としの

幸せを

【作顎木ぁくみ

【最高坂りと

警月岡月穂

はいはい

幸せと

ははは

霍顎木ぁくみ

【葉高坂りと】

そうそー以来、月岡月穂、

第十五話「譲れないもの」

第十六話、初めての抵抗

第十七話「婚約」

第十八話、旦那さまとの新しい生活ー

第十九話、お義姉さんと呼んで!

第二十話、謁見、

セキ下ろし小説

目次

第十五話「譲れないもの」

わたし

ゆり江さんは

大丈夫かしら

逃れ去られて...

怪我を

していないと

いいけれど...

旦那さまにも

迷惑をかけて

しまった

あれほど

言われていたのに

お守りを忘れて

しまうなんて...

お守りを忘れてしまうなんて...

申し訳ない

ここは..

斎森家の蔵

この瞬間にも

継母や香耶が

やって来たら...

二人に

会うのが怖い

安心できる

居場所を得

少しは強くなれた

と思う反面

甘やかされて

忍耐が脆く

なってしまった

昔は

耐えられたけれど

今は..

あら

おねえさま

お目覚め

だったの?

なかなか

お目覚めに

ならないみたい

だったから

ついに

心の臓が止まって

しまわれたのかと

思ってしまったわ

なぜ...

いい気味ね

おねえさまに

そんな綺麗な着物は

分不相応よ

そうして

薄汚れているのが

お似合いだわ

こんな...

カイ村に...

それはわたしも

感じていたこと...

あなたの

せいよ!

あなたのせいで

わたくしの人生は

またおかしくなったわ!!

い...っ

本当に忌々しい

昔のように

この苦痛の嵐が

過ぎ去るのを

心を殺して

耐えなきゃ...

あなたは大人しく

使用人の真似事でも

しているべきなのよ!

ただじっと...

久家家なんかに...

行くから生意気に

なって...!

あなた

久堂さまとの婚約を

破棄しなさい

そうよ!

あなたはどこぞで

野垂れ死んでいれば

よかったのよ

おねえさまに

久堂さまの妻は

荷が重すぎるでしょう

私と代わって

くださる?

この身の程

知らずがっ

いいこと?

あなたから久堂さまに

縁談のお断りをするのよ

安心なさって

おねえさま

こんな高価な着物を

強請れるのだから

簡単でしょう

私がそのあとに

久堂さまと

婚約するから

そうしたら

おねえさまには

幸次さんを

返してあげるわ

ここで

ここで

諦めてしまえば

楽になれる

それが

いつも通り

とても

簡単なこと

奪われても文句を言わない

奪われても

文句を言わない

早く嵐が去るようにと

早く嵐が

去るようにと

そうやって

生き残ってきた

何かに

執着しないほうが

楽だった

昔のようにさっさと諦めて

昔のように

さっさと諦めて

「婚約者の

座は譲る」と

告げれば

きっと

解放される

そうしてまた

心を固く覆って

一人で

なんでもやって

使用人のように

生きていけばいい

お母さまの

形見だって

奪われても

諦めた

でも...

...です

あら

なあに?

いや...

です

あの人の

隣にいるのは

わたしで

ありたい

誰にも

譲りたくない

婚約は

破棄しません

口ごたえ

しないで

ちょうだい!

おねえさまは

それをずっと

望んでいたでしょう

わたしは...

おねえさま

どうしてしまったの?

この斎森のおうちも

幸次さんも手に入るのよ?

わたしが

旦那さまのー

久堂清霞の

婚約者です

絶対に

譲れません!

今の音は

なんだ

旦那さま!

門が雷で...

久堂殿...っ!

これは

いったい

美世はどこだ

こいもりどの

斎森殿

辰石め...

巻き込みおって...

ひとつ

!まさか...

そのために...?

聞いておきたい

美世を私に

嫁がせようと

したのは

美世を

守る行為にも

思えたが

貴殿は美世に

父としての愛情を

お持ちなのか

情...

だと?

無能に情など

あ...ッ

あるわけなかろう

それでも何かに

利用できるかと思い

生かしておいたが

このような目に

遭わされるなど...

薄刃の血は

どれほどの人間を

狂わせれば

気が済むのか...

あれは

疫病神以外の

何ものでもない

もっと早くに

始末をして

おくべきだった!

なっ!

そうか

やはり

それが本心か

ならば

もう遠慮は

いらんな

お帰り

願おうか

久堂殿

私の婚約者を

連れ去ったのは

辰石「貴様か

聞いてどうする

父さん!

美世は

どこにいる

美世はもう

あなたには会わぬ

戻らぬと言っている

本人の意思は

本人に聞いて

確かめる

言わないなら

そこをどけ

無理にでも

通るつもりならば

こちらとて

黙ってはいられん

私邸に不法侵入したと

通報してもよいのだぞ

したければ

すればいい

お断りする

通らせん!

力ずくでも

押し通る

ふ二人

がかりの

結界が...

ひっ

戦いにすら

ならない

まさに

同じ異能者として

羨望する気さえ

失われる

これほどまでの差が

あるというのか...

