずそんな
みっともない格好で
うろついている
なんて
久堂さまには
捨てられて
しまったのね
なあんにも
できない
おねえさまが
久堂さまと
釣り合うわけが
ないもの
命があるだけ
儲けものかしら?
可哀想な
おねえさま
私には想像も
つかないけれど
香耶
それ以上は
やめー
おねえさま
もしお金に
困っているなら
言って
ちょうだいね?
地べたに
這いつくばって
必死にお願い
するなら
幸次さんは
黙ってて
何か
考えないでも
ないわよ
何か
言い
返したい
わわたし
わたしが香耶に
反論するなんて
斎森家では
許されなかった
でも家を出され
戻ることもない
今ならー
あらやっぱり
いつもの
だんまり?
申し訳
も..
ありません
どこへ行っても
変わらないのね
おねえさまは
もう
謝るな
変われない自分に
一番がっかり
しているのはわたし
けれど
香耶を前にしただけで、
恐怖に支配されてしまう
あれから少しずつ
変われたと思っていた
でも
昔は
昔は
涙なんて
出なかった
のにー
旦那さまや
ゆり江さんの
優しさに触れて
心が脆く
なってしまった
心が脆くなってしまった
ここで
泣くわけには
いかない
弱くなった
姿を晒せば
香耶を喜ばせるだけ
美世さま
お待たせ
しました
こんにちは
おねえさまの
同僚の方かしら
こちらの方々は
どちらさま
でしょう?
私は斎森美世の
妹の香耶と
申します
こんな笑顔を見たら
誰だって香耶を
心優しい性格だと思う
もしかして
いつも姉が
お世話に
なっております
ゆり江さんも
香耶の味方になって
しまうのだろうか
旦那さまも
いつかは!
初めまして
ゆり江と申します
わたくしのような者が
美世さまの同僚などと
とんでもない
ことでございます
美世さまは
わたくしの主の
はい
奥方になられる
大切なお方ですもの
奥方
ですって?
美世さまは
久堂清霞さまの
未来の奥さまで
ございますから
な...
く久堂さまは
おねえさまの
ずいぶんと
ような人で
満足なさるの?
お優しいの
ですわね
それとも単に
興味がおありで
ないだけかしら
巷の評判は
やはり当てに
なりませんわ
では
おねえさま
私はこれで
美世さま
...はい
もしかして
ゆり江さんは
不信感を持った
のではないが
帰りましょう
何も...
言い返せ
なかった..
ただの
うつむくだけの
情けないわだじは
婚約者に
相応じくないと
それなのに
相応しくないのは
自分が一番よく
わかっている
ゆり江さんや旦那さまに
失望されるのが怖い...
嫌
こんなわたしなんて
大嫌い
斎森殿
突然のことにも
かかわらず
歓迎痛み入る
こちらこそ
久堂殿にわざわざ
足を運んでいただけて
光栄に思います。
して
今日はどのような
用件でしょうか
あなたの
娘の美世と
正式に婚約し
ゆくゆくは
結婚しようと
考えている
...そうですか
ついては久堂家と
斎森家との関係を
はっきりさせたほうが
良いと考える
ふむ
関係と
申しますと?
本来であれば
我々のような
立場の人間は
相応の
利害関係によって
成立する
それは
だが私はこの結婚で
あなた方へ何らかの
還元をすることに
少々抵抗がある
どういう
意味でしょうか
わからないか?
この縁談での
我が家への見返りは
ないという
ことでしょうか
しかし
条件がある
もしもあなたがたが
美世に心から
謝罪するというならば
結納金を多めに
用意するくらいは
しよう
斎森家は
異能を受け継ぐ家としては
これから下り坂になる
家を継ぐ香耶の持つ力は
さほど強力なものではない
交流のある
辰石家にしても
帝から命じられる
お役目を果たすのは
難しいだろう
似たような
危機に直面し
支えあうことも
できない
先のことを考えれば
金でもなんでも
もらえるものなら
もらっておきたい
というのが
斎森真一の
心情であろう
というのが斎森真一の心情であろう
無理にとは
言わない
謝罪など...
これきり縁を
切るだけだ
ただし
あなた方が
美世に何をしたか
こちらはほぼすべて
知っているということは
覚えておいてもらいたい
あなた...っ
少し
了解した
考えさせて
ほしい
だが長くは
待てない
ああもう
気にくわないっ
おかえり
なさいませ
お嬢様
幸次さんは
おねえさまを
庇おうとするし
香耶
少し落ち着いて
そのおねえさまは
まだ久堂家を
追い出されていない
何よ!
幸次さんはどうせ
おねえさまの
味方でしょう
いいのよ
わざと優しい言葉を
かけてくれなくても
どうして
黙るのよ!
ここは
そんなことはないよって
否定するところでしょう!
頭でも撫でて
甘やかして
くれたら許して
あげるのにっ
気が
利かないん
だから
あ...
なに?
あら
お客さま?
なんて
綺麗な人
漫画・高坂リート
...
原作・調木・くカップルエアレスポンKADOKAWAR
キャラクター原条、月前に、街
香耶が放った。
旦那さまやゆり江を
暇ついない言葉、
*10席【泣かない婚約者】
恐怖いからそれを否定できない
自分の弱さが何より悔しく...
幸せぇ
ははは
cAkamikaicalLicensedpyKAEDAKWACOFPOPATON
ただいま
おかえり
なさいませ
...どうか
したのか?
それがー
いえ
申し訳ありません
何もありません
美世さま
旦那さま
夕餉の支度は
してありますので
わたしは
下がらせて
いただきます
坊ちゃん
申し訳
ありません
ゆり江が
ついていながら
出かけた先で
何かあったか?
はい..
そんなことが
あったか...
それで坊ちゃんが
おかえりになるまで
お部屋にこもりきりで
ゆり江は
心配。心配で
帰るに
帰れません
でした
斎森家と話を
つけている間に
なんてことだ
これでは
本末転倒も
いいところだ
だがこんなとき
どんな声をかけ
こうして
戸惑うばかりで
何もできないから
冷たいと
言われるのかもな
どう支えたら
いいのかも
わからない
彼女は長年の虐待で自尊心を失ってしまっているのだ
彼女は長年の虐待で
自尊心を失って
しまっているのだ
すぐに謝るのも
それが原因だろう...
どうしたら
自信を持って
くれるのだろうな
決まってます
坊ちゃん
女は愛されて
自信をつける
のですよ
坊ちゃんが
大事にして
さしあげれば
きっと
美世さまも
心強いはずです
この感情が
愛と呼べるものか
よくわからない
ただ
この先どうしたいか
私の考えを
伝えることはできる
私だ
少しいいか?
申し訳
ありません
旦那さま
わずかな間で
構いません
わたしのことは
放っておいて
ください
少し話を聞いて
ほしいだけだ
そうか
それでも
だめか?
申し訳
ありません
ならば
仕方ないな
ひとつだけ
言っておくが
お前が悩み
抱え込んで
いるものは
そのうち
気にせずとも
よくなる
だからあまり
深刻に考えるな
私に何か
言いたいことが
できたら
いつでも
聞くから
...はい
.....まさか
その後一週間も
そのままとは...
彼女と顔を
合わせることが
減ってから一週間
見送りや
出迎えはなく
食事は用意
されているが
ともに食卓を
囲むことはない
さらには
斎森家からの
回答も未だなく
私を見張る
怪しげな式も
途切れることがない
式の術者の見当はすでについているが
式の術者の見当は
すでについているが
今のところ
直接の接点はなく
目的も不明
どう対処するか..
憂鬱そう
ですね
わかってますよ
......
珍しく..
というか初めて
長続きしている
婚約者のことでしょう
まだ正式な婚約は
してないんでしたっけ
まさか隊長が
女性がらみで
こんなに調子を
崩すなんて
思いもしません
でしたよ~
お前には
やらんぞ
何が起こるか
わからないもの
ですねえ
...うるさい
いきなり
惚気ないで
くださいよ
いやあ
隊長が
気に入る女性
あらためて
会ってみたい
なあ
五道
明日のこと
わかっている
だろうな
もちろん
明日の昼過ぎに
帝都中央駅
ですよね
それから車で
隊長の家へ
報酬の話
忘れないで
くださいよ
お任せあれ
上手くいって
くれるといいが...
わかっている
くれぐれも
頼んだぞ
香耶のことを考えると
自分はだめな人間だと
思い知らされうんざりする
だから
旦那さまの
ことを考える
綺麗で
優しくて
強い
とても眩しく
そばに寄れない
と思う一方で
旦那さま
でもそばに
旦那さまのそばは
居心地がよく
離れたくないと
望んでしまう
いたいなら
本当のことを
言わなければ
いけない
けれど
本当のことを
言ったら..