涼しい顔で

これほどの威圧感を放つ

その姿は...

冷酷無慈悲の

魔神のようだ

辰石幸次

美世の

いそうな場所に

心当たりは

あるか

斎森の家で

人を閉じ

込めるのに

適した場所:

座敷牢でもあれば...

座敷牢でも

あれば...

裏庭の蔵

危ない!

屋敷の内部で

火を出すとは

結界...

どこまで

愚かになれば

気が済む

屋敷に火が..

なんという

ことを

美世は...

渡さん!

感電して

気絶しただけだ

父さんは

僕がし

焼け死んでも

かまわな

かったんだ...

行きましょう

蔵は

こっちです!

わたしが

旦那さまの

久堂清霞の

婚約者です

16「初めての抵抗」

こんにちは。ApdCallestarastロッドADOKAWACO

十六十六五条第28条第三条第二第三項第三第2

幸せ?

出来損ない

がっ

口ごたえ

しないで

ちょうだい!

絶対に...

いや

です..

今の音は...

見てきなさい

まさか

ははいっ

お前が

何かしたの?

お母さま

そんな

ことより

そうね

言いなさい

久堂家との

縁談をお断り

しますと

頷いては

いけない

絶対に

これだけは

絶対に

で...す

いい加減に

なさい!

立場を

わきまえなさいと

言っているのよ!

ああ

ああ

わたし

わたし

死ぬのかしら..

前は

ずっと

そうやって

苦しくて

悲しくて

だまじだまし

生きるのにも

疲れて

ずっとそうやって

命が尽きるのを

心待ちにしていた

自分の

居場所なんて

どこにもないと

思っていたから

でも

今は

まだ

死にたくない

わたしの

居場所はあった

あの人のそばにー

ぜったい...に

言いませ

旦那さま

謝ることさえ

しません

あなたの

おそばを

わたしは決して

屈じません

旦那

離れたく

ないのです

ま...

美世!

ああ

番聞きたかった

ずっと

ずっと

待っていた

久堂

さま

美世

本当に

来てくれた

自分などのために

わざわざ

こんなところまでさ

旦那さまは

とても

お優しいから

助けに

来てくださると

信じていた

この人は

そういう人!

だん

さま...

もう

大丈夫だ

旦那さま...

こんな辛そうな

お顔をされて::

わたしの顔...

そんなにひどい

有様なのかしら

見苦しいものを

見せてしまって

申し訳ない

けれどこれは

初めて理不尽に

屈しなかった

誇るべき傷

わたしが初めて

意思を貫き通した

その証

このように

なるまで

何をした

無抵抗の人間に

これほどの傷を

食わせてまで

何を

させようとした

それは

私は悪く

ありません

私はただ

間違いを正そうと

思っただけですわ

間違い?

そうよ

だっておねえさまが

久堂家に受け入れて

もらえるなんて

絶対に

おかしいもの

おねえさまは

何も出来ないわ

見鬼の才は

ないし

頭も良くないし

外見だって..

そんな人が何故

私よりも上にいくの?

.....

おかしいわ

何かの

間違いでしょう

お父さまも

お母さまも

私を一番だと

言うわ

だったら私が

久堂家当主の

妻になって

然るべきだわ

おねえさまと

大違いだって

辰石のおじさまも

そう言ってくれたもの

この娘は

的外れな私怨で

美世を憎んでいる

わけではないのだな

自分に当然

与えられるはずの権利が

あたしはこういう

美世に与えられたことを

間違い」と言って

いるのか...

親に

歪んだ認識を

植え付けられて

育ったのだろう

同情はする

だがー

おねえさまより

私のほうがお役に

立てますわ

すべてにおいて

私のほうが優れてー

黙れ

これ以上

お前の話に

付き合うのは

時間の無駄だ

どうしてわかって

くださらないの

ひどいわ!

奥さま

火事です!

香耶お嬢さま!

火が

こちらまで...っ

香耶

ここはまずい

香乃子さんも

外へ避難しないと

まさか...

そんな...

香耶!?

待ってください

久堂さま

わたくしの

家が...!

私の話を...

お前の戯言は

もうたくさんだ

顔だの

才能だの

ぎゃ

どうでもいい

とけ

僕たちも早く

避難しよう

香耶

嫌よ!

どうして

こうなるの!

私は間違って

いないわ!

こんなことに

なったのも

すべては

あの出来損ないの

せいだ!

離して!

すべて!!

いやよ

もう放っておいて

うるさい!

・っ

幸次さんは

おねえさまが

好きなのでしょう!?

何よ

私のことなんて

さっさと

構わずに

逃げれば

いいじゃない!

ああそうさ!

僕が一等

大事なのは

美世だよ

当たり前じゃ

ないか

でもね

君なんかでも

死んだら美世は

悲しむんだ

また傷を

増やすことに

なるんだ

君たち

家族のせいで!

傷つけられて

泣きそうな美世を

僕はもう二度と

見たくない

行こう

【藤井・顎木あくみ後半男レ支度/KABOXAXANH/

『17』「婚約」

【愛喜・高坂りと】

【キャラクター原案・月明月郡】

お母さま

お母さま

わたし

美世

......