旦那さまに
贈る髪紐は
もう完成している
これ以上
先延ばしにしては
いけない..
髪組を渡し
そうしたら
今は余った糸で
違う図案のものを
つくっているだけの
時間稼ぎ
そして旦那さまに
全てを打ち明けなくては
けれど...
美世さま
少しよろしい
ですか
もう二度と
会えないかも
しれない
ゆり江さん?
美世さまに
お客さまです
お通ししても
よろしいですか
ここにわたしが
いることを
知る人なんて...
実家の者以外に...
まさか
お久しぶりで
ございます
この声は:
お嬢さま
お通し
してください
斎森の家で
子供のころ
誰いっ
私の味方を
してくれた...
女中の..
は
花
大きく
なられましたね
おまえは
美世お嬢さま
お嬢さま
私実は
結婚したんです
そそう
おめでとう
夫と一緒に
今はもう
畑仕事をして
子どももいて
暮らしています
花...
花...
もともと優しい
顔立ちだったけれど
とりあえず
幸せです
今はもっと穏やかで
包み込まれるような
印象だわ
お嬢さまは
いかがですか
お幸せですか
わたし
私が辞めさせ
られてからの
お話も伺いました
私はお嬢さまが
一番お辛いとき
一緒にいられず
申し訳ありません
でした
は...
花...
正直合わせる
顔がないと
思っていました
何の力にも
なれなかった私が
今さらと
それでも
ここへ来れたのは
ですが
幸せになった
お嬢さまを
見たかったからです
私の
大事な人事な
お嬢さまが
ずっと苦しい思いを
されてきたお嬢さまが
幸せそうに
笑ってらっしゃる
ところを
見たかったのです
花
でも
わたし..
わたしは
異能を持って
いないわ
見鬼の才
でさえも
だから
旦那さまの妻に
相応しくない
ずっと
ここにいたら
だめなのよ
そんなことは
ずっと
わかっていた
それでも口にすると
とてもつらく
ここに
いたい
いたい
苦し
旦那さまに言えば
ここを出て行かないと
いけない
けれどわたしはここを
出て行きたくない
他に行く当てが
ないからではなく..
お嬢さま
私がどうやって
ここに来たのが
おわかりに
なりますか
え?
もう斎森家とも
縁のなくなった私が
どうしてここへ
来ることができたか
...それは
初めにお手紙を
いただいたときは
何事かと思いました
お嬢さま
雲の上の方
ですから
久堂さまは
良い方ですね
旦那さまが...?
どう
わたしの幸せな結婚
結婚
どうして..
旦那さまが
花を呼んだ?
突然訪れたかって美せを守ってくれた佐用人
彼女を呼んだのは...
【原作・顎木あくみ神士見ェ文庫ノKADOKAWA刊)】
うんこうさか言わ
【漫画・高坂りと】【キャラクター原案:月岡月穂】
AntoplesnsedbyKADOKAWACOFP
ほんあんっ
...はぁっはぐぅぅじゅっ
もちろん
地「本当のこと」
お嬢さまを
心配されて
ですよ
花のことを
知っている
ということは
旦那さまは
わたしのことを
調べつくしている
お前が悩み
抱え込んで
いるものは
そのうち
気にせずとも
よくなる
花...
わたしは
異能を
持っていない
から...
わたしには
価値はないと
ずっと
思っていたわ
それを旦那さまに
打ち明けるのが
怖かった
この幸せを
失ってしまうのが
嫌だった
真実を知ったら
絶対にわたしを
捨てるんだって
疑いもしなかった
でも...
わたしが
知っている
旦那さまは::
勇気を
出してください
お嬢さま
久堂さまは待って
いらっしゃいますよ
大丈夫です
お嬢さまなら
それにどんな
結果だったと
しても
私は今度こそ
お嬢さまを必ず
お助けします
ありがとう
花
...
ところで、
...
ああ
ああ
花の手は
あの頃と変わらず
あの頃と
変わらず
温かい
わたし
すべてを
旦那さまに
言います
旦那さまっ!
どうした
いきなり
:旦那さま
言えなかった
ことが
ありました
わたしずっと
わたし..
わたしは
わたしには
異能が
ありません
異能者の
両親の血を
受け継ぎながら
わたしは
学校も小学校
止まりです
無能
です
実家ではずっと
使用人として
働いていました
教養は
ありませんし
名家の娘
らしいことは
何ひとつ
できません
見た目も
こんなで..
だから
わたし
本当は
旦那さまの相手に
全然相応しく
ないのです
追い出され
わたしは
浅ましい
気持ちから
このことを
黙っていました
たく
なくて
旦那さまが
死ねと
おっしゃるなら
死にます
出て行けと
おっしゃるなら
出て行きます
これはお詫びと
感謝の気持ちを
込めてわたしが
作りました
不要でしたら
捨てるなり
燃やすなり
していただいて
構いません
今まで
お世話に
なりました
わたしが
話さなければ
ならないことは
これですべてです
旦那さまの
ご判断を聞かせて
くださいませんか
いつまで
そうしている
つもりだ
お前に出て
行かれては困る
もう少ししたら
正式に婚約しようと
思っているのだから
だ
旦那さま...っ
お前は嫌か?
そういう
わけではっ
私とこのまま
ここで暮らすのは
?
ただ胸が
いっぱいすぎて!
わ
わたしっ
ここに
いたいです
旦那さまが
許してくださる
なら
許すも何も
私がお前に
ここにいて
ほしいんだ
他の誰でもなく
これまでの
苦しみも悲じみも
全部このときに
つなげるために
あったのだとしたら
報われる
これで私の髪を
結ってくれるか?
はい
で
できました
綺麗な紫色だな
ありがとう
大事に
使わせてもらう
美世
は
はい
花
木当に本当に
ありがとう
わたし
あなたに会えて
いなかったら
あなたの言葉が
なかったら
まだ部屋に
こもったまま
だったと思うわ
お役に立てて
光栄です
私も
お嬢様と
会えて
お話できて
よかった
五道悪いな
見張りは?
一応いませんでした
いえいえ~
元からそういう
約束ですから
今日のことは
知られていないと
思います
やっぱりあの式
隊長だけを監視して
いるみたいですね
そんな
顔をするな
これからは
誰にでもいつでも
会える
旦那さま
ありがとう
ございます
気にするな
ちっ
結局
美世の姿を
一度も確認
できていない
また撒かれたか
久堂の若造め...
小癪な
聞いて
くださいな
おじさま
おねえさまったら
まだ図々しく
久堂さまのお屋敷に
居座っているのですわ
あの格好じゃあ
使用人扱いが
せいぜいでしょうけど
幸次さんは
おねえさまの
味方をなさるし
わたくしあの日は
気分が良くなかったの
ですけれどー
でも
久堂清霞か
とっても素敵な
殿方をお見かけ
したのです
あの若造が
斎森家を
訪ねたことは
承知している
当主と何を話したかはわからないが
当主と何を
話したかは
わからないが
香耶の話と統合すると
美世のような
みすぼらしい娘を
寄越したことに
対する苦情...か
斎森家の空気も
さらに悪化した
ところを見ると
おそらく迷惑料でも
請求されたのだろう
だから初めから
美世をこちらに
渡しておけば
よかったものを
だがようやくだ
美世が久堂家を
追い出されたら
彼女を保護し
そうすれば
すべてが
あるべき場所に
おさまる
辰石の嫁として
迎える
にしの幸せを結婚
2.「お礼の宴」
【原作:顎木あくみに富士見工文庫ノKADOKARKANATA
【漫画:高坂りと】
【キャラクタ一原棄:月岡月穂
これを
わたしに?
ここんな
良い品を
しかも
こんなに
たくさん
もらえません
髪紐の礼だ
いいから
受け取っておけ
こちらは久堂さまが
お嬢さまにお似合いに
なると考えて
お選びになった
品ですよ
特にこの着物は
一目で
お気に召して
これ
お母さまの
形見に似ている...
旦那さま
あの
ありがとう
ございます
ああ...
少しお母さまに
似ているかしら
さ
宴の支度を
しないと
いやあ
楽しみだなあ
お礼に料理で
もてなして
もらえるなんて
礼なら既に私が
飲み屋で奢った
はずなのだがな
しっかり者の
いい奥さんに
なるでしょうね
美世さん
なんですか
嫉妬ですか?
そんなわけないだろう
一瞬なにやら暴力的な
気分になったか
なれなれしく
呼ぶな
映画「NEB」
...
当番イキドンの
彼女...美世が五道に
お礼をしたいと
言い出した時は驚いた
嫉妬じゃ
ないですか!