お母さま

わたし

まだ

そちらへは

行けません

また

会いましょう

お母さま

なんと

おっしゃって..

ここは..

わたし:生きてる...

戻って

きたんだわ

旦那さまの

家にー

ほら

はい

熱くは

ないか?

旦那さまに

面倒を見て

いただくのは

嬉しいけれど

恐れ多いし

恥ずかしい...

顔色が

優れないな

気分が

悪いのか?

いえっ

これは

だめだ

違います

あの

旦那さま

あの旦那さま

わたしもう

動けますので..

打ち身が酷いから

数日は安静にしていると

医者にも言われただろう。

そうですよ!

家事ならゆり江に

お任せください!!

ゆり江さん

美世さま

美世さま

ゆり江さんにも

とても心配を

掛けてしまった..

さあさ

それとも

坊ちゃんがして

差し上げますか?

いいや...

任せる

お食事が

終わりましたら

お体を

美世さま

拭きましょうね

斎森の家は

全焼

ですか...

ああ

誰も亡くならなくて

よかったです

お前の

両親だが...

地方の別邸に

移るようだ

そこでは相当

貧しい暮らしに

なるだろう

これを機に斎森は

業界から退くことに

なるかもしれない

それは

香耶も?

いや

あれは一人

特別厳格で有名な家に

奉公に出される

見鬼の才はあるが

拙い術を使える以外に

異能はないので

外部に預けても

危険ではないだろう

そうですか

皆行き先が

あるんですね

まだ若いからな

......

お前は

あのような

家族でも...

少しは揉まれて

世間を知ったほうが

いいだろう

いや

なんでもない

それと

辰石家だが...

辰石実の所業は

公になっていない

法的に裁かれる

ことはないが

責任をとって

当主の座は

長男の辰石一志に

譲った

一志さん...

幸次さんが

話していたことが

あったけれど..

兄さんは遊び

歩いてばかり

いるんだ

次期当主が

務まるか

心配だよ

新当主は久堂の

監督のもとで

行動制限を受け入れた

これで事実上

辰石家は久堂家の

麾下になる

以上だ

旦那さま

斎森の家のこと

ご迷惑を

お掛けしました

いや...

あの

旦那さま

お前が責任を

負うことではない

一つお願いが

あるのですが..

無理を言って

すみません

連れてきていただいて

ありがとうございます

お前を二度と

斎森の屋敷に

来させる気は

なかったが

...ああ

少し

ぬかるんで

いるな

足元

気を付けろ

はい

何もかも

なくなって

しまった

だい

辛い思い出が

多いけれど

幸せな思い出も

少しは残っていた

あの場所か...

これが?

はい

母の嫁入りの時に

植えられた桜です

わたしが

物心つく頃には

枯れて

切られてしまい

ましたが

最後に

見ておきたくて..

どうかしたか?

いえ...

今鋭い痛みを

感じた気が

したけれど...

まだ身体が

本調子では

ないのかしら?

はい

もういいのか

明日には

この屋敷の

後片付けが始まる

これでもう

お母さまの

いた証は

きっと

お母さまは

最後だからと

この場所に

呼んで

くれたのだわ

わたしの

身一つ

わたしを

わたしを

前へ

進ませる

ために...

過去を捨てる

つもりはないけれど

今日ここで

今日!

ここで

区切って進む

過去のわずかな

幸福の記憶に

すがらずとも

新しく幸せを

得るすべを

わたしはとっくに

持っているのだから

...幸次さん

美世

その

そう

ですね

身体は平気?

久しぶり..

はい

おかげさまで

よかった

...少しはな

話せないかな

僕もこの街に

いられるのは

あとわずかだし

これが最後の

機会だと思うから

私は先に

車に戻っている

ありがとう

ございます

旦那さま

懐かしいな

昔はよく遊ぶ合間に

こうやって二人で

休んでたね

はい

お母さまを亡くし

家にも居場所を

なくしたわたしが

なんとかやって

こられたのも

先日は助けに来て

くださって

ありがとう

ございました

幸次さんとの

時間があったから

僕は何も

出来なかったね

この間も

何も

出来なかったんだ

情けないことに

久堂さんを

呼びに行くことしか

出来なくて

それでも

いえ

幸次さんのおかげで

早くわたしを

助けに行けたと

旦那さまが

仰っていました

...そうなのかな

なら

よかったのかな

すごく悔し

かったんだ

何も出来なくて

僕は異能を

持っているけれど

実用に足る

ものではないし

君を助けると

息巻いても

とりあえず

血を繋げば

それでいいって

今までは

諦めていた

結局何もして

いなかった

代わりに

怒ってくれる

幸次さんの存在は

確かに

心の支えだった。

幸次さんが

いなかったら...

それでも

誰も味方が

いなかったら

今頃は

もう

わたしは

この場に

いなかった

だから

自分を

鍛え直す

ことにした

これから

旧都に行って

異能者としての

修業をする

つもりなんだ

旧都にはまだまだ

有力な異能者の一族や

異能にまつわる事物が

多く残っているらしくてね

修業には

向いているんだ

あでも

香耶との婚約は

白紙にならない

みたいだ

斎森家の

次期当主の

立場もそのまま...