理由は
どうあれ
そういえば
見張りの式は
撒けています
かね?
よくまあ
毎日飽きもせず
隊長のあとを
つけてきますよね
彼女が自分から
他人に会いたがるなど
考えられなかった
ことだけに
問題ない
喜ばしい変化だ
それにしても
ほんと近頃の
異能者の質の
低下はひどい
ものですね
私がこの程度で
へマをするはず
ないだろう
でしたね
いや、そうでもないけど、
異形の数自体も
かなり減っているから
仕方ないことでは
あるがな
西洋の文化が
流入し
帝国の科学技術は
日々発達している
異形の存在を
否定する者も増え
討伐する異能者も
お役御免とはかりに
少なくなっていく
異形は
目の錯覚
人の想像で
生み出される
幻覚...でしたっけ
あながち
間違いでも
ないですけど
異形は急速に
数を減らし
異形が発生する原因は
正体のわからない現象を
人間が化け物の仕業と
想像し信じること
多くの人間が
似た想像で恐怖心を
その想像は
抱くことにより
力を持ち
具現化する
ゆえに
正体不明の現象が
科学で説明できると
知った人々の恐怖心は薄れ
異形は力を失う
異形は力を失う
見えて
きましたね
そんな現状ゆえ
異能者の実力が
落ちるのは必然
私でさえ
大昔の異能者と
比べればさほど
優秀とも言えない
そうだね
世枝瑠はあの時間を
...
着いたぞ
降りろ
うぎゃ
そうか社方ない
口封じも時には
必要だからな
乱暴はやめて
くださいよ~
美世さんに
言いつけますよ
勘弁して
くださいっ
お帰りなさいませ
...
旦那さま
五道さまも
いらっしゃいませ
血色の良くなった
薄紅の頬
きちんと梳かされた
濡れ羽色の髪
以前のように
不摂生を感じさせない
神から覗く手首
旦那さま?
どうか
なさいましたか?
いや...
綺麗だな
よく似合っている
あの
旦那さま
本当にありがとう
ございます
わたしこの着物が
とても好きなのです
それは
良かった
申し訳
ありません
五道さま!
ほーよは
いたのか
帰っても
いいのだぞ
中へ
どうぞっ
うわあ
美味い
たくさん
召し上がって
くださいね
お前は実家暮らし
なのだから
毎日美味いものを
口にしているだろう?
いやいや
わかってない
ですねえ~
隊長は
実家の料理人が
作る味と
こういう家庭料理や
居酒屋料理の
素朴な味は
違う魅力があるんです
そういう
ものなのか
五道さま
お注ぎします
ありがとう
ございます
五道さま
いやいや
俺はただ
送り迎えを
しただけですよ
先日は花のこと
ありがとう
ございました
それでも
わたしがあの日
花や旦那さまと
落ち着いて
話せたのは
五道さまの
おかげです
ううれしいです
ううれしいです
俺そんなふうに
言ってもらえたの
初めてです
ごくろう
下がっていい
ええーっ
それだけ?
美世さん!
鬼隊長とは別れて
俺と結婚しましょう!
五道
貴様...
隊長がいつも
褒めてくれない
から~
え..
あの五道さま
お申し出は
ありがたいの
ですが...
じょっ
冗談ですよ
って殺気は
しまって
ください!
わたしは
旦那さまが
いいので...
うっ
そそうですよね〜
冗談がすぎました
申し訳ありません
旦那さまが
いいので...
どうやら私は
無意識に
美世は
居場所さえあれは
誰が相手でも
よかったのでは
ないかと思って
いたようだ
最初はそうで
あっただろうが
今では贈った着物を
受け取って着てくれる
くらいには
心を許して
くれているはず:
ええっ
では旦那さまは
軍の偉い方に
まで...
そうなんですよ
隊長の名を聞くだけで
震え上がる将官も...
いったい
何をしたのか
知りたくもない
ですけどね~
隊長が
殺気立った時って
もう般若にしか
見えませんもん
隊長に面と向かって
意見できる人間も
俺とか直属の上官の
大海渡少将閣下
くらいしかいなくて
五道...
お前の口は
本当によく回るな
本当のことじゃ
ないですか~
五道!!
ひぃっ
出たー
五道のやつめ
ずいぶん好き勝手
言って帰ったな
ずいぶんと
明日はしごくか
静かだな
...て
...や
...!!
わずかに異能が
使われた気配がある
...めて
美世
起きろ
おね...
します
...や
お...がい
美世!
しっかりしろ
大丈夫か
だんな
さま?
そうだ
ずいぶん
うなされていた
気分はどうだ?
え
えっと...
悪い夢でも
見ていたのか?
夢...
だ旦那
構わない
さまっ
嫌な夢
だったの
だろう
気が済むまで
泣くといい
前にも
言ったはずだぞ
思ったことは
素直に言い合える
仲になりたいと
そうして
支えあうのが
夫婦だろう?
もっと私に頼っていい
すがってもいい
彼女の抱える
心の傷はきっと
想像するより
ずっと深く大きい
自分の感情を
さらけ出して
甘えてもいいんだ
だが
そして
簡単には
消えない傷
もう解放されてほしい
だから
いくらでも泣け
そして
涙が枯れたら
また笑ってほしい
この家に
来てから
同じ夢を
お母さまの形見を
目の前で壊され
毎晩
燃やされて
しまう夢を
やめてほしい
見るのです
返してほしい
という私を
笑って...
つらかったな
旦那さま
わたし
本当にずっと
当たり前だ
おそらく
その夢に近いことが
行われたのだろう
このまま
あなたのそばに
いても
いいのですか
ここにいろ
ああ
それでもだ
死ぬまで
これもついこの間
言ったはずだ
いなくなられては困る
わたしが
どんなに無能で
役立たずでも
ですか?
まあ...
私にとってお前は
無能でも
役立たずでもないが
でも...
わたし
やはり旦那さまに
そのように言って
いただける人間では
ないと思います
できればずっと
旦那さまのおそばで
旦那さまのお役に
立ちたいのです
だからわたし..
もっと頑張ります
できるだけ長く
旦那さまのお役に
立てるように
これが
今の美世の
ずっと自分を
否定され続けてきた
彼女の
精一杯の前向きな
言葉なのだろう
ああ
そうしてくれ
それにしても
あの異能の気配は
なんだったんだ...?
悪夢の原因が
異能であるならば
その異能の持ち主は
美世の母の実家-
薄刃家の者以外
考えられない
...の幸せと
辰石のおじさま
どうしましたの?
急に用事なんて
・13「嫉妬と焦燥」
実は先ほど
信じがたい
ものを見た
原作・顎木あくみ(徳上見】文庫
第〈KADOKAWA刊)I
10歳に現れるこの「漫画・高坂りと」キャラクタ一原案・月岡穂
香耶
君は
知りたいのでは
ないかと思う
美世...
君の姉の
今をー
さあ
おねえさまを
追ってちょうだい!
香耶
あなたは決してあれと
同じになっては
いけないのよ
おかあさま
どうして
おねえさまは...
あれは斎森の
娘などではないの
ただの
無能なのよ
香耶なに
何をしているの!
あなたは
少しの失敗も
してはいけないの!
あれのように
なっては
いけないのよ!
私は上
異母姉は下
それ以上で
なければならない
異母姉が
持っているものは
私も持って
いなければならない
嘘...
嘘よ
あれが
おねえさまな
わけが...
あの方は...
屋敷ですれ違った
あの美しい人...
あの方が
久堂清霞さま
だったのー
仲睦まじい恋人
みたいじゃない
けれど
どういうことなの
あの二人
まるで
どうして..
どうして!?
おかしい
何もかも
おかしい
自分の方が
美しい
おねえさまが
どんなに外見を
取り繕ったところで
中身は空っぽ
いっ
優秀だ
決して落ち目の
斎森家の女主人で
満足して終わって
いい器ではない
香耶
あなたは決して
あれと同じになっては
いけないのよ
お父さま!
お父さま
久堂家の嫁に
ふさわしいのは
私だわ
おねえさまと
取り替えて
ください!
突然何を
言い出すんだ
だめだ
どうして!?
どうしても
何もない
美世のことは
忘れなさい
そういうことを
聞いているのでは
ありません!!
...香耶
時間を持て余して
いるのであれば
幸次君に会って
きたらどうだ
お父さま!
久堂家に嫁ぐのに
ふさわしいのは
私の方でしょう?
こんなことは
初めてだわ
いつもなら
私の言うことは
必ず聞いて
くれるのに...
香耶?
幸次さん
ねえ
幸次さん
幸次さんは
おねえさまと
婚約したくないの
は?