でも

僕の成長次第で

斎森家の再興も

ありうる

って久堂さんが

仰ってくれてね

精一杯

努力するよ

君のことは...

久堂さんが守って

くれると思うけど

強くなって

僕も

守りたいものを

守れるようになる

あとさ...

僕が

斎森の家に

呼ばれた

あの日

僕が

言いかけた

こと...

覚えてる?

僕は

君を

よく

覚えている

けれど

幸次さんが

望む答えは

きっと...

いえ

申し訳

ありません

忘れて

しまいました

忘れた?

はい

なんだった

でしょう?

いやいいんだ

大したことじゃ

ないから

そっか

えっかそっか

そろそろ

行こうか

あまり長く

君と話していると

久堂さんに

怒られそうだしね

はい

晴れてきたね

幸次さん

ずっと

味方でいてくれて

ありがとう

旦那さま

ただいま

戻りました

有意義な時間を

過ごせたようだな

お待たせして

申し訳ありません

はい

僕は幼い頃から

美世のことが

好きだった

おとなしくで優しくて

おとなしくて

優しくて

家族のひどい仕打ちに

耐える強さもあって

そんな彼女の

輝きに惹かれた

彼女の弱々しい

泣き出しそうな顔を

目にすると

自分が守って

あげなければと

強く感じたんだ

でも

彼女を

守るのは

僕じゃない

幸次さん

ありがとう

ございました

いつか

また

うん

また会おう

どうか

どうか

幸せに

キャンセルの

旦那さまと

わたしの

正式な婚約は

書面に名前を

書くだけの

ごく簡単な

手続きで

終わった

ごく簡単な手続きで終わった

あの

ああ

あの人たちは

隠居生活をしているから

放っておいていい

もう縁談を

持ってくるなとは

連絡したが...

本当に

旦那さまのご両親に

ご挨拶をしなくても

いいのでしょうか...

それに

久堂家の現当主は

私だからな

特に許可も

いらない

そういえば

この縁談

ああ

旦那さまの

お父さまから

持ち込まれたもの

なのですよね

先代はいつもどこかで

縁談を仕入れてくる

年頃で条件の合いそうな

令嬢の噂を聞きつけると

伝手を駆使して話を

持ってくるらしいのだが..

おそらく

斎森家においては

そう

お前の妹を

紹介するつもり

だったのだろう

だが斎森真一が

よほど手放したく

なかったと見え

お前を送って

きたのだと思う

ですか

私はまえ

お前が来てくれて

よかったと思っている

美世

はい

でも旦那さまの

お父さまが香耶と

思っていたのでしたら、

わたしとお会いした時

がっかりされない

でしょうか

そうなったら

問答無用で

消し炭に

してやる

だコだコ

旦那さまっ

今頃はもう

列車の中か

今日は

お父さま継母

それに香耶が

帝都を離れる日

見送りも

できたけれど

行かなかった

もう

何も

話すことは

ない

私はいい

余計なことを

したな

旦那さま

あのような

大事になったのは

私の責任もある

旦那さまが

わたしの家族に

謝罪を要求されたこと...

それは

余計だったとは

思わない

斎森家を出た時点で縁は切れたものと考えていたけれど

斎森家を出た時点で

縁は切れたものと

考えていたけれど

あちらは

そうではなかった

のだから

わたしにも

過去を断ち切る

ための行動が

旦那さまが

わたしのために

してくださった

ことは

絶対に不可欠

だったから...

余計では

ありません

嬉しいです

自分のことを

心配してくれる人が

いるのは何より

幸せなこと..

旦那さまや

ゆり江さん

そして

あの家での出来事が

思い出させてくれた

とても

美世

はい

これから先ー

私も軍人の

端くれだ

おそらくお前に

苦労をかけることも

あるだろう

厳しい戦場に

赴かねばならない

こともある

その上

性格も...

自分で言うのも

どうかと思うが

つまらんだろう

お前と

一緒になりたい

だが

私は

こんな

面倒な男と

結婚して

もらえるだろうか

面倒なんて

思いません

むしろ

わたしのほうが

ずっと面倒です

旦那さまこそ

もちろん

しない

後悔

しませんか?

それなら

よかったです

私はじゃん

自分でお前を

選んだのだから

不束者ですが

よろしく

お願いします

こちらこそ

よろしく

結婚を誓って...。

次回から、二人の新たな生活が始まります!

キャンペーンの

私もこんなとき、

旦那さまと

わたしは

正式に婚約した

わたしは

これからの人生

この人と

共に歩んでいくー

ここから始める新し

新しい

新しい季節が

に届けるのは...。

ははは

第三話「日本でさまとの

新しい生活

高跡利用シンテレンストーリーションは、

新章開幕'

CAkuriAgitcoiLicensedbyKADODKAWACORPORA

原作:顎木くみ

(富士見L文庫/KADOKAWA刊

漫画:高坂りと

キャラクター原案・月岡戸穂

今日も暑く

なりそう

旦那さま

いけない

木刀を振る姿も

美しい...

惚けている

場合ではないわ

旦那さま

どうぞ

ああ

ありがとう

美世

...

顔ヵ赤い

大丈夫か?

熱は...

なさそうか

はい

平気です

そうか?

水を浴びてくる

体調が

悪くなったら

ちゃんと休め

ははい

ふぁ...

まだ旦那さまに

近づくと鼓動が

うるさくなる...

いい加減

慣れなくては

ごめんください

ははいっ

お待たせ

しました

初めまして

あなたが

美世ちゃん?

私は

久堂葉月

初めまし...

て...

清霞の

姉です

旦那さまの

ご家族!?

女性にしては

すらりと高い背

緩く波打つ

茶色の髪

日焼け知らずの

真っ白な手足

そして柔らかな

雰囲気だけれど

ところどころ

旦那さまに似た

顔立ち

モダンガアル

だわ

ほわ..

お久しぶりです

葉月さま

まあゆり江!

本当に

最後に会ったのは

お久しぶりね

何年前だったかしら?

元気そうで

何よりだわ

ありがとう

ございます

まったく..

相変わらず

騒々しいな

姉さん

あら清霞

あなた

お仕事は?

もう

やあねえ

非番だ

いつまで経っても

無愛想なんだから

せっかく

こんな

可愛らしい

かわ...

姉さんませが困っている

婚約者が

出来たって

いうのに

あら

大きな

お世話だ

そうだわ

美世ちゃん

美世ちゃんって

呼んでも

よかったかしら?

ははい

私清霞に

頼まれて

あなたの先生を

引き受けたの

だけど

......

あ!

話は聞いてる?

淑女としての教育を

受け直したいだと?

はい

だめ

でしょうか

旦那さまの

妻という立場

一番の役割は

この家を守り

旦那さまを

支えること

けれど

それだけでは

足りない

名家たる

久堂家の当主夫人

ともなれば

家同士の交流も

欠かせない

お茶やお花

お琴に礼儀作法

社交のための

ダンスに

話術知識...

ご令嬢が

当然身につけている

それらが必要とされる

斎森家で

令嬢としての

教育を受けていた

時期もある

けれど幼少の頃

ほんの少し

基本を学んだきり

旦那さまは

何も仰らない

けれど

妻になる

者として

それでいい

わけがない

いつまでも

甘やかしてもらって

いるわけにはいかない

だめということは

ないが...

どうしてもか?

旦那さまは

おそらく

わたしの負担を

考えてくださって

いる...

わたしは人付き合いが

得意とは言えないし

要領もよくない

想像以上の

負担となって

日常生活に

支障をきたす

かもしれない

でも

軽い気持ちで

言ったわけではない

はい

どうしても

先生は自分で

探しますし

ご迷惑はおかけ

しませんので...

お願いします

......

相変わらず

頭を下げて

ばかりだな

お前は

それに...

顔色が

あまりよくない

今でも十分

無理をしている

のではないか?

無理はして

いません!

わたしは

元気です

今度は

熱でもあるのか

というくらいの

顔色になったな

これは

その

あの

旦那さま...

からかわないで

ください...

すまない

まあいいだろう

連絡して

ここへ来させよう

遠慮ならば

不要だ

そんな目で

見るな

教師が出来る人間に

心当たりがある

えっ

来させるって...

暇人を

有効利用するだけ

だからな

という話

だったけれど

旦那さまのご家族が

いらっしゃるなんて

まさか..

どうせ清霞は

ろくに

話もしていないの

でしょう?

大丈夫よ

美世ちゃん

どうせとは

なんだ

私が責任を

持って

あなたを

立派な

貴婦人にして

あげるから

えまわしい

厭わしい

憎らしい

憎らしい

ほんに

日障りなことよ

陛下

よろしい

でしょうか

よい

何用か

そろそろ

例の許可を

賜りたく存じます

これ以上彼女が

苦しまねば

ならない理由が

ありません

彼女が

哀れです

我々に

悲願成就の機会を

お与えください

口が過ぎるな

言葉を慎め

失礼

いたしました

だが近く

状況は動く

行動を

許可しよう

時機を

見誤らぬことだ

「かしこまりました

では行動を開始

させていただきます

もう

何も視えぬ...

お呼びでしょうか

陛下

オクツキの霊どもを

里《誘導させよ

人の生死は

問わぬ

がしこまりました

必ずや

あの実能は

潰すのだ

日本で購入することができましたのではないのですが、

はぁああくみちゃんはちょっと食べるべくないのですが、日本語版のとーーやマランター最終、再度用用が

195「お義姉さんと呼んで

...

美世ちゃんは

淑女としての

お勉強を

したいのよね?

はい

私は女学校を

卒業しているし

幼い頃から

たくさん習い事も

していたから

基本くらいなら

教えてあげられるわ

...でも

嫌じゃない

かしら?

あの

どうして

私は一度結婚に天文

失敗している身よ

それに小姑なんて

煩わしいでしょう?

そういえば久堂と

名乗ってらしたわ

私は

久堂葉月

わたし

そのような

ことは...

気にしません

そう?

嫌じゃない?

小姑のことも

もしかして嫁ぎ先で

何かあったのかも

しれない

無神経だった

かしら..

はい

よかった!

ああの

もう

なんていい子

なのかしら!

清霞のことだから

話していないと思って

心配していたのよ

清霞

この子

持ち帰っても

いい?

駄目だ

けちねえ

お持ち帰りして

みっちりお勉強

した方が

美世ちゃんの

力になるかも

しれないのに

...駄目だ

そうよね

私が美世ちゃんを

連れて行って

しまったら

あなたが寂しく

なってしまうものね

姉さん...

あら

本当のこと

でしょう?

旦那さまは

いつもと変わらず

優しい

でも..

今日初めて

会ったばかりなのに

菜月さまも優しい

お二人の親し気な

やりとりを見ていると

なぜかしら...?

なんだか

寂しいような

気持ちになる...

美世

どうかしたか?

ななんでも

ありません

そうか?

体調が悪いならー

いえ

平気です

美世ちゃん

無理は駄目よ?

近頃旦那さまは

よく体調を...ここで

心配してくださる

こんなに優しく

していただいて

いるのだから

あの

わたしも

頑張らないと

本当に

大丈夫ですので

そうか

それでね

やっぱり

ちょっとした目標は

必要だと思うの

目標

ですか?

そう

目標があれば

それに向けて

頑張れるでしょう?

漠然とやっても

なかなか上手く

いかないものよ

確かに

そうですね...

二ヶ月後に

ちょうどいい

パーティーが

私も清霞も

あるの

招待されて

いるから

一緒に参加して

みましょう

えっ

パーティーになんて

参加したことがないわ

礼儀作法さえあやふやなのに

礼儀作法さえ

あやふやなのに

たった

一ヶ月で...?

すみ...

大丈夫

パーティーと

いっても気安い

親睦会みたいな

ものよ

主催者とは

遠慮もいらない

仲だし

やってみれば

いいんじゃないか

いきなりドレスで

ダンスなんて

言わないから

ですが...

いくら勉強しても

実際に出来なければ

意味がないだろう。

旦那さま...

旦那さまの

おっしゃる

とおりだわ

わたしは

わたしは

変わりたい

わかりました

パーティーに

出させてください

とりあえず

今日は

挨拶だけね

よかったら

数本読んで

ほとんど

おいてね

使っていないから

綺麗よ

葉月さま

葉月さまが

女学校時代に

使ってらした

ものかしら

たくさん教本を

貸してくださったわ

美世はあまり気に

していないようだが

実際に顔色がよくない。

原因は夜あまり

眠れていないせいだろう

本当は

勉強などさせず

休ませるべき

なのだろうが

あれほどにも

うれしそうな顔を

されては...な

しばらく

様子を見るか:

今夜もか..

美世が初めて

この家に来た時から

兆候はあった

最初は淡すぎて

確信を持てずに

いたが...

だがもはや

間違いない

これは

異能の気配

いや

...やめ

て..

前に比べて

異能の気配が

より濃くなっている

あの時は異能が

使われた気配だと

思ったが...

これは

美世自身の

異能の力なのか

あるいは

薄刃家の者の

仕業なのか

薄刃の異能に

ついては

ほとんどが

知られていない

だが

今の時点では

判断が付かない...

美世

大丈夫だ

もう

大丈夫だ

手を握っていると

次第に

落ち着いていく

今は

これくらいしか

してやれる

ことはない:

美世...

クトクジの

また

毎晩...

悪夢を見た...

毎晩...

この家に来た頃は

斎森家での辛くて

苦しい記憶が多かった

でも最近は

それだけではない

知らない人たちに

怒鳴られたり

貶されたり

恐ろしい化け物に追いかけられたり

恐ろしい化け物に

追いかけられたり

ただの夢よ

暗くて狭い場所に

閉じ込められたり

旦那さまや

ゆり江さんが

夢に出てくる

時もある

人が死んだり..

人が死んだり:

でも

そんな時は

特に辛い!!

悪夢を見るのが

怖くて

眠るのを

ためらってじまう

旦那さまの

おかげで

二時は調子が

よかったのに

また下り坂...

でも

おかげで

寝不足だわ

申し訳ない..

旦那さまに

これ以上心配は

かけられない

それに

やるべきことも

たくさんある

倒れたり

休んでいる

暇なんて

ないのだから

行ってくる

はい

行ってらっしゃい

ませ

美世さま

夏は体力も

落ちますから

くれぐれも

ご無理は...

だ大丈夫です

ゆり江さんにまで

心配をかけて

じまった

心配してもらえることが

どれだけ幸せか

誰よりもよくわかっている

ふう

少しだるい

くらいだし

けれど

甘えてばかりいられない

我慢していれば

そのうち

平気になるもの

家事なら

染み付いた習慣で

勝手に体が動くから

問題はない...

あの

ゆり江さん

葉月さまが

いらっしゃる前に

少し部屋で予習を

したいのですが..

えええぇ

構いませんよ

あとはゆり江に

お任せくださいな

良妻賢母とは...

妻として

母としての

務めとは

どのように夫と

家を支えて行くか:

旦那さまの妻に

ふさわしくありたい

今は衣食住を

整えるくらいしか

できないけれど

旦那さまを支え

名家である久堂家を

共に守っていける

ようになることが

旦那さまに

ふさわしい妻と

いうことでは

ないかと思う

間違っていない

それでは

使用人でも同じ

...と思うけれど

本当にわたしに

務まるのかしら...

いけない

旦那さまに

お願いして

決めたこと

なのだから

精一杯

がんばらなくては

さてよ

美世ちゃん

早速

始めましょうか

やはり

葉月さまは

些細な所作も

とても綺麗...

パーティーまでに

葉月さまに

近付けた自分の姿を

そう

まったく想像

出来ないわ

そんなに

不安そうな顔を

しないで

今の美世ちゃんの

身のこなしも

十分に綺麗よ

でしょうか

小さい頃は

お稽古ごとを

していたのよね?

基本的な

立ち振る舞いは

身に付いているのかも

確かに実家では

家の名に泥を

塗るようなことに

ならないよう

振る舞いには

気を使って

いましたが

習い事で

教えられたことが

役に立って

いたように

思います

美世ちゃん!

健気すぎるわ!

あの

葉月さま?

そうだわ

あのね

美世ちゃん

私のことは

出来れば

お義姉さんって

呼んで欲しいの

え..

え...と

ははい

おね...

ねえさま

香耶は

もういない

香耶はもういないけれどその言葉で思い出してしまう

けれどその言葉で

思い出してしまう

「わたしをそう呼ぶ。

あの目付きと声色を...

ねえ

美世ちゃん

これからは

私たち

家族だもの

どんどん甘えて

頼って欲しいわ

私ね

あなたともっと

仲良く

なりたいの

清霞も何を

考えているのか

わかりにくいけれど

きっと同じように

思っているはずよ

...家族

ああ...

ああ..

そうだ

あの恐怖の

日々こそが

わたしにとっての

家族の記憶は

親し気な

旦那さまと

...

葉月さまを見て

感じたのは

幸せな

家族への羨望

私ずっと

可愛い妹が

欲しかったのよ

清霞は全然

可愛くないの

だもの

美世ちゃんは可愛いし

いい子だし最高よ

あなたを選んだ

ことだけは清霞を

評価してもいいわね

あれ~隊長

風邪ですか~

だからね

だからね

そんなに

がしこまらないで

気軽に

お義姉さんって

呼んでくれたら

うれしいわ

もちろん

無理にとは

言わないけれど

はい..

菜月さまは

こんなにも

気を使って

くださっている

お義姉さん

そう呼べば

葉月さまは

無邪気に笑って

喜んで

くださるのだろう

おねえ...

しかし、これからの

...

すみません...

今は葉月さんと

お呼びしても..

ええ

あの...

いいでしょうか

いいわよ

ふふ

葉月さまから

一歩前進ね!

ありがとう

ございます...

やはり葉月さま...

やはり葉月さま...

菜月さんは

旦那さまと

同じようにお優しい...

遅くなりました

大海渡少将閣下

いや

私が早く

来すぎた

仕事を

中断させて

悪かったな

清霞

いえ

何か

ありましたか?

大海渡征

20「謁見」

幸せな結

KaDOKAWA判)

げんあん

【漫画:高坂りと】

キャラクター原葉,月岡月穂】

dbykADOKAWACORPORA

原作:顎木あくみ(高士見

帝国陸軍

参謀本部所属

階級は少将

年齢は四十

ぶ数え年

軍人を多く

輩出する大海渡家の

後継ぎとして

将来を期待されて

いる人物だ

対異特務小隊は

帝の直属部隊といって

差し支えないが

軍内部では形式上

彼の指揮下にある

ああ

宮城へ行く前に話して

おきたいことがあってな

墓荒らしが

出た

俗に幽霊と

呼ばれるものの

対処も

我々の仕事だ

...それは

警察の仕事だと

思いますが

だが

墓場は案外

害ある霊は少ない

薬があるとはつまり

供養されていると

いうことだ

そこらの墓では

ないのだ

まさか...

『禁域』に侵入

されたらしい

禁域...

人里離れた

郊外にある

その言葉通り

立ち入りを

禁じられた領域

歴代の帝や

その一族

そして異能者に

関する機密を

宮内省が管轄する

場所のことだ

そして

その中にある

墓地といえばー

まさか

ああ

オクツキ...

それは禁域にある

異能者たちの墓

『オクツキ』が

暴かれたようだ

異能者や

見鬼の才がある者は

総じて霊力が高く

死してなお

一般的な供養では

成仏出来ない

ことがある

オクツキは

そんな異能者たちの

魂を封じておく場所だ

憎しみや苦しみを

抱きながら

戦いの中で死ぬ

異能者は多い

そして

霊になれば

理性は失われる

解き放たれた霊が

禁域の外に出たら

どのような被害が出るか

どれだけの封が

解かれたのです?

宮内省の術者が

大体は

抑えたらしい

だが

だいたい

だそうだ

正確なところは

口が重くてな

ということは

すべては

抑えきれなかった

ということ

でしょう

こちらでも

警戒して

おきます

ああ頼む

話はそれだけだ

すぐに

出られるか?

はいもんだい

問題ありません

そういえば清霞

婚約した

そうだな

はい

いろいろとあって

大変だっただろうに

すまん

それにしても..

それでも

婚約したのだから

よほど気が

合ったようだな

君が女嫌い

というのは

誤情報だった

ようだ

あの騒動は

彼女の落ち度では

ありませんので

なんとでも

お連れさまが

お待ちです

ほう

先に来ていたか

辰石の新当主は

案外真面目だな

これ以上信用を

失うわけには

いきませんから

当然でしょう

辰石家は

罪を犯した

前当主の実に代わり

長男の一志が

新たな当主の

座についた

一志は以前から

曲者として

有名だったが

意外と無難に

後継ぎとしての

役目を果たしている

煩雑な手続きも難なくこなし

煩雑な手続きも

難なくこなし

あの派手な

身なりからして

こんにちは

警察や軍の

事情聴取にも

快く応じている

扱いづらい

人間かと

思っていたが

協力的なのは

意外だった

大海渡さん

久堂さん

...辰石

その格好で

御前に

出る気か?

大昔から

異能者とは

規則に縛られない

ものでしょう?

ぼくは

軍属ではないから

服装も自由で

構わないはずですよ

それは確かに

その通りだが..

重んずるべき

規則はない

異能者は

帝に従う以外に

維新より前

大昔からの

慣習だ

いかに

異能者の存在が

特別であったかの

証左でもある

だがそれでも

最低限の礼儀は

守るべきだと

私は思うが

これがほくの

正装なんだよ

許してやるのは

今回だけだ

久堂さん

あはは

久堂さん

怖いなぁ

次に

やったら

叩き斬る

よいも大ホスピな...

失礼いたします

大海渡

久堂

辰石

参りました

入るがよい

ご無沙汰して

おります

堯人さま

真っ白な肌

真っ赤な唇

感情が

読み取れない

切れ長の目

年頃は私と

変わらぬが

浮世誰え

した姿は

静かな

威圧感がある

彼の方に

姓はない

帝の子の

一人であり

ただ急いひと

堯人という

名だけが

ある

次代の帝位を継ぐ

最有力候補のお方

異能者筆頭の

久堂家であった私は

皇子である莞人さまとは

皇子である

堯人さまとは

幼い頃から近しい付き合いがあった

幼い頃から近しい

付き合いがあった

よく来たの

征清霞

そして辰石の

新たな当主よ

面を上げよ

まあ楽にせい

はっ

失礼いたします

堯人さま

まずは彼に

挨拶をさせて

いただきたく

辰石一志と

申します

新たに辰石家当主を

務めさせていただきます

此度は当家の者が

罪を犯したにも

関わらず

このように

御身に拝謁する

許しを

いただけたこと

心より感謝

申し上げます

帝に代わり我が

辰石家を許す

久堂家の手足となり

名誉と信頼を回復せよ

かしこまりました

清霞も

ご苦労であったな

斎森家のことは

残念であった

私の力が及ばず

申し訳ありません

異能の家系を

失ったことは

この帝国にとって

本来であれば

責任の所在を

追及される

ところだが

おおお

大きな損失なのは

間違いない

これも

決められていた

運命よ

当の斎森家の人々が

すでに罰を

受けているため

有耶無耶になった

寛大なお言葉に

感謝いたします

して

堯人さま

天啓が

おありだったと

うかがいましたが

天啓..

神より

国に降りかかる

厄災をあらかじめ

教えられるという

それは代々の

帝の直系の子孫に

受け継がれる異能

すなわち

未来予知

歴代の帝は

国の危機を知り

それを回避

あるいは

最小限の被害で

済ませてきた

天啓に従い

異形と戦うことは

異能者の任務として

歴史に刻まれている

天啓を

受け継いだのは

次男の莞人さま

のみであった

その差人さまの天啓に基づき

だが

こうして呼び出され

直々にお言葉を

賜るとは余程のこと...

今上帝は

体調が

思わしくない

その莞人さまの

天啓に基づき

我々異能者が

任務に赴く

ようになって

しばらく経つ

うむ

オクツキの封が

破られたことは

知っておろう?

気を付けよ

これは

戦いになる

下手をすれば

命を落とす者も

出よう

命を落とすとは:

いったい誰が

さて

そこまでは

視えなんだ

...承知

いたしました

肝に銘じます

我々が封じねば

死力を尽くして

戦わねばならない

民に大きな被害が

出るという

ことでもある

それと清霞

はっ

おぬし

婚約した

らしいな

ようやく

またその話か

はい

おぬしの婚約者...

これから

いろいろ

大変だろう

だが

おぬしならば

大丈夫であろう

それも天啓

ですか?

莞人さまはすべてを

教えてくださる

わけではない

だが

何か意味は

あるのだろう..

何より

他ならぬ!!

美世のことだ

心に留めて

おきます