だから
おねえさまと
婚約できたら
幸次さんは
うれしい
でしょう?
意味が
わからない
おねえさまより
私のほうが
久堂さまの妻に
ふさわしいのは
明らかなのだから
立場を取り替えたら
どうかしらって
そのほうが
絶対に良いもの
どうして?
幸次さんは
私よりも
おねえさまが
好きでしょう?
協力して
くれる
でしょう?
馬鹿を
言わないで
くれるかな
お義父さんは
許可したの?
......
家長の許しが
ないなら
無理だ
そういう
問題じゃないよ
幸次さんまで
そうやって私を
邪険にするのね!
香耶!
もういいわ!
お父さまも
幸次さんも
ひといわ
でも
そうだわ
辰石の
おじさまなら
きっと協力して
くださるはず
きっと坊ちゃん
喜ばれますよ
それなら
良いのです
けれど...
昨夜旦那さまは
仕事で屯所に
泊まり込みされた
きっと
お疲れだろう
忙しいと
一食くらいは平気で
抜くこともあるらしい
少しでも力に
なれればと
差し入れを持って
行くことにしたの
だけれど...
こんにちは
失礼ですが
身元と用件を教えて
いただけますか
わたし
ここに勤めている
久堂清霞の婚約者で
斎森美世と申します
だん...
久堂に差し入れを
渡したいのですが..
婚約者
わわかりました
すぐに確認します
美世
それに
ゆり江
こんなところまで
どうしたんだ
旦那さま
お疲れさま
です
ご迷惑かと
思ったのですが
その
ちゃんとしたお食事を
とられたか
心配になって
差し入れを
持ってきました
そそうか
それは
助かる
旦那さま
恥ずかしがって
いらっしゃるわ
中で少し
歩いて
きたのだろう
休んでいくか?
いえ
わたしは
平気です
ゆり江も
このくらい
まだまだ
せっかく
ですけれど
邪魔をしても
いけませんし
帰りますね
?
美世
お守りは
持っているな?
あはい
ちゃんとここに
隊長ー
今行く
持って
いるなら
いい
大丈夫です
お邪魔してしまって
申し訳ありません
ああ
二人とも
気をつけて
帰ってくれ
美世
送っていきたい
ところだがすまない
お仕事頑張って
ください
はい
ふふ
坊ちゃんたら
...
あら?
どうか
しましたか
旦那さまには
ああ言ったの
ですけど
お守り
お家に置いてきて
しまったみたいで
着物に合わせて
巾着も新調した時
まあまあ大変
入れ替えずに
来てしまったのだわ...
必ず持ち歩くと
約束したのに
わたしったら
本当にためね...
でしたら
美世さま
真っ直ぐ早めに
帰りましょう
...そうですね
あのお守りに
どんな効力が
あるのかは
わからない
けれどあれだけ
持っているか否か
旦那さまが気にして
いらしたのだから
何か意味が
あるはず
それに
あのお守りが
ないと
わたしを守って
くださっている
旦那さまの気配が
一気に薄くなって
しまったようで
落ち着かない...
ここまできたら
あと少しで
着きますね
はい
美世さま!
!?
な何を
何!?
怖い
一体誰がどんな目的で...
旦那さま
.......!
坊ちゃん!
どうした
ゆり江
帰ったのでは
なかったのか
14一それぞれの思惑
美世さまが...
美世さまが...
美世さまが
何があった
げんあんつきおかつきは
廉ノKADOKAWA刊)
【原作・期末あくみ(成土見しょう)
【漫画「漫画高坂りと【キヤラクター原案・月岡月穂】
WACOPFORATON
かどわか
されて...っ
美世が攫われる前
誰かに会ったか?
斎森あるいは
辰石の者に
お守りを持って
いたのでは
なかったのか
あ会っていません
真っ直ぐ帰る
予定でしたから
それが実は..
坊ちゃんと
お別れしてから
持っていなかったことに
気づきまして...
あのお守りは
相手の式から
姿を見られなくする
効果があった
ゆり江が
ちゃんと持ち物を
確認していれば
こんなことには
犯人は式を常日頃から
飛ばしていた相手...
敵地に乗り込み
制圧することは
私ひとりでも可能だ
おそらく辰石だろう
おそらく辰石だろう
隊長~
またお客さん
ですよ
誰だ
だが確証もなく
そんなことをすれば
足をすくわれる...
ほら
辰石幸次...
あなたに頼むのは
筋違いだと
わかっている
でも
お願いします
僕だけじゃ
美世を助けられない
幸次さんまで
私を邪険に
するのね!
もういいわ!
おかしかった
香耶の様子が
父さんと
何を話して:
香耶!
それで後を
つけてみれば...
では
おねえさまが
そうするって
言ったら
ああ
本人の意思であれば
久堂も聞かざるを
えない
君が言えば
美世も折れる
だろう
おねえさまは
おじさまが連れて
きてくださるの?
無論だ
これで
婚約の取り替えが
できるわね
馬鹿なことを!
香耶も
父さんも
何を考えて
いるんだよ!
幸次さん
聞いていたの?
さっきも
言ったじゃない
おねえさまと
私の縁談を
取り替えるの
お父さまの許可は
無理そうだから
おじさまに
相談したの
人様の家に
口を出すなと
以前はあんなに...!
薄刃の血を
手に入れるためだ
仕方あるまい
昔僕が美世を
助けようと
したとき
父さんは何度も
止めたじゃないか
あのときは
下手にかばって
斎森に美世の価値を
悟らせるわけには
いかなかったからな
斎森が価値に気づき
囲い込まぬよう
いずれ手放して
もらわねば
手に入れるのが
面倒になる
美世が孤立して
いたほうが都合が
良かったのだ
幸次
なんだ...
美世を手に
入れるために
わざと傍観ぐ
し続けていたと?
それは
あれほど苦しみ
悲しんで笑うことが
できなくなった
美世の姿を
父さんとて
知らぬはずがない
それをあえて
放置するなんて
人間のすること
ではない
僕は今まで
こんな外道の
言うことを聞いて
いたというのか?
許せない
幸次
無駄だ
やめておけ
あんたの言うことは
もう聞きたくない!
香耶
君は帰りたまえ
ここを片付けたら
すぐにそちらの
屋敷を訪ねる
わかりました
おねえさまのことは
任せてくださいね
これ以上美世を
好きにはさせない!
椅子一脚
浮かせるくらいが
やっとのお前に
ここまでの力が
あったのは意外だった
なんでっ
馬鹿者が
異能者として
ろくに訓練も
していないお前が
勝てるはずあるまい
偉そうに
美世を守る
なんて言って
誰かおらんか
くそぉ...
こんな
これを部屋に
閉じ込めておけ
今ごろ美世は
すでに捕まって
斎森家に
送られて
しまっただろう
父さんひとり
足止めできなかった
そもそも最初から
幸次さんは
優しいですから..
僕がとっちつかずで
いたのがいけなかった
僕はゆうじゃ
優柔不断で
臆病で
意気地なしだ
もっと早く
選ぶべきだった
違う!
美世を
守りたいなら
相応の努力を
こんな状況に
なるまで何も
してこなかった
馬鹿だ...
すべきだったのに
僕は
なら
あきらめるかい?
一志...兄さん
あきらめない
僕は美世を
助けに行く
拘束が...
くだらないことを
気にしている
暇があるなら
どこで
そんな技術を...
早く行ったほうが
良いと思うけど?
もうすぐ着く
あなたはずいぶん
落ち着いて
いるんですね
そう焦っても
状況は変わらん
辰石幸次
婚約者が
どんな目に
あっているかも
わからないのに
この男は
本当に美世を
楽しているのだろうが
確かに
久堂清霞は完璧だ
欠点らしい欠点が見当たらない
欠点らしい欠点が
見当たらない
もしこの男が美世を
見捨てたらー
僕など同じ男としても
異能者としても
足下にも及ばず
きっとどんなに
努力をしても
追いつけないだろう
けれど
この男に美世を
任せることが
本当に良いことなのか...
彼女の
深い悲しみや孤独
心の傷...
この男は知って
いるのだろうか
こうして
助けに行くのも
何か別の思惑が
あるのでは...?
ずっと
考えていた
それが
最も確実に
身勝手な
自覚はある
美世に安らぎを
与えられると
美せを殺して
けれどもう
それじか方法が
思いつかない
その時がきたら
自分も死ぬしかない
着いたぞ
どうするんです?
普通に声をかけても
開けてもらえるかどうか...
問題ない
この記事に変わりましょう。また、ですが、私の家庭教室のスタジーなどは、
...
行くぞ
あ...あ
はい
この人は
怒っている